東方やる夫スレ纏め＆胡蝶のやる夫
思うがままに生きるのは難しいようです
羽生ルート最終話
- 745 ： ◆HrtGSGllns ： ：2010/08/03(火) 20:34:40 ID:7KZ244lQ
-
～～朝：二階やる夫自室～～
／￣￣￣ ＼
／ ― ―＼ ん・・・朝かお・・・
＿_ ／ （ ー） （○） ＼ ＿＿＿＿
（ | （__人__） | || ７: 00 || |
＼ヽ＼＿＿ ｀ー ´＿＿／ ＼ ￣￣￣￣
＼（￣ ⌒⌒⌒⌒￣⌒ ⌒ ⌒ヽ
ヽ ＼
＼ ＼
＿＿＿_
／ ＼
／ ⌒ ⌒＼
／ （ ●） （ ●）ヽ 羽入、朝だお、そろそろ起きる・・・
l ⌒（__人__）⌒ |
＼ ｀ ⌒´ ／
／ ヽ
. - 746 ： ◆HrtGSGllns ： ：2010/08/03(火) 20:35:02 ID:7KZ244lQ
-
＿＿＿＿
／ ＼
/ ─ ─ ＼
/（ ●） （ ●） ＼ ・・・って羽入？
| （__人__） |
＼ ｀ ⌒´ ／
/ ー‐ ヽ
/ ｀
朝、無人の部屋にやる夫の声が空虚に響く
傍らで眠るはずの女の子は、どこを見渡しても存在しなかった
布団すらない、まるで最初から彼女など存在しなかったかのように・・・
その瞬間訳もわからず部屋を飛び出す
＿＿＿_
―― [] ] ／ 三＼
| ｌ￣ | | . 三 ＼ 三／
|_| 匚. | 三 . （ ○） （○）'
| | 三 u （__人__） |
|_| 三 . ｀ ⌒´ ／ 羽入！
[] [] ,- r⌒ヽ ｒヽ， }
／／ 三 i／ | ノヽ
匚／ 三 三 / )≡
三 三 ／ ／≡
ﾆ三 .／ ／
二≡､__.／ ／､⌒)
三 ＼ ￣
三 /＼ ＼
三 /ﾆ ヽ 三 三
三 / ﾆ_二＿＿／
三 .／ .
≡ ／ |
≡ ／
三_ノ
. - 747 ： ◆HrtGSGllns ： ：2010/08/03(火) 20:35:20 ID:7KZ244lQ
-
～～一階：リビング～～
| | | q+p
| | ―――‐, ――‐, ,===//====,‐,―――――
| |-｀ ´ - / .// ´ //
| |_´__｀___/________/__ｰ_-_-_-_--'/_________________
| | .o|o .|| o|o |
| | | || . | .|
| |￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣
|/二二二二二二二二二二二二二二/l
＿＿ l |
./ /'l ＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿l/
／/ //|| ＿_
| |￣￣|| .|| /. |
ヽ,|＿＿|ﾚ/ / /l| |￣￣| |￣￣|
/. ./ / :l| /'￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣//|
|￣￣￣￣|/::|｡|| ./ // l|
| ||:｡|:: | / // . l|
| |l ::// / 甘 // l|
| |l:// |ニニ|￣￣|ニニニニニ|￣￣|ニニニ|/.
|＿＿＿＿|l/ |l | |/l|. .| |/l| .||
|| .|| ￣ || .|| ￣ || ||
＿＿＿_
／ノ ヽ､_＼ r ⌒j
／（ ○）}liil{（○）＼ / /
／ （__人__） ＼/ / ／ ）
| |i|||||||i| / / ／ ／ 羽入！？
＼ |ｪｪｪｪ| / '` ´ ／
r´ (⌒'ー―- イ′ ´廴
/ ＞ 、 ヽ _ ￣￣￣)
/ -､ } ( ￣¨´
/ ヽ._ __ ＼
｀ --‐'´ ｀ﾞ' 、_.)
嫌な予感がする
そう、とてつもなく嫌な予感が・・・
. - 748 ： ◆HrtGSGllns ： ：2010/08/03(火) 20:35:50 ID:7KZ244lQ
-
＿＿＿＿_
＿,／. . . . . . . . . ￣ヽ、
／. . /. . . . . ._._. . . . . . . ..＼
/. . . . .|. . . . ＼ . .＼ . . .＼. . ﾊ
／/. .| . .l . . . . . .ヽ . . ヽ. . . ヽ＼!
/;;;;;;|､. ヽ. .ヽ . . . . . . }. . . .} . . ..',;;;;;＼
/;;;;;;;;|. 丶.,＞.‐. . . .├.|‐.-.､!. .l. ..l;;;;;;;;;ﾍ
|;;;;;;;;;ゝ､.´ﾍｒ＝､ヽ,. ィi＝=､/ . |. .|;;;;;;;;;;;;|
|;;;;;;∧. . .|〈 トｲﾘ ソ .ト;ｲﾘ 〉../. /ヘ ;;;; |
ﾍ;;;;{ .ヽ. .ﾍ ゞ ' , ｀ ´ｲ./.／..!. .};;;;/
ヾゝ へ._._.＞ ＿_, ∠ｲ. . ..| /イ
ふふ、おはようございます、やる夫 |. ..ヽ､ イ |.!. . . l. . .|
/. . . . . .≧ァ ' _,／ >, . .l. . .!
/. . r ''"¨/ /! ／ ／ ｀丶､. .!
/. . .r| l i／ ／ , -＝､ﾍ＼ ＿,ノ
/. . .ｲﾞ〉' ／ ／ イ /}.|.ヽ
/. r==!l / / //＿＿_./ ソ. .}
l. . ト=ト! / / /〆 ￣〉. . |
|. . | |_/＿/＿＿__/ /. !....|
|,r┼＝ｆ-,へ= ニ / /. /!. ﾉ
ｲ ￣￣厂ヽへ / /.ソ !ｲ
l ／／／川 |.ニ/ /ソ
∨_/ / / | / /
けれども、それは杞憂だった
リビングの扉を開け放てばパンの焼けるいい匂いと
柔らかな微笑みを向ける羽入の姿がそこにあった
. - 749 ： ◆HrtGSGllns ： ：2010/08/03(火) 20:36:41 ID:7KZ244lQ
-
∩＿
〈〈〈 ヽ
＿＿＿_ 〈⊃ }
／⌒ ⌒＼ | |
／（ ●） （●）＼ ! !
／ :::::⌒（__人__）⌒:::::＼| l
| ｕ |r┬-| | ／ えっ・・・あっ、あぁ、おはようだお羽入！
＼ ｀ ー'´ ／／
/ ＿＿ /
(＿＿＿） /
-―-=――-
'" ｀丶、
_∠ -‐ ／ ヽ、
／ ' 、 ＼ ヽ
. / ／ ／ 〃 j } ヽ`く＾ヽ、ハ
/ ｲ { ｛{ / j / ,' } ヽ:::::＼}
{! /::{ 人 从 〃 /,ｲ / l:::::::::ﾍ
そんなに慌ててどうしました？ ∨::小 ｛`＜⌒{{ ／￣jノﾄ､ / } ::::::::::}
. {:::::ﾊ ヽ､_＞ 二八_（ _ 厶j＼ ｌ::::::::::,'
ちゃんとわたしはここにいますよ ∨八. ＼'¨￣` ＝=ﾐ ﾉ , /:::::::::/
＼ こミ ' ／ ／ /::::::／
人. ゝ ` ｰ 彡=-─厶／|
/ /＼ぐ＞､＿ イ_}｝ / / │
〃 / {／〈| __／ ∨／{ l.{
{ｆ斗―-イ _>＜´ ∠`ーｚ-八
／ { ,レ'´ _爪 ＼ ／ ／ ヽ＼
. / ｜ 〉 ／ﾉ |/／ / ／ | ヽ
. - 750 ： 名無しのやる夫だお ： ：2010/08/03(火) 20:37:14 ID:ighfDElU
- ハンカチ用意するか
- 751 ： ◆HrtGSGllns ： ：2010/08/03(火) 20:37:15 ID:7KZ244lQ
-
_-─―─- ､._
,-"´ ＼
/ ヽ
/ ＿／::::::＼_ヽ
| :::::::::::::: ヽ えっ？ あっ、その・・・
l u （ ●)::::::::::( ●)
` ､ （__人_） /
`ｰ,､_ ／
／ `''ｰ─‐─''"´＼
. / : :! . i: : : ::::i: :.:i: : : : : : : : :i: : :.!: : :.!: : : : :.i: .
/! : |. : : :!: : : ::::!: :.i: : : : :/: : :.:!: :./:: : :j::. : : : :i: : :
,';;! i : !: : : :!: : : ::::i: : !: : :.:,' : : :.:.|: /::. : /!:::. : : : !:. :
i;;;! i : :.: : : :ヽ:. : :::ﾄ.::ﾄ.: :.:i: : : : :.i/ ｊ.j: / ｉ::j:: : :./:::. :
|;;;! | : :＼:. : : !>' ＜⌒､: j: : :./:/ //⌒＞ ﾉ: ノ:::: : :
|;;;i ｊ :i: : : ヽ::.:.ヽｘ,==ｒミ＼ .::ﾙ' ｒ==ｒミ/／|.:::/:::.:.
. !;;;ヽ ハ: : : :::ヽ.,.ｲゝｲil::| ヾ! |ゝｲil:::| ﾚﾉ.:/::::.: :
;;;;;;;;;>、ヽ:.:.:.:.:.＼ゞﾟｰ''ﾉ ゞﾟｰ'':ｿ /／:::. : :
ふふ・・・もうすぐ朝食ができるのでテーブルの方でお待ちください ヾ;;;ｊ ＼ :｀￢‐- ￣｀ , ´￣ ／::. : :／:
ヾ! ヽ:: : :＼ '' '' ｒ―‐ ､ '' '''／:: ::...ィ::::／
//.:i.:::::::..､ ヽ..___ﾉ ´￣了:::: /::::::
. ｉ iﾊ:|.:.:::::::/:＞.... . ..イ !::: : /､::::::
. ｉ ｉ: ﾊ :.::::i:::::::i::i::::＞--ｒ |ｲ::/: : ＼
. ｉ ｉ: : :〉:::::!‐ｧ': : /: : : : ヽ ノｉﾘ/: : : : /
. ｉ ｉ: :/ ヽ|/: : : :! : : : : : : Ｖ´ : : : : : : : : /:::
. - 752 ： ◆HrtGSGllns ： ：2010/08/03(火) 20:37:42 ID:7KZ244lQ
-
.., ..., ..,. .,
'::⌒ヽ:.: ::::γ⌒)::
..::.: ::"::.ｆ; ':,:）:.:~'':: ﾄﾝ・・・
''::ノ::'..':::::／':::
（' :: :: /::::
::`:: }
,,､-‐──‐- ,,
l`''ー----一''|__
| |-､ヽ ,,;:ｒｭ;;::^;:;;;-､l;;:｀:,
| |. |｜ ,､;::;「;;;:r､ﾞ::::;「;;::;::〉;::::;::
| |,ノ / ,,､､へ;;'.O;;/:::::>;;;!:;;::/／;;;.;ゞ､
| |-''´ ヾ^'' ー─-----------─一''フ
`ー───‐'" `''ー─-----------─一''
＿＿__
／ ＼
. ／ ＼
. ／ ― ー ＼
| （●） （●） | ・・・これ、羽入が作ったのかお？
. ＼ （__人__） ／
. ノ ｀ ⌒´ ＼
／´ ヽ
. - 753 ： ◆HrtGSGllns ： ：2010/08/03(火) 20:38:00 ID:7KZ244lQ
- ／ ／ ヽ:::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
イ l ＼:::::::::::::::::::::::::::∧
／ l | ＼:::::::::::::::::::::::::∧
, イ i ﾄ . ＼ ヽ Vゝ.:::::::::::::::::::::l
/ | | z==＼==-＼- | | ヽ::::::::::::::: |
. / : | | ! _ ゝ.==_=z | | /:::::::::::::: l
/ : :::| | | | !/ 彳 ,' :::::ヽ＼ | i/::::::::::::::: ｲ
| :::::::| '. ＼ ＼V' |::::::::::ﾊ ＼リ r '":::::::::: イ´ |
| :::::::l ! メ´ ＼ l`' --ゝ |ﾍ _ ﾉ l i ＼ `ー┬ ´ │ !
| ::::::ハ i l l!`z=.ゝ､ ＼ ゝ-－ ' ,' .' │ ,' | はい、やる夫と違ってこんな簡単な
| ::::::::::∧ ＼ ＼ l:::_ハ ` ─‐ ゝ xxxx / ／, / ／ │ ものしかできませんが・・・
V ::::::::::∧ ゝ ＿ _ゝ__少 -=' イ / ,. ' イ ＼
V:::::::::::::::ゝ _ 二=- xxxx ｀ /∠...イ ゝ
ゝ._:::::::::::＼ ゝ=-_＿＿ r _っ . ' | ! ! │
￣￣ゝ＼ ゝ ＿＿ ノ ／ _ __从＿__ | ゝ.
V ゞ- ≧__ ゝ---/⌒ヽ´ ／,. -- ── -ゝ ＼
) ゝ￣ j＿ ＼/ _＿_（＿___ ヾ
/ ＿ ,.イ´＿ | ´ ,.. -─- ､ ｀ヽ
／ , イ´ ,.- !´ ＿. |／ ／ ヽ Y
／ / / / ､ Y´_ | / | }
／イ / ' ／ ー─し'! l_＿_| .' / /:
／/ . | ! ー‐ v' 人 ／::_:_:_::V / / :::
,' ＿_/ i! ! `ー v / ゝ'::::r::::_::_:_i:L--- ､ / / :::::
/ /:::::::::¨≧V│ ｰ ノ/ ／:::::::::V:::::::::::::::ヽ:::::::::＼j／ ::::::::
＿＿＿
／ ＼
／ ＼
／ ⌒ ⌒ ＼ そんなことないお。美味しそうだお、早速食べるお！
| /// （__人__） /// |
＼ ／
. - 754 ： ◆HrtGSGllns ： ：2010/08/03(火) 20:38:18 ID:7KZ244lQ
- ,. -― - ､
＿,.／ ＞x
／ _＼
／ ヽ ＼::｀..ヽ
/⌒, ＼ ＼ ＼:::::::＼
／:::::/ { ヽ ＼ ヽ. ＼:::::::ヽ
/::::::::::| ∧ ∨ ハ } ヽ:::::ハ
. ,':::::::::::∧ ヽ ヽ l ﾊ | | Y:::::::}
l:::::::::::/ ヽ ＼ ＼ l斗f‐十.| lハ .ﾄ、:::l
{:::::::::{ ハ _＼x ― ＼ ハ/ 」l从 ;ｲ .! | }:::::|
l:::::::/{ ヽ ＿ _≧二｀ ｀ j/ rfう丁メ、 | ! / l:::::.}
l:::::::| l l ｧ孑'ハ {:{ ;り ∨ ./ ∧ }／
ヽ::::ト、. ∨ ! V j | 辷 タ 〃/ / |
. ＼ ＼ ＼ 弋 タ′ _ィ_ ／ ィ |
|ミ､_ ｘｘｘ ' ｘｘｘ ィ ! | ええ、いただきましょう・・・
| 丁< ｀ ｰ ‐ ’ ｲ | | |
| | |＞ ．_ ／L! ! | |
| | | _｣｀ ¨ ´ / ハ.! | |
| | | ／ |│ / / ＼ ! |
j |_,.rf ' |│ ./ / /￣￣＼
/ ／ .l ! | / / / ヽ
. / ／ | ! !／／ / 」
/ 〈 / .| .ヽ／ / ／ l
/ / ヽ / | ／ ／ ／ .}
. / | / .|／ ／ ,ィ ∧
// l 7 / .／ Y′ / ﾍ
// .l / / ／ ヽ} ハ ＼
. /人 .! { / / / / ＼
照れる羽入と共に朝食を食べる
なんだか妙に嬉しい
料理があまり得意ではないという彼女が作ってくれたというその事実
それが特に嬉しかった
. - 755 ： ◆HrtGSGllns ： ：2010/08/03(火) 20:38:36 ID:7KZ244lQ
-
/:::::::::::::/ l l ヽ ', l /! l } l ﾊ:::::::::::::::::::l
. /::::::::::::::il ! ヽ、 ＼__ヽ ', l-/十‐l- ..._/ l i::::::::::::::::::|
,'::::::::::::::::ｌ| ヽ ＞=''二_￣ `ヽヽ ヽ ｌ/ l / /l｀ .,' l !:::::::::::::::::|
!::::::::::::::::l l ヽ、 ´ ﾍ ¨ ‐-､ﾄ､ } / 'ｲ ／ ! / l l:::::::::::::::::|
!::::::::::::::::l ', `t‐---` ＿ ﾘ ／ --/／ ｜ / / l::::::::::::::::::!
l::::::::::::::::ﾍ ヽ ', _..´---､ }／ zニニ_‐-､ l / / ,'::::::::::::::::,' あっ・・・ほら、やる夫
.V:::::::::::::::ﾍ ＼ ヽ zﾆ-‐ ￣ ｀ ｀ヾｨ'′ ,ｲ ,ｲ:::::::::::::::/
V::::::::::::::::ヽ 丶､ ヾ､ xxx l xxｘ ／ ／/ / |:::::::::::::/ ちゃんと半熟でできていますよ！
ヽ:::::::::::::::::i＼. ￣ヽ￣ ､__ ＿_, ∠.... ィ ´ / / l:::::::::／
＼:::::::::::', ｀iｰ- ..＿_`_､ __ /l / ／ /:::／
丶､:::::ヽ l l ヽ、 , ィ´/ '´/ /イ
iー-`.', ', l `丶､ , イ l /ｲ .／ l !
| Ⅵ､ ', ﾉ _!¨ ‐- -- '' ´ !、 l / ／ l |
| / _.. ---ヽ､ ﾍ‐ '' ´ ! | `ｰく‐､----- ､. |
／／ ,-‐､/ムヾ､ / r―ｷェ‐､ ヽ|
/ / `ｰ-ｲﾊ..._） ヽ‐イﾊ`‐' ',
＿＿＿_
／⌒ ⌒＼
／（ ￣） （＿）＼
／::::::⌒（__人__）⌒:::: ＼
| ゝ'ﾟ ≦ 三 ﾟ｡ ﾟ どれどれ・・・って熱ーーーー！！
＼ ｡≧ 三 ＝=-
-ｧ, ≧=- 。
ｲﾚ,､ ＞三 ｡ﾟ ･ ﾟ
≦｀Vヾ ヾ ≧
｡ﾟ /｡･ｲﾊ ､､ ｀ミ ｡ ﾟ ｡ ･
. - 756 ： ◆HrtGSGllns ： ：2010/08/03(火) 20:38:50 ID:7KZ244lQ
-
／ | | | | ヽ
/ | }､ ﾊ | |
/ ハ :!＼ ｰーミA､∧ |
r‐v | ＼ 斗 ヽ. .' / j/｀ ! / ト..､
. /:::::::| ヽ ／＼ ≦ ＼ /／ｲ孑示､| / :!:::::::＼
{::::::::::| ｀ ー‐ ≦孑k } ／ ん'' ∧! ｲ |::::::::::::::ヽ
∨:::::::ヽ、 ∨ ん ﾊ }´ 弋 ｲり从v ∧::::::::::::::::}
やっ、やる夫！？ . ∨::::::::::|｀¨ ー ム弋込 り ｀ ｰ= ′ / ィ' |:::::::::::::/
∨::::::::'. ヽ ゞ ´ ' ／ ／ / /:::::::::::.'
ゆでたてなのですから気をつけてくださいっ ∨:::::∧ ＼ｘｘｘ r‐ ﾍ ｘｘｘ _ ィ ´ / /::::::::.ィ
∨:/ ヽ｀ト ､ ≧ ｰ‐′ ／.' / /:::／ !
. ヽ }＼人 ￣}ゝ、 ィ / ／ /／ |
/ '. ! ＞ ,_ . ´ _トム´ |
/／｀Y ヽ | / ∧ ／／Y ｀ V⌒ Y ￣￣_二_ヽ
〃 ／ヽ ヾ ／ / /' ／／/⌒ヽ. ヽ. | ／ ヽ ＼
/ ./⌒Y Y l l ／／ /⌒ヽ ｀ .| ／ '.
. 八 l | .l l / / {_ﾊ |' |
{ ヽ | .l |/ / | / |
＿＿＿
／ ＼
／ ⌒ ⌒＼
／ （ ⌒） （⌒）＼ ごめんごめん・・・美味しくてついがっついちゃったお
i ::::::⌒ （__人__） ⌒:: i
ヽ、 `ー ' ／
/ ┌─┐
i 丶 ヽ{ .茶 }ヽ
ｒ ヽ、__)一(_丿
. - 757 ： ◆HrtGSGllns ： ：2010/08/03(火) 20:39:03 ID:7KZ244lQ
-
／ ／ ヽ:::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
イ l ＼:::::::::::::::::::::::::::∧
／ l | ＼:::::::::::::::::::::::::∧
, イ i ﾄ . ＼ ヽ Vゝ.:::::::::::::::::::::l
/ | | z==＼==-＼- | | ヽ::::::::::::::: |
. / : | | ! _ ゝ.==_=z | | /:::::::::::::: l
/ : :::| | | | !/ 彳 ,' :::::ヽ＼ | i/::::::::::::::: ｲ
| :::::::| '. ＼ ＼V' |::::::::::ﾊ ＼リ r '":::::::::: イ´ |
| :::::::l ! メ´ ＼ l`' --ゝ |ﾍ _ ﾉ l i ＼ `ー┬ ´ │ !
| ::::::ハ i l l!`z=.ゝ､ ＼ ゝ-－ ' ,' .' │ ,' | もっ、もう・・・
| ::::::::::∧ ＼ ＼ l:::_ハ ` ─‐ ゝ xxxx / ／, / ／ │
V ::::::::::∧ ゝ ＿ _ゝ__少 -=' イ / ,. ' イ ＼ 卵はまだあるので落ち着いて食べてください
V:::::::::::::::ゝ _ 二=- xxxx ｀ /∠...イ ゝ
ゝ._:::::::::::＼ ゝ=-_＿＿ r _っ . ' | ! ! │
￣￣ゝ＼ ゝ ＿＿ ノ ／ _ __从＿__ | ゝ.
V ゞ- ≧__ ゝ---/⌒ヽ´ ／,. -- ── -ゝ ＼
) ゝ￣ j＿ ＼/ _＿_（＿___ ヾ
/ ＿ ,.イ´＿ | ´ ,.. -─- ､ ｀ヽ
／ , イ´ ,.- !´ ＿. |／ ／ ヽ Y
／ / / / ､ Y´_ | / | }
／イ / ' ／ ー─し'! l_＿_| .' / /:
／/ . | ! ー‐ v' 人 ／::_:_:_::V / / :::
,' ＿_/ i! ! `ー v / ゝ'::::r::::_::_:_i:L--- ､ / / :::::
/ /:::::::::¨≧V│ ｰ ノ/ ／:::::::::V:::::::::::::::ヽ:::::::::＼j／ ::::::::
,ﾍ
＿＿＿_ / /
／＼ ／＼ ／ /
／（ ⌒） （⌒）＼／ /
／ :::::⌒（__人__）⌒:::::＼ /
| |r┬-| | わかったお、ありがとだお羽入！
＼ ｀ ー'´ ／
／ ＼
/ ＼
/ ／＼ ヽ
／ ＼ ﾉ
U ヽ ノ
. - 758 ： ◆HrtGSGllns ： ：2010/08/03(火) 20:39:13 ID:7KZ244lQ
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━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ - 759 ： ◆HrtGSGllns ： ：2010/08/03(火) 20:39:35 ID:7KZ244lQ
-
食後カーペットの上でごろごろする
窓からは暖かい陽射し・・・なんて極楽なのだろう
本当は洗い物でもしようかと思ったのだが羽入に追い出されてしまった
なので、こうしてゴロゴロする
＿＿＿_
／⌒ ⌒＼
／（ ―） （―）＼ さて・・・今日はどうするかお・・・
／::::::⌒（__人__）⌒::::: ＼
| |
＿＿（ ⌒-ｨ⌒ヽ、 /⌒` '⌒ ）＿＿
`ー-ゝィｿﾉー‐ヾy＿ﾉー"
特に用事はない
今日は夕方から学園の方でダンスパーティがあるくらいだ
まぁ午後過ぎに設営の手伝いにでもいくのもいいだろう
しかし、結局午前中は取り立ててすることがないことに変わりはない
. - 760 ： ◆HrtGSGllns ： ：2010/08/03(火) 20:39:52 ID:7KZ244lQ
-
,. -― - ､
＿,.／ ＞x
／ _＼
／ ヽ ＼::｀..ヽ
/⌒, ＼ ＼ ＼:::::::＼
／:::::/ { ヽ ＼ ヽ. ＼:::::::ヽ
/::::::::::| ∧ ∨ ハ } ヽ:::::ハ
. ,':::::::::::∧ ヽ ヽ l ﾊ | | Y:::::::}
l:::::::::::/ ヽ ＼ ＼ l斗f‐十.| lハ .ﾄ、:::l
{:::::::::{ ハ _＼x ― ＼ ハ/ 」l从 ;ｲ .! | }:::::|
l:::::::/{ ヽ ＿ _≧二｀ ｀ j/ rfう丁メ、 | ! / l:::::.}
l:::::::| l l ｧ孑'ハ {:{ ;り ∨ ./ ∧ }／
ヽ::::ト、. ∨ ! V j | 辷 タ 〃/ / |
. ＼ ＼ ＼ 弋 タ′ _ィ_ ／ ィ |
|ミ､_ ｘｘｘ ' ｘｘｘ ィ ! | やる夫・・・
| 丁< ｀ ｰ ‐ ｲ | | |
| | |＞ ．_ ／L! ! | |
| | | _｣｀ ¨ ´ / ハ.! | |
| | | ／ |│ / / ＼ ! |
j |_,.rf ' |│ ./ / /￣￣＼
/ ／ .l ! | / / / ヽ
洗い物を終えたのだろう
羽入がやる夫のそばへやってきて同じように寝転んだ
＿∩
/ 〉〉〉
{ ⊂〉 ＿＿＿_
| | ／⌒ ⌒ ＼
おっおっ！ ありがとうだお羽入！ | | ／(●) (● ) ＼
| |／:::⌒(__人__.)⌒::: ＼
ところでこれからどうするかお？ ヽ | |,┬‐ | |
＼.＼ ｀ー ´ ／
＼ ＿＿ ヽ
ヽ (＿＿＿_/
. - 761 ： ◆HrtGSGllns ： ：2010/08/03(火) 20:40:03 ID:7KZ244lQ
-
,,.............,,,_
,.- ''"...... _ ー;;;"..ヽ.、
., '"´ー 、 ヽ.、 ＼"'';;;-,,,,、
.／.,: l ＼::.＼ヽ::＼ ヽ;;;;;;;;;;;;＼
//./:i | :. ::., ヽ;::.ヽ;＼:.ヽ:. ヽ;;;;;;;;;;;;;;i
/i., :i :::|:l .::i :'; ,:l:- i‐';-i-::L:.. l;;;;;;;;;;;;;l
/;|: .::| :::l::'; _!_ ::i; |.';:!＿!:|ヽ:i::::. /;;;;;;;;;;;;;!
;';;;l.l ::l: ::ﾚ';ﾞ;ヽヽ.、::::|/Zﾞilllliiiliヽl::::: i;;;;;;;;;;／、 そうですね・・・どうしましょうか？
. i;;;;;|.|, :|::. :! ﾞ,zrs、ヽｿ ﾞii|!!!;|!. l::/ !;;;;／:::..ヽ
ヾ;;l !',.ヽ:::ヽ'!.ﾞ;||i, ' ‐ ' //:／'ﾞ:ヽ:::::::..＼
ﾞ!;ヾlヽ＼:::', '‐ﾞ ' ' ´lヽ:::::::＼:::::::.ヽ
ヾ;'ヽ ::ヽ::ﾞ':i -- ' , !;:::::＼::::ヽ:::::::::＼
l :::l:::!: ヽ.、 ／ ,. -''i: ::::::::ヽ:::::ヽ:::::::::''-..、
.l ::::!:::! :l::::::"': ‐- r.'ﾞ .／ ヽ::;;_::::::::::''-::;;::'':::-:::::ヽ
'; ::';::ヽヽ::::::;;ヽ'/'／ ／,.-,... ニヽ;::::.. ::＼::.. :::::::
ヽ ::ヽ;:r‐'/ / ' ／ ./／ ヽ'i;:::::::. ＼::::...
ヽ;// .l ／ ／ .i// ,!/::ヽ::::... ヽ::;:
＿＿__
／_ノ ヽ＼
／ （ ●） （●）、
／::::::::⌒（__人__）⌒＼ まっ、無理に何かやる必要なんてないんだけどお
| |r┬-| |
＼ `ー'´ ／
⊂⌒ヽ 〉 ＜´/⌒つ
＼ ヽ / ヽ /
＼_,,ノ |､＿ノ
. - 762 ： ◆HrtGSGllns ： ：2010/08/03(火) 20:40:31 ID:7KZ244lQ
-
／｀＞－ ¨ヽ
.. '/ l´ヽ￣丶
／ / / / / | ＼ ＼
/ / 斗―| | ｣_ ヽ ヽ ヽ ヽ
/ ,ｱ / /| | ∧メ | ', ハﾊ
| /;';! ﾚテ下ﾊ ! /Tﾊ ! | .| ﾄ､! ﾎﾟｽｯ
l /;';';l Vf、ｨ} ＼/刋 }/ ハ| /
､|;';';';', ゝ-‐' , ゝ' /_,.イ;';';'} /
ﾄ､;';';'ヾ ｰ ｘｘx r―v ｘxx |__,ノヾ
/ /ヽ.__ゝ､ ＼ ｰ ' .. く /／| ＼ .、 なら何かしたくなるまでこうしていましょう
／ /／ / ＞く ｰく￣ {ニヽ!-- ､／ヽ ｀￣￣ }__／ /
／ / {／｀＼＼ ＼ ヽﾊ. l＼ >′＼＿__,.／´ ＼/ }
-‐ ´ ／ r―┴ ､ ＼＼ ＼| | ヽ ｀丶､/ ∧ ＼ ∨
/ / { ﾊ.イ｀ ヽ ＼ ＼ ＼ ヽノ } ヽ
/ { /＝＝ ∧ﾊ ', ＼ '; } ! /
ゝ‐ ´ ヾ〉ハヽ ､ 〉 Ｖ / / /
‐＜ ＼ ヽ＼｀7ー- / ／__. ＜ｰ-､ ／
＼ ! ｀{￣￣￣／＼ﾊ ＼ ＼
ヽ |＼/{ ー-／ / ヽ}、 ￣ 〉
i |／ /＼/（.ノ / l＼ __／､ ／
l i | ,′ ＼ ノ |ヽ ＼
| l |/ i ヽ}＼.／ | ＼ ＼
| | ﾄ、! ／ / , ＞｀￣
l l ﾊ.∧／ / | ／
/ }／ / !.／
/／ 〃
／ ／/
／ ／ /
＿＿＿_
／⌒ ⌒＼
／（ ―） （―）＼ まっ、それもいいおねー
／::::::⌒（__人__）⌒::::: ＼
| |
＿＿（ ⌒-ｨ⌒ヽ、 /⌒` '⌒ ）＿＿
`ー-ゝィｿﾉー‐ヾy＿ﾉー"
なんていいながら彼女のはやる夫の上にそっと上体を重ねる
ひなたぼっこ・・・それも悪くないだろう
窓からさし込む陽光と同じくらいに彼女の体温はポカポカと気持ちいい
. - 763 ： ◆HrtGSGllns ： ：2010/08/03(火) 20:40:46 ID:7KZ244lQ
-
,. ---- ､
／ ` ｰ- ､
' ／ ＼ ＼
/ ' / | V r ｷﾞｭｯ
/:::| ' l |! | v l:::::ヽ
|:::::| | | .ﾊ ! i .∧. │ !::::: |
|:::::| | |/-|‐|‐. i | ‐|-ﾊ | |:::::::|
l::: | |. ﾚ V- ヽl | -V |/ .'::::::/ や～る～夫っ
ゝﾚヽ l.ｨ ==､ ＼| r==､ﾚ /:::／
＼:丶_ゝxxx , xxx j!イ:イ
ハ::|ハ. _i_ヽフ 人レヽ
/:::::::/::::::!＞'rー ､ヽ.イ:::::::＼:: ＼
／ _-_/ :::ｨ' | (二´､ V= -､__＼:: ＼ ）
／ V /,イ |＼ ─ < /| .／⌒ヽ::: ＼ _ ＿／./
r "´ :::::: | // │ .|: : :ヽ「__／:..i / ハゝ＿＿＿ ノ
イ / :::::::: |/ (-､ | ﾊ: : : : |: : : : :|r-―- ､.∧::＼ ＼
／/ /| :::::::::く ゝ-`=＼/: : : : : : ヽ: : :.:|---ｫ : :.＼ ::::: ＼ jヽ
' :/ / l :::::::::::j二}:{二}/: : : : :＼: : : ＼:|￣:~: :.く V ＼ :::: i l '
/ /! ! | ::::::::: | : : : : / : :l : : : : : : : : :／! : : : : : / ::::| :::| ::l ! |
| | ゝ ＼ ヾi:::::::i|: : : :ｲ: : :.:|::: : : : : : ／: : ,ｲ: : : :./ ::::: | :ﾉ::ﾉ ｲ: |
| | ＼ ` ー'V|: : /: : : : .|!:::::::....／: : : : l |:ヽ:.:/:／::/:: ／ / |: |
V `ー-- ， ＼: : : : : : : : ／ ＼: : : :.ヽヽﾝ_＿／--' ／ / ﾉ
ヽ V: : : :: :/ ! : : : : 〉-r─── ' ／ ／
j 人: : :／ ＼: :（ ｨ ゝ二二二.. '
､＿j／ ´ ` ＼!
＿＿__
／_ノ ヽ＼
／ （ ●） （●）、
／::::::::⌒（__人__）⌒＼
| |r┬-| | わかったわかった・・・
＼ `ー'´ ／
⊂⌒ヽ 〉 ＜´/⌒つ
＼ ヽ / ヽ /
＼_,,ノ |､＿ノ
彼女の頭を撫でつつ今後の計画を考える
・・・そうだな、やっぱり探してみよう、彼女の探し人を
それが彼女との約束なのだから
. - 764 ： ◆HrtGSGllns ： ：2010/08/03(火) 20:40:58 ID:7KZ244lQ
- ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
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・
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ - 765 ： ◆HrtGSGllns ： ：2010/08/03(火) 20:41:23 ID:7KZ244lQ
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| || ／／d|／／ || || ／／d|／／ || || ／／d|／
|￣￣|二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二
＿ | |三三三||三三三||三三三||三三三||三三三||三三三||三三三||三三三||三
| |三三三||三三三||三三三||三三三||三三三||三三三||三三三||三三三||三
| ￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣
￣ ￣| l￣l |￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣| l￣l |￣￣￣
| l l | || ,､ || ,､|| ||／／||／／|| ||／／|| | l l | ||￣
| l l | || (^ｿＥ|lヨ (^ｿ|| ||＿＿||＿＿|| ||＿＿||_| l l | ||(l^ﾉ
＿＿＿|_l_ l | || ％ || ％ || ￣￣￣￣￣ ￣￣￣| l l | ||､ﾉ,
l┓ l┓ l┓| l | || || || ========================= | l l |==||
二二二二二ｌ| ￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣ | l l |￣￣￣￣
＿＿＿＿「､￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣
￣￣￣￣￣
＿＿＿＿＿＿＿_ |{ r'／＿ ＿＿＿
￣l「| |￣l「| |￣l「| | ヾ､｛ ' ´ ｀ヽ ,--- ､｀ ヽ、
＿ll_| |＿ll_| |＿ll_| |＿＿_ _,-ー‐ ､ヽ' ＼ ｀ヽ ｀ヽ、
￣l「| |￣ll | |￣l「| |￣l「| | ／ ／ .／｀r ', ヽ , ､ヽ_ i
. /rク ,／ ,-{ .ｽ ', { i ',｀ｰﾄ､
ﾚ'/ / / ヽ } ヽヽ '￣ ヽ ﾊ } ヽ:::::::＼
| .| / ハ ! ＼', ヽ ＿_ } .} ｜ ヽ::::::::ヽ
| ｛ | ｛ r-､ ´ i､_ﾊヽ} .ハ i ヽヽ:::::::::i
ヽﾄ, ヽ ',/ i ﾊ ｜::::} ! ﾊ.,.ﾍ｝ iヽ',:::::: }
ハ ﾚヽ,_ .i }ﾘ ￣ ´//ｸ} リ ﾄ､',}:::::::}
相変わらず活気に満ちていますね、やる夫 /ヽ}::::} ﾋiｰ ,,, ｀＿, - ､"" /' -' }ｽ ｝ ヾ:::: /
. ',:::::: /｀ヽて ヽ } ノ｀ ﾌ ｛ ﾉ ﾉ:::/__r'￣::
｀ ー-､_',:::::{ ', ｀ｰ ､ ' , ｲ ／ ﾚ/､'ｰ '_r' ,=,::::::::
::::::::,ｲ｀r ヽ{__ 〉､ヽ、 ｀ヽ-i'´ _少ﾍ＿,.⊥__／ |:::}::|:::::::::
:::::::=':::{ ｀ー―ｧ--､r' /／ ／ i / l:::::,=､::::::
:::::::|:|:::{ / / { ,／ ／ !｛ ヽ::ヽ｣:::::
:::ヽ､｣､_ﾌｰ , ､___ / ﾚ' /´ i | _,-'::_, t‐'´｀ｰ'てｰ
::::::/ ／ ｝ ./ ./, / ヽ .´:: r1 i ヽ ',.ヽ
‐ ' .ﾚ' / / ./ ', i .} i | }ヽ
午後から羽入と街へ出た
羽入の探し人を見つけよう
そう提案すると彼女はニッコリと微笑んだ
それで遊び半分で出てきたわけだが、相変わらず彼女は街に興味津々だった
. - 766 ： ◆HrtGSGllns ： ：2010/08/03(火) 20:41:48 ID:7KZ244lQ
-
＿＿＿_
／⌒ ⌒＼
／（ ●） （●）＼
／ ::::⌒（__人__）⌒:::: ＼
| |r┬-| | あんまりはしゃいで人とぶつからないように気をつけるお～
＼ `ー'´ ／
> <
（ | / ）
`| /'
| ｒ /
ヽ ヽ／
>__ノ;:::......
あれこれとめまぐるしく視線を動かす羽入だが
やる夫にはやる夫で目的があった
今日はクリスマスイブだから彼女に何かプレゼントをかってやりたいのだ
・・・そういえばこれも約束したことだったな
とにかくそいうわけだが、今は秘密だ
それを今伝えても面白くない
. - 767 ： ◆HrtGSGllns ： ：2010/08/03(火) 20:42:04 ID:7KZ244lQ
-
. / : :! . i: : : ::::i: :.:i: : : : : : : : :i: : :.!: : :.!: : : : :.i: . : :.!;;;;;;;;
/! : |. : : :!: : : ::::!: :.i: : : : :/: : :.:!: :./:: : :j::. : : : :i: : : . . ｉ;;;;;;;;
,';;! i : !: : : :!: : : ::::i: : !: : :.:,' : : :.:.|: /::. : /!:::. : : : !:. : : : : :i;;;;;;;;
i;;;! i : :.: : : :ヽ:. : :::ﾄ.::ﾄ.: :.:i: : : : :.i/ ｊ.j: / ｉ::j:: : :./:::. : : : : :!;;;;;;;
|;;;! | : :＼:. : : !>' ＜⌒､: j: : :./:/ //⌒＞ ﾉ: ノ:::: : : : : : :!;;;;;;;
|;;;i ｊ :i: : : ヽ::.:.ヽｘ,==ｒミ＼ .::ﾙ' ｒ==ｒミ/／|.:::/:::.:. : :./;;;;;;;;;
. !;;;ヽ ハ: : : :::ヽ.,.ｲゝｲil::| ヾ! |ゝｲil:::| ﾚﾉ.:/::::.: : :./:!;;;;;;;;;;
やる夫、これは何のお店ですか？ ;;;;;;;;;>、ヽ:.:.:.:.:.＼ゞﾟｰ''ﾉ ゞﾟｰ'':ｿ /／:::. : :／!.:|;;;;;;;;;;
ヾ;;;ｊ ＼ :｀￢‐- ￣｀ , ´￣ ／::. : :／: .ｲ ﾉ;;;;;／
ヾ! ヽ:: : :＼ '' '' ｒ―‐ ､ '' '''／:: ::...ィ::::／iイ;;;／::::::
//.:i.:::::::..､ ヽ..___ﾉ ´￣了:::: /::::::|::!´::::::::::::
. ｉ iﾊ:|.:.:::::::/:＞.... . ..イ !::: : /､::::::|::i:::::::::::::::
. ｉ ｉ: ﾊ :.::::i:::::::i::i::::＞--ｒ |ｲ::/: : ＼j:::!::::::::::::::
. ｉ ｉ: : :〉:::::!‐ｧ': : /: : : : ヽ ノｉﾘ/: : : : /`ｰ‐-... __
. ｉ ｉ: :/ ヽ|/: : : :! : : : : : : Ｖ´ : : : : : : : : /:::::::. : : : :ﾉ
∩＿
〈〈〈 ヽ
＿＿＿_ 〈⊃ }
／⌒ ⌒＼ | |
／（ ●） （●）＼ ! ! それはスポーツ用品店だお！
／ :::::⌒（__人__）⌒:::::＼| l
| |r┬-| | ／
＼ ｀ ー'´ ／／
/ ＿＿ /
(＿＿＿） /
彼女が興味のありそうなものを探すが、ご覧の通り彼女は何にでも興味津々だった
こうなってくると基本に立ち返るべきなのかな、やっぱり
. - 768 ： ◆HrtGSGllns ： ：2010/08/03(火) 20:42:16 ID:7KZ244lQ
-
:::::::::::::::::: : : : : :/ ', _..lゝ-―- ..ト_､ ヽ l / ,'
::::::::::::::::: : : : .:/ ヽ. ￣l￣ヾ二_‐l‐-¨ﾆ､=' ﾄ､ l /l. / l
::::::::::::::::: : : .:/ ＼ l , z==≧､l二_‐ ヽ. l ! `=lニ≠/=､ ./ l
:::::::::::::::::: .:.:.l ｌ l ヽ､ /Vｨ ）:::::ヽ｀ヾ V l} ム≦/ ,ｨ′ /
:::::::::::::::::::::::::! ', ', l` V ﾄ:才::::::lヾ} ,ｨﾉ ,ｨ{._ノV ﾊ´ ,' /
ヽ:::::::::::::::::::::l ', ', l l´ {:::::::ﾉ. ,' / ／,'ィ::::lイ l l / , '
iヽ:::::::::::::::::', ヽ ヽ. ﾍ ゝ､￣ _ノ ' ´ .l {::::ﾉ,' 〃/ ／
l ｀丶、::::::ヽ ヽ ヽ ﾍ ￣ ゝﾆノ ｲ7 , あっ・・・
ｌ / `ｰ- -` ` ` ､ ヾ、 l /／ , イ
l / / ﾍ. ﾍ`ｰ---` ＿_ ′ _... - '´ _.. イ:::::::
/ / lヽ. ﾍ. ￣´ ｀フ￣ l l::::::ﾉ
./ ,〃 l ヽ ﾄ､! 丶、 ,, ィ´ ', / レ′
／/ / / ∧ ! 丶､ , ィ ´} }∨
.／ / r‐ =ﾆ／ ', / ｀7 ‐- ´ / l /
／ ,' r└‐-､ `丶､ﾚ′ / .／ ! /
.i | `丶､ `ｰ- ､ / ／ | ／
そんな時だった
不意に何かを認めた羽入が声をあげる
. - 769 ： ◆HrtGSGllns ： ：2010/08/03(火) 20:42:30 ID:7KZ244lQ
-
＿＿＿_
／ ＼
／ ─ ─＼
／ （●） （●） ＼
| （__人__） | ん・・・それは消火栓？
./ ∩ノ ⊃ ／
( ＼ ／ ＿ノ | |
.＼ “ ／＿＿| |
＼ ／＿＿＿ ／
／ ／ ヽ:::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
イ l ＼:::::::::::::::::::::::::::∧
／ l | ＼:::::::::::::::::::::::::∧
, イ i ﾄ . ＼ ヽ Vゝ.:::::::::::::::::::::l
/ | | z==＼==-＼- | | ヽ::::::::::::::: |
. / : | | ! _ ゝ.==_=z | | /:::::::::::::: l
/ : :::| | | | !/ 彳 ,' :::::ヽ＼ | i/::::::::::::::: ｲ
| :::::::| '. ＼ ＼V' |::::::::::ﾊ ＼リ r '":::::::::: イ´ |
| :::::::l ! メ´ ＼ l`' --ゝ |ﾍ _ ﾉ l i ＼ `ー┬ ´ │ !
| ::::::ハ i l l!`z=.ゝ､ ＼ ゝ-－ ' ,' .' │ ,' |
| ::::::::::∧ ＼ ＼ l:::_ハ ` ─‐ ゝ xxxx / ／, / ／ │ ・・・はじめてあの人に会ったのは
V ::::::::::∧ ゝ ＿ _ゝ__少 -=' イ / ,. ' イ ＼ 確かこのあたりなんです
V:::::::::::::::ゝ _ 二=- xxxx ｀ /∠...イ ゝ
ゝ._:::::::::::＼ ゝ=-_＿＿ r _っ . ' | ! ! │
￣￣ゝ＼ ゝ ＿＿ ノ ／ _ __从＿__ | ゝ.
V ゞ- ≧__ ゝ---/⌒ヽ´ ／,. -- ── -ゝ ＼
) ゝ￣ j＿ ＼/ _＿_（＿___ ヾ
/ ＿ ,.イ´＿ | ´ ,.. -─- ､ ｀ヽ
／ , イ´ ,.- !´ ＿. |／ ／ ヽ Y
／ / / / ､ Y´_ | / | }
／イ / ' ／ ー─し'! l_＿_| .' / /:
／/ . | ! ー‐ v' 人 ／::_:_:_::V / / :::
,' ＿_/ i! ! `ー v / ゝ'::::r::::_::_:_i:L--- ､ / / :::::
/ /:::::::::¨≧V│ ｰ ノ/ ／:::::::::V:::::::::::::::ヽ:::::::::＼j／ ::::::::
. - 770 ： ◆HrtGSGllns ： ：2010/08/03(火) 20:42:43 ID:7KZ244lQ
-
∩＿
〈〈〈 ヽ
＿＿＿_ 〈⊃ }
／⌒ ⌒＼ | |
／（ ●） （●）＼ ! !
／ :::::⌒（__人__）⌒:::::＼| l おっおっ！ それは確かなのかお？
| |r┬-| | ／
＼ ｀ ー'´ ／／
/ ＿＿ /
(＿＿＿） /
,. -― - ､
＿,.／ ＞x
／ _＼.
／ ヽ ＼::｀..ヽ
/⌒, ＼ ＼ ＼:::::::＼
／:::::/ { ヽ ＼ ヽ. ＼:::::::ヽ
/::::::::::| ∧ ∨ ハ } ヽ:::::ハ
. ,':::::::::::∧ ヽ ヽ l ﾊ | | Y:::::::}
l:::::::::::/ ヽ ＼ ＼ l斗f‐十.| lハ .ﾄ、:::l
{:::::::::{ ハ _＼x ― ＼ ハ/ 」l从 ;ｲ .! | }:::::|
l:::::::/{ ヽ ＿ _≧二｀ ｀ j/ rfう丁メ、 | ! / l:::::.}
l:::::::| l l ｧ孑'ハ {:{ ;り ∨ ./ ∧ }／
ヽ::::ト、. ∨ ! V j | 辷 タ 〃/ / |
・・・ええ。この形はよく覚えています . ＼ ＼ ＼ 弋 タ′ _ィ_ ／ ィ |
|ミ､_ xxx ' xxx ≦ ィ ! |
街並みも多分こんな感じだったと思います | 丁< ｀ ｰ ‐ ｲ | | |
| | |＞ ．_ ／L! ! | |
| | | _｣｀ ¨ ´ / ハ.! | |
| | | ／ |│ / / ＼ ! |
j |_,.rf ' |│ ./ / /￣￣＼
/ ／ .l ! | / / / ヽ
. / ／ | ! !／／ / 」
/ 〈 / .| .ヽ／ / ／ l
. - 771 ： ◆HrtGSGllns ： ：2010/08/03(火) 20:42:58 ID:7KZ244lQ
-
＿＿＿_
／ ＼
／ ⌒ ⌒ ＼
／ （⌒） （⌒） ＼l⌒l そうかお・・・ちなみにどんな出会いだったんだお？
| （__人__） |`''|
＼ ｀ ⌒´ _／ /
/
-―-=――-
'" ｀丶、
_∠ -‐ ／ ヽ、
／ ' 、 ＼ ヽ
. / ／ ／ 〃 j } ヽ`く＾ヽ、ハ
/ ｲ { ｛{ / j / ,' } ヽ:::::＼}
{! /::{ 人 从 〃 /,ｲ / l:::::::::ﾍ
・・・ごくごく普通の出会いですよ ∨::小 ｛`＜⌒{{ ／￣jノﾄ､ / } ::::::::::}
. {:::::ﾊ ヽ､_＞ 二八_（ _ 厶j＼ ｌ::::::::::,'
その人がここで困っていて、わたしが偶然ここに通りかかりました ∨八. ＼'¨￣` ＝=ﾐ ﾉ , /:::::::::/
＼ こミ ' ／ ／ /::::::／
人. ゝ ` ｰ 彡=-─厶／|
/ /＼ぐ＞､＿ イ_}｝ / / │
〃 / {／〈| __／ ∨／{ l.{
{ｆ斗―-イ _>＜´ ∠`ーｚ-八
／ { ,レ'´ _爪 ＼ ／ ／ ヽ＼
. / ｜ 〉 ／ﾉ |/／ / ／ | ヽ
. - 772 ： ◆HrtGSGllns ： ：2010/08/03(火) 20:43:16 ID:7KZ244lQ
-
＿＿＿_
／⌒ ⌒＼
／（ ●） （●）＼
／ ::::⌒（__人__）⌒:::: ＼
| |r┬-| | 羽入は、その人を手伝ってあげたのかお？
＼ `ー'´ ／
> <
（ | / ）
`| /'
| ｒ /
ヽ ヽ／
>__ノ;:::......
_,. -──-- ､_
,.-__ r-､-. ト--.､
' ｲ ＼＼＼ ＼::::::＼
/ ｲ | ヽﾊ. ＼ ヽ:::::::ヽ
' ' |│､| ｫ什十ﾄ! | ﾚ::::::::l
/li! | vl-ﾄゝ､,. j/z!‐j/､ﾚｲr::::::::::ｲ
(:::|l ヾ ヽj =,､ l./ ﾍﾊt! j {:::／..ヽ
V|ゝ ＼ﾊ 7rj ｀ "/ イ ::::::::::: ＼
ﾚゝ＼lヾ!" ' , ｲイ＼ ::::::::::: ＼
ええ、そうなると思います |l !:::ゝ. ｀ ／ |::::::::::＼: :::::::::::::`. ､
|i :::::::::|｀..ｰ─r' ／ ＼::____:＼:::::::::::ヾ:::`..､
ゞ ::::::::ゝ::__,:イ／ ,.イ ,. ---､ヾヽ:::::::::::`:::::::＼
＼:,.ｲ´| ／ ／ / / |ﾄ､::::＼:::::::::::＼:::`i、
_/ノ! ／ ／ ﾚ' /:::::＼.:::: i､:::::::::::: 'i::::ヽ.
/_/ ／ ／ 「_￣_:.`ｰく::＼::::::::ﾞl.,::::ﾊ ::::: |!:: !
〈 ,! ,' / ｢:.~: : :~: rィ'ヽ::::＼::: i::. |ヽ::: |!:: |
ｲ.:ﾚ / ,.ｲ: : : : : : ∧ :::::l::::::::ﾞ!::|: | |:: |!:: !
/: : :|＿__l!＿__/:.:|: : : : : :/ :::l::::: l :::::: !::!:: | |:. ﾉ ,.'
': : : ＞rt===.／/:.:| : : : :∧ :::|:::::ｲ::i:::. ﾚ|:: | j／ ／
/: ／ ,.イ|tｽ／: :/: : !: : : :/! :::: l::/ |: |:::: | |:: ﾚ'′／
. /: .lL_' ／!ﾊV: : : ' : : : : : :/三ゝj/ |::|!:: ﾉ ' ,' ,.イ/
.': : :くミ|^∨／: : : : : : : : :./三三三 ` ー＜j／ ﾚ′ '
i: : : へ'三/: : : : : : : : : :.:/ 三三三三三三 ＼
なるほど・・・彼女らしいといえば実にそうだ
. - 773 ： ◆HrtGSGllns ： ：2010/08/03(火) 20:43:28 ID:7KZ244lQ
-
|{ r'／＿ ＿＿＿
ヾ､｛ ' ´ ｀ヽ ,--- ､｀ ヽ、
_,-ー‐ ､ヽ' ＼ ｀ヽ ｀ヽ、
／ ／ .／｀r ', ヽ , ､ヽ_ i
. /rク ,／ ,-{ .ｽ ', { i ',｀ｰﾄ､
ﾚ'/ / / ヽ } ヽヽ '￣ ヽ ﾊ } ヽ:::::::＼
| .| / ハ ! ＼', ヽ ＿_ } .} ｜ ヽ::::::::ヽ
| ｛ | ｛ r-､ ´ i､_ﾊヽ} .ハ i ヽヽ:::::::::i
ヽﾄ, ヽ ',/ i ﾊ ｜::::} ! ﾊ.,.ﾍ｝ iヽ',:::::: }
さ、行きましょうやる夫 ハ ﾚヽ,_ .i }ﾘ ￣ ´//ｸ} リ ﾄ､',}:::::::}
. /ヽ}::::} ﾋiｰ ,,, ｀＿, - ､"" /' -' }ｽ ｝ ヾ:::: /
. ',:::::: /｀ヽて ヽ } ノ｀ ﾌ ｛ ﾉ ﾉ:::/__r'￣::
｀ ー-､_',:::::{ ', ｀ｰ ､ ' , ｲ ／ ﾚ/､'ｰ '_r' ,=,::::::::
::::::::,ｲ｀r ヽ{__ 〉､ヽ、 ｀ヽ-i'´ _少ﾍ＿,.⊥__／ |:::}::|:::::::::
:::::::=':::{ ｀ー―ｧ--､r' /／ ／ i / l:::::,=､::::::
:::::::|:|:::{ / / { ,／ ／ !｛ ヽ::ヽ｣:::::
:::ヽ､｣､_ﾌｰ , ､___ / ﾚ' /´ i | _,-'::_, t‐'´｀ｰ'てｰ
::::::/ ／ ｝ ./ ./, / ヽ .´:: r1 i ヽ ',.ヽ
‐ ' .ﾚ' / / ./ ', i .} i | }ヽ
｝ i' ノ /´ l ﾉ { .| .} .}
＿_＿__ ━┓
／ ― ＼ ┏┛
／ノ ( ●) ＼ ・
. ｜ ( ●) ⌒） |
. ｜ （__ノ￣ / おっ？ もういいのかお？
. ｜ /
＼＿ _ノ＼
/´ |
. | / |
. - 774 ： ◆HrtGSGllns ： ：2010/08/03(火) 20:43:47 ID:7KZ244lQ
-
-―-=――-
'" ｀丶、
_∠ -‐ ／ ヽ、
／ ' 、 ＼ ヽ
. / ／ ／ 〃 j } ヽ`く＾ヽ、ハ
/ ｲ { ｛{ / j / ,' } ヽ:::::＼}
{! /::{ 人 从 〃 /,ｲ / l:::::::::ﾍ
∨::小 ｛`＜⌒{{ ／￣jノﾄ､ / } ::::::::::}
はい、ここはもう充分です . {:::::ﾊ ヽ､_＞ 二八_（ _ 厶j＼ ｌ::::::::::,'
∨八. ＼'¨￣` ＝=ﾐ ﾉ , /:::::::::/
＼ こミ ' ／ ／ /::::::／
人. ゝ ` ｰ 彡=-─厶／|
/ /＼ぐ＞､＿ イ_}｝ / / │
〃 / {／〈| __／ ∨／{ l.{
{ｆ斗―-イ _>＜´ ∠`ーｚ-八
／ { ,レ'´ _爪 ＼ ／ ／ ヽ＼
. / ｜ 〉 ／ﾉ |/／ / ／ | ヽ
＿＿＿
／ ヽ､_ ＼
／（● ） （● ） ＼
／:::⌒（__人__）⌒::::: ＼ ・・・わかったお
| ｌ^l^lｎー'´ |
＼ヽ L ／
ゝ ﾉ
／ /
羽入に手を引かれつつも最後にもう一度消火栓を振り返る
・・・気のせいか
奇妙な既視感、それを振り払うと、やる夫は再び街の雑踏へと戻っていった
. - 775 ： ◆HrtGSGllns ： ：2010/08/03(火) 20:43:59 ID:7KZ244lQ
- ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
・
・
・
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━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ - 776 ： ◆HrtGSGllns ： ：2010/08/03(火) 20:44:17 ID:7KZ244lQ
-
＿∩
/ 〉〉〉
{ ⊂〉 ＿＿＿_
| | ／⌒ ⌒ ＼
| | ／(●) (● ) ＼
おっ！ 羽入羽入！ | |／:::⌒(__人__.)⌒::: ＼
ヽ | |,┬‐ | |
＼.＼ ｀ー ´ ／
＼ ＿＿ ヽ
ヽ (＿＿＿_/
／｀＞－ ¨ヽ
.. '/ l´ヽ￣丶
／ / / / / | ＼ ＼
/ / 斗―| | ｣_ ヽ ヽ ヽ ヽ
/ ,ｱ / /| | ∧メ | ', ハﾊ
| /;';! ﾚテ下ﾊ ! /Tﾊ ! | .| ﾄ､! どうしました、やる夫？
l /;';';l Vf、ｨ} ＼/刋 }/ ハ| /
､|;';';';', ゝ-‐' , ゝ' /_,.イ;';';'} /
ﾄ､;';';'ヾ ｰ-ゝ r―v / } |__,ノヾ
/ /ヽ.__ゝ､ ＼ ｰ ' .. く /／| ＼ .、
／ /／ / ＞く ｰく￣ {ニヽ!-- ､／ヽ ｀￣￣ }__／ /
／ / {／｀＼＼ ＼ ヽﾊ. l＼ >′＼＿__,.／´ ＼/ }
-‐ ´ ／ r―┴ ､ ＼＼ ＼| | ヽ ｀丶､/ ∧ ＼ ∨
/ / { ﾊ.イ｀ ヽ ＼ ＼ ＼ ヽノ } ヽ
/ { /＝＝ ∧ﾊ ', ＼ '; } ! /
ゝ‐ ´ ヾ〉ハヽ ､ 〉 Ｖ / / /
‐＜ ＼ ヽ＼｀7ー- / ／__. ＜ｰ-､ ／
＼ ! ｀{￣￣￣／＼ﾊ ＼ ＼
ヽ |＼/{ ー-／ / ヽ}、 ￣ 〉
i |／ /＼/（.ノ / l＼ __／､ ／
l i | ,′ ＼ ノ |ヽ ＼
しばらく羽入に街を説明しながら歩いていると・・・
見つけた。やる夫は運がいい
やる夫が指さすその先には『モノノ怪宝石店』とある
・・・相変わらず変な名前だ
. - 777 ： ◆HrtGSGllns ： ：2010/08/03(火) 20:44:42 ID:7KZ244lQ
-
＿＿＿_
／ ＼
／ ⌒ ⌒ ＼ よかったらあそこに寄ってかないかお？
／ （⌒） （⌒） ＼l⌒l
| （__人__） |`''|
＼ ｀ ⌒´ _／ /
/
/:::::::::::::/ l l ヽ ', l /! l } l ﾊ:::::::::::::::::::l
. /::::::::::::::il ! ヽ、 ＼__ヽ ', l-/十‐l- ..._/ l i::::::::::::::::::|
,'::::::::::::::::ｌ| ヽ ＞=''二_￣ `ヽヽ ヽ ｌ/ l / /l｀ .,' l !:::::::::::::::::|
!::::::::::::::::l l ヽ、 ´ ﾍ ¨ ‐-､ﾄ､ } / 'ｲ ／ ! / l l:::::::::::::::::|
!::::::::::::::::l ', `t‐---` ＿ ﾘ ／ --/／ ｜ / / l::::::::::::::::::!
l::::::::::::::::ﾍ ヽ ', _..´---､ }／ zニニ_‐-､ l / / ,'::::::::::::::::,'
.V:::::::::::::::ﾍ ＼ ヽ zﾆ-‐ ￣ ｀ ｀ヾｨ'′ ,ｲ ,ｲ:::::::::::::::/ はいっ♪
V::::::::::::::::ヽ 丶､ ヾ､ xxx l xxｘ ／ ／/ / |:::::::::::::/
ヽ:::::::::::::::::i＼. ￣ヽ￣ ､__ ＿_, ∠.... ィ ´ / / l:::::::::／
＼:::::::::::', ｀iｰ- ..＿_`_､ __ /l / ／ /:::／
丶､:::::ヽ l l ヽ、 , ィ´/ '´/ /イ
iー-`.', ', l `丶､ , イ l /ｲ .／ l !
| Ⅵ､ ', ﾉ _!¨ ‐- -- '' ´ !、 l / ／ l |
| / _.. ---ヽ､ ﾍ‐ '' ´ ! | `ｰく‐､----- ､. |
／／ ,-‐､/ムヾ､ / r―ｷェ‐､ ヽ|
/ / `ｰ-ｲﾊ..._） ヽ‐イﾊ`‐' ',
元気よくうなずく羽入と店内へ
ここなら彼女へのプレゼントも見つかるだろう
. - 778 ： ◆HrtGSGllns ： ：2010/08/03(火) 20:45:02 ID:7KZ244lQ
-
l :l :| :| :| :| :| :| :| :| :| :| :| :| :| :| :| :| :| :| :| :| :| :| :| :| ﾞ| :| :| :|
l :l :| :| :| :| :| :| :| :| :| :| :| :| :| :| :| :| :| [三三三三三三三] :| :| :| :|
￣￣￣ ＼::::| :| :| :| :| :| :| :| :| :| :| :| :| :| :| |ﾐ| ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|ﾐ| |＼￣￣￣
二二二二 | :| :| :| :| :| :| :| :| :| :| :| :| :| :| :| |ﾐ| ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|ﾐ| | :|二二二
lillillillllillillli| | :| :| :| :| :| :| :| :| :| :| :| :| :| :| :| |ﾐ| ;;;;;;;;;;;;;;;;|ﾐ| | :| |lllililililil
lillllillillillillil| | :| :| :|｡Oo｡二二] | :| :| :| :| :| :| :| |ﾐ| ;;;;;;;;;;;|ﾐ| | :| |lllliilliliii
lillillilillllillill| | :| :| :|ﾟｉﾟYﾟ ┴┴┐ :| :| :| :| :| :| :| :| |ﾐ| ;;;;;;;|ﾐ| | :| |iillilililili
llillllillilllillill| | :| |＼ [ﾞﾞﾞ]. ──┘￣￣￣￣￣￣￣￣￣＼ 三≡三 ;;;|ﾐ| | :| |illlilililili
＼ illllillillll| | :| :|＼[￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣"］ 三＝二 |ﾐ| | :| |iilllilillili
￣|=====|_l￣"'|. 「|￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣「| ￣￣￣￣￣￣￣＼|_|=====
i i | ＼ l_!＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿|」
i i |
l l |
l l | ,＿､＿＿､ ､＿＿､_
── ､ | ＼ヽ★★ 丶◇◇ ＼ ､＿＿＿＿＿＿＿＿_
////∧＼ | ＼ ､――､..､──＼ | ＼ 鹵鹵 ＼罟罟 ヽ
＜＜田＞＼. ＼. ＼ヽ○○ 丶△△ ＼ | ＼ 鹵鹵 ＼罟罟
その店は大きなチェーン店ではなく、一品物の宝石やアクセサリーを扱う専門店だった
この街に古くからあって、地元では結構有名な店だ
なんでも父さんと母さんの婚約と結婚の指輪はここで買ったという話だった
. - 779 ： ◆HrtGSGllns ： ：2010/08/03(火) 20:45:43 ID:7KZ244lQ
-
,､ | ＼ |
i ｀＼| _, -‐'￣ ＿｀' | ／'i
'l ヽ _, -‐' .|ﾞ i
ﾞi. ヽ ＼,,-‐'´ _, -‐'´ ｀丶､ ,| /l
| ｀i､ ヽ _,-‐'´ -‐'´＿,- i /./
| .| ヽ ｀､-'" ＿,,,,--＜_'´ __ ｀'‐-､ l/.i
i 'i /￣￣ ,､ i ￣''''――i‐‐i‐--i---i‐‐i‐‐'´｀｀‐-‐|ﾉ ・・・ようこそ、おいでなさった
ヽ i / , '//.l ./ ミヘ､. | | l´ /ﾞ 丶 ∧ .ヽ
ﾍ ﾍ ﾍ i´//ﾐ//＿_ ｀ﾞ -､ﾞ_| i ﾞi |, -'',"| / | /
＼ ﾞi v/, //ﾐ 廴ゞ‐-､ヽ | .|／.,,:| |∠-‐i l,-,| く
＿＿_,,-‐'´ ヽ Ol i彡l l //ﾞﾞ｀ﾞﾞﾞ´¨ﾌ'´ | .| |::::| |く夕//／| ヽ
丶 ―-､, -|丶l ﾍ | |ψ ／ | .| |:::| i ﾞﾞi i:､ﾞ/ i､ i
＼ -‐´ i | ｀' i ﾉ l |:::llﾞ､｀i l l/ /ヾ､
＼＿＿,,, -'i i / //ll .|:::|､ﾞ,ﾞﾍ ,i i / /
＿＿＿ ﾉ | | ﾉﾉﾉﾉ |:::| ＼ﾞ｀' l／/
＿/ / | .| ‐---／,'／ |:::|＿ | ,‐'
/ "ﾞ'‐､ / ﾞ, ﾄ ￣｀ヽ´´ ／￣ ﾞ'i ﾞ'i￣"｀'‐ ､,_.|
＼＼ ｀'‐´､ i / ＼‐'"∥|レ'´ l l___,､ '｀｀｀,=‐
＼＼ ＼ i ＼＿＼／ '‐---‐‐‐‐'''i､ ｀''''''‐‐"´
/:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::.
ｉ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::､ ､::::::::::::::::::::::.
. ｉ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::( ＼＼＼＼:::::::::::::ｉ
.ｉ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＼ ＼＼＼＼::::::::ｉ
ｉ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/::::lヽ::::::::::::::::::::＼ ヽ ヽ ヽヽ:::::ｉ
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/:::::::::/ |::::| |::::::ｉ:::::ｉ::::::::::::| l l l }:::::ｉ
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/￣ /:/‐/::: /-!::ｉ::|::::!l::::::ｉ:::::| l l l l:! ヾ
:::::::::::::::::::::::::::::::_::::::::::::::::::::::::/＿ /ｿ斗子ミ､| /:::|::∥:::/::::/ ﾉ! いらっしゃい・・・
::::::::::::::::::::::::::::/ |:::::::::::::::::::::::ﾄ､;;;;;;;;;;ｿ_, /／l//／::::/ /
:::::::::::::::::::::::::::l ( |:::::::::::::::::::::::| ￣￣ ＼::/ /
::::::::::::::::::::::::::::ヽ l:::::::::::::::::::::::| / l /::ｉ
::::::::::::::::::::::::::::::::〉!::::::::::::::::::::::| | l:::::ｉ
:::::::::::::::::::::::::::::/ !::::::::::::::::::::| _ ノ l ＼:::::..
::::::::::::::::::::-─'- ヽ::::::::::::::::::ｉ＼ ￣ ∧ ＼:::＼
::::::, '" ｀ヽ:::::::::::::::ｉ ＞ ／::::::＼ ＼::::＼
／ ＼::::::::::.. /＞. _/::::::::::::::::::＼ ＼::::＼
＼::::::＼ /::::::::::∧:::::::::::::::::::::::::::＼ ＼::::＼
店員とおぼしき男女が話しかけてくる
どちらも随分と若く見えたが、二代目、もしくはそれに準ずる人たちなのだろう
. - 780 ： ◆HrtGSGllns ： ：2010/08/03(火) 20:46:40 ID:7KZ244lQ
- ＿
,.．-v'⌒Y´ ｀Y ‐- ､
.':::::::::::| | ヽ.ヽ !､ヽ. '.
l:::::::Vｲ ﾊ l-Vゝ!l | l│
ゝー` Y ィ=､ ヽﾊノ j､
∧＼＼ ヽ しﾘ i1イ/
＿＿_ / ゝ ー`ー`''' fjl:|イ わぁ・・・
γ⌒ Y´: : : : : :＞- ､＿＿＿＿/ ／=､) / ヽ 'ﾊり
′l |: : : : : : : : : : : : : : : : : |i:/´￣￣ ｀ヾ _ ゝ _`_´.イ/ _.. -─―vヽ
_ノi |: : : : : : : : : : : : : : : : : : { lー<__ノ _,. '´: : : : : : : : : Yj
(＿ノ: : : : : : : : : : : : : : : : :「j:|──- / ﾉヽ＜ヾ: : : : : : : : : : :.:..|
|: : : : : : : : : : : : : : イ===' ＼＿ノ _＿ | /ヽ|: : : : : : : : : : : : : |
|: : : : : : : : : : : ／| ／ / Y' f´::::::::: ｀v' /_l_ヾ._＿＿＿＿_ ﾉ
└─── … ' ﾚイ イ | |i::::::::::::::::::Y7L_
'´ | _,.. イ＾〉.へ __:::..イ^＼:::｀i
ﾚ'´ ／V ::::::::::::::::: |:::::::::＼|
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＿_
, ..::::':::::´::::::::::::::::`::ｰ.，
,..::'::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
,イ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
／:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＼
/:::::::::::::::!:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
/::::::::::::::::::!::::::::::::::::::::::::l:::::::::: ﾄ!:!!:::::::::::::::::::::::::::::::∧
/::::::::::::::::::::l::::::::::::::::::::::/::::ﾒ::: /!::!!::!:::::::::::::::::::::::::::::::∧
./::::::::::::::;ィﾆ!:::::::::::::::::::/:::: /l::/｀l:l､ﾘ!:::::::::::::: ﾄ,::::::::::::::::∧
./:::::::::::::::!／ l::::::::::::::::::!::/,ｨミ',_ lﾘl::ﾒi!l::::::::::::!!::::::::::::::::::::ﾄ､
/:::::::::::::::::!ヽ'´l::::::::::::::::::!' ゞ､::::::〉ﾐﾘ .l!::::::::::ll::!!:!:::::::::::::::::::! ', ふふ・・・
/:::::::::::::::::::! l ヽ!:::::::::::::::::! ｀ヾ l`/::/:::::/_l:Lﾘ:::::::::::::::::::! !
./:::::::::::::::::::::ヽヽ l::::::::::::!::::! ﾙ'j/ﾙ',,_l' /7:::::::::::::::!:::l l
/:::::::::::::::::::::::::::ヽ-!:::::::::::l:::::! ' !:::::::ヽ/::::::::::::::｢!:::!
./::::::::::::::::::::::::::::::::::!ﾙ::::::::::!:::::! ', ヾイ,/::::::::::,::/ l!:;'
/::::::::::::::::::::::::::::::::::::! !::::::::::ﾄ:::::l ヽ ､ ィ /::::::::/7/ ﾉﾘ
./::::::::::::::::ﾉ!:::::::::::::::::::! ∨:::::::!ﾍ:::, ヽ__> ノｲ:::::::::!ノ
/::::ｨ:::::::://::/!:::::::::::::::∧ .∨::::::! .';::! ` 彡':::::::::::∧
./ｲ//:::::://::/＾!::::::::::::::::∧ ∨:::∧ ヾ, ＜:::::::::::::::::::::::∧
´￣!::::::::l/::/: : !::::::::::::::::!: :｀ヽ!ﾄ:::!!::ヽ_〉,イ::!!:::::::::::ヽ:::ヽ::::::ヽ:∧
流石に羽入も女の子。こういった物には目がないのだろう
きらきらと目を輝かせ、きょろきょろと店内を見回していた
かと思えばすぐにショーケースへと駆け寄りのぞき込みはじめる
それを見た女性の店員がにこやかに羽入に近づいていき、なにやら話しはじめる
. - 781 ： ◆HrtGSGllns ： ：2010/08/03(火) 20:47:10 ID:7KZ244lQ
-
＿＿＿_
／ ＼
／ ⌒ ⌒ ＼
／ （⌒） （⌒） ＼l⌒l すみませんお、お騒がせしてしまって・・・
| ｕ （__人__） |`''|
＼ ｀ ⌒´ _／ /
/
. …… .
／ ＼
. ′ ' .
/ '.
'
f^＼ { -- ー } ,／^}
'.ヽ ヽ! ___ i/／ .' いえいえ・・・
',{^ 〈こ＞ー-ｧ―-ｒrｧｰ‐ｧ=;斗--- ､_〉} ;
; {: : : : /j:{ ≦ﾍ|:|{: f! {≧, ｊ ∧ : : :〉' .' 退屈していたところでして
ヽ, j: : : ∧,}:}tｯ-､ｊ:jﾊ:|}.:f-ｔｯ;{:{ｧ}: : : '.／ . 可愛らしいお客さまは歓迎しますよ
^|: : : Ⅵ7ｆ¨¨'´j/, ﾍ'..:{`¨f｢}∨.: : : }
}: : : : "/ ,/ { } '.:ヽ、 ｊ: : : : : /
_｣: : : : : :' ノ i ! ヽ､:V: : : : :丨
ｒｰ≦__':. : : : : 廴_ノ} ' ｀{: : : : : :|ヽ,
｀ヽ､ ___ｊ: : : : : rｰ＜｀¨こ¨´ ,／j : : : : : ｊ ＞
.ｨ^} : : : : ヽ,＿,ヽ __ .ｲ＾ｰ': : : : : :〈ー'´
/ {: : : : : r-一'´ ﾄ､_／: :/: : : :丿
/ ヽ、: : :ヽO_,ｨL ヽ;__;／ー-イ^ヽ
／｀ヽ, ＼;_辷≧;イヽ ′}ミﾆ彡{ ｀ヽ、
,． '´ ヽ ヽ,ヽOｰ ｰ/丶==,/ ｀ヽ、
,． '´ '. ＼＼f^}: : : : : '. ＼
. - 782 ： ◆HrtGSGllns ： ：2010/08/03(火) 20:47:24 ID:7KZ244lQ
-
| ヽ ＼＿＿＿＿ |
| ｉ ､ |: : : : : : : : ｀ﾞ＜ |
／ ', } ﾘ.: : : : : : : : : : : :>､ |
イ: : : :.'､ .ヽ､ {: : : : : : : : : : :/=ﾐ､ｉ＼ ﾘ
'": : : : : : : :', i: : : : : : :,ｨ; : l＿ {: : :ヽ'
: : : : : : : : : :＼___ﾉ: : : : : / }/ヾ､刈 ｿ.: : :}＼
: : : : : : : : イ /: : : : : :{ _ノ .|l ゝ'´{｀i: :/: ;､:ヽ ところでお客さま・・・
ゝ; : : ､;'ﾊ' /: : : : : : : } ﾘ ∨:ﾘ:.:{ ﾘ
＼ゞ'ﾘ" / : : : : : : : ﾉ ' _,イ:;ｲ:.:.:ゝ._, あちらのご婦人に贈り物でございましょうか？
. .＼＼ / /i: : : : : : 入__ ´ ＿ゝ｀￣´
＼＼ { :{ { : : : ､: : :彡 `､,‐'
..＼ ヽ､ l : : : : r ⌒´ ,イ
| : : : : !≧､＿ /.:ｉ
￣￣￣￣￣＼ゝ: : : :|: : : : : : : : ゝ､.,.,.,ノ
＼: : ::|: : : : : : : : ﾊ'￣´
＿＿＿＿
/ ⌒ ⌒ ＼
./( ―） （ ●） ＼
/::⌒（_人＿）⌒::::: | ええ・・・ビックリさせたいので内密にお願いしますお
| ー .|
＼ ／
. - 783 ： ◆HrtGSGllns ： ：2010/08/03(火) 20:47:37 ID:7KZ244lQ
- / -― ＼ |
,､ | ＼ |
i ｀＼| _, -‐'￣ ＿｀' | ／'i
'l ヽ _, -‐' .|ﾞ i
ﾞi. ヽ ＼,,-‐'´ _, -‐'´ ｀丶､ ,| /l
| ｀i､ ヽ _,-‐'´ -‐'´＿,- i /./
| .| ヽ ｀､-'" ＿,,,,--＜_'´ __ ｀'‐-､ l/.i 左様でございますか、承りました
i 'i /￣￣ ,､ i ￣''''――i‐‐i‐--i---i‐‐i‐‐'´｀｀‐-‐|ﾉ
ヽ i / , '//.l ./ ミヘ､. | | l´ /ﾞ 丶 ∧ .ヽ では、どういった贈り物で？
ﾍ ﾍ ﾍ i´//ﾐ//＿_ ｀ﾞ -､ﾞ_| i ﾞi |, -'',"| / | /
＼ ﾞi v/, //ﾐ 廴ゞ‐-､ヽ | .|／.,,:| |∠-‐i l,-,| く
＿＿_,,-‐'´ ヽ Ol i彡l l //ﾞﾞ｀ﾞﾞﾞ´¨ﾌ'´ | .| |::::| |く夕//／| ヽ
丶 ―-､, -|丶l ﾍ | |ψ ／ | .| |:::| i ﾞﾞi i:､ﾞ/ i､ i
＼ -‐´ i | ｀' i ﾉ l |:::llﾞ､｀i l l/ /ヾ､
＼＿＿,,, -'i i / //ll .|:::|､ﾞ,ﾞﾍ ,i i / /
＿＿＿ ﾉ | | ﾉﾉﾉﾉ |:::| ＼ﾞ｀' l／/
＿/ / | .| ‐---／,'／ |:::|＿ | ,‐'
/ "ﾞ'‐､ / ﾞ, ﾄ ￣｀ヽ´´ ／￣ ﾞ'i ﾞ'i￣"｀'‐ ､,_.|
＼＼ ｀'‐´､ i / ＼‐'"∥|レ'´ l l___,､ '｀｀｀,=‐
＼＼ ＼ i ＼＿＼／ '‐---‐‐‐‐'''i､ ｀''''''‐‐"´
＼ ＼ ｙ ／ ＼ く
＿＿＿＿＿_
／ ＼
／ ＼
／ ⌒ ⌒ ＼
そうですおね、お世話になった感謝と友情をこめて・・・ ／ ／ ｀ヽ /´ ｀ヽ ＼
／ （ ● l ｌ ● ） ＼
でしょうかね | ヽ_ _ノ ヽ_ _／ |
| ´￣｀ （ i ） ´￣｀ |
＼ ー― ＾ ー― ／
＼ ー一 ／
／ ＼
/ ヽ
| |
| ｉ ｉ |
| | | |
. - 784 ： ◆HrtGSGllns ： ：2010/08/03(火) 20:47:57 ID:7KZ244lQ
-
. …… .
／ ＼
. ′ ' .
/ '.
'
f^＼ { -- ー } ,／^}
'.ヽ ヽ! ___ i/／ .'
',{^ 〈こ＞ー-ｧ―-ｒrｧｰ‐ｧ=;斗--- ､_〉} ;
; {: : : : /j:{ ≦ﾍ|:|{: f! {≧, ｊ ∧ : : :〉' .' なるほど、なるほど・・・
ヽ, j: : : ∧,}:}tｯ-､ｊ:jﾊ:|}.:f-ｔｯ;{:{ｧ}: : : '.／
^|: : : Ⅵ7ｆ¨¨'´j/, ﾍ'..:{`¨f｢}∨.: : : }
}: : : : "/ ,/ { } '.:ヽ、 ｊ: : : : : /
_｣: : : : : :' ノ i ! ヽ､:V: : : : :丨
ｒｰ≦__':. : : : : 廴_ノ} ' ｀{: : : : : :|ヽ,
｀ヽ､ ___ｊ: : : : : rｰ＜｀¨こ¨´ ,／j : : : : : ｊ ＞
.ｨ^} : : : : ヽ,＿,ヽ __ .ｲ＾ｰ': : : : : :〈ー'´
/ {: : : : : r-一'´ ﾄ､_／: :/: : : :丿
/ ヽ、: : :ヽO_,ｨL ヽ;__;／ー-イ^ヽ
／｀ヽ, ＼;_辷≧;イヽ ′}ミﾆ彡{ ｀ヽ、
,． '´ ヽ ヽ,ヽOｰ ｰ/丶==,/ ｀ヽ、
,． '´ '. ＼＼f^}: : : : : '. ＼
彼は頷きながらもすぐさま商品棚へと向かって歩き出した
流石はプロだ
. - 785 ： ◆HrtGSGllns ： ：2010/08/03(火) 20:48:15 ID:7KZ244lQ
-
＿＿＿
／ ＼
／⌒ ⌒ ＼
あっ、それとできれば長く形に残る物がいいですお ／（● ） （● ） ヽ
| ⌒（__人__）⌒ |
＼ ｀⌒ ´ ／
/ ＼
| ヽ ＼＿＿＿＿ |
| ｉ ､ |: : : : : : : : ｀ﾞ＜ |
／ ', } ﾘ.: : : : : : : : : : : :>､ |
イ: : : :.'､ .ヽ､ {: : : : : : : : : : :/=ﾐ､ｉ＼ ﾘ
'": : : : : : : :', i: : : : : : :,ｨ; : l＿ {: : :ヽ'
: : : : : : : : : :＼___ﾉ: : : : : / }/ヾ､刈 ｿ.: : :}＼ それはまた、何故でございましょう？
: : : : : : : : イ /: : : : : :{ _ノ .|l ゝ'´{｀i: :/: ;､:ヽ
ゝ; : : ､;'ﾊ' /: : : : : : : } ﾘ ∨:ﾘ:.:{ ﾘ
＼ゞ'ﾘ" / : : : : : : : ﾉ ' _,イ:;ｲ:.:.:ゝ._,
. .＼＼ / /i: : : : : : 入__ ´ ＿ゝ｀￣´
＼＼ { :{ { : : : ､: : :彡 `､,‐'
..＼ ヽ､ l : : : : r ⌒´ ,イ
| : : : : !≧､＿ /.:ｉ
￣￣￣￣￣＼ゝ: : : :|: : : : : : : : ゝ､.,.,.,ノ
＼: : ::|: : : : : : : : ﾊ'￣´
. - 786 ： ◆HrtGSGllns ： ：2010/08/03(火) 20:48:28 ID:7KZ244lQ
-
＿＿＿_
／ ＼
／ ⌒ ⌒ ＼ やる夫・・・僕が一緒にいてあげられる時間はもうほとんどないんですお
／ （⌒） （⌒） ＼l⌒l
| （__人__） |`''|
＼ ｀ ⌒´ _／ /
/
/ : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :＼
/: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :／i : : : : : :＼
| : : : : : ＼ : : : : : :＼ : : : ／ ﾉ: : : : : : : ﾍ
|: : : : : : : : ＼__ : : : : : :／ , ｲ : : : : : : : : ﾍ
| : : : : : _ : : : : : ￣＼ / ／ゝ } : : : : : : : : : ﾍ
ﾑ;; = -´|^⌒^ ―――｛< ´ } : : : : : : : : : : ﾍ
/ !. |〟 ,zl .ﾄ 、 、 { ／/: : ＼ : : : : : : : ﾍ :
・・・失礼ですが、お体が？ | ', i tｯテ<>＼| ヽ ` | i/､: : : : : ｀ : : :/⌒`´
{ 人｀" <> ヽ {_./ ＼_ノ⌒Ｔ｀＼
Ⅴ ＼＼ | | /: : 、: : : : :＼
／ ＼＼{ | /: : : : : :兀 : : :廴
｀::`辷__, ) ) ) 丿 ∠＿＿＿| ＼: : ／
ヾ ＿ノ 弋 " ( /ヾﾊ _ , _/
＼ ,, | i _ ＞l | " "ｿﾙﾊ`i
/ { ｀ "＼_／ 丿_ = ⌒ ￣￣￣￣ !┐
. - 787 ： ◆HrtGSGllns ： ：2010/08/03(火) 20:48:42 ID:7KZ244lQ
-
＿＿＿_
／⌒ ⌒＼
／（ ●） （●）＼
／ ::::⌒（__人__）⌒:::: ＼
| |r┬-| | そんなところですお
＼ `ー'´ ／
> <
（ | / ）
`| /'
| ｒ /
ヽ ヽ／
>__ノ;:::......
客商売というのは伊達ではないのだろう
やる夫の言葉に彼はすぐさまあっさりとそれを看破した
そしてしばし沈黙し、こう言った
. - 788 ： ◆HrtGSGllns ： ：2010/08/03(火) 20:48:53 ID:7KZ244lQ
- / -― ＼ |
,､ | ＼ |
i ｀＼| _, -‐'￣ ＿｀' | ／'i
'l ヽ _, -‐' .|ﾞ i
ﾞi. ヽ ＼,,-‐'´ _, -‐'´ ｀丶､ ,| /l
| ｀i､ ヽ _,-‐'´ -‐'´＿,- i /./
| .| ヽ ｀､-'" ＿,,,,--＜_'´ __ ｀'‐-､ l/.i 最後に、言い難いこととは思いますが・・・
i 'i /￣￣ ,､ i ￣''''――i‐‐i‐--i---i‐‐i‐‐'´｀｀‐-‐|ﾉ
ヽ i / , '//.l ./ ミヘ､. | | l´ /ﾞ 丶 ∧ .ヽ ご予算のほどをお聞かせ願います
ﾍ ﾍ ﾍ i´//ﾐ//＿_ ｀ﾞ -､ﾞ_| i ﾞi |, -'',"| / | /
＼ ﾞi v/, //ﾐ 廴ゞ‐-､ヽ | .|／.,,:| |∠-‐i l,-,| く
＿＿_,,-‐'´ ヽ Ol i彡l l //ﾞﾞ｀ﾞﾞﾞ´¨ﾌ'´ | .| |::::| |く夕//／| ヽ
丶 ―-､, -|丶l ﾍ | |ψ ／ | .| |:::| i ﾞﾞi i:､ﾞ/ i､ i
＼ -‐´ i | ｀' i ﾉ l |:::llﾞ､｀i l l/ /ヾ､
＼＿＿,,, -'i i / //ll .|:::|､ﾞ,ﾞﾍ ,i i / /
＿＿＿ ﾉ | | ﾉﾉﾉﾉ |:::| ＼ﾞ｀' l／/
＿/ / | .| ‐---／,'／ |:::|＿ | ,‐'
/ "ﾞ'‐､ / ﾞ, ﾄ ￣｀ヽ´´ ／￣ ﾞ'i ﾞ'i￣"｀'‐ ､,_.|
＼＼ ｀'‐´､ i / ＼‐'"∥|レ'´ l l___,､ '｀｀｀,=‐
＼＼ ＼ i ＼＿＼／ '‐---‐‐‐‐'''i､ ｀''''''‐‐"´
＼ ＼ ｙ ／ ＼ く
＿＿＿_
／⌒ ⌒＼
／（ ―） （―）＼ 夏のボーナスでよければ一括で家が建つぐらいまで・・・ですお
／::::::⌒（__人__）⌒::::: ＼
| |++++| 」_ ｷﾗｯ |
＼ `ー''´ l ／
やる夫の死亡保険・・・使い道は特にない
. - 789 ： ◆HrtGSGllns ： ：2010/08/03(火) 20:49:11 ID:7KZ244lQ
-
. …… .
／ ＼
. ′ ' .
/ '.
'
f^＼ { -- ー } ,／^}
'.ヽ ヽ! ___ i/／ .'
',{^ 〈こ＞ー-ｧ―-ｒrｧｰ‐ｧ=;斗--- ､_〉} ; 左様で・・・
; {: : : : /j:{ ≦ﾍ|:|{: f! {≧, ｊ ∧ : : :〉' .'
ヽ, j: : : ∧,}:}tｯ-､ｊ:jﾊ:|}.:f-ｔｯ;{:{ｧ}: : : '.／ では、お客さま
^|: : : Ⅵ7ｆ¨¨'´j/, ﾍ'..:{`¨f｢}∨.: : : }
}: : : : "/ ,/ { } '.:ヽ、 ｊ: : : : : / 私がお客さまにお勧めできる商品はこちら・・・
_｣: : : : : :' ノ i ! ヽ､:V: : : : :丨
ｒｰ≦__':. : : : : 廴_ノ} ' ｀{: : : : : :|ヽ,
｀ヽ､ ___ｊ: : : : : rｰ＜｀¨こ¨´ ,／j : : : : : ｊ ＞
.ｨ^} : : : : ヽ,＿,ヽ __ .ｲ＾ｰ': : : : : :〈ー'´
/ {: : : : : r-一'´ ﾄ､_／: :/: : : :丿
/ ヽ、: : :ヽO_,ｨL ヽ;__;／ー-イ^ヽ
／｀ヽ, ＼;_辷≧;イヽ ′}ミﾆ彡{ ｀ヽ、
,． '´ ヽ ヽ,ヽOｰ ｰ/丶==,/ ｀ヽ、
,． '´ '. ＼＼f^}: : : : : '. ＼
彼は納得したのか棚から小さな箱を取り出して戻ってきた
そこにはクリアに輝く宝石をあしらった銀色の指輪が入っていた
. - 790 ： ◆HrtGSGllns ： ：2010/08/03(火) 20:49:25 ID:7KZ244lQ
-
} ／ __≧t ､__
￣｀`ヽ、 〃 ／ _,=￢^¨¨｢¨} { ´¨f=r ､
＼ {j≦三ｆ＾{ j} ,/ ｊｨ '. } }ヽ､¨
｀`ヽ､ー-=ｒ≧=イ Yﾉ} '. { ,,ｲ{ / 彡} ,/∧ ヽ
―一=f≧=ｰ≦彡' ｆノ } jﾑ' j ,{ｨf≦こ¨¨^7ｽ＾ }
三三三≧=ｰ≦ ﾉ { ⌒ヾﾊ '.≪ｆ,ﾍ___((・))ｨfくく, / ′
いえ、これ以上にお客さまに相応しいものはないと自負しましょう ´ __ , i ,ｨヵｧ',,∧ '. ヽヽ´¨¨ﾍヽ ヽY ,/
／´￣ / },≫/ / ヽ ヽ、｀＼ } 'ヽ } {
あちらのやりとりを見るにサイズも間違いありません , =≠=ｰ __, ', {j／. ′ﾐミ ＼ ー=≧ｆ≠-Ｖ ,' '.
＞ｰ―￢¨¨ ,／／ ﾐミ ヽｰr=≠=-､
／´￣￣´¨ﾌ¨´ （ｰ' '., '. ヽ
ヽ､⌒ヽ／´／ ｀ヽ、¨` } } ｊ! }
ヽ,⌒７ ´ ﾉ ∧ｆ＾こ≧ｖｲ ーイ／／ /
' / , ′ ／ ／ '. ｰ=- ,ｨ／ ,/´ ／
｀ヽ{ . ′,／ ヽ,ﾄ,'. { { 廴＿ ,／
―=ﾍ { { } jﾍ { ヽ､,＿＿__,／} , ′
ー≠ヘ ヽヽ, / ' ハ ヽヽ ／ ／
ちらりと彼は羽入ともう一人の店員を見やりそう言った
. - 791 ： ◆HrtGSGllns ： ：2010/08/03(火) 20:49:39 ID:7KZ244lQ
-
. …… .
／ ＼
. ′ ' .
/ '.
'
f^＼ { -- ー } ,／^}
'.ヽ ヽ! ___ i/／ .' 石は金剛、座金は白金
',{^ 〈こ＞ー-ｧ―-ｒrｧｰ‐ｧ=;斗--- ､_〉} ;
; {: : : : /j:{ ≦ﾍ|:|{: f! {≧, ｊ ∧ : : :〉' .' どちらも悠久不変を約束しましょう
ヽ, j: : : ∧,}:}tｯ-､ｊ:jﾊ:|}.:f-ｔｯ;{:{ｧ}: : : '.／
^|: : : Ⅵ7ｆ¨¨'´j/, ﾍ'..:{`¨f｢}∨.: : : }
}: : : : "/ ,/ { } '.:ヽ、 ｊ: : : : : /
_｣: : : : : :' ノ i ! ヽ､:V: : : : :丨
ｒｰ≦__':. : : : : 廴_ノ} ' ｀{: : : : : :|ヽ,
｀ヽ､ ___ｊ: : : : : rｰ＜｀¨こ¨´ ,／j : : : : : ｊ ＞
.ｨ^} : : : : ヽ,＿,ヽ __ .ｲ＾ｰ': : : : : :〈ー'´
/ {: : : : : r-一'´ ﾄ､_／: :/: : : :丿
/ ヽ、: : :ヽO_,ｨL ヽ;__;／ー-イ^ヽ
／｀ヽ, ＼;_辷≧;イヽ ′}ミﾆ彡{ ｀ヽ、
,． '´ ヽ ヽ,ヽOｰ ｰ/丶==,/ ｀ヽ、
,． '´ '. ＼＼f^}: : : : : '. ＼
自信に満ちた説明をする彼・・・
しかしやる夫はといえば初めて見る超豪華商品にどうリアクションをとればいいか
いささか迷っていた
. - 792 ： ◆HrtGSGllns ： ：2010/08/03(火) 20:49:58 ID:7KZ244lQ
-
＿＿＿＿
／ ＼
／ ＼
／ -一' ﾞー- ＼
／ ／ ,==、ヽ /´,=、ヽ ＼
／ u （ （:::::::::i l l i::::::::) ） ＼
| . ヽ_ ｀ー´ノ ヽ｀ー´_ノ | えっと・・・それはおいくらですかお？
| ''"⌒'（ . i ）'⌒"' u |
＼ ｀ ┬─'＾ー┬' ／
＼ ヽ、::::::::::ノ ＿／
∨､ {{｀ヽ.￣￣￣_. イ.ｰ' {_
_,,-,∨､}} {ﾄ,;;;;;;;;;/ } ./ゞ〈::ヽ
_,..-.:" ヾ、..:.:ゝ＼｡ | ｌ.| |｡〃､く.:.:.:}`::..､,,_
_,..-.:" ヽ.:.:.:｝}｀| .|.i | ´/ ／.:.:ﾘ . `i:ｰ.,
,´ｰ-､: ':.:´ヽ .| l | /／.:.:.:.:/ :i:::::::',
l::: `::､ i.:.:.:.:ヽ,|| |／.:.:.:.:.:.:/ .l:::::::::',
結局、一番重要な問題を聞くことにした
百万単位なら即金でなんとかなるが、それ以上となると
それこそ夏のボーナス・・・死亡保険がおりないと無理だ
けれども・・・
. - 793 ： ◆HrtGSGllns ： ：2010/08/03(火) 20:50:08 ID:7KZ244lQ
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. …… .
／ ＼
. ′ ' .
/ '.
'
f^＼ { -- ー } ,／^}
'.ヽ ヽ! ___ i/／ .'
',{^ 〈こ＞ー-ｧ―-ｒrｧｰ‐ｧ=;斗--- ､_〉} ;
; {: : : : /j:{ ≦ﾍ|:|{: f! {≧, ｊ ∧ : : :〉' .'
ヽ, j: : : ∧,}:}tｯ-､ｊ:jﾊ:|}.:f-ｔｯ;{:{ｧ}: : : '.／ 結構です
^|: : : Ⅵ7ｆ¨¨'´j/, ﾍ'..:{`¨f｢}∨.: : : }
}: : : : "/ ,/ { } '.:ヽ、 ｊ: : : : : /
_｣: : : : : :' ノ i ! ヽ､:V: : : : :丨
ｒｰ≦__':. : : : : 廴_ノ} ' ｀{: : : : : :|ヽ,
｀ヽ､ ___ｊ: : : : : rｰ＜｀¨こ¨´ ,／j : : : : : ｊ ＞
.ｨ^} : : : : ヽ,＿,ヽ __ .ｲ＾ｰ': : : : : :〈ー'´
/ {: : : : : r-一'´ ﾄ､_／: :/: : : :丿
/ ヽ、: : :ヽO_,ｨL ヽ;__;／ー-イ^ヽ
／｀ヽ, ＼;_辷≧;イヽ ′}ミﾆ彡{ ｀ヽ、
,． '´ ヽ ヽ,ヽOｰ ｰ/丶==,/ ｀ヽ、
,． '´ '. ＼＼f^}: : : : : '. ＼
＿＿＿_
／ ＼
／⌒ ⌒ ＼
／（ ・ ） （ ・ ） ＼
・・・はい？ | （__ |
＼ _ｌ ／
／ ｰ ＼
. - 794 ： ◆HrtGSGllns ： ：2010/08/03(火) 20:50:26 ID:7KZ244lQ
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/ : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :＼
/: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :／i : : : : : :＼
| : : : : : ＼ : : : : : :＼ : : : ／ ﾉ: : : : : : : ﾍ
|: : : : : : : : ＼__ : : : : : :／ , ｲ : : : : : : : : ﾍ
| : : : : : _ : : : : : ￣＼ / ／ゝ } : : : : : : : : : ﾍ
お代は結構ですと申しあげたのです ﾑ;; = -´|^⌒^ ―――｛< ´ } : : : : : : : : : : ﾍ
/ !. |〟 ,zl .ﾄ 、 、 { ／/: : ＼ : : : : : : : ﾍ :
この指輪は、ひとつでは半分の価値もございませんので・・・ | ', i tｯテ<>＼| ヽ ` | i/､: : : : : ｀ : : :/⌒`´
{ 人｀" <> ヽ {_./ ＼_ノ⌒Ｔ｀＼
Ⅴ ＼＼ | | /: : 、: : : : :＼
／ ＼＼{ | /: : : : : :兀 : : :廴
｀::`辷__, ) ) ) 丿 ∠＿＿＿| ＼: : ／
ヾ ＿ノ 弋 " ( /ヾﾊ _ , _/
＼ ,, | i _ ＞l | " "ｿﾙﾊ`i
/ { ｀ "＼_／ 丿_ = ⌒ ￣￣￣￣ !┐
彼は楽しげにやる夫を見た
. - 795 ： ◆HrtGSGllns ： ：2010/08/03(火) 20:50:56 ID:7KZ244lQ
- / -― ＼ |
,､ | ＼ |
i ｀＼| _, -‐'￣ ＿｀' | ／'i
'l ヽ _, -‐' .|ﾞ i
ﾞi. ヽ ＼,,-‐'´ _, -‐'´ ｀丶､ ,| /l
| ｀i､ ヽ _,-‐'´ -‐'´＿,- i /./
| .| ヽ ｀､-'" ＿,,,,--＜_'´ __ ｀'‐-､ l/.i
i 'i /￣￣ ,､ i ￣''''――i‐‐i‐--i---i‐‐i‐‐'´｀｀‐-‐|ﾉ
ヽ i / , '//.l ./ ミヘ､. | | l´ /ﾞ 丶 ∧ .ヽ ここにいらしてからの貴方の言葉・・・
ﾍ ﾍ ﾍ i´//ﾐ//＿_ ｀ﾞ -､ﾞ_| i ﾞi |, -'',"| / | /
＼ ﾞi v/, //ﾐ 廴ゞ‐-､ヽ | .|／.,,:| |∠-‐i l,-,| く それが真なら、この指輪は貴方にとって
＿＿_,,-‐'´ ヽ Ol i彡l l //ﾞﾞ｀ﾞﾞﾞ´¨ﾌ'´ | .| |::::| |く夕//／| ヽ 半分の価値となる指輪にて候・・・
丶 ―-､, -|丶l ﾍ | |ψ ／ | .| |:::| i ﾞﾞi i:､ﾞ/ i､ i
＼ -‐´ i | ｀' i ﾉ l |:::llﾞ､｀i l l/ /ヾ､
＼＿＿,,, -'i i / //ll .|:::|､ﾞ,ﾞﾍ ,i i / /
＿＿＿ ﾉ | | ﾉﾉﾉﾉ |:::| ＼ﾞ｀' l／/
＿/ / | .| ‐---／,'／ |:::|＿ | ,‐'
/ "ﾞ'‐､ / ﾞ, ﾄ ￣｀ヽ´´ ／￣ ﾞ'i ﾞ'i￣"｀'‐ ､,_.|
＼＼ ｀'‐´､ i / ＼‐'"∥|レ'´ l l___,､ '｀｀｀,=‐
＼＼ ＼ i ＼＿＼／ '‐---‐‐‐‐'''i､ ｀''''''‐‐"´
＼ ＼ ｙ ／ ＼ く
＿＿＿_ ━┓
／ ＼ ┏┛
／ ＼ ,＿＼. ・
／ （●）゛ （●） ＼
| ∪ （__人__） | ？？？ でもそれだと商売にならないのでは・・・
/ ∩ノ ⊃ ／
( ＼ ／ ＿ノ | |
.＼ “ ／＿＿| |
＼ ／＿＿＿ ／
混乱する
彼の言っている言葉の意味が解らない
半分の価値だって？
. - 796 ： ◆HrtGSGllns ： ：2010/08/03(火) 20:51:13 ID:7KZ244lQ
-
| ヽ ＼＿＿＿＿ |
| ｉ ､ |: : : : : : : : ｀ﾞ＜ |
／ ', } ﾘ.: : : : : : : : : : : :>､ |
イ: : : :.'､ .ヽ､ {: : : : : : : : : : :/=ﾐ､ｉ＼ ﾘ
'": : : : : : : :', i: : : : : : :,ｨ; : l＿ {: : :ヽ'
: : : : : : : : : :＼___ﾉ: : : : : / }/ヾ､刈 ｿ.: : :}＼ はっはっはっ・・・
: : : : : : : : イ /: : : : : :{ _ノ .|l ゝ'´{｀i: :/: ;､:ヽ
ゝ; : : ､;'ﾊ' /: : : : : : : } ﾘ ∨:ﾘ:.:{ ﾘ 指輪ひとつで傾くほど手前共は商い下手ではございませんよ
＼ゞ'ﾘ" / : : : : : : : ﾉ ' _,イ:;ｲ:.:.:ゝ._,
. .＼＼ / /i: : : : : : 入__ ´ ＿ゝ｀￣´
＼＼ { :{ { : : : ､: : :彡 `､,‐'
..＼ ヽ､ l : : : : r ⌒´ ,イ
| : : : : !≧､＿ /.:ｉ
￣￣￣￣￣＼ゝ: : : :|: : : : : : : : ゝ､.,.,.,ノ
＼: : ::|: : : : : : : : ﾊ'￣´
＿＿＿_
／ ノ ＼＼
／ （●） (●）＼
／ ∪ （__人__） ＼
| ｀ ⌒´ |
＼ /⌒)⌒)⌒) ／/⌒)⌒)⌒) いっ、いえ、そう意味じゃ・・・
ノ | / / / (⌒) ./ / /
／´ | :::::::::::(⌒) ゝ ::::::::::/
| ｌ | ノ / ） /
ヽ ヽ_ヽ /' / ／
ヽ ＿＿ ／ / ／
. - 797 ： ◆HrtGSGllns ： ：2010/08/03(火) 20:51:35 ID:7KZ244lQ
- . …… .
／ ＼
. ′ ' .
/ '.
'
f^＼ { -- ー } ,／^}
'.ヽ ヽ! ___ i/／ .'
',{^ 〈こ＞ー-ｧ―-ｒrｧｰ‐ｧ=;斗--- ､_〉} ; 残りの半分・・・
; {: : : : /j:{ ≦ﾍ|:|{: f! {≧, ｊ ∧ : : :〉' .'
ヽ, j: : : ∧,}:}tｯ-､ｊ:jﾊ:|}.:f-ｔｯ;{:{ｧ}: : : '.／ 必ずや必要となるでしょう
^|: : : Ⅵ7ｆ¨¨'´j/, ﾍ'..:{`¨f｢}∨.: : : }
}: : : : "/ ,/ { } '.:ヽ、 ｊ: : : : : / そうなったら、またおいでくだされ
_｣: : : : : :' ノ i ! ヽ､:V: : : : :丨
ｒｰ≦__':. : : : : 廴_ノ} ' ｀{: : : : : :|ヽ, その時、まとめて全ての代金をいただくことにしましょう
｀ヽ､ ___ｊ: : : : : rｰ＜｀¨こ¨´ ,／j : : : : : ｊ ＞
.ｨ^} : : : : ヽ,＿,ヽ __ .ｲ＾ｰ': : : : : :〈ー'´
/ {: : : : : r-一'´ ﾄ､_／: :/: : : :丿
/ ヽ、: : :ヽO_,ｨL ヽ;__;／ー-イ^ヽ
／｀ヽ, ＼;_辷≧;イヽ ′}ミﾆ彡{ ｀ヽ、
,． '´ ヽ ヽ,ヽOｰ ｰ/丶==,/ ｀ヽ、
,． '´ '. ＼＼f^}: : : : : '. ＼
_-─―─- ､._
,-"´ ＼
/ ヽ
/ ＿／::::::＼_ヽ
| :::::::::::::: ヽ えっ、あの・・・
l u （ ●)::::::::::( ●)
` ､ （__人_） /
`ｰ,､_ ／
／ `''ｰ─‐─''"´＼
状況が飲み込めないやる夫の手の中に、彼は箱を押し込んだ
とっさに返そうとするが彼は決してそれを受け取らない
. - 798 ： ◆HrtGSGllns ： ：2010/08/03(火) 20:51:49 ID:7KZ244lQ
-
| ヽ ＼＿＿＿＿ |
| ｉ ､ |: : : : : : : : ｀ﾞ＜ |
／ ', } ﾘ.: : : : : : : : : : : :>､ |
イ: : : :.'､ .ヽ､ {: : : : : : : : : : :/=ﾐ､ｉ＼ ﾘ
'": : : : : : : :', i: : : : : : :,ｨ; : l＿ {: : :ヽ' 真とは事の有り様、理とは心の有り様・・・
: : : : : : : : : :＼___ﾉ: : : : : / }/ヾ､刈 ｿ.: : :}＼
: : : : : : : : イ /: : : : : :{ _ノ .|l ゝ'´{｀i: :/: ;､:ヽ これは私の遊び心故、どうかお気になさらず
ゝ; : : ､;'ﾊ' /: : : : : : : } ﾘ ∨:ﾘ:.:{ ﾘ
＼ゞ'ﾘ" / : : : : : : : ﾉ ' _,イ:;ｲ:.:.:ゝ._,
. .＼＼ / /i: : : : : : 入__ ´ ＿ゝ｀￣´
＼＼ { :{ { : : : ､: : :彡 `､,‐'
..＼ ヽ､ l : : : : r ⌒´ ,イ
| : : : : !≧､＿ /.:ｉ
￣￣￣￣￣＼ゝ: : : :|: : : : : : : : ゝ､.,.,.,ノ
＼: : ::|: : : : : : : : ﾊ'￣´
＿＿__
／ヽ ／＼
／（●） （●）丶
/::⌒（__人__）⌒:::uヽ
l |r┬-| l
はっ、はぁ・・・ ＼ `ー'´ ／
/ ヽ
し､ ﾄ､ﾉ
| _ l
!___/´ ヽ___l
彼は相変わらず楽しそうだったが、遊びで渡す金額にしては大きすぎないだろうか？
やる夫は手の中の箱を見ながらそう思う
どうにも狐につままれたような感じが抜けない
. - 799 ： ◆HrtGSGllns ： ：2010/08/03(火) 20:52:00 ID:7KZ244lQ
-
/:::::::::::::/ l l ヽ ', l /! l } l ﾊ:::::::::::::::::::l
. /::::::::::::::il ! ヽ、 ＼__ヽ ', l-/十‐l- ..._/ l i::::::::::::::::::|
,'::::::::::::::::ｌ| ヽ ＞=''二_￣ `ヽヽ ヽ ｌ/ l / /l｀ .,' l !:::::::::::::::::|
!::::::::::::::::l l ヽ、 ´ ﾍ ¨ ‐-､ﾄ､ } / 'ｲ ／ ! / l l:::::::::::::::::|
!::::::::::::::::l ', `t‐---` ＿ ﾘ ／ --/／ ｜ / / l::::::::::::::::::!
l::::::::::::::::ﾍ ヽ ', _..´---､ }／ zニニ_‐-､ l / / ,'::::::::::::::::,'
.V:::::::::::::::ﾍ ＼ ヽ zﾆ-‐ ￣ ｀ ｀ヾｨ'′ ,ｲ ,ｲ:::::::::::::::/ やる夫、やる夫！
V::::::::::::::::ヽ 丶､ ヾ､ xxx l xxｘ ／ ／/ / |:::::::::::::/
ヽ:::::::::::::::::i＼. ￣ヽ￣ ､__ ＿_, ∠.... ィ ´ / / l:::::::::／
＼:::::::::::', ｀iｰ- ..＿_`_､ __ /l / ／ /:::／
丶､:::::ヽ l l ヽ、 , ィ´/ '´/ /イ
iー-`.', ', l `丶､ , イ l /ｲ .／ l !
| Ⅵ､ ', ﾉ _!¨ ‐- -- '' ´ !、 l / ／ l |
| / _.. ---ヽ､ ﾍ‐ '' ´ ! | `ｰく‐､----- ､. |
／／ ,-‐､/ムヾ､ / r―ｷェ‐､ ヽ|
/ / `ｰ-ｲﾊ..._） ヽ‐イﾊ`‐' ',
その時だった、羽入が呼んでいる
何事かと思って振り返ると・・・
. - 800 ： ◆HrtGSGllns ： ：2010/08/03(火) 20:52:12 ID:7KZ244lQ
-
. -‐==‐ ､
／ ヽ
_ ﾊ
/´＼／ ＼!ﾉ ___
,. -‐=＝/ / ￣￣￣｀Y´ __,＞ 、
,. ´ ＞ '´ ｉ ├‐くxヘ. (´＼
. ,ィ´ (／ i! | ! ヽ＼ 丶
/ ` ｰ--‐// , 〃 !! ＼/! ヽ.＼ 、
. { { { // /{{ _jﾊ ,ｲ ! ｉ ,' 〈ヽ ､_）
` ‐----‐ｧﾍ{ ! i {ハＹ´ 厨 ヽ. / j汽jメ、 ﾊ/＼ ,ﾊ
／, ゝ ､ヽﾊ' r匇| )′ r仞ﾘ}Ｙ ｉｉ ﾄ､ ` ｰ-‐ ´ }
. / , ' ／ ｘ≦｀刈" ｰﾟ'、 ､r夕ﾉ _ﾉi人 ＼ _,ノ すごいでしょう！
' / / ／-‐=彡八 v‐┐ "" 7 7)_）ハ ＼ ＼￣＼
{/!/,ｲ -‐=彳 l＼ ､.ﾉ / 厶ﾆﾆ､从ﾉ）ﾊ、 ヽ. ヽ.
V/ V´￣了人 レ介 ､＿_, ＜/ / ＼´ ﾉﾊ ）、 ＼
｛{ （ |i |（ ｉ/ ｛ {`ｰrｧ,ｨ′ ｉ ＼__厶イ＼＼ ハ
ヽ _j斗匕′ VV^7/ | i ｉ＼ ＼ jﾒ､／）ﾉ) }
r=＝ﾆ´ li/ /! __VV/__/ i ､__＼ ￣￣￣￣｝'
| , 〃 //!/ （ﾉ) {{(V ! ＼｀ヽニニニプ
＼（__／ ／r' / /ＴＴ∨ ） i ヽ、 丿
∧ ／ V / l‐!/ ＞‐＜ ! _,.ゝ___ノ￣￣￣￣＼
_|_｣ ／ / / Ｖ 厶_,､__,､_,＞┴=＝≠-‐'´ ＼＿＿_ ヽ ＼
,. -‐=＝ニ三￣＿__ `ｰく＿厶. く_ ん～ｰ个ー‐个'⌒) / ヽ ＼ｉ ヽ
＜ _,. -‐ `ｰ-‐'/ ｀ー个￢.__＿___! l=＝'´{ , --‐ ﾏ＝=┴- ､ ﾄ､
` ＜ , -‐‐一…/ l l／ ! ｌ ／/ ＼ / l i
| , '´ { __rく!ｘ‐vァ7 ／! L.／ / /! ／ i l
| ／ ＼xく ＼」j__/ｲく.rくレ‐v＾7７ / /o! ／! i i |
l／ ＼ l |⌒ヽ._j_ｎ_/ノ ⌒ヽ/ i / ! ! , !
__jl L. | トﾍィ＾vヘ、! / / /j/ │
__＿rx_{／｀7T^ く｝rf| |^v'´￣`x个ｧｰ───' / / i
r`=ー'´ `ｰ'`┴ｧ^'Ｘﾌ｀ｧ┬ﾍ.」 ∨ / / ,′
` ｰ;─‐‐ｧ ＿ノ／ /`ー'`ｰﾍ / / ／＼ /
／ ｰ '´ ／ ノ ,.. `ーｧ / / ／ ＼/
／ ／ ‘ー′〉、 ､ ､ ﾏﾞ / /／
／ ／ / ＼＼ヽ∨ ´
やる夫は仰天した
見れば彼女はたくさんの貴金属や宝石でその身を彩り、あげく衣装までも変わっていた
. - 801 ： ◆HrtGSGllns ： ：2010/08/03(火) 20:52:25 ID:7KZ244lQ
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i:::::::::::::::i!::i!::::i!::::iH:i i:::i ﾋ<ヾ､ヽ:::::::::::::::::::::::i
.i:::::::::::::::::i i!i::::i:::::ii! i! i::i 从f=≡ミi:::::::::i::::::::::i
i:::::::::::::::::::i f=≡ミ､ ﾘ ヽ ﾚ::::::::|)::::::::i ふふ、まだまだ飾れるな・・・
/:::::::::::fi::::::､ヽ ﾉi:::::::::i::::::::::i
/:::::::::::::::i:::::::iヾ ｀ Vi:::::::::i::::::::::::i
./::::::::::::::::::ﾉ｀7iゝヽ ､---ｲ /::i:::::::::i:::::::::::::i
/:::::::::::::::／ fi::i>::::::::>､ ￣ ´ <:::::i:::::::::i::::::::::::::i
. /:::〟'::`､' i!i::i_>:::::::::::| ＞ - ＜ |:::::i:::::::::i::::::::::::::::i
-:':´::::::::::::::V i!i::i,>:::::::::::ﾊ /::::i:::::::::i::::::::::::::::::i
::::::::::::::::::::::::V_.,i!i::!::::i::::::::::::V＿＿＿/:::::i:::::::::i::::::::::::::::::::::
::::::::::::::::::::::::y:::::i!i:::::::i::::::::::::::::::::::::::::::::::::::i:::::::::i:::::::::::::::::::::::::
::::::::::::::::::／:::::::::i!:::::::i:lゝ､:::::::::::::::::::::::::::::i:::::::::i￣/::::::::::::::::::::
::::::::＞'´::::::::::::::::i::::::::i ゝ- >､::::::::::::::::>‐i:::::::::i /::::::::::::::::::::::::
' ´´:::::::::::::::::::::::::i::::::::i:ゝ--- > <'´--.i:::::::::i／::::::::::::::::::::::::::::
視線を横に向ければ、先程の女性店員が大量のアクセサリーを手にしていた
どうやら二人で悪ノリしたらしい
. - 802 ： ◆HrtGSGllns ： ：2010/08/03(火) 20:52:44 ID:7KZ244lQ
-
＿＿__
／ ＼
. ／ ＼
. ／ ／） ノ ' ヽ､ ＼ はぁ・・・羽入、凄いけど壊す前に元に戻しなさい
| ／ .ｲ '（ー） （ー） u|
. /,'才.ﾐ). （__人__） ／
. | ≧ｼ' ｀ ⌒´ ＼
／＼ ヽ ヽ
-―-=――-
'" ｀丶、
_∠ -‐ ／ ヽ、
／ ' 、 ＼ ヽ
. / ／ ／ 〃 j } ヽ`く＾ヽ、ハ
/ ｲ { ｛{ / j / ,' } ヽ:::::＼}
はぁ～い {! /::{ 人 从 〃 /,ｲ / l:::::::::ﾍ
∨::小 ｛`＜⌒{{ ／￣jノﾄ､ / } ::::::::::}
. {:::::ﾊ ヽ､_＞ 二八_（ _ 厶j＼ ｌ::::::::::,'
∨八. ＼'¨￣` ＝=ﾐ ﾉ , /:::::::::/.
／ ｀ﾞ`‐-､ ＼ こミ/// ' //// ／ ／ /::::::／ ＼
／ ｀`人. ゝ ` ｰ 彡=-─厶／| ＼ ＼
／ 入＿, i i/ /＼ぐ＞､＿ イ_}｝ / / │ ,- ､ ＼
/ ／ /└-'‐'i -‐'￣:: ､:::::::::::::::ノ: // /.... ヽ く// ＼
/ / __∠-‐'´￣ヽ ::,::: ヽ::::::'´: // /..:⌒:::. ／/｀'く,､ ｌ＼
予想に反し、彼女は嬉しそうに笑いながら店の奥へと消えていく
まさかやる夫を驚かすためだけにあんな手の込んだことしたとかそう言う事じゃあるまいな・・・
. - 803 ： ◆HrtGSGllns ： ：2010/08/03(火) 20:52:58 ID:7KZ244lQ
-
| ヽ ＼＿＿＿＿ |
| ｉ ､ |: : : : : : : : ｀ﾞ＜ |
／ ', } ﾘ.: : : : : : : : : : : :>､ |
イ: : : :.'､ .ヽ､ {: : : : : : : : : : :/=ﾐ､ｉ＼ ﾘ
'": : : : : : : :', i: : : : : : :,ｨ; : l＿ {: : :ヽ'
: : : : : : : : : :＼___ﾉ: : : : : / }/ヾ､刈 ｿ.: : :}＼
: : : : : : : : イ /: : : : : :{ _ノ .|l ゝ'´{｀i: :/: ;､:ヽ 楽しそうな女性ですね
ゝ; : : ､;'ﾊ' /: : : : : : : } ﾘ ∨:ﾘ:.:{ ﾘ
＼ゞ'ﾘ" / : : : : : : : ﾉ ' _,イ:;ｲ:.:.:ゝ._,
. .＼＼ / /i: : : : : : 入__ ´ ＿ゝ｀￣´
＼＼ { :{ { : : : ､: : :彡 `､,‐'
..＼ ヽ､ l : : : : r ⌒´ ,イ
| : : : : !≧､＿ /.:ｉ
￣￣￣￣￣＼ゝ: : : :|: : : : : : : : ゝ､.,.,.,ノ
＼: : ::|: : : : : : : : ﾊ'￣´
＿＿__
／_ノ ヽ＼
／ （ ●） （●）、
／::::::::⌒（__人__）⌒＼
| |r┬-| | 楽しすぎですお・・・
＼ `ー'´ ／
⊂⌒ヽ 〉 ＜´/⌒つ
＼ ヽ / ヽ /
＼_,,ノ |､＿ノ
. - 804 ： ◆HrtGSGllns ： ：2010/08/03(火) 20:53:10 ID:7KZ244lQ
-
. …… .
／ ＼
. ′ ' .
/ '.
'
f^＼ { -- ー } ,／^}
'.ヽ ヽ! ___ i/／ .'
',{^ 〈こ＞ー-ｧ―-ｒrｧｰ‐ｧ=;斗--- ､_〉} ;
; {: : : : /j:{ ≦ﾍ|:|{: f! {≧, ｊ ∧ : : :〉' .' はっはっは
ヽ, j: : : ∧,}:}tｯ-､ｊ:jﾊ:|}.:f-ｔｯ;{:{ｧ}: : : '.／
^|: : : Ⅵ7ｆ¨¨'´j/, ﾍ'..:{`¨f｢}∨.: : : } 男冥利につきる、といったところでございましょう
}: : : : "/ ,/ { } '.:ヽ、 ｊ: : : : : /
_｣: : : : : :' ノ i ! ヽ､:V: : : : :丨
ｒｰ≦__':. : : : : 廴_ノ} ' ｀{: : : : : :|ヽ,
｀ヽ､ ___ｊ: : : : : rｰ＜｀¨こ¨´ ,／j : : : : : ｊ ＞
.ｨ^} : : : : ヽ,＿,ヽ __ .ｲ＾ｰ': : : : : :〈ー'´
/ {: : : : : r-一'´ ﾄ､_／: :/: : : :丿
/ ヽ、: : :ヽO_,ｨL ヽ;__;／ー-イ^ヽ
／｀ヽ, ＼;_辷≧;イヽ ′}ミﾆ彡{ ｀ヽ、
,． '´ ヽ ヽ,ヽOｰ ｰ/丶==,/ ｀ヽ、
,． '´ '. ＼＼f^}: : : : : '. ＼
＿＿＿_
／⌒ ⌒＼
／（ ―） （―）＼
／::::::⌒（__人__）⌒:::::＼ かもしれませんお
| |
＼ ／
. - 805 ： ◆HrtGSGllns ： ：2010/08/03(火) 20:53:24 ID:7KZ244lQ
-
数分後、羽入が元の姿で現れる
なにやらまだ熱心に女性店員と談笑している
/ -― ＼ |
,､ | ＼ |
i ｀＼| _, -‐'￣ ＿｀' | ／'i
'l ヽ _, -‐' .|ﾞ i
ﾞi. ヽ ＼,,-‐'´ _, -‐'´ ｀丶､ ,| /l
| ｀i､ ヽ _,-‐'´ -‐'´＿,- i /./
| .| ヽ ｀､-'" ＿,,,,--＜_'´ __ ｀'‐-､ l/.i
i 'i /￣￣ ,､ i ￣''''――i‐‐i‐--i---i‐‐i‐‐'´｀｀‐-‐|ﾉ ・・・お客さま
ヽ i / , '//.l ./ ミヘ､. | | l´ /ﾞ 丶 ∧ .ヽ
ﾍ ﾍ ﾍ i´//ﾐ//＿_ ｀ﾞ -､ﾞ_| i ﾞi |, -'',"| / | / 本日はいい商いをさせていただきました
＼ ﾞi v/, //ﾐ 廴ゞ‐-､ヽ | .|／.,,:| |∠-‐i l,-,| く
＿＿_,,-‐'´ ヽ Ol i彡l l //ﾞﾞ｀ﾞﾞﾞ´¨ﾌ'´ | .| |::::| |く夕//／| ヽ
丶 ―-､, -|丶l ﾍ | |ψ ／ | .| |:::| i ﾞﾞi i:､ﾞ/ i､ i
＼ -‐´ i | ｀' i ﾉ l |:::llﾞ､｀i l l/ /ヾ､
＼＿＿,,, -'i i / //ll .|:::|､ﾞ,ﾞﾍ ,i i / /
＿＿＿ ﾉ | | ﾉﾉﾉﾉ |:::| ＼ﾞ｀' l／/
＿/ / | .| ‐---／,'／ |:::|＿ | ,‐'
/ "ﾞ'‐､ / ﾞ, ﾄ ￣｀ヽ´´ ／￣ ﾞ'i ﾞ'i￣"｀'‐ ､,_.|
＼＼ ｀'‐´､ i / ＼‐'"∥|レ'´ l l___,､ '｀｀｀,=‐
＼＼ ＼ i ＼＿＼／ '‐---‐‐‐‐'''i､ ｀''''''‐‐"´
＿＿＿_
／_ノ ヽ_＼
／（ ●） （ ●）＼
／ ::::::⌒（__人__）⌒::::＼ っと・・・そうですかお？
| ￣ |
＼ ／
. - 806 ： ◆HrtGSGllns ： ：2010/08/03(火) 20:53:37 ID:7KZ244lQ
-
. …… .
／ ＼
. ′ ' .
/ '.
'
f^＼ { -- ー } ,／^}
'.ヽ ヽ! ___ i/／ .'
',{^ 〈こ＞ー-ｧ―-ｒrｧｰ‐ｧ=;斗--- ､_〉} ;
; {: : : : /j:{ ≦ﾍ|:|{: f! {≧, ｊ ∧ : : :〉' .'
ヽ, j: : : ∧,}:}tｯ-､ｊ:jﾊ:|}.:f-ｔｯ;{:{ｧ}: : : '.／
^|: : : Ⅵ7ｆ¨¨'´j/, ﾍ'..:{`¨f｢}∨.: : : } ええ、久しくできなかった良き商いだと自負しております
}: : : : "/ ,/ { } '.:ヽ、 ｊ: : : : : /
_｣: : : : : :' ノ i ! ヽ､:V: : : : :丨
ｒｰ≦__':. : : : : 廴_ノ} ' ｀{: : : : : :|ヽ,
｀ヽ､ ___ｊ: : : : : rｰ＜｀¨こ¨´ ,／j : : : : : ｊ ＞
.ｨ^} : : : : ヽ,＿,ヽ __ .ｲ＾ｰ': : : : : :〈ー'´
/ {: : : : : r-一'´ ﾄ､_／: :/: : : :丿
/ ヽ、: : :ヽO_,ｨL ヽ;__;／ー-イ^ヽ
／｀ヽ, ＼;_辷≧;イヽ ′}ミﾆ彡{ ｀ヽ、
,． '´ ヽ ヽ,ヽOｰ ｰ/丶==,/ ｀ヽ、
,． '´ '. ＼＼f^}: : : : : '. ＼
_／￣￣￣丶__
／ ／/ i ヽ ＼
∠ / { } } ､ ト､
/::::{ {_.ノ ＼ソ｀ヽリ } i {:ヽ
{::::八 ｌ● ●从 |、l |:::ﾊ
やる夫ー！ ヽ:{ﾍi ⊃ ､_,､_, ⊂⊃/'ｌﾉ j::::::}
/⌒ヽ__|ﾍ ゝ._） j /⌒i !｝::ノ
＼ /:::::} l＞,､ __, イァ/ / | '´
. /::::::ﾉ ｊ ｛ ! / {ﾍ､__∧ !
｀'／ / !｛／ /ヾ:::彡' |
店員が語る傍ら、羽入の声が聞こえてくる
どうやら次に行こうということらしい
. - 807 ： ◆HrtGSGllns ： ：2010/08/03(火) 20:53:53 ID:7KZ244lQ
-
| ヽ ＼＿＿＿＿ |
| ｉ ､ |: : : : : : : : ｀ﾞ＜ |
／ ', } ﾘ.: : : : : : : : : : : :>､ |
イ: : : :.'､ .ヽ､ {: : : : : : : : : : :/=ﾐ､ｉ＼ ﾘ
'": : : : : : : :', i: : : : : : :,ｨ; : l＿ {: : :ヽ'
: : : : : : : : : :＼___ﾉ: : : : : / }/ヾ､刈 ｿ.: : :}＼ お連れのご婦人がお待ちのようで・・・
: : : : : : : : イ /: : : : : :{ _ノ .|l ゝ'´{｀i: :/: ;､:ヽ
ゝ; : : ､;'ﾊ' /: : : : : : : } ﾘ ∨:ﾘ:.:{ ﾘ ではお客さま、またの御来店を心よりお待ちしております
＼ゞ'ﾘ" / : : : : : : : ﾉ ' _,イ:;ｲ:.:.:ゝ._,
. .＼＼ / /i: : : : : : 入__ ´ ＿ゝ｀￣´
＼＼ { :{ { : : : ､: : :彡 `､,‐'
..＼ ヽ､ l : : : : r ⌒´ ,イ
| : : : : !≧､＿ /.:ｉ
￣￣￣￣￣＼ゝ: : : :|: : : : : : : : ゝ､.,.,.,ノ
＼: : ::|: : : : : : : : ﾊ'￣
＿＿＿_
／ ＼
／ ⌒ ⌒ ＼
／ （⌒） （⌒） ＼l⌒l はい、機会があれば必ず
| （__人__） |`''|
＼ ｀ ⌒´ _／ /
/
慇懃に頭を下げる彼にやる夫も一礼する
が・・・
結局、彼の行動の意味はわからなかった
. - 808 ： ◆HrtGSGllns ： ：2010/08/03(火) 20:54:07 ID:7KZ244lQ
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━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ - 809 ： ◆HrtGSGllns ： ：2010/08/03(火) 20:54:23 ID:7KZ244lQ
- ; ヾ; ; ; ゞ ; ;ヾ ; ; " ; ;ヽ. ... . .:.. .:.. . 。 .. . ......... . ... .. ..:..:.. .:. .... .:..:.. ... . .... .. .. . ... .. .:..:... .:. ... ... ..
" ; ;ヾ ; " " ヾ ; " ; " ; ; ヾ, .:... i . .. ... . . .. ..:..:..:.. ... .:..:...... ... .. .:..:..:.. .. ... ..:..:..:.. .:. ... . . ..
;ゞ ;" "ゞ ; ; ; ゞ ; ;ヾ ; ; ヾ ;ゞ . ... .,人,. .. ... ..:..:.:.... ... . .. ... .:. ..:..:..:... .. .. .. ...:..:..:..:..:... ... ... . .
" ; ;ヾ ; " " ヾ ; " ; " ; ; ヾ,... く,r个､ゝ . .. .... .. . ...:..:..:..:..:.. .. . .. .:..:..:..:... .. .. ... .:..:.. .. . . .
;ゞ ;" "ゞ ; ; ; ゞ ; ;ヾ ; ; ヾ ;ゞ.. .. . ヽ_|_/ . . .... ...:.:.... . .. . . ...:...:... .. . .. .. . .. .... .. .. .
" ;ヾ ; ;";ヾ; ;"/" ; ;ヾ ;ヾ "".. .. . . Ψ .. . ... . ... . . ... .. . . .. . ..... .. .
ヾ ;"; "i "; ;ヾ; ;ヾ; ;ﾒヾ " ||
゛ ヾ;ｉ;;ｉi ;ｉiメｿ ヾ; ;ゞ " . .. . . .. . ... || . .. .. .. .. .. . .. . . ... .. . . .. .. . . .. ... . . .. .
""|l!|| ｌｌ|ｿ "" ||
ｌi;;i:|il|| ||
|:l||ｌ |l| ||
|;l!ｌ| |;ｌ ||
|ilｌ|| ｌｌl || ┌──────────┐
,__,. .ｌliｌ|ｌ ｌ!| ,__, .|| ||三三三三三三三三三三 || ,__,
|;;:|─────────|;;:|──::::/ ヽ.::────::||三三三三三三三三三三 ||───|;;:|────
|;;:| iiｗﾉ iwiwWwii i..w wiW|;;:|iiwiiiwii:|;;;l |;Wwii i..w w/"￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣ /i;;Wwii;;i.|;;:|iｗﾉ wWii i
ｌ二二ｌ二二ｌ二二ｌ二二ｌ二二ｌ二二::|;;;l | ｌ二二ｌ二 :!二二二二二二二二二二二ｉ/:二ｌ二二ｌ二二ｌ二二
,.|;;;|,j､,,. |;;l | |;;!| |_j
|_ｌj |_ｌj
公園の木々の間を二人並んで歩く
買い物に疲れたやる夫達は、休憩に公園へと足を運んでいた
. - 810 ： ◆HrtGSGllns ： ：2010/08/03(火) 20:54:40 ID:7KZ244lQ
-
,. -― - ､
＿,.／ ＞x
／ _＼
／ ヽ ＼::｀..ヽ
/⌒, ＼ ＼ ＼:::::::＼
／:::::/ { ヽ ＼ ヽ. ＼:::::::ヽ
/::::::::::| ∧ ∨ ハ } ヽ:::::ハ
. ,':::::::::::∧ ヽ ヽ l ﾊ | | Y:::::::}
l:::::::::::/ ヽ ＼ ＼ l斗f‐十.| lハ .ﾄ、:::l
{:::::::::{ ハ _＼x ― ＼ ハ/ 」l从 ;ｲ .! | }:::::|
l:::::::/{ ヽ ＿ _≧二｀ ｀ j/ rfう丁メ、 | ! / l:::::.}
l:::::::| l l ｧ孑'ハ {:{ ;り ∨ ./ ∧ }／
ヽ::::ト、. ∨ ! V j | 辷 タ 〃/ / |
. ＼ ＼ ＼ 弋 タ′ _ィ_ ／ ィ |
|ミ､_ ｘｘｘ ' ｘｘｘ ィ ! | やる夫とは以前にも公園に来ましたね
| 丁< ｀ ｰ ‐ ｲ | | |
| | |＞ ．_ ／L! ! | |
| | | _｣｀ ¨ ´ / ハ.! | |
| | | ／ |│ / / ＼ ! |
j |_,.rf ' |│ ./ / /￣￣＼
/ ／ .l ! | / / / ヽ
. / ／ | ! !／／ / 」
＿＿＿_
／⌒ ⌒＼
／（ ●） （●）＼
／ ::::⌒（__人__）⌒:::: ＼
| |r┬-| | そう言えばそうだおね
＼ `ー'´ ／
> <
（ | / ）
`| /'
| ｒ /
ヽ ヽ／
>__ノ;:::......
そう言いつつも、やる夫は大ちゃんとの話を聞かせた時のことを思い出した
. - 811 ： ◆HrtGSGllns ： ：2010/08/03(火) 20:54:56 ID:7KZ244lQ
-
＿＿＿_
／_ノ ヽ_＼
／（ ●） （ ●）＼
／ ::::::⌒（__人__）⌒::::＼ ごめんお・・・手間かけてばかりで・・・
| ￣ |
＼ ／
-―-=――-
'" ｀丶、
_∠ -‐ ／ ヽ、
／ ' 、 ＼ ヽ
. / ／ ／ 〃 j } ヽ`く＾ヽ、ハ
/ ｲ { ｛{ / j / ,' } ヽ:::::＼}
{! /::{ 人 从 〃 /,ｲ / l:::::::::ﾍ
いいえ、そんなことはありません ∨::小 ｛`＜⌒{{ ／￣jノﾄ､ / } ::::::::::}
. {:::::ﾊ ヽ､_＞ 二八_（ _ 厶j＼ ｌ::::::::::,'
やる夫なら何でも大歓迎です ∨八. ＼'¨￣` ＝=ﾐ ﾉ , /:::::::::/
＼ こミ ' ／ ／ /::::::／
人. ゝ ` ｰ 彡=-─厶／|
/ /＼ぐ＞､＿ イ_}｝ / / │
〃 / {／〈| __／ ∨／{ l.{
{ｆ斗―-イ _>＜´ ∠`ーｚ-八
／ { ,レ'´ _爪 ＼ ／ ／ ヽ＼
. / ｜ 〉 ／ﾉ |/／ / ／ | ヽ
なんて、サラリと告げる羽入
その顔はとても嬉しげに微笑んでいる
・・・くそっ、羽入の奴め不意打ちとは・・・
. - 812 ： ◆HrtGSGllns ： ：2010/08/03(火) 20:55:08 ID:7KZ244lQ
-
＿＿＿_
／ ＼
／ ─ ─＼
／ ⌒ ⌒ ＼
| ,ﾉ(､_, )ヽ | ふんっ
＼ ﾄｪｪｪｲ ／_
. ／. ￣￣ヽニｿ,￣￣´ ｀ヽ
| ＿ﾞ＿＿_､ィ`_,ﾙﾘ
| イ´￣ l ^_ '
. | |´ヾ｀i
ﾋﾞｼｯ
_.. -─── r──── ､
,．'´ `
／ ' ＼ ＼
.' | ヽ ',
| | | v |
| | | | ヽ ヽ. |
ｲ | | _ノ ││ ヽ _| _ ＼ 1::ヽ
ｲ │ / イ´|＼ ハ| ヽ ＼. ｀ l │:::::ヽ
あうっ！ /::|::::| | | |= ､＼| ＼| ゝ=.!＼ | |::::::::::::＼
':::: |::::| | 〃V_ノ:|ﾞ ＼ 7_ノ::::ハヽ | | :::::::::::|::::＼
いきなりなんですかやる夫 |::::::::＞. V|!iT::::ﾊ| |::::::::r| i! ゝ /_::_:::::::'::::::::::ヽ
|::::::/ |＼ ﾄ､| (__)ノ iゝ ﾉﾉ iﾋ / , / V:::::::::::::::::::!
ヽ/ | `|/// ` /// /ｲ / | ＼:::::::::::/
. │ ゝ ／ イ | ):::／
ﾉ ､ ` . ｰr‐､- ‐ ､ .． '´ | ,／
/ ） `│├┬─ イ､ | │
/ ／ ││i:| //L..__| | ヽ
. / / ,. イ ⌒ヽ // | ﾄ . ＼
（ { ∧「!| ）// :| |7∧ ）
. - 813 ： ◆HrtGSGllns ： ：2010/08/03(火) 20:55:19 ID:7KZ244lQ
-
＿＿__
／_ノ ヽ＼
／ （ ●） （●）、
／::::::::⌒（__人__）⌒＼
| |r┬-| | ・・・大歓迎ではないようだお？
＼ `ー'´ ／
⊂⌒ヽ 〉 ＜´/⌒つ
＼ ヽ / ヽ /
＼_,,ノ |､＿ノ
／ ヘ
/ ヽ__ ﾍ
_/ / / i ﾊ ﾊ:::::＼ヽ
／/ / / ﾍ i / i ﾊ::::::::::ヽ
. /::/ i i i ﾊ i i ｲ i i::::::::::::::ヽ
/:::| i i i ﾊ i i /i i i::::::::::::::::ﾊ
::::::i ヽ ヽ .i i i リ人7、i ｲ ﾊ::::::::::::::::::}
::::::＼ ゝ、>=ﾚヽ i /ｨﾁ心ハレﾉ 人::::::::::::::ﾉ＼
:::::::::::＞、 ﾊｲ佇心ヽ ﾉﾚ 弋少 / ／/ｿ .〉:::::::::;/ ＼
:::::::::::{ 人＼トﾊ 弋少 ヽｲ , , , , , / イ / /::::::／
＼:::::ﾍ/ ヽ ｀＼, , , , ` ／イ |ノ /／
うぅ・・・意地悪・・・ ＼:::ﾍ ＼i｀ー＜ - - ＜人ヽー‐‐--､-､
＼| i 〟─‐ ＞ - ｨ 〃 / ／ Y{
/ ﾊ .i {〈 / |ト .} __〃 / ／ } |
/ 人 ヽi ヽ | {| 〃 ｲi / i 〉
/ ／ ヽ i ゝﾘ .|i 〃 / ﾘ/ ﾉ /
// ヽ i ｿ ヽｙ〃 / __/ __ //
i { ＼_」-‐{ i ｀/ , /= ￣::::::｀∨ｲ
人ヽ、 ＿_f=:::::=| ヽ / / /::::::::::::ヾゝ::::∨
＼｀ ´,─ヘ:::::::人 Y ／ /::::::::::::::::::::ヽゝヽ
￣ ﾑ::::::::ヽ 〈 | /::::::::::::::::::::::::::ヽゝ|
Y::::::::::::〉 ＼ ｿ:::::::::::::::::::::::::::/::／
|::::::::::ヽ--＞/:::::::::::::::::::::::::/イ::|
. - 814 ： ◆HrtGSGllns ： ：2010/08/03(火) 20:55:34 ID:7KZ244lQ
-
根本的なところでは、やる夫と羽入はなにも変わってはいない
午後の柔らかな陽射しのもと、たわむれる
少しのあと、羽入がベンチに腰を下ろす
そこは前にも羽入と語り合った場所だった
_,. -──-- ､_
,.-__ r-､-. ト--.､
' ｲ ＼＼＼ ＼::::::＼
/ ｲ | ヽﾊ. ＼ ヽ:::::::ヽ
' ' |│､| ｫ什十ﾄ! | ﾚ::::::::l
/li! | vl-ﾄゝ､,. j/z!‐j/､ﾚｲr::::::::::ｲ
(:::|l ヾ ヽj =,､ l./ ﾍﾊt! j {:::／..ヽ
V|ゝ ＼ﾊ 7rj ｀ "/ イ ::::::::::: ＼
ﾚゝ＼lヾ!" ' , ｲイ＼ ::::::::::: ＼
今日はそれほどに寒くありませんね |l !:::ゝ. ｀ ／ |::::::::::＼: :::::::::::::`. ､
|i :::::::::|｀..ｰ─r' ／ ＼::____:＼:::::::::::ヾ:::`..､
ゞ ::::::::ゝ::__,:イ／ ,.イ ,. ---､ヾヽ:::::::::::`:::::::＼
＼:,.ｲ´| ／ ／ / / |ﾄ､::::＼:::::::::::＼:::`i、
_/ノ! ／ ／ ﾚ' /:::::＼.:::: i､:::::::::::: 'i::::ヽ.
/_/ ／ ／ 「_￣_:.`ｰく::＼::::::::ﾞl.,::::ﾊ ::::: |!:: !
〈 ,! ,' / ｢:.~: : :~: rィ'ヽ::::＼::: i::. |ヽ::: |!:: |
ｲ.:ﾚ / ,.ｲ: : : : : : ∧ :::::l::::::::ﾞ!::|: | |:: |!:: !
/: : :|＿__l!＿__/:.:|: : : : : :/ :::l::::: l :::::: !::!:: | |:. ﾉ ,.'
': : : ＞rt===.／/:.:| : : : :∧ :::|:::::ｲ::i:::. ﾚ|:: | j／ ／
/: ／ ,.イ|tｽ／: :/: : !: : : :/! :::: l::/ |: |:::: | |:: ﾚ'′／
. /: .lL_' ／!ﾊV: : : ' : : : : : :/三ゝj/ |::|!:: ﾉ ' ,' ,.イ/
.': : :くミ|^∨／: : : : : : : : :./三三三 ` ー＜j／ ﾚ′ '
i: : : へ'三/: : : : : : : : : :.:/ 三三三三三三 ＼
. - 815 ： ◆HrtGSGllns ： ：2010/08/03(火) 20:55:48 ID:7KZ244lQ
-
＿＿＿＿＿_
／ ＼
／ ＼
／ ⌒ ⌒ ＼
／ ／ ｀ヽ /´ ｀ヽ ＼
／ （ ● l ｌ ● ） ＼
| ヽ_ _ノ ヽ_ _／ | そうだおね
| ´￣｀ （ i ） ´￣｀ |
＼ ー― ＾ ー― ／ 風も木が遮ってくれてるお
＼ ー一 ／
／ ＼
/ ヽ
| |
| ｉ ｉ |
| | | |
,. -‐ ¨￣￣￣｀ ｰ- 、
. ／＿ ＼
／´ ／ ＼ ＼ ｀ヽ,
/ ／ ／ ./ ／ | ヽ 'v-､ '.
ｆ 〃 { ｜〃 j | | ｉ ﾍ:.:.ヽ|
| .// ﾑ---l､| / ,| | | !.:.:.:ﾊ
そう言えばやる夫・・・ |/.:{ ´{ ー-ヽ| / /／ナｲ､ / |:.:.:.:.:|
|:.:l＼ 廴 ＿_∨ｲ´ |/}Ｘ j:.:.:.:.:j
わたしの探している人ともここでお話をしたような記憶があります ∨＼ 下、´￣｀ ＝=､ } /:.:.:.:/
. ヾミ≧ ' ＿,／ /:.:.:.:/
ﾊ ＼ ｀￣ _≧- ／ｲ/:.:,.イ
/ ＼ド＞ . ＿ ..＞イ |イ／ |
. ｆ 〃 ／| __,／ ∨ｲ|｜ |
ﾙ┬一 Ｔ´ ＞＜´ ／￣ ＞ ､｜
/ :| ／.:.;小:.:.:＼ / ／ ヽ
. / | ＼/:.:|:ﾊ:.／/ / }＼
. - 816 ： ◆HrtGSGllns ： ：2010/08/03(火) 20:55:59 ID:7KZ244lQ
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＿_＿__ ━┓
／ ― ＼ ┏┛
／ノ ( ●) ＼ ・
. ｜ ( ●) ⌒） |
. ｜ （__ノ￣ / そうなのかお？
. ｜ /
＼＿ _ノ＼
/´ |
. | / |
. / : :! . i: : : ::::i: :.:i: : : : : : : : :i: : :.!: : :.!: : : : :.i: . : :.!;;;;;;;;
/! : |. : : :!: : : ::::!: :.i: : : : :/: : :.:!: :./:: : :j::. : : : :i: : : . . ｉ;;;;;;;;
,';;! i : !: : : :!: : : ::::i: : !: : :.:,' : : :.:.|: /::. : /!:::. : : : !:. : : : : :i;;;;;;;;
i;;;! i : :.: : : :ヽ:. : :::ﾄ.::ﾄ.: :.:i: : : : :.i/ ｊ.j: / ｉ::j:: : :./:::. : : : : :!;;;;;;;
|;;;! | : :＼:. : : !>' ＜⌒､: j: : :./:/ //⌒＞ ﾉ: ノ:::: : : : : : :!;;;;;;;
|;;;i ｊ :i: : : ヽ::.:.ヽｘ,==ｒミ＼ .::ﾙ' ｒ==ｒミ/／|.:::/:::.:. : :./;;;;;;;;;
. !;;;ヽ ハ: : : :::ヽ.,.ｲゝｲil::| ヾ! |ゝｲil:::| ﾚﾉ.:/::::.: : :./:!;;;;;;;;;;
はい、大切な思い出です ;;;;;;;;;>、ヽ:.:.:.:.:.＼ゞﾟｰ''ﾉ ゞﾟｰ'':ｿ /／:::. : :／!.:|;;;;;;;;;;
ヾ;;;ｊ ＼ :｀￢‐- ￣｀ , ´￣ ／::. : :／: .ｲ ﾉ;;;;;／
ヾ! ヽ:: : :＼ xxｘ ｒ―‐ ､ xxｘ ／:: ::...ィ::::／iイ;;;／::::::
//.:i.:::::::..､ ヽ..___ﾉ ´￣了:::: /::::::|::!´::::::::::::
. ｉ iﾊ:|.:.:::::::/:＞.... . ..イ !::: : /､::::::|::i:::::::::::::::
. ｉ ｉ: ﾊ :.::::i:::::::i::i::::＞--ｒ |ｲ::/: : ＼j:::!::::::::::::::
. ｉ ｉ: : :〉:::::!‐ｧ': : /: : : : ヽ ノｉﾘ/: : : : /`ｰ‐-... __
. ｉ ｉ: :/ ヽ|/: : : :! : : : : : : Ｖ´ : : : : : : : : /:::::::. : : : :ﾉ
. - 817 ： ◆HrtGSGllns ： ：2010/08/03(火) 20:56:10 ID:7KZ244lQ
-
∩＿
〈〈〈 ヽ
＿＿＿_ 〈⊃ }
／⌒ ⌒＼ | |
／（ ●） （●）＼ ! !
／ :::::⌒（__人__）⌒:::::＼| l そうなのかお・・・実はやる夫も昔からよくここに来るんだお！
| |r┬-| | ／
＼ ｀ ー'´ ／／
/ ＿＿ /
(＿＿＿） /
,. -‐ ¨￣￣￣｀ ｰ- 、
. ／＿ ＼
／´ ／ ＼ ＼ ｀ヽ,
/ ／ ／ ./ ／ | ヽ 'v-､ '.
ｆ 〃 { ｜〃 j | | ｉ ﾍ:.:.ヽ|
| .// ﾑ---l､| / ,| | | !.:.:.:ﾊ
|/.:{ ´{ ー-ヽ| / /／ナｲ､ / |:.:.:.:.:|
|:.:l＼ 廴 ＿_∨ｲ´ |/}Ｘ j:.:.:.:.:j
ええ、そうなんですか ∨＼ 下、´￣｀ ＝=､ } /:.:.:.:/
. ヾミ≧ ' ＿,／ /:.:.:.:/
ﾊ ＼ ｀￣ _≧- ／ｲ/:.:,.イ
/ ＼ド＞ . ＿ ..＞イ |イ／ |
. ｆ 〃 ／| __,／ ∨ｲ|｜ |
ﾙ┬一 Ｔ´ ＞＜´ ／￣ ＞ ､｜
/ :| ／.:.;小:.:.:＼ / ／ ヽ
. / | ＼/:.:|:ﾊ:.／/ / }＼
. - 818 ： ◆HrtGSGllns ： ：2010/08/03(火) 20:56:26 ID:7KZ244lQ
-
(ヽ三/) ））
＿＿ ( i)))
／⌒ ⌒＼ ＼
／（ ●） （●）＼ ）
.／:::::: ⌒（__人__）⌒::::＼
| (⌒)|r┬-| | そうそう！ けど、羽入はここでどんなことがあったんだお？
,┌､-､!.~〈`ー´/ ＿/
| | | | __ヽ、 /
ﾚレ'､ﾉ‐´ ￣〉 |
｀ｰ---‐一'￣
,. -― - ､
＿,.／ ＞x
／ _＼
／ ヽ ＼::｀..ヽ
/⌒, ＼ ＼ ＼:::::::＼
／:::::/ { ヽ ＼ ヽ. ＼:::::::ヽ
/::::::::::| ∧ ∨ ハ } ヽ:::::ハ
. ,':::::::::::∧ ヽ ヽ l ﾊ | | Y:::::::}
l:::::::::::/ ヽ ＼ ＼ l斗f‐十.| lハ .ﾄ、:::l
はい、わたしはその人が困っていたので {:::::::::{ ハ _＼x ― ＼ ハ/ 」l从 ;ｲ .! | }:::::|
助けるつもりでここで話を聞いていたのですが l:::::::/{ ヽ ＿ _≧二｀ ｀ j/ rfう丁メ、 | ! / l:::::.}
l:::::::| l l ｧ孑'ハ {:{ ;り ∨ ./ ∧ }／
その人は実はわたしの方が困っているんだということを ヽ::::ト、. ∨ ! V j | 辷 タ 〃/ / |
あっさりと見抜いてしまったんです . ＼ ＼ ＼ 弋 タ′ _ィ_ ／ ィ |
|ミ､_ ｘｘｘ ' ｘｘｘ ィ ! |
| 丁< ｀ ｰ ‐ ’ ｲ | | |
| | |＞ ．_ ／L! ! | |
| | | _｣｀ ¨ ´ / ハ.! | |
| | | ／ |│ / / ＼ ! |
j |_,.rf ' |│ ./ / /￣￣＼
/ ／ .l ! | / / / ヽ
. / ／ | ! !／／ / 」
/ 〈 / .| .ヽ／ / ／ l
. - 819 ： ◆HrtGSGllns ： ：2010/08/03(火) 20:56:40 ID:7KZ244lQ
-
＿＿＿_
／ ＼
／ ⌒ ⌒＼
／ （ ●） （ ●）ヽ へぇ～、それは凄い人だお！
l ⌒（__人__）⌒ |
＼ ｀ ⌒´ ／
／ ヽ
-―-=――-
'" ｀丶、
_∠ -‐ ／ ヽ、
／ ' 、 ＼ ヽ
. / ／ ／ 〃 j } ヽ`く＾ヽ、ハ
/ ｲ { ｛{ / j / ,' } ヽ:::::＼}
{! /::{ 人 从 〃 /,ｲ / l:::::::::ﾍ
∨::小 ｛`＜⌒{{ ／￣jノﾄ､ / } ::::::::::}
. {:::::ﾊ ヽ､_＞ 二八_（ _ 厶j＼ ｌ::::::::::,'
はい、わたしもビックリしました ∨八. ＼'¨￣` ＝=ﾐ ﾉ , /:::::::::/
＼ こミ ' ／ ／ /::::::／
人. ゝ ` ｰ 彡=-─厶／|
/ /＼ぐ＞､＿ イ_}｝ / / │
〃 / {／〈| __／ ∨／{ l.{
{ｆ斗―-イ _>＜´ ∠`ーｚ-八
／ { ,レ'´ _爪 ＼ ／ ／ ヽ＼
. / ｜ 〉 ／ﾉ |/／ / ／ | ヽ
. - 820 ： ◆HrtGSGllns ： ：2010/08/03(火) 20:56:50 ID:7KZ244lQ
-
＿＿＿＿
/ ⌒ ⌒ ＼
./( ―） （ ●） ＼
/::⌒（_人＿）⌒::::: | それで好きになっちゃったのかお？
| ー .|
＼ ／
..:: / / ＼.::.:＼ ::.
..:: ／/ / / ヽ ヽ.::.::ヽ ::..
..:: /.::.::′ ′ / / / ', ヽ l ｌ l.::.::.::.ヽ ::
.:: /.::.::.:.| ｌ ｌ ∧ l 、 |｜ ｌ |.::.::.:＜ ::
:: |.::.::.::.:| | ｌヽ {_ム- （ ( | }ハ┤|_ | |.::.::.::.::| ::
:: |.::.::.::.:| | | ）ﾉ Vハ＼ ヽ ﾉﾉ ﾉﾉﾉ )７メ､| |.::.::.::.::| ::
:: |.::.::.::.:...、 |＼イ ィ爪抔不 ＼ （ 不孑丐ミx ハ ﾉ.::.::.::.:.| ::
.:: 、:.::.::.:.::ヽ /l | L :::::::::」 ） ﾉ L ::::::::」 }/ | /.::.::.::.::.ﾉ ::
.:: ＼.::.::.::.:l∨{ （ / l| /.::.::.::／ :: ええ、そうです、その通りです
:: |＼.::.:| 人 ＼ """ : """ / ノ|／|.::.:／| :::
:: l ＼| ＞---r- 、 , -r-＜ ﾉ j／ | ::
.:: ﾉ / ﾉl ＼ ￣ ／ l | ::
..:: ／ / / ,' ! ＞ ＿_ 个 、 ｌ l l 八 ::..
..:: ／ / / | _ノ /（ ）| ＼l l ＼ ::..
:: / 「 {..:..＼. ／/ }＼ 、 ヽ ::
/ ７ 八 ヽ ..:..:＼ ／.:./ ′ 丶 ヽ
／ ／ / / ', ＼..:..:＼／.:..:./ / 丶 ＼
/ ／ ／ / / 、 ＼／..:..:／ / ＼
/ / / / ヽ ＼／ ／ ヽ
. - 821 ： ◆HrtGSGllns ： ：2010/08/03(火) 20:57:28 ID:7KZ244lQ
-
∩＿
〈〈〈 ヽ
＿＿＿_ 〈⊃ }
／⌒ ⌒＼ | |
／（ ●） （●）＼ ! !
／ :::::⌒（__人__）⌒:::::＼| l どんな感じの人なんだお？
| |r┬-| | ／
＼ ｀ ー'´ ／／
/ ＿＿ /
(＿＿＿） /
,,.............,,,_
,.- ''"...... _ ー;;;"..ヽ.、
., '"´ー 、 ヽ.、 ＼"'';;;-,,,,、
.／.,: l ＼::.＼ヽ::＼ ヽ;;;;;;;;;;;;＼
//./:i | :. ::., ヽ;::.ヽ;＼:.ヽ:. ヽ;;;;;;;;;;;;;;i
/i., :i :::|:l .::i :'; ,:l:- i‐';-i-::L:.. l;;;;;;;;;;;;;l
/;|: .::| :::l::'; _!_ ::i; |.';:!＿!:|ヽ:i::::. /;;;;;;;;;;;;;!
;';;;l.l ::l: ::ﾚ';ﾞ;ヽヽ.、::::|/Zﾞilllliiiliヽl::::: i;;;;;;;;;;／、
. i;;;;;|.|, :|::. :! ﾞ,zrs、ヽｿ ﾞii|!!!;|!. l::/ !;;;;／:::..ヽ
・・・・・・・・・可愛らしい人でした ヾ;;l !',.ヽ:::ヽ'!.ﾞ;||i, ' ‐ ' //:／'ﾞ:ヽ:::::::..＼
ﾞ!;ヾlヽ＼:::', '‐ﾞ ' ' ´lヽ:::::::＼:::::::.ヽ
ヾ;'ヽ ::ヽ::ﾞ':i -- ' , !;:::::＼::::ヽ:::::::::＼
l :::l:::!: ヽ.、 ／ ,. -''i: ::::::::ヽ:::::ヽ:::::::::''-..、
.l ::::!:::! :l::::::"': ‐- r.'ﾞ .／ ヽ::;;_::::::::::''-::;;::'':::-:::::ヽ
'; ::';::ヽヽ::::::;;ヽ'/'／ ／,.-,... ニヽ;::::.. ::＼::.. :::::::
ヽ ::ヽ;:r‐'/ / ' ／ ./／ ヽ'i;:::::::. ＼::::...
ヽ;// .l ／ ／ .i// ,!/::ヽ::::... ヽ::;:
. - 822 ： ◆HrtGSGllns ： ：2010/08/03(火) 20:57:39 ID:7KZ244lQ
-
＿_＿__ ━┓
／ ― ＼ ┏┛
／ノ ( ●) ＼ ・
. ｜ ( ●) ⌒） |
. ｜ （__ノ￣ / 男なのにかお？
. ｜ /
＼＿ ⊂ヽ∩＼
/´ (,＿ ＼.＼
. | / ＼＿ﾉ
-―-=――-
'" ｀丶、
_∠ -‐ ／ ヽ、
／ ' 、 ＼ ヽ
. / ／ ／ 〃 j } ヽ`く＾ヽ、ハ
/ ｲ { ｛{ / j / ,' } ヽ:::::＼}
{! /::{ 人 从 〃 /,ｲ / l:::::::::ﾍ
∨::小 ｛`＜⌒{{ ／￣jノﾄ､ / } ::::::::::}
それでいて、男らしい方でした . {:::::ﾊ ヽ､_＞ 二八_（ _ 厶j＼ ｌ::::::::::,'
∨八. ＼'¨￣` ＝=ﾐ ﾉ , /:::::::::/
＼ こミ ' ／ ／ /::::::／
人. ゝ ` ｰ 彡=-─厶／|
/ /＼ぐ＞､＿ イ_}｝ / / │
〃 / {／〈| __／ ∨／{ l.{
{ｆ斗―-イ _>＜´ ∠`ーｚ-八
／ { ,レ'´ _爪 ＼ ／ ／ ヽ＼
. / ｜ 〉 ／ﾉ |/／ / ／ | ヽ
. - 823 ： ◆HrtGSGllns ： ：2010/08/03(火) 20:57:53 ID:7KZ244lQ
-
＿＿＿_
／⌒ ⌒＼
／（ ―） （―）＼
／::::::⌒（__人__）⌒::::: ＼ なんだ羽入さん、ベタ惚れじゃないですかお
| |++++| 」_ ｷﾗｯ |
＼ `ー''´ l ／
..:: / / ＼.::.:＼ ::.
..:: ／/ / / ヽ ヽ.::.::ヽ ::..
..:: /.::.::′ ′ / / / ', ヽ l ｌ l.::.::.::.ヽ ::
.:: /.::.::.:.| ｌ ｌ ∧ l 、 |｜ ｌ |.::.::.:＜ ::
:: |.::.::.::.:| | ｌヽ {_ム- （ ( | }ハ┤|_ | |.::.::.::.::| ::
:: |.::.::.::.:| | | ）ﾉ Vハ＼ ヽ ﾉﾉ ﾉﾉﾉ )７メ､| |.::.::.::.::| ::
:: |.::.::.::.:...、 |＼イ ィ爪抔不 ＼ （ 不孑丐ミx ハ ﾉ.::.::.::.:.| ::
.:: 、:.::.::.:.::ヽ /l | L :::::::::」 ） ﾉ L ::::::::」 }/ | /.::.::.::.::.ﾉ :: はい、当時はそうでした
.:: ＼.::.::.::.:l∨{ （ / l| /.::.::.::／ ::
:: |＼.::.:| 人 ＼ """ : """ / ノ|／|.::.:／| :::
:: l ＼| ＞---r- 、 , -r-＜ ﾉ j／ | ::
.:: ﾉ / ﾉl ＼ ￣ ／ l | ::
..:: ／ / / ,' ! ＞ ＿_ 个 、 ｌ l l 八 ::..
..:: ／ / / | _ノ /（ ）| ＼l l ＼ ::..
:: / 「 {..:..＼. ／/ }＼ 、 ヽ ::
/ ７ 八 ヽ ..:..:＼ ／.:./ ′ 丶 ヽ
／ ／ / / ', ＼..:..:＼／.:..:./ / 丶 ＼
/ ／ ／ / / 、 ＼／..:..:／ / ＼
/ / / / ヽ ＼／ ／ ヽ
照れながらも羽入ははっきりとそういった
用心深い彼女にそう言わせるとは凄い人物だ
. - 824 ： ◆HrtGSGllns ： ：2010/08/03(火) 20:58:05 ID:7KZ244lQ
-
＿＿__
／_ノ ヽ＼
／ （ ●） （●）、
／::::::::⌒（__人__）⌒＼
| |r┬-| | ・・・こりゃやる夫の負けだお
＼ `ー'´ ／
⊂⌒ヽ 〉 ＜´/⌒つ
＼ ヽ / ヽ /
＼_,,ノ |､＿ノ
,. -― - ､
＿,.／ ＞x
／ _＼
／ ヽ ＼::｀..ヽ
/⌒, ＼ ＼ ＼:::::::＼
／:::::/ { ヽ ＼ ヽ. ＼:::::::ヽ
/::::::::::| ∧ ∨ ハ } ヽ:::::ハ
そんなことはありません ,':::::::::::∧ ヽ ヽ l ﾊ | | Y:::::::}
l:::::::::::/ ヽ ＼ ＼ l斗f‐十.| lハ .ﾄ、:::l
わたしは何時だって貴方が一番です {:::::::::{ ハ _＼x ― ＼ ハ/ 」l从 ;ｲ .! | }:::::|
l:::::::/{ ヽ ＿ _≧二｀ ｀ j/ rfう丁メ、 | ! / l:::::.}
l:::::::| l l ｧ孑'ハ {:{ ;り ∨ ./ ∧ }／
ヽ::::ト、. ∨ ! V j | 辷 タ 〃/ / |
＼ ＼ ＼ 弋 タ′ _ィ_ ／ ィ |
|ミ､_ ｘｘｘ ' ｘｘｘ ィ ! |
| 丁< ｀ ｰ ‐ ｲ | | |
| | |＞ ．_ ／L! ! | |
| | | _｣｀ ¨ ´ / ハ.! | |
| | | ／ |│ / / ＼ ! |
j |_,.rf ' |│ ./ / /￣￣＼
/ ／ .l ! | / / / ヽ
. - 825 ： ◆HrtGSGllns ： ：2010/08/03(火) 20:58:20 ID:7KZ244lQ
-
＿＿＿＿＿__ ＿___
／ （＿＿ ゝ
／ （＿＿_ヽ_
／ ── ── （＿_ _ ヽ_
／ ／´ ｀ヽ /´ ｀ヽ （＿＼ 〈
／ `Ｔ;;;:::;;;Ｔ′ `Ｔ;;;:::;;;Ｔ′ ＼ ＼ あんまり面と向かってそういうこと言われると
| ヽﾞ''''''´"ノ ヽ⌒ﾞ''''''´" Ｕ | ） 照れるお・・・
| /// （ i ） /// |三三）
＼ ｀ー ─'＾ー 一' ／.:.| .|
＼ ￣￣ ／|.:.:.:.:| .|
〉三三三》 《三三三〈 |.:.:.:.:| .|
またもや不意打ち・・・
あんまりにも彼女が真顔でいうものだから、やる夫は少し慌ててしまった
こういうのは心臓によくないから止めて欲しい
. - 826 ： ◆HrtGSGllns ： ：2010/08/03(火) 20:58:35 ID:7KZ244lQ
-
∩＿
〈〈〈 ヽ
＿＿＿_ 〈⊃ }
／⌒ ⌒＼ | |
／（ ●） （●）＼ ! !
／ :::::⌒（__人__）⌒:::::＼| l
| |r┬-| | ／ ・・・じゃあなんとかして見つけるお！ その人を！
＼ ｀ ー'´ ／／
/ ＿＿ /
(＿＿＿） /
,. -― - ､
＿,.／ ＞x
／ _＼
／ ヽ ＼::｀..ヽ
/⌒, ＼ ＼ ＼:::::::＼
／:::::/ { ヽ ＼ ヽ. ＼:::::::ヽ
/::::::::::| ∧ ∨ ハ } ヽ:::::ハ
,':::::::::::∧ ヽ ヽ l ﾊ | | Y:::::::}
l:::::::::::/ ヽ ＼ ＼ l斗f‐十.| lハ .ﾄ、:::l
{:::::::::{ ハ _＼x ― ＼ ハ/ 」l从 ;ｲ .! | }:::::|
l:::::::/{ ヽ ＿ _≧二｀ ｀ j/ rfう丁メ、 | ! / l:::::.}
・・・いいえ、もういいんです l:::::::| l l ｧ孑'ハ {:{ ;り ∨ ./ ∧ }／
ヽ::::ト、. ∨ ! V j | 辷 タ 〃/ / |
＼ ＼ ＼ 弋 タ′ _ィ_ ／ ィ |
|ミ､_ ｘｘｘ ' ｘｘｘ ィ ! |
| 丁< ｀ ｰ ‐ ｲ | | |
| | |＞ ．_ ／L! ! | |
| | | _｣｀ ¨ ´ / ハ.! | |
| | | ／ |│ / / ＼ ! |
j |_,.rf ' |│ ./ / /￣￣＼
/ ／ .l ! | / / / ヽ
. - 827 ： ◆HrtGSGllns ： ：2010/08/03(火) 20:58:59 ID:7KZ244lQ
-
＿＿＿_
／ ノ ＼＼
／ （●） (●）＼
／ ∪ （__人__） ＼
| ｀ ⌒´ | えっ？ なんでだお？ 見つけないと駄目だお
＼ /⌒)⌒)⌒) ／/⌒)⌒)⌒)
ノ | / / / (⌒) ./ / /
／´ | :::::::::::(⌒) ゝ ::::::::::/
| ｌ | ノ / ） /
ヽ ヽ_ヽ /' / ／
ヽ ＿＿ ／ / ／
やる夫はもうすぐ彼女を助けてあげられなくなってしまうのだから・・・
,,.............,,,_
,.- ''"...... _ ー;;;"..ヽ.、
., '"´ー 、 ヽ.、 ＼"'';;;-,,,,、
.／.,: l ＼::.＼ヽ::＼ ヽ;;;;;;;;;;;;＼
//./:i | :. ::., ヽ;::.ヽ;＼:.ヽ:. ヽ;;;;;;;;;;;;;;i
/i., :i :::|:l .::i :'; ,:l:- i‐';-i-::L:.. l;;;;;;;;;;;;;l
・・・ここへ来て見つからなければ /;|: .::| :::l::'; _!_ ::i; |.';:!＿!:|ヽ:i::::. /;;;;;;;;;;;;;!
;';;;l.l ::l: ::ﾚ';ﾞ;ヽヽ.、::::|/Zﾞilllliiiliヽl::::: i;;;;;;;;;;／、
もう駄目なんです . i;;;;;|.|, :|::. :! ﾞ,zrs、ヽｿ ﾞii|!!!;|!. l::/ !;;;;／:::..ヽ
ヾ;;l !',.ヽ:::ヽ'!.ﾞ;||i, ' ‐ ' //:／'ﾞ:ヽ:::::::..＼
ﾞ!;ヾlヽ＼:::', '‐ﾞ ' ' ´lヽ:::::::＼:::::::.ヽ
ヾ;'ヽ ::ヽ::ﾞ':i -- ' , !;:::::＼::::ヽ:::::::::＼
l :::l:::!: ヽ.、 ／ ,. -''i: ::::::::ヽ:::::ヽ:::::::::''-..、
.l ::::!:::! :l::::::"': ‐- r.'ﾞ .／ ヽ::;;_::::::::::''-::;;::'':::-:::::ヽ
'; ::';::ヽヽ::::::;;ヽ'/'／ ／,.-,... ニヽ;::::.. ::＼::.. :::::::
ヽ ::ヽ;:r‐'/ / ' ／ ./／ ヽ'i;:::::::. ＼::::...
ヽ;// .l ／ ／ .i// ,!/::ヽ::::... ヽ::;:
けれども、そういって少し彼女は残念そうに笑った
. - 828 ： ◆HrtGSGllns ： ：2010/08/03(火) 20:59:17 ID:7KZ244lQ
-
＿＿＿_
／ ＼
／ ＼ ,＿＼.
／ （●）゛ （●） ＼
| ∪ （__人__） | 他に手がかりはないのかお？
/ ∩ノ ⊃ ／
( ＼ ／ ＿ノ | |
.＼ “ ／＿＿| |
＼ ／＿＿＿ ／
_,. -──-- ､_
,.-__ r-､-. ト--.､
' ｲ ＼＼＼ ＼::::::＼
/ ｲ | ヽﾊ. ＼ ヽ:::::::ヽ
' ' |│､| ｫ什十ﾄ! | ﾚ::::::::l
/li! | vl-ﾄゝ､,. j/z!‐j/､ﾚｲr::::::::::ｲ
(:::|l ヾ ヽj =,､ l./ ﾍﾊt! j {:::／..ヽ
V|ゝ ＼ﾊ 7rj ｀ "/ イ ::::::::::: ＼
ﾚゝ＼lヾ!" ' , ｲイ＼ ::::::::::: ＼
はい |l !:::ゝ. ｀ ／ |::::::::::＼: :::::::::::::`. ､
|i :::::::::|｀..ｰ─r' ／ ＼::____:＼:::::::::::ヾ:::`..､
ゞ ::::::::ゝ::__,:イ／ ,.イ ,. ---､ヾヽ:::::::::::`:::::::＼
＼:,.ｲ´| ／ ／ / / |ﾄ､::::＼:::::::::::＼:::`i、
_/ノ! ／ ／ ﾚ' /:::::＼.:::: i､:::::::::::: 'i::::ヽ.
/_/ ／ ／ 「_￣_:.`ｰく::＼::::::::ﾞl.,::::ﾊ ::::: |!:: !
〈 ,! ,' / ｢:.~: : :~: rィ'ヽ::::＼::: i::. |ヽ::: |!:: |
ｲ.:ﾚ / ,.ｲ: : : : : : ∧ :::::l::::::::ﾞ!::|: | |:: |!:: !
/: : :|＿__l!＿__/:.:|: : : : : :/ :::l::::: l :::::: !::!:: | |:. ﾉ ,.'
': : : ＞rt===.／/:.:| : : : :∧ :::|:::::ｲ::i:::. ﾚ|:: | j／ ／
/: ／ ,.イ|tｽ／: :/: : !: : : :/! :::: l::/ |: |:::: | |:: ﾚ'′／
. /: .lL_' ／!ﾊV: : : ' : : : : : :/三ゝj/ |::|!:: ﾉ ' ,' ,.イ/
.': : :くミ|^∨／: : : : : : : : :./三三三 ` ー＜j／ ﾚ′ '
i: : : へ'三/: : : : : : : : : :.:/ 三三三三三三 ＼
そうなのか・・・
これ以上手がかりがないならそれは仕方のないことなのかもしれない
しかし、そんなほとんど思い出だけしか存在しない相手を探しに来たのか、羽入は
. - 829 ： ◆HrtGSGllns ： ：2010/08/03(火) 20:59:32 ID:7KZ244lQ
-
＿＿＿＿_
＿,／. . . . . . . . . ￣ヽ、
／. . /. . . . . ._._. . . . . . . ..＼
/. . . . .|. . . . ＼ . .＼ . . .＼. . ﾊ
／/. .| . .l . . . . . .ヽ . . ヽ. . . ヽ＼!
/;;;;;;|､. ヽ. .ヽ . . . . . . }. . . .} . . ..',;;;;;＼
/;;;;;;;;|. 丶.,＞.‐. . . .├.|‐.-.､!. .l. ..l;;;;;;;;;ﾍ
|;;;;;;;;;ゝ､.´ﾍｒ＝､ヽ,. ィi＝=､/ . |. .|;;;;;;;;;;;;|
|;;;;;;∧. . .|〈 トｲﾘ ソ .ト;ｲﾘ 〉../. /ヘ ;;;; |
ﾍ;;;;{ .ヽ. .ﾍ ゞ ' , ｀ ´ｲ./.／..!. .};;;;/
あっ・・・ ヾゝ へ._._.＞ ∠ｲ. . ..| /イ
|. ..ヽ､ ⊂⊃ イ |.!. . . l. . .|
/. . . . . .≧ァ ' _,／ >, . .l. . .!
/. . r ''"¨/ /! ／ ／ ｀丶､. .!
/. . .r| l i／ ／ , -＝､ﾍ＼ ＿,ノ
/. . .ｲﾞ〉' ／ ／ イ /}.|.ヽ
/. r==!l / / //＿＿_./ ソ. .}
l. . ト=ト! / / /〆 ￣〉. . |
＿＿＿
／）／ノ ヽ､＼
／ .ｲ '（●） .（●）＼ ん？ なにか思い出したのかお？
. /,'才.ﾐ). （__人__） ＼
. | ≧ｼ' ´ ⌒｀ |
. ＼ ヽ ／
. - 830 ： ◆HrtGSGllns ： ：2010/08/03(火) 20:59:49 ID:7KZ244lQ
-
..:: / / ＼.::.:＼ ::.
..:: ／/ / / ヽ ヽ.::.::ヽ ::..
..:: /.::.::′ ′ / / / ', ヽ l ｌ l.::.::.::.ヽ ::
.:: /.::.::.:.| ｌ ｌ ∧ l 、 |｜ ｌ |.::.::.:＜ ::
:: |.::.::.::.:| | ｌヽ {_ム- （ ( | }ハ┤|_ | |.::.::.::.::| ::
:: |.::.::.::.:| | | ）ﾉ Vハ＼ ヽ ﾉﾉ ﾉﾉﾉ )７メ､| |.::.::.::.::| ::
:: |.::.::.::.:...、 |＼イ ィ爪抔不 ＼ （ 不孑丐ミx ハ ﾉ.::.::.::.:.| ::
.:: 、:.::.::.:.::ヽ /l | L :::::::::」 ） ﾉ L ::::::::」 }/ | /.::.::.::.::.ﾉ ::
.:: ＼.::.::.::.:l∨{ （ / l| /.::.::.::／ :: ええ・・・桜の綺麗な季節でした
:: |＼.::.:| 人 ＼ """ : """ / ノ|／|.::.:／| :::
:: l ＼| ＞---r- 、 , -r-＜ ﾉ j／ | ::
.:: ﾉ / ﾉl ＼ ￣ ／ l | ::
..:: ／ / / ,' ! ＞ ＿_ 个 、 ｌ l l 八 ::..
..:: ／ / / | _ノ /（ ）| ＼l l ＼ ::..
:: / 「 {..:..＼. ／/ }＼ 、 ヽ ::
/ ７ 八 ヽ ..:..:＼ ／.:./ ′ 丶 ヽ
／ ／ / / ', ＼..:..:＼／.:..:./ / 丶 ＼
/ ／ ／ / / 、 ＼／..:..:／ / ＼
/ / / / ヽ ＼／ ／ ヽ
＿＿＿_
／ ＼
／─ ─ ＼
／ （●） （●） ＼
うーん・・・ | （__人__） |
＼ ⊂ ヽ∩ <
| | '､＿ ＼ ／ )
| |＿＿＼ “ ／
＼ ＿＿＿＼_／
桜ねぇ・・・
せっかくの手がかりだが、それだけではなんとも言えない
. - 831 ： ◆HrtGSGllns ： ：2010/08/03(火) 21:00:01 ID:7KZ244lQ
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／ ／ ヽ:::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
イ l ＼:::::::::::::::::::::::::::∧
／ l | ＼:::::::::::::::::::::::::∧
, イ i ﾄ . ＼ ヽ Vゝ.:::::::::::::::::::::l
/ | | z==＼==-＼- | | ヽ::::::::::::::: |
. / : | | ! _ ゝ.==_=z | | /:::::::::::::: l
/ : :::| | | | !/ 彳 ,' :::::ヽ＼ | i/::::::::::::::: ｲ
| :::::::| '. ＼ ＼V' |::::::::::ﾊ ＼リ r '":::::::::: イ´ |
| :::::::l ! メ´ ＼ l`' --ゝ |ﾍ _ ﾉ l i ＼ `ー┬ ´ │ ! ・・・駄目でしょうか？
| ::::::ハ i l l!`z=.ゝ､ ＼ ゝ-－ ' ,' .' │ ,' |
| ::::::::::∧ ＼ ＼ l:::_ハ ` ─‐ ゝ / ／, / ／ │
V ::::::::::∧ ゝ ＿ _ゝ__少 -=' イ / ,. ' イ ＼
V:::::::::::::::ゝ _ 二=- ｀ /∠...イ ゝ ＼
ゝ._:::::::::::＼ ゝ=-_＿＿ r _っ . ' | ! ! │ ＼
￣￣ゝ＼ ゝ ＿＿ ノ ／ _ __从＿__ | ゝ.
V ゞ- ≧__ ゝ---/⌒ヽ´ ／,. -- ── -ゝ ＼
) ゝ￣ j＿ ＼/ _＿_（＿___ ヾ
/ ＿ ,.イ´＿ | ´ ,.. -─- ､ ｀ヽ ヽ.
／ , イ´ ,.- !´ ＿. |／ ／ ヽ Y
／ / / / ､ Y´_ | / | }::
／イ / ' ／ ー─し'! l_＿_| .' / /::::Y
／/ . | ! ー‐ v' 人 ／::_:_:_::V / / ::::: !
,' ＿_/ i! ! `ー v / ゝ'::::r::::_::_:_i:L--- ､ / / :::::::: !
/ /:::::::::¨≧V│ ｰ ノ/ ／:::::::::V:::::::::::::::ヽ:::::::::＼j／ :::::::: ノ
＿＿＿_
／ ＼
／ ＼
／ ＼
| ＼ ,＿ | ごめんお・・・それだけじゃやる夫にはどうにもできんお・・・
/ ｕ ∩ノ ⊃―）／
( ＼ ／ ＿ノ | |
.＼ “ ／＿＿| |
＼ ／＿＿＿ ／
. - 832 ： ◆HrtGSGllns ： ：2010/08/03(火) 21:00:16 ID:7KZ244lQ
-
:::::::::::::::::: : : : : :/ ', _..lゝ-―- ..ト_､ ヽ l / ,'
::::::::::::::::: : : : .:/ ヽ. ￣l￣ヾ二_‐l‐-¨ﾆ､=' ﾄ､ l /l. / l
::::::::::::::::: : : .:/ ＼ l , z==≧､l二_‐ ヽ. l ! `=lニ≠/=､ ./ l
:::::::::::::::::: .:.:.l ｌ l ヽ､ /Vｨ ）:::::ヽ｀ヾ V l} ム≦/ ,ｨ′ /
:::::::::::::::::::::::::! ', ', l` V ﾄ:才::::::lヾ} ,ｨﾉ ,ｨ{._ノV ﾊ´ ,' /
ヽ:::::::::::::::::::::l ', ', l l´ {:::::::ﾉ. ,' / ／,'ィ::::lイ l l / , ' そう・・・ですか
iヽ:::::::::::::::::', ヽ ヽ. ﾍ ゝ､￣ _ノ ' ´ .l {::::ﾉ,' 〃/ ／
l ｀丶、::::::ヽ ヽ ヽ ﾍ ￣ ゝﾆノ ｲ7 ,
ｌ / `ｰ- -` ` ` ､ ヾ、 l /／ , イ
l / / ﾍ. ﾍ`ｰ---` ＿_ ′ _... - '´ _.. イ:::::::!
/ / lヽ. ﾍ. ￣´ ｀フ￣ l l::::::ﾉ
./ ,〃 l ヽ ﾄ､! 丶、 ,, ィ´ ', / レ′
／/ / / ∧ ! 丶､ , ィ ´} }∨
.／ / r‐ =ﾆ／ ', / ｀7 ‐- ´ / l /
／ ,' r└‐-､ `丶､ﾚ′ / .／ ! /
.i | `丶､ `ｰ- ､ / ／ | ／
＿＿＿＿＿__ ＿___
／ （＿＿ ゝ
／ （＿＿_ヽ_
／ ── ── （＿_ _ ヽ_
／ ／´ ｀ヽ /´ ｀ヽ （＿＼ 〈 うん・・・ごめんだお、羽入
／ `Ｔ;;;:::;;;Ｔ′ `Ｔ;;;:::;;;Ｔ′ ＼ ＼
| ヽﾞ''''''´"ノ ヽ⌒ﾞ''''''´" Ｕ | ）
| （ i ） |三三）
＼ ｀ー ─'＾ー 一' ／.:.| .|
＼ ￣￣ ／|.:.:.:.:| .|
〉三三三》 《三三三〈 |.:.:.:.:| .|
可哀相だけれども本当の事をいった
隠したってどうにもならないことなのだから・・・
. - 833 ： ◆HrtGSGllns ： ：2010/08/03(火) 21:00:29 ID:7KZ244lQ
-
_,. -──-- ､_
,.-__ r-､-. ト--.､
' ｲ ＼＼＼ ＼::::::＼
/ ｲ | ヽﾊ. ＼ ヽ:::::::ヽ
' ' |│､| ｫ什十ﾄ! | ﾚ::::::::l
/li! | vl-ﾄゝ､,. j/z!‐j/､ﾚｲr::::::::::ｲ
(:::|l ヾ ヽj =,､ l./ ﾍﾊt! j {:::／..ヽ
V|ゝ ＼ﾊ 7rj ｀ "/ イ ::::::::::: ＼
ﾚゝ＼lヾ!" ' , ｲイ＼ ::::::::::: ＼
|l !:::ゝ. ｀ ／ |::::::::::＼: :::::::::::::`. ､
|i :::::::::|｀..ｰ─r' ／ ＼::____:＼:::::::::::ヾ:::`..､
いいえ、仕方がないと思います ゞ ::::::::ゝ::__,:イ／ ,.イ ,. ---､ヾヽ:::::::::::`:::::::＼
＼:,.ｲ´| ／ ／ / / |ﾄ､::::＼:::::::::::＼:::`i、
昔のことですし _/ノ! ／ ／ ﾚ' /:::::＼.:::: i､:::::::::::: 'i::::ヽ.
/_/ ／ ／ 「_￣_:.`ｰく::＼::::::::ﾞl.,::::ﾊ ::::: |!:: !
〈 ,! ,' / ｢:.~: : :~: rィ'ヽ::::＼::: i::. |ヽ::: |!:: |
ｲ.:ﾚ / ,.ｲ: : : : : : ∧ :::::l::::::::ﾞ!::|: | |:: |!:: !
/: : :|＿__l!＿__/:.:|: : : : : :/ :::l::::: l :::::: !::!:: | |:. ﾉ ,.'
': : : ＞rt===.／/:.:| : : : :∧ :::|:::::ｲ::i:::. ﾚ|:: | j／ ／
/: ／ ,.イ|tｽ／: :/: : !: : : :/! :::: l::/ |: |:::: | |:: ﾚ'′／
. /: .lL_' ／!ﾊV: : : ' : : : : : :/三ゝj/ |::|!:: ﾉ ' ,' ,.イ/
.': : :くミ|^∨／: : : : : : : : :./三三三 ` ー＜j／ ﾚ′ '
i: : : へ'三/: : : : : : : : : :.:/ 三三三三三三 ＼
しかし、何故か羽入はさほどガッカリしていないようだった
ただ苦笑しながら足をプラプラさせている
. - 834 ： ◆HrtGSGllns ： ：2010/08/03(火) 21:00:43 ID:7KZ244lQ
-
＿＿＿_
／ ＼
／ ─ ─＼
／ （●） （●） ＼
| （__人__） | ちなみにその人に会ったのはどれくらい前なんだお？
./ ∩ノ ⊃ ／
( ＼ ／ ＿ノ | |
.＼ “ ／＿＿| |
＼ ／＿＿＿ ／
＿＿＿＿_
＿,／. . . . . . . . . ￣ヽ、
／. . /. . . . . ._._. . . . . . . ..＼
/. . . . .|. . . . ＼ . .＼ . . .＼. . ﾊ
／/. .| . .l . . . . . .ヽ . . ヽ. . . ヽ＼!
/;;;;;;|､. ヽ. .ヽ . . . . . . }. . . .} . . ..',;;;;;＼
/;;;;;;;;|. 丶.,＞.‐. . . .├.|‐.-.､!. .l. ..l;;;;;;;;;ﾍ
|;;;;;;;;;ゝ､.´ﾍｒ＝､ヽ,. ィi＝=､/ . |. .|;;;;;;;;;;;;|
|;;;;;;∧. . .|〈 トｲﾘ ソ .ト;ｲﾘ 〉../. /ヘ ;;;; |
ﾍ;;;;{ .ヽ. .ﾍ ゞ ' , ｀ ´ｲ./.／..!. .};;;;/
もうかれこれ・・・十二年、いえ、もっと前でしょう ヾゝ へ._._.＞ ＿_, ∠ｲ. . ..| /イ
|. ..ヽ､ イ |.!. . . l. . .|
/. . . . . .≧ァ ' _,／ >, . .l. . .!
/. . r ''"¨/ /! ／ ／ ｀丶､. .!
/. . .r| l i／ ／ , -＝､ﾍ＼ ＿,ノ
/. . .ｲﾞ〉' ／ ／ イ /}.|.ヽ
/. r==!l / / //＿＿_./ ソ. .}
l. . ト=ト! / / /〆 ￣〉. . |
|. . | |_/＿/＿＿__/ /. !....|
|,r┼＝ｆ-,へ= ニ / /. /!. ﾉ
ｲ ￣￣厂ヽへ / /.ソ !ｲ
l ／／／川 |.ニ/ /ソ
∨_/ / / | / /
. - 835 ： ◆HrtGSGllns ： ：2010/08/03(火) 21:01:03 ID:7KZ244lQ
-
＿＿＿_
／ ＼
／ ─ ─ ＼
／ （●） （●） ＼ ふぅむ・・・ただの人間には随分と昔のことだお・・・
| （__人__） |
＼ ｀ ⌒´ ,／
/⌒ヽ ー‐ ｨヽ
/ ,⊆ニ_ヽ、 |
/ ／ r─--⊃、 |
| ヽ,.ｲ ｀二ﾆﾆうヽ. |
,,.............,,,_
,.- ''"...... _ ー;;;"..ヽ.、
., '"´ー 、 ヽ.、 ＼"'';;;-,,,,、
.／.,: l ＼::.＼ヽ::＼ ヽ;;;;;;;;;;;;＼
//./:i | :. ::., ヽ;::.ヽ;＼:.ヽ:. ヽ;;;;;;;;;;;;;;i
/i., :i :::|:l .::i :'; ,:l:- i‐';-i-::L:.. l;;;;;;;;;;;;;l
/;|: .::| :::l::'; _!_ ::i; |.';:!＿!:|ヽ:i::::. /;;;;;;;;;;;;;!
はい。ですから、会えたとしても ;';;;l.l ::l: ::ﾚ';ﾞ;ヽヽ.、::::|/Zﾞilllliiiliヽl::::: i;;;;;;;;;;／、
私のことを覚えていてくれるとは限らないんです . i;;;;;|.|, :|::. :! ﾞ,zrs、ヽｿ ﾞii|!!!;|!. l::/ !;;;;／:::..ヽ
ヾ;;l !',.ヽ:::ヽ'!.ﾞ;||i, ' ‐ ' //:／'ﾞ:ヽ:::::::..＼
ﾞ!;ヾlヽ＼:::', '‐ﾞ ' ' ´lヽ:::::::＼:::::::.ヽ
ヾ;'ヽ ::ヽ::ﾞ':i -- ' , !;:::::＼::::ヽ:::::::::＼
l :::l:::!: ヽ.、 ／ ,. -''i: ::::::::ヽ:::::ヽ:::::::::''-..、
.l ::::!:::! :l::::::"': ‐- r.'ﾞ .／ ヽ::;;_::::::::::''-::;;::'':::-:::::ヽ
'; ::';::ヽヽ::::::;;ヽ'/'／ ／,.-,... ニヽ;::::.. ::＼::.. :::::::
ヽ ::ヽ;:r‐'/ / ' ／ ./／ ヽ'i;:::::::. ＼::::...
ヽ;// .l ／ ／ .i// ,!/::ヽ::::... ヽ::;:
彼女はそういって肩をすくめた
ただの人間に十二年は長い
しかもたった一度会っただけの相手だ
. - 836 ： ◆HrtGSGllns ： ：2010/08/03(火) 21:01:16 ID:7KZ244lQ
-
＿＿＿_
／_ノ ヽ_＼
／（ ●） （ ●）＼ かも・・・しれないおね
／ ::::::⌒（__人__）⌒::::＼
| ￣ |
＼ ／
-―-=――-
'" ｀丶、
_∠ -‐ ／ ヽ、
／ ' 、 ＼ ヽ
. / ／ ／ 〃 j } ヽ`く＾ヽ、ハ
/ ｲ { ｛{ / j / ,' } ヽ:::::＼}
{! /::{ 人 从 〃 /,ｲ / l:::::::::ﾍ
∨::小 ｛`＜⌒{{ ／￣jノﾄ､ / } ::::::::::}
ええ、だからもういいんです . {:::::ﾊ ヽ､_＞ 二八_（ _ 厶j＼ ｌ::::::::::,'
∨八. ＼'¨￣` ＝=ﾐ ﾉ , /:::::::::/
＼ こミ ' ／ ／ /::::::／
人. ゝ ` ｰ 彡=-─厶／|
/ /＼ぐ＞､＿ イ_}｝ / / │
〃 / {／〈| __／ ∨／{ l.{
{ｆ斗―-イ _>＜´ ∠`ーｚ-八
／ { ,レ'´ _爪 ＼ ／ ／ ヽ＼
. / ｜ 〉 ／ﾉ |/／ / ／ | ヽ
. - 837 ： ◆HrtGSGllns ： ：2010/08/03(火) 21:01:30 ID:7KZ244lQ
-
／￣￣￣＼
／ ＼
/ ─ ─ ヽ なにか・・・そう、約束でもあればいいんだけどお・・・
| （●） （●） |
＼ ∩（__人/777／
／ （丶＿//// ＼
／ ／ ヽ:::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
イ l ＼:::::::::::::::::::::::::::∧
／ l | ＼:::::::::::::::::::::::::∧
, イ i ﾄ . ＼ ヽ Vゝ.:::::::::::::::::::::l
/ | | z==＼==-＼- | | ヽ::::::::::::::: |
. / : | | ! _ ゝ.==_=z | | /:::::::::::::: l
/ : :::| | | | !/ 彳 ,' :::::ヽ＼ | i/::::::::::::::: ｲ
| :::::::| '. ＼ ＼V' |::::::::::ﾊ ＼リ r '":::::::::: イ´ |
| :::::::l ! メ´ ＼ l`' --ゝ |ﾍ _ ﾉ l i ＼ `ー┬ ´ │ !
| ::::::ハ i l l!`z=.ゝ､ ＼ ゝ-－ ' ,' .' │ ,' | そう・・・ですね・・・
| ::::::::::∧ ＼ ＼ l:::_ハ ` ─‐ ゝ / ／, / ／ │
V ::::::::::∧ ゝ ＿ _ゝ__少 -=' イ / ,. ' イ ＼
V:::::::::::::::ゝ _ 二=- ｀ /∠...イ ゝ ＼
ゝ._:::::::::::＼ ゝ=-_＿＿ r _っ . ' | ! ! │ ＼ ＼
￣￣ゝ＼ ゝ ＿＿ ノ ／ _ __从＿__ | ゝ. ＼
V ゞ- ≧__ ゝ---/⌒ヽ´ ／,. -- ── -ゝ ＼
) ゝ￣ j＿ ＼/ _＿_（＿___ ヾ
/ ＿ ,.イ´＿ | ´ ,.. -─- ､ ｀ヽ ヽ.
／ , イ´ ,.- !´ ＿. |／ ／ ヽ Y ＼
／ / / / ､ Y´_ | / | }::
／イ / ' ／ ー─し'! l_＿_| .' / /::::Y
／/ . | ! ー‐ v' 人 ／::_:_:_::V / / ::::: !
,' ＿_/ i! ! `ー v / ゝ'::::r::::_::_:_i:L--- ､ / / :::::::: !
/ /:::::::::¨≧V│ ｰ ノ/ ／:::::::::V:::::::::::::::ヽ:::::::::＼j／ :::::::: ノ
そういって羽入は顔を伏せてしまった
慌ててフォローの言葉を探す
. - 838 ： ◆HrtGSGllns ： ：2010/08/03(火) 21:01:46 ID:7KZ244lQ
-
＿＿__
／_ノ ヽ＼
／ （ ●） （●）、
／::::::::⌒（__人__）⌒＼ まっ、あれだお、そう落ちこまないで
| |r┬-| | やる夫のところでよければ飽きるまでいるお！
＼ `ー'´ ／
⊂⌒ヽ 〉 ＜´/⌒つ
＼ ヽ / ヽ /
＼_,,ノ |､＿ノ
一つ一つ、言葉を選びながら、ことさら何でもないようにいった
. - 839 ： ◆HrtGSGllns ： ：2010/08/03(火) 21:02:03 ID:7KZ244lQ
-
／ | | | | ヽ
/ | }､ ﾊ | |
/ ハ :!＼ ｰーミA､∧ |
r‐v | ＼ 斗 ヽ. .' / j/｀ ! / ト..､
. /:::::::| ヽ ／＼ ≦ ＼ /／ｲ孑示､| / :!:::::::＼
{::::::::::| ｀ ー‐ ≦孑k } ／ ん'' ∧! ｲ |::::::::::::::ヽ
∨:::::::ヽ、 ∨ ん ﾊ }´ 弋 ｲり从v ∧::::::::::::::::}
. ∨::::::::::|｀¨ ー ム弋込 り ｀ ｰ= ′ / ィ' |:::::::::::::/
∨::::::::'. ヽ ゞ ´ ' ／ ／ / /:::::::::::.'
・・・ ∨:::::∧ ＼ r‐ ﾍ ≦ _ ィ ´ / /::::::::.ィ
∨:/ ヽ｀ト ､ ≧ ｰ‐′ ／.' / /:::／ !
. ヽ }＼人 ￣}ゝ、 ィ / ／ /／ |
/ '. ! ＞ ,_ . ´ _トム´ |
/／｀Y ヽ | / ∧ ／／Y ｀ V⌒ Y ￣￣_二_ヽ
〃 ／ヽ ヾ ／ / /' ／／/⌒ヽ. ヽ. | ／ ヽ ＼
/ ./⌒Y Y l l ／／ /⌒ヽ ｀ .| ／ '.
. 八 l | .l l / / {_ﾊ |' |
{ ヽ | .l |/ / | / |
やる夫の言葉に羽入はいつもの表情で驚いた
そしてみるみる喜色に染まっていく
やれやれ・・・
その目元には軽くにじんだ涙が光っていた
. - 840 ： ◆HrtGSGllns ： ：2010/08/03(火) 21:02:15 ID:7KZ244lQ
-
/:::::::::::::/ l l ヽ ', l /! l } l ﾊ:::::::::::::::::::l
. /::::::::::::::il ! ヽ、 ＼__ヽ ', l-/十‐l- ..._/ l i::::::::::::::::::|
,'::::::::::::::::ｌ| ヽ ＞=''二_￣ `ヽヽ ヽ ｌ/ l / /l｀ .,' l !:::::::::::::::::|
!::::::::::::::::l l ヽ、 ´ ﾍ ¨ ‐-､ﾄ､ } / 'ｲ ／ ! / l l:::::::::::::::::|
!::::::::::::::::l ', `t‐---` ＿ ﾘ ／ --/／ ｜ / / l::::::::::::::::::!
l::::::::::::::::ﾍ ヽ ', _..´---､ }／ zニニ_‐-､ l / / ,'::::::::::::::::,'
.V:::::::::::::::ﾍ ＼ ヽ zﾆ-‐ ￣ ｀ ｀ヾｨ'′ ,ｲ ,ｲ:::::::::::::::/ ・・・貴方はいつもそうですね
V::::::::::::::::ヽ 丶､ ヾ､ xxx l xxｘ ／ ／/ / |:::::::::::::/
ヽ:::::::::::::::::i＼. ￣ヽ￣ ､__ ＿_, ∠.... ィ ´ / / l:::::::::／
＼:::::::::::', ｀iｰ- ..＿_`_､ __ /l / ／ /:::／
丶､:::::ヽ l l ヽ、 , ィ´/ '´/ /イ
iー-`.', ', l `丶､ , イ l /ｲ .／ l !
| Ⅵ､ ', ﾉ _!¨ ‐- -- '' ´ !、 l / ／ l |
| / _.. ---ヽ､ ﾍ‐ '' ´ ! | `ｰく‐､----- ､. |
／／ ,-‐､/ムヾ､ / r―ｷェ‐､ ヽ|
/ / `ｰ-ｲﾊ..._） ヽ‐イﾊ`‐' ',
＿＿＿_
／_ノ ヽ_＼
／（ ●）（ ●）＼
／::::::⌒（__人__）⌒::::: ＼ もしかして何か不味かったかお？
| （ （ |
＼ `ー' ／
. - 841 ： ◆HrtGSGllns ： ：2010/08/03(火) 21:02:54 ID:7KZ244lQ
-
／ ／ ヽ:::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
イ l ＼:::::::::::::::::::::::::::∧
／ l | ＼:::::::::::::::::::::::::∧
, イ i ﾄ . ＼ ヽ Vゝ.:::::::::::::::::::::l
/ | | z==＼==-＼- | | ヽ::::::::::::::: |
. / : | | ! _ ゝ.==_=z | | /:::::::::::::: l
/ : :::| | | | !/ 彳 ,' :::::ヽ＼ | i/::::::::::::::: ｲ
| :::::::| '. ＼ ＼V' |::::::::::ﾊ ＼リ r '":::::::::: イ´ |
| :::::::l ! メ´ ＼ l`' --ゝ |ﾍ _ ﾉ l i ＼ `ー┬ ´ │ !
| ::::::ハ i l l!`z=.ゝ､ ＼ ゝ-－ ' ,' .' │ ,' |
| ::::::::::∧ ＼ ＼ l:::_ハ ` ─‐ ゝ xxxx / ／, / ／ │ 貴方がそうだから・・・
V ::::::::::∧ ゝ ＿ _ゝ__少 -=' イ / ,. ' イ ＼
V:::::::::::::::ゝ _ 二=- xxxx ｀ /∠...イ ゝ わたしはいつも甘えてしまいたくなるのです
ゝ._:::::::::::＼ ゝ=-_＿＿ r _っ . ' | ! ! │
￣￣ゝ＼ ゝ ＿＿ ノ ／ _ __从＿__ | ゝ.
V ゞ- ≧__ ゝ---/⌒ヽ´ ／,. -- ── -ゝ ＼
) ゝ￣ j＿ ＼/ _＿_（＿___ ヾ
/ ＿ ,.イ´＿ | ´ ,.. -─- ､ ｀ヽ
／ , イ´ ,.- !´ ＿. |／ ／ ヽ Y
／ / / / ､ Y´_ | / | }
／イ / ' ／ ー─し'! l_＿_| .' / /:
／/ . | ! ー‐ v' 人 ／::_:_:_::V / / :::
,' ＿_/ i! ! `ー v / ゝ'::::r::::_::_:_i:L--- ､ / / :::::
/ /:::::::::¨≧V│ ｰ ノ/ ／:::::::::V:::::::::::::::ヽ:::::::::＼j／ ::::::::
そして彼女はやる夫の肩に頭をこつんとのせた
薄紫色の髪がやる夫の肩から垂れ下がる
. - 842 ： ◆HrtGSGllns ： ：2010/08/03(火) 21:03:05 ID:7KZ244lQ
-
＿＿＿_
／⌒ ⌒＼
／（ ―） （―）＼
／::::::⌒（__人__）⌒::::: ＼ おっおっ！ 甘えとき甘えとき！
| |++++| 」_ ｷﾗｯ |
＼ `ー''´ l ／
＿,. -―‐- ､
ｘ＜´ ＞ｘ、
／ ／ ｀丶、
／⌒}／／ / ヽ ＼ヽ.__ﾑ
／:::::::／／ ! i ｉ ∧::::＼
/::::::::::/ ./ ! :} :| j | ﾊ:::::::ﾊ
{:::::::::::{ ＼_ ＼--＼. ∨-/､/| ! i::::::::::!
V:::::::ﾊ＼ {／ーゝｰ-ヽﾉイ／ ＼ / ∨:::::|
. ヽ:::{ '. ｀ド ,ｨたう} fうﾇメ､|｜ :}:::::/
＼ ＼ ＼ 弋ｔり 弋ｔり !/ //／
その癖、結構無責任です ｜{丶 xxx ' xxx イ :ｆ
j ＼{ ＼_,.-､. ー _,.-､ イｲ ﾘ/ |
／ ＿厂｀＼ﾏf／´￣{､＿_ ！
_／ r＜ /二ﾕ Y ﾏ二V ./｀ﾏﾍ.
. ｘ≦二￣ ／ ｀{ ∨ 〈ヽ{/.〉 V } ＼ r=､、
／／/ ,. ´ _ﾑ. _| V|V ﾄ､. / ＼ ＼ }}
/／ / ／ ,. ´ /t:! 〈.!〉 :!〉ﾊ ` ｰ-ミ=====‐'"
. // ./ ./ .／ {__ | ! | _j ＼ ＼
| ! ｆ / ／ 廴| j f } ＼＼ー- ､ ヽ
| ! | ／ /|＿＿_ .ｲ -rイﾄ､ !、 ＼＼ ＼ '，
ヾ、 |/ , |＼|｜,. ´ ＼ ﾚ' :!ﾉ｀ ,小＼ | ヽﾊ. Y }
. / ／ ＼}ム=== __ ノﾉ ,ﾉ .ﾍ __／ j{__＼ヽ. ! } } ＿ノノ
｜ / 廴___, く.＿＿_ ⌒ヾ ,.イ ! ＼〉 / ｀| } / ノｲ ￣´
｜ !ゝ一'´ j ＼___／ / |ヽ _ / ＿l_//
. ＼.廴_ / / / :| | |_レ' ￣「
｀￣ / ⌒V :! ∨ﾏ.二ﾌ !
. - 843 ： ◆HrtGSGllns ： ：2010/08/03(火) 21:03:18 ID:7KZ244lQ
-
＿＿＿_
／／ ＼＼
／（ ●） （●） ＼
／::::::⌒ ､_! ⌒::::: ＼ そうかお？
| 'ｰ三-' |
＼ ／
,. -― - ､
＿,.／ ＞x
／ _＼
／ ヽ ＼::｀..ヽ
/⌒, ＼ ＼ ＼:::::::＼
／:::::/ { ヽ ＼ ヽ. ＼:::::::ヽ
/::::::::::| ∧ ∨ ハ } ヽ:::::ハ
,':::::::::::∧ ヽ ヽ l ﾊ | | Y:::::::}
l:::::::::::/ ヽ ＼ ＼ l斗f‐十.| lハ .ﾄ、:::l
はい {:::::::::{ ハ _＼x ― ＼ ハ/ 」l从 ;ｲ .! | }:::::|
l:::::::/{ ヽ ＿ _≧二｀ ｀ j/ rfう丁メ、 | ! / l:::::.}
l:::::::| l l ｧ孑'ハ {:{ ;り ∨ ./ ∧ }／
ヽ::::ト、. ∨ ! V j | 辷 タ 〃/ / |
＼ ＼ ＼ 弋 タ′ _ィ_ ／ ィ |
|ミ､_ ｘｘｘ ' ｘｘｘ ィ ! |
| 丁< ｀ ｰ ‐ ｲ | | |
| | |＞ ．_ ／L! ! | |
| | | _｣｀ ¨ ´ / ハ.! | |
| | | ／ |│ / / ＼ ! |
j |_,.rf ' |│ ./ / /￣￣＼
/ ／ .l ! | / / / ヽ
. - 844 ： ◆HrtGSGllns ： ：2010/08/03(火) 21:03:32 ID:7KZ244lQ
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＿＿＿_
／⌒ ⌒＼
／（ ー） （ー） ＼
／::::::⌒（__人__）⌒::::: ＼
| |r┬-| |
＼ `ー'´ ／ そうかおそうかお、それは困ったお
r´､＿__∩∩＿_, /
＼＿_ ´人 ｀ ＿ﾉ
ヽ ￣ ￣ |
｜ /
| ｒ /
ヽ ヽ／
>__ノ;:::......
. / : :! . i: : : ::::i: :.:i: : : : : : : : :i: : :.!: : :.!: : : : :.i: . : :.!;;;;;;;;
/! : |. : : :!: : : ::::!: :.i: : : : :/: : :.:!: :./:: : :j::. : : : :i: : : . . ｉ;;;;;;;;
,';;! i : !: : : :!: : : ::::i: : !: : :.:,' : : :.:.|: /::. : /!:::. : : : !:. : : : : :i;;;;;;;;
i;;;! i : :.: : : :ヽ:. : :::ﾄ.::ﾄ.: :.:i: : : : :.i/ ｊ.j: / ｉ::j:: : :./:::. : : : : :!;;;;;;;
|;;;! | : :＼:. : : !>' ＜⌒､: j: : :./:/ //⌒＞ ﾉ: ノ:::: : : : : : :!;;;;;;;
|;;;i ｊ :i: : : ヽ::.:.ヽｘ,==ｒミ＼ .::ﾙ' ｒ==ｒミ/／|.:::/:::.:. : :./;;;;;;;;;
. !;;;ヽ ハ: : : :::ヽ.,.ｲゝｲil::| ヾ! |ゝｲil:::| ﾚﾉ.:/::::.: : :./:!;;;;;;;;;;
;;;;;;;;;>、ヽ:.:.:.:.:.＼ゞﾟｰ''ﾉ ゞﾟｰ'':ｿ /／:::. : :／!.:|;;;;;;;;;;
本当に困ります、なんとかしてください ヾ;;;ｊ ＼ :｀￢‐- ￣｀ , ´￣ ／::. : :／: .ｲ ﾉ;;;;;／
ヾ! ヽ:: : :＼ '' '' ｒ―‐ ､ '' '''／:: ::...ィ::::／iイ;;;／::::::
//.:i.:::::::..､ ヽ..___ﾉ ´￣了:::: /::::::|::!´::::::::::::
. ｉ iﾊ:|.:.:::::::/:＞.... . ..イ !::: : /､::::::|::i:::::::::::::::
. ｉ ｉ: ﾊ :.::::i:::::::i::i::::＞--ｒ |ｲ::/: : ＼j:::!::::::::::::::
. ｉ ｉ: : :〉:::::!‐ｧ': : /: : : : ヽ ノｉﾘ/: : : : /`ｰ‐-... __
. ｉ ｉ: :/ ヽ|/: : : :! : : : : : : Ｖ´ : : : : : : : : /:::::::. : : : :ﾉ
ポコポコ・・・
とぼけるやる夫に彼女が優しく拳を叩きつける
見た目通り全然痛くない
. - 845 ： ◆HrtGSGllns ： ：2010/08/03(火) 21:03:51 ID:7KZ244lQ
-
＿＿＿_
／⌒ ー､＼
／（ ●） （●）＼
／::::::⌒（__人__）⌒:::::＼ ん～、今のところそういう予定はないお
| |r┬-/ ' |
＼ `ー'´ ／
_,. -──-- ､_
,.-__ r-､-. ト--.､
' ｲ ＼＼＼ ＼::::::＼
/ ｲ | ヽﾊ. ＼ ヽ:::::::ヽ
' ' |│､| ｫ什十ﾄ! | ﾚ::::::::l
/li! | vl-ﾄゝ､,. j/z!‐j/､ﾚｲr::::::::::ｲ
(:::|l ヾ ヽj =,､ l./ ﾍﾊt! j {:::／..ヽ
・・・もうっ V|ゝ ＼ﾊ 7rj ｀ "/ イ ::::::::::: ＼
ﾚゝ＼lヾ!" ' , ｲイ＼ ::::::::::: ＼
|l !:::ゝ. ｀ ／ |::::::::::＼: :::::::::::::`. ､
|i :::::::::|｀..ｰ─r' ／ ＼::____:＼:::::::::::ヾ:::`..､
ゞ ::::::::ゝ::__,:イ／ ,.イ ,. ---､ヾヽ:::::::::::`:::::::＼
＼:,.ｲ´| ／ ／ / / |ﾄ､::::＼:::::::::::＼:::`i、
_/ノ! ／ ／ ﾚ' /:::::＼.:::: i､:::::::::::: 'i::::ヽ.
/_/ ／ ／ 「_￣_:.`ｰく::＼::::::::ﾞl.,::::ﾊ ::::: |!:: !
〈 ,! ,' / ｢:.~: : :~: rィ'ヽ::::＼::: i::. |ヽ::: |!:: |
ｲ.:ﾚ / ,.ｲ: : : : : : ∧ :::::l::::::::ﾞ!::|: | |:: |!:: !
/: : :|＿__l!＿__/:.:|: : : : : :/ :::l::::: l :::::: !::!:: | |:. ﾉ ,.'
': : : ＞rt===.／/:.:| : : : :∧ :::|:::::ｲ::i:::. ﾚ|:: | j／ ／
/: ／ ,.イ|tｽ／: :/: : !: : : :/! :::: l::/ |: |:::: | |:: ﾚ'′／
. /: .lL_' ／!ﾊV: : : ' : : : : : :/三ゝj/ |::|!:: ﾉ ' ,' ,.イ/
.': : :くミ|^∨／: : : : : : : : :./三三三 ` ー＜j／ ﾚ′ '
i: : : へ'三/: : : : : : : : : :.:/ 三三三三三三 ＼
やる夫は笑った
羽入も笑った
その手はそのままやる夫を叩き続けている
. - 846 ： ◆HrtGSGllns ： ：2010/08/03(火) 21:04:06 ID:7KZ244lQ
-
＿＿＿_
／ ＼
／ ⌒ ⌒ ＼ ふっふっふ・・・
／ -=・=- -=・=- ＼
| （__人__） | それ以上無礼を働くならクリスマスプレゼントはなしだお？
＼ |++++|」_ｷﾗｯ／
`ー''´ l
／ | | | | ヽ
/ | }､ ﾊ | |
/ ハ :!＼ ｰーミA､∧ |
r‐v | ＼ 斗 ヽ. .' / j/｀ ! / ト..､
. /:::::::| ヽ ／＼ ≦ ＼ /／ｲ孑示､| / :!:::::::＼
{::::::::::| ｀ ー‐ ≦孑k } ／ ん'' ∧! ｲ |::::::::::::::ヽ
∨:::::::ヽ、 ∨ ん ﾊ }´ 弋 ｲり从v ∧::::::::::::::::}
. ∨::::::::::|｀¨ ー ム弋込 り ｀ ｰ= ′ / ィ' |:::::::::::::/
∨::::::::'. ヽ ゞ ´ ' ／ ／ / /:::::::::::.'
えっ！？ ∨:::::∧ ＼ xxx r‐ ﾍ xxx ≦ _ ィ ´ / /::::::::.ィ
∨:/ ヽ｀ト ､ ≧ ｰ‐′ ／.' / /:::／ !
. ヽ }＼人 ￣}ゝ、 ィ / ／ /／ |
/ '. ! ＞ ,_ . ´ _トム´ |
/／｀Y ヽ | / ∧ ／／Y ｀ V⌒ Y ￣￣_二_ヽ
〃 ／ヽ ヾ ／ / /' ／／/⌒ヽ. ヽ. | ／ ヽ ＼
/ ./⌒Y Y l l ／／ /⌒ヽ ｀ .| ／ '.
. 八 l | .l l / / {_ﾊ |' |
{ ヽ | .l |/ / | / |
その瞬間、彼女は手をとめる
そしてすぐに引っ込めると爛々と輝く瞳で、期待に満ちた瞳でやる夫を見つめてきた
. - 847 ： ◆HrtGSGllns ： ：2010/08/03(火) 21:04:23 ID:7KZ244lQ
-
＿＿__
／_ノ ヽ＼
／ （ ●） （●）、
／::::::::⌒（__人__）⌒＼
| |r┬-| | やれやれ、子供じゃないんだから・・・
＼ `ー'´ ／
⊂⌒ヽ 〉 ＜´/⌒つ
＼ ヽ / ヽ /
＼_,,ノ |､＿ノ
／ ヘ
/ ヽ__ ﾍ
_/ / / i ﾊ ﾊ:::::＼ヽ
／/ / / ﾍ i / i ﾊ::::::::::ヽ
. /::/ i i i ﾊ i i ｲ i i::::::::::::::ヽ
/:::| i i i ﾊ i i /i i i::::::::::::::::ﾊ
::::::i ヽ ヽ .i i i リ人7、i ｲ ﾊ::::::::::::::::::}
::::::＼ ゝ、>=ﾚヽ i /ｨﾁ心ハレﾉ 人::::::::::::::ﾉ＼
:::::::::::＞、 ﾊｲ佇心ヽ ﾉﾚ 弋少 / ／/ｿ .〉:::::::::;/ ＼
あっ・・・ :::::::::::{ 人＼トﾊ 弋少 ヽｲ , , , , , / イ / /::::::／
＼:::::ﾍ/ ヽ ｀＼, , , , ` ／イ |ノ /／
＼:::ﾍ ＼i｀ー＜ - - ＜人ヽー‐‐--､-､
＼| i 〟─‐ ＞ - ｨ 〃 / ／ Y{
/ ﾊ .i {〈 / |ト .} __〃 / ／ } |
/ 人 ヽi ヽ | {| 〃 ｲi / i 〉
/ ／ ヽ i ゝﾘ .|i 〃 / ﾘ/ ﾉ /
// ヽ i ｿ ヽｙ〃 / __/ __ //
i { ＼_」-‐{ i ｀/ , /= ￣::::::｀∨ｲ
人ヽ、 ＿_f=:::::=| ヽ / / /::::::::::::ヾゝ::::∨
＼｀ ´,─ヘ:::::::人 Y ／ /::::::::::::::::::::ヽゝヽ
￣ ﾑ::::::::ヽ 〈 | /::::::::::::::::::::::::::ヽゝ|
Y::::::::::::〉 ＼ ｿ:::::::::::::::::::::::::::/::／
|::::::::::ヽ--＞/:::::::::::::::::::::::::/イ::|
羽入はハッとして顔を押さえ表情を隠した
そしてわざとらしく表情を変えるとそっぽを向く
けれどもその視線は時折やる夫をチラチラとうかがっていた
. - 848 ： ◆HrtGSGllns ： ：2010/08/03(火) 21:04:40 ID:7KZ244lQ
-
＿＿＿＿
/ ⌒ ⌒ ＼
./( ―） （ ●） ＼
/::⌒（_人＿）⌒::::: | （ホント・・・やれやれだお）
| ー .|
＼ ／
大人のような子供、子供のような大人
どう表現したらいいのかわからない
彼女のは包み込むような優しさの中に子供の悪戯っぽさが同居した不思議な少女だった
そして・・・
いつの間にか、そんな彼女がそこにいるのが普通になってしまっていた
時に笑い、時に怒り、時に慰め、時に泣く・・・
彼女とともに在る日がずっと続いてほしいと思った
・・・でもそれは叶わぬ事
仮にやる夫が健康であってもその事実は変わらないだろう
. - 849 ： ◆HrtGSGllns ： ：2010/08/03(火) 21:04:59 ID:7KZ244lQ
-
＿＿＿＿＿＿
／ ,〃 ＋. ／i
／ .＋ ,〃 ／+. .!
／ 彡川. . ／ +..!
.／==巛_彡"===, ' . + i
／ .彡,〃 ミﾐ.／{i} .+／
／ .＋ ,〃 ／ . {i}. .+／
.／ ＋. ,〃 .＋.／ .+ {i}+／
|￣￣ {ii} ￣￣| .{i} '
| ＋ {ii} ＋ | . + .／
| ＋{ii} ＋ | +.／
| ＋ {ii} ＋ | ／
￣￣￣￣￣￣￣
だからやる夫はプレゼントを用意した
なるべく長持ちするプレゼントを、だ
プレゼントぐらい彼女に最後までついていってもバチはあたらないだろう
そんなことを思いながらやる夫はポケットの中を探る
. - 850 ： 名無しのやる夫だお ： ：2010/08/03(火) 21:05:22 ID:ighfDElU
- ・・・・・･･･ｺﾞｸﾘ。
- 851 ： ◆HrtGSGllns ： ：2010/08/03(火) 21:05:23 ID:7KZ244lQ
-
＿＿＿_
／⌒ ⌒＼
／（ ー） （ー） ＼
／::::::⌒（__人__）⌒::::: ＼
| |r┬-| |
＼ `ー'´ ／ あんまり沢山つけてると、壊しそうで心配だから・・・
r´､＿__∩∩＿_, /
＼＿_ ´人 ｀ ＿ﾉ
ヽ ￣ ￣ |
コツン・・・
指輪の入った箱が指に触れる
やる夫はそれを掴むとポケットから取り出そうとした
しかし・・・
＿＿＿
／ u ＼ ﾄﾞｸﾝｯ
／ ／ ＼＼
／ し （○） （○） ＼ ―――！
| ∪ （__人__） J |
＼ u ｀⌒´ ／
. - 852 ： ◆HrtGSGllns ： ：2010/08/03(火) 21:05:50 ID:7KZ244lQ
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歪む視界。体と心が乖離する
崩れ落ちかけた体をなんとか立て直そうとするが一気に全身から力が抜けていく
きっと数瞬の先、やる夫は倒れるだろう
それでもベンチをつかみ体を支えようとする
しかし、視界は暗い上に意識も一気に薄れ・・・
結局何もわからなかった
. - 853 ： ◆HrtGSGllns ： ：2010/08/03(火) 21:06:02 ID:7KZ244lQ
- ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
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・
・
・
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ - 854 ： ◆HrtGSGllns ： ：2010/08/03(火) 21:06:32 ID:7KZ244lQ
-
＼ ／
＼ ／
＼ ／ ,.､
＼ ／ ,. ィ彡ｌ |
＼＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿______r: ┐ | ｌ´ .| |
|..:.|:|.::|.:.| | ｌ |:.|:.| | | | | |
b :|:|.::|:.:| ｌ | |..|.:| | | | | |
|::..|.|...|::.| | ｌ |::|::| | | |_ | |
|::..|:|..:|:::| ｌ | |.:|.:| | `ｰ ミ､| |
ﾐﾇ彡|::.:|.|:.:|..:| | ｌ l亡フ| | ｀´
X |..:.|:|..:|:.:| ｌ 「 ￣l L三z| |
_,. -‐(__)フ__l/´「￣￣|｀丶 侶占ｺ |￣￣l .|
{二二フ ,. -ｧﾆ二二二ﾆヾ､i .|￣￣| |──l .|
|,. '´ ∠ ＿＿＿＿ノ l_| |_| r----｛三ヽ
／ l |＿＿| |__ﾄ､r二二二ｿ , - ､
, ﾆﾆ「 ￣￣￣￣￣ |ﾆﾆ 、 l !_「二二二｛ ＼
.〈| |／ | |＼ | | l ﾄ､ ＼ ｝
| |＿_|＿＿＿_________|＿_| |＼_i |_l＼「二二二二二}
Ll (O) (O) Ll |＿＿＿＿＿_!
／ |_| Ll
次に気がついた時、そこは病院のベッドの上だった
何度も見上げた天井、白い蛍光灯、薬品の匂い・・・
病棟ではない。これは治療棟の処置室の方だ
窓の外はすっかり暮れて、もう夜だ
視線を巡らせれば・・・
. - 855 ： ◆HrtGSGllns ： ：2010/08/03(火) 21:06:46 ID:7KZ244lQ
-
＿ ＿
／／ ￣｀ヽヽ、
, -i_ -＜"ニ￣｀ヽ ＼
,,,;;'''／Z ヽ、 ヽ、 ヽ ＼
,,,;;''''' / / ＼ ヽ、 ＼ ;;;'':::,,,
,,,;'';;;''' ,i ﾄ ＼ Y } ! }::;; ''':,,
,;;;;; { | ｀ヽK ＼ ﾊ ﾆﾆLﾘ } !/ }:::;;;; '''::,
;;;;; ,;;'| t=―、y`ゝ {￣`iヽﾉ ﾊ i::::::;;;;; ;;''
・・・ ;;;;' ,;;' ! i`辷 j' ﾉノ,辷,ﾉ/' / ｝::::;;;; ;;;:
'';;, ;, Lﾍ ﾐ ノ ノ j::::;;;; ／
;,,;;, 丶,-‐代 ｀ ノｲ彡/ /::;;／i、
;;; ﾉ ＞´｀ - '"_|〉ヽ、 /／ ヽ、
／ ／-'"´i i'" ／／ /｀＼ ｀ヽ}
／ （ｒ´ | i!／／ ／ ＼ ＼
/i />、/ | ／ ／ ／￣Y/ ヽ i
i { i. { / .|/ / ／ } i } }
i! {＼ヽi i / / / /i ﾉ } }
ヽt ＼i | / / /￣￣￣''＝-, / i
r-‐＝￣T |! / / / / i
＼ | .|! / ! / ／ /
._ ._
| |======================| |
| | ／￣￣￣＼ .| |
| | ／ ノ ―＼ |
| |＿＿＿／ （ ●） （ー） ＼
| |＼ （ | （__人__） | 羽入・・・
| | ＼ヽ＼＿＿ ｀ー ´＿＿／ ＼
| |＼ ＼（￣ ⌒⌒⌒⌒￣⌒ ⌒ ⌒ヽ
|_| ＼ ヽ ＼
＼ ＼ ＼
＼ ＼ ＼
. - 856 ： ◆HrtGSGllns ： ：2010/08/03(火) 21:06:59 ID:7KZ244lQ
-
／ | | | | ヽ
/ | }､ ﾊ | |
/ ハ :!＼ ｰーミA､∧ |
r‐v | ＼ 斗 ヽ. .' / j/｀ ! / ト..､
. /:::::::| ヽ ／＼ ≦ ＼ /／ｲ孑示､| / :!:::::::＼
{::::::::::| ｀ ー‐ ≦孑k } ／ ん'' ∧! ｲ |::::::::::::::ヽ
∨:::::::ヽ、 ∨ ん ﾊ }´ 弋 ｲり从v ∧::::::::::::::::}
. ∨::::::::::|｀¨ ー ム弋込 り ｀ ｰ= ○′ / ィ' |:::::::::::::/
！ やる夫っ、目が覚めたのですか？ ∨::::::::'. ヽ ゞ ´ ' 。ﾟ ／ / /:::::::::::.'
∨:::::∧ ﾟ。 r‐ ﾍ ｡ ﾟ ィ ´ / /::::::::.ィ
∨:/ ヽ｀ト ､ 。ﾟ ｰ‐′ ／.' / /:::／ !
. ヽ }＼人 ￣}ゝ、 ィ / ／ /／ |
/ '. ! ＞ ,_ . ´ _トム´ |
/／｀Y ヽ | / ∧ ／／Y ｀ V⌒ Y ￣￣_二_ヽ
〃 ／ヽ ヾ ／ / /' ／／/⌒ヽ. ヽ. | ／ ヽ ＼
/ ./⌒Y Y l l ／／ /⌒ヽ ｀ .| ／ '.
. 八 l | .l l / / {_ﾊ |' |
{ ヽ | .l |/ / | / |
彼女はやる夫を見るなり大粒の涙を流した
・・・泣くほど心配してくれていたのか
そう思うとやる夫の心は少し痛んだ
. - 857 ： ◆HrtGSGllns ： ：2010/08/03(火) 21:07:18 ID:7KZ244lQ
-
＿＿＼ヽ、
⌒＼ ｀ヽ ＼ﾄ､＿
＿ニ=-､ __`丶､ ￣ ‐- _
⌒｀＞ ＞ ｀ヽ_
／´ -''" , ＼
∠ ／ ∠. ,.ｲ／レｨ' ヽ
∠ ／ ／ /-‐二＼| l
/ / / /ィ"´r｡,>ム. |
| / / /ﾀ /Vxヾ ￣´ '7 , -､ l
ﾚｲ / |∧/ メ、 / ﾑﾍ } /
レｲ /| ＼ ｰ X ／ ﾊソ/ / おはよう青少年、優雅に昼寝とは羨ましいな
|人∧ _＿＿,,..ィ Ｘ＼ ノT"´ (＿_
ヽﾊ. ￣￣´ ﾍ|｀'ｰ-､ ∠-‐ァ
＼￣￣￣￣｀| | ｀ヽ､ ∠
. ＼ !,,...............__,,／ | `'＜‐´
| ｀￣`! /| ｀ヽ
ﾚへ、 ,r|＿＿＿__| /
/ ｨ´＼＼ ／ィＡ＿,,.. -‐| ＿＿_ ／
/ /_| ＼/⌒´ｌ¨__,.. -ｰ'''| ／ ￣｀＼
'｛ 〈＿＿＿_人＿_,! ＼-‐／ /（ ヽ
ヽ------／/ | ト､ ＼__,/ ＼ ヽ
そんな羽入とは対照的にいつもの調子で先生が声をかけてきた
正直いって、今はそれがありがたい
羽入はいささか気にしすぎる
. - 858 ： ◆HrtGSGllns ： ：2010/08/03(火) 21:07:29 ID:7KZ244lQ
-
＿＿＿_
／⌒ ⌒＼
／（ ●） （●）＼ もう冬休みですからこういう贅沢も悪くないですお！
／::::::⌒（__人__）⌒:::::＼
| |r┬-| |
＼ `ー'´ ／
_ - ' ￣￣ ' - ､
／ _ ＼
/ ;'` ﾄヽ
/ ,. _,.: ;} | ヾ;
! :; ' . ;:'ﾞ ,. :〈_ -::_-;. |:. .l|
（／ .,: '´: ';´: '´{ｰ- -::､｀ヽ、_|: /{_ ,
| ´ _∠ -―'＾_,二ニﾆ_ｰ_､_r'ﾞﾄ,ｿ|/:!
|／_／_, ｔ‐ ｉ '::Ｔ::::ト::ﾄト{ィメﾘ:!| |l|ﾉ::/,.イ_,.ィ
{ ｉr(＜_ｰﾄゝト､iﾄ､::{_,ィ弋ﾉ ﾌﾞ:|.| |l|:/';_〃／ ふふ、学生の特権か・・・
Yヽ{ N（弋ﾅ'_;'' ゞ､''`:￣´: : |ﾞ| |l|:::_;-ﾆ'ァ
ヽヽ{ヾ, ￣´ ゞ､: : : :/:| | |l|-__ﾆ'´ なにはともあれ元気そうでなによりだ
/｀::ﾍ＼ ;i _ ゞ､:,ゝ'､| |l|' }
'ｲ:ﾊ:::＼}､ゞ､ ｰ‐::::: ' ´ ,{ ＼|l| ｜
!' ヽﾄ:{ ヽヽ､ , イ ＼ ヾ! {
＿ -―(ﾞＹ´Ｙヽヽ ｀￣ { ＼_ ） |
, ‐ ´ ヽヽ ヽヽ ヽ ヽ; {＼ ｀ヾ '､
／ ＿ :､ ＼、＿_::＿_,} ｀ヽ､ } }
/／ ｀ヽ､ ＼ ｀ー | ｀￣', /ト､
/' ＼ ヾ ｀二ｲ! `ヽ､ ＿_ﾉi l ｀ヽ、
{ ＼ ヽ ＼、 ／ r/{ ､ :: ﾉ ヽ
{ ヽ }! ヽ__rへ_／ ヽ ヽ ＼' ／ ',
! ＿｀_ヾｨ／ ／ ` ゝ〃 ',
. - 859 ： ◆HrtGSGllns ： ：2010/08/03(火) 21:07:41 ID:7KZ244lQ
- ／ ／ ヽ:::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
イ l ＼:::::::::::::::::::::::::::∧
／ l | ＼:::::::::::::::::::::::::∧
, イ i ﾄ . ＼ ヽ Vゝ.:::::::::::::::::::::l
/ | | z==＼==-＼- | | ヽ::::::::::::::: |
. / : | | ! _ ゝ.==_=z | | /:::::::::::::: l ﾎｯ
/ : :::| | | | !/ 彳 ,' :::::ヽ＼ | i/::::::::::::::: ｲ
| :::::::| '. ＼ ＼V' |::::::::::ﾊ ＼リ r '":::::::::: イ´ |
| :::::::l ! メ´ ＼ l`' --ゝ |ﾍ _ ﾉ l i ＼ `ー┬ ´ │ !
| ::::::ハ i l l!`z=.ゝ､ ＼ ゝ-－ ' ,' .' │ ,' |
| ::::::::::∧ ＼ ＼ l:::_ハ ` ─‐ ゝ / ／, / ／ │
V ::::::::::∧ ゝ ＿ _ゝ__少 -=' イ / ,. ' イ ＼
V:::::::::::::::ゝ _ 二=- ｀ /∠...イ ゝ ＼ ・・・
ゝ._:::::::::::＼ ゝ=-_＿＿ r _っ . ' | ! ! │ ＼ ＼
￣￣ゝ＼ ゝ ＿＿ ノ ／ _ __从＿__ | ゝ. ＼
V ゞ- ≧__ ゝ---/⌒ヽ´ ／,. -- ── -ゝ ＼
) ゝ￣ j＿ ＼/ _＿_（＿___ ヾ
/ ＿ ,.イ´＿ | ´ ,.. -─- ､ ｀ヽ ヽ.
／ , イ´ ,.- !´ ＿. |／ ／ ヽ Y ＼
／ / / / ､ Y´_ | / | }::
／イ / ' ／ ー─し'! l_＿_| .' / /::::Y
／/ . | ! ー‐ v' 人 ／::_:_:_::V / / ::::: !
,' ＿_/ i! ! `ー v / ゝ'::::r::::_::_:_i:L--- ､ / / :::::::: !
/ /:::::::::¨≧V│ ｰ ノ/ ／:::::::::V:::::::::::::::ヽ:::::::::＼j／ :::::::: ノ
. {ﾊ/ / j/i/／ﾉ-‐=彡' ﾉ,1 i
| ! /{i/-‐‐=＝=≧彡' ﾉ i
!ﾊ! i /X `赱テ'⌒´￣｀7´ | i ｉ i
・・・さて、時間が時間だから流石に今日は泊まってもらうが VV{ X / /⌒Ｙ ﾚLノ!ﾉノ}
明日になれば帰ってもいいぞ青少年 /ヽ X / / ん│ __彡'彡ｲノ
( X ( / ん' ム=≠´￣￣ ｀７
r‐--‐=ﾆ｀ヽ.＿, X 「￣￣￣´ /
ヽ. ﾊ ‐ `! /
＼ } 〉 （
_｀つ `ｧ‐┬=f升 ` ｰ--
ｆ⌒T´￣￣´ ／ﾆ､立7´_j
. - 860 ： ◆HrtGSGllns ： ：2010/08/03(火) 21:07:55 ID:7KZ244lQ
-
＿_＿__ ━┓
／ ― ＼ ┏┛
／ノ ( ●) ＼ ・
. ｜ ( ●) ⌒） |
. ｜ （__ノ￣ / おっ？ いいんですかお？
. ｜ /
＼＿ _ノ＼
/´ |
. | / |
_ - ' ￣￣ ' - ､
／ _ ＼
/ ;'` ﾄヽ
/ ,. _,.: ;} | ヾ;
! :; ' . ;:'ﾞ ,. :〈_ -::_-;. |:. .l|
（／ .,: '´: ';´: '´{ｰ- -::､｀ヽ、_|: /{_ ,
| ´ _∠ -―'＾_,二ニﾆ_ｰ_､_r'ﾞﾄ,ｿ|/:!
|／_／_, ｔ‐ ｉ '::Ｔ::::ト::ﾄト{ィメﾘ:!| |l|ﾉ::/,.イ_,.ィ あぁ、この前の検査では特に問題はなかったからな
{ ｉr(＜_ｰﾄゝト､iﾄ､::{_,ィ弋ﾉ ﾌﾞ:|.| |l|:/';_〃／
Yヽ{ N（弋ﾅ'_;'' ゞ､''`:￣´: : |ﾞ| |l|:::_;-ﾆ'ァ おそらく一時的なものだろう
ヽヽ{ヾ, ￣´ ゞ､: : : :/:| | |l|-__ﾆ'´
/｀::ﾍ＼ ;i _ ゞ､:,ゝ'､| |l|' }
'ｲ:ﾊ:::＼}､ゞ､ ｰ‐::::: ' ´ ,{ ＼|l| ｜
!' ヽﾄ:{ ヽヽ､ , イ ＼ ヾ! {
＿ -―(ﾞＹ´Ｙヽヽ ｀￣ { ＼_ ） |
, ‐ ´ ヽヽ ヽヽ ヽ ヽ; {＼ ｀ヾ '､
／ ＿ :､ ＼、＿_::＿_,} ｀ヽ､ } }
/／ ｀ヽ､ ＼ ｀ー | ｀￣', /ト､
/' ＼ ヾ ｀二ｲ! `ヽ､ ＿_ﾉi l ｀ヽ、
{ ＼ ヽ ＼、 ／ r/{ ､ :: ﾉ ヽ
{ ヽ }! ヽ__rへ_／ ヽ ヽ ＼' ／ ',
! ＿｀_ヾｨ／ ／ ` ゝ〃 ',
. - 861 ： ◆HrtGSGllns ： ：2010/08/03(火) 21:08:08 ID:7KZ244lQ
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＿＿＼ヽ、
⌒＼ ｀ヽ ＼ﾄ､＿
＿ニ=-､ __`丶､ ￣ ‐- _
⌒｀＞ ＞ ｀ヽ_
／´ -''" , ＼
∠ ／ ∠. ,.ｲ／レｨ' ヽ
∠ ／ ／ /-‐二＼| l
/ / / /ィ"´r｡,>ム. |
| / / /ﾀ /Vxヾ ￣´ '7 , -､ l だから言ったろう？
ﾚｲ / |∧/ メ、 / ﾑﾍ } /
レｲ /| ＼ ｰ X ／ ﾊソ/ / 夜には気をつけろと、なぁ少女
|人∧ _＿＿,,..ィ Ｘ＼ ノT"´ (＿_
ヽﾊ. ￣￣´ ﾍ|｀'ｰ-､ ∠-‐ァ
＼￣￣￣￣｀| | ｀ヽ､ ∠
. ＼ !,,...............__,,／ | `'＜‐´
| ｀￣`! /| ｀ヽ
ﾚへ、 ,r|＿＿＿__| /
/ ｨ´＼＼ ／ィＡ＿,,.. -‐| ＿＿_ ／
/ /_| ＼/⌒´ｌ¨__,.. -ｰ'''| ／ ￣｀＼
'｛ 〈＿＿＿_人＿_,! ＼-‐／ /（ ヽ
ヽ------／/ | ト､ ＼__,/ ＼ ヽ
,. - ── -- ､
,. -v '´ ,ゝ- ､
.ィ ＼ ヾ:::::::＼
／::::l ' ヽ. ＼::〃＼
/ :::: / 、 | l ＼:::::::ヽ
i ::::::/ ､ ＼ ＼ ＼ ､!__ 人l! ,ﾉ トヽ::::: |
|:::::八 ＼ _＞ ゝハ / j/二lﾚ' ﾘ ﾉ ∧:::|
l::::ﾊ ＼ ゝ==､ イし:小/／ .イ jノ
V ゝ Vハし'j ゝｰ' /´ ／::: |
Yーゝ ´/// 丶 ////..イ::! |
そっ、そんなことは・・・ | ゝーゝ c っ ,ｲ||::::: |
| |::::: |:::＞:r - イ=､ |::::i |
| |::::: | ∧| /／ ＼:: │
人ノ'´￣/ |! 〃 / ￣ ｀ヽ、
/／ / │ |l ／ / _..ゝ
/く...__/ |! ／ ／ ／ |.
／ .' / |:／ ／ イ | ＼
/, │ | ′ ／ │ │ ＼
l | | | / ／ :| _＿j :: ヾ .._ ゝ
N..- j. | ′ . ´ jィ´: : : : V::i │
|: : : ヽ. | | 「: : : : : : : : V リ
|: : : : : V| | V: : : : : : : : : i,／
. - 862 ： ◆HrtGSGllns ： ：2010/08/03(火) 21:08:27 ID:7KZ244lQ
-
＿＿＿_
／ ＼
／ ─ ─ ＼ あ～羽入、独り身おっさんのやっかみなんていちいち相手しなくていいお
／ -=・=- -=・=- ＼
| （__人__） U |
＼ ｀ ⌒´ ／
ヽ'ｰ ､ _
ゝ＼:::::｀'' - ､
, - ‐ ''´ ＞::::::::::::::ヽ､ i.',
. ／ ＜,:::::::::::::::::::::::::::::V::::',
,／´ ／::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/
／ ／:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＼
／ / ／ -'/::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
'--ィ ´'´ /:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::',
/ ,'::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::',
そういうストレートな表現は謹んでもらいたいものだな ./ i::::::::::::::::::::::::::/i::::∧::::::::::::::::::::::::::::::i
/ i l:/::::::::::::::::::::::i .|:/ i∧:::::::::::::::::::::::::l
,' l l/|:::::::::::::::::∧| _´-''''´;;i:::::.,:::::::::::::::::l
/ ／', |:::::::::::,､::,'-'''´;;;=-ﾆ'''|:∧::::::::r-､ﾉ
'´´ ', i |::::::::::∧/￣ｨ弋tｿｊ)ｧ|,' |::::::ハ i/ , ｧ
ヽ i ∧ ',:::∧| ＼ ー-= ィ /:::::/ ノ'''´/, _, -
∨､ .ﾄ |∧.':::| .｀ | .＼ |＼::::/-'´:::::::::::-:''' ／
',|ヽ |ヽ |､ ヽ.| {i ＼ u ',:::::＼_::::::::::::::::::／
､-――‐.Vー', |:ヽ ｀ ＿_ ヽ 入::::::::::::｀''- ､,/
＼:::::::::::::::::::::::',i::::::＞､ ´ _ ｀ ｲ |::::::::::::::::::::::::＞-､
ヽ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::｀＞- -＜´ /.／|::::::::::::::::::::::::::::::/
'､:::::::::::::::::::::::::::::::::／´< _ =-''´ -''´::::::::::::::::::::::::::;/
＼:::::::r´ニﾆ ､_|´ __｀￣ |´::::::::::::::::::::::::::::::::／
＞::| | ｀'-ヲ´フニニニニニi''┐:::::::::::::::＼
全くもっていつも通りのやりとり
そんなやる夫達のやりとりに羽入の顔にも心なしか柔らかさが戻った気がする
・・・そしてそれを先生も感じ取ったのか、一息ついて真面目な顔になる
. - 863 ： ◆HrtGSGllns ： ：2010/08/03(火) 21:08:46 ID:7KZ244lQ
-
/ /: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :
/ ,': : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :
/ / |: ,: : /: : : :/: : : : : i: : : : //ﾊ: : : : : : : :
/ l 1: /!: : : / /: : : ://: : :/ノ ノｨ: : : : : : :
,| | | |':.:|≧: . |:/:／:/_仁ｨ:≦Zz／ｨ: . r‐､: : 少年、次の投薬からは入院だ
| | |! |!:.|ゞｾl:.:ﾄ;イ／ﾗ人 ゞ仍;ｊ /ｨ::/ う l: :
|| |l |l |:.:|￣´|:l ／ キ ￣´､ /: | 仆 |: :
|ヽﾄ ||, |::| ｿ ｷ ／: : | .ﾚ /: :
|: : ', |:', '! / キ r‐1: : :─ '"´: :
|: : ヾ: ', ﾄ, ヽ-‐ ､ ヾ!: : : : : : : : : : : :
'´: : : : : :.ヽ!＼ ー─‐─ ﾊ: : : : : : : : : :.:
: : : : : : : : : : : : ＼ ´￣ ｀ ､, ＜|::|: : : : : : : : : :
: : : : : : : : : : : : : <`ー ≦:::::＼: :.|: : : : : : : : : :
: : : : : : : : : : : / ∨: :ﾊ: : |: : : : |: :|: : : : : : : : : :
＿∩
/ 〉〉〉
{ ⊂〉 ＿＿＿_
| | ／⌒ ⌒ ＼
了解ですお！ | | ／(●) (● ) ＼
| |／:::⌒(__人__.)⌒::: ＼
ただやる夫は美食家なんで飯は美味いの頼みますお！ ヽ | |,┬‐ | |
＼.＼ ｀ー ´ ／
＼ ＿＿ ヽ
ヽ (＿＿＿_/
入院・・・それは事実上の死刑宣告だ
さすがにこれは先生もふざけて伝えることはできないようだ
けれどもやる夫まで暗くなる必要はない
だから努めて明るく振る舞った
. - 864 ： ◆HrtGSGllns ： ：2010/08/03(火) 21:09:10 ID:7KZ244lQ
-
＿＿＼ヽ、
⌒＼ ｀ヽ ＼ﾄ､＿
＿ニ=-､ __`丶､ ￣ ‐- _
⌒｀＞ ＞ ｀ヽ_
／´ -''" , ＼
∠ ／ ∠. ,.ｲ／レｨ' ヽ
∠ ／ ／ /-‐二＼| l
/ / / /ィ"´r｡,>ム. |
| / / /ﾀ /Vxヾ ￣´ '7 , -､ l
ﾚｲ / |∧/ メ、 / ﾑﾍ } / ははっ、善処しよう
レｲ /| ＼ ｰ X ／ ﾊソ/ /
|人∧ _＿＿,,..ィ Ｘ＼ ノT"´ (＿_ では少女、後は頼んだぞ
ヽﾊ. ￣￣´ ﾍ|｀'ｰ-､ ∠-‐ァ
＼￣￣￣￣｀| | ｀ヽ､ ∠
. ＼ !,,...............__,,／ | `'＜‐´
| ｀￣`! /| ｀ヽ
ﾚへ、 ,r|＿＿＿__| /
/ ｨ´＼＼ ／ィＡ＿,,.. -‐| ＿＿_ ／
/ /_| ＼/⌒´ｌ¨__,.. -ｰ'''| ／ ￣｀＼
'｛ 〈＿＿＿_人＿_,! ＼-‐／ /（ ヽ
ヽ------／/ | ト､ ＼__,/ ＼ ヽ
そういっていつものように笑い、先生は部屋を後にした
残されたのは、幾分かは柔らかくなったとはいえ相変わらず心配げな羽入
それを気づかぬふりするやる夫だけとなる
. - 865 ： ◆HrtGSGllns ： ：2010/08/03(火) 21:09:54 ID:7KZ244lQ
-
(ヽ三/) ））
＿＿ ( i)))
／⌒ ⌒＼ ＼
／（ ●） （●）＼ ）
.／:::::: ⌒（__人__）⌒::::＼
| (⌒)|r┬-| | 羽入！ こんなところ退屈だお？
,┌､-､!.~〈`ー´/ ＿/ 先帰っててくれお！
| | | | __ヽ、 /
ﾚレ'､ﾉ‐´ ￣〉 |
｀ｰ---‐一'￣
／ ヘ
/ ヽ__ ﾍ
_/ / / i ﾊ ﾊ:::::＼ヽ
／/ / / ﾍ i / i ﾊ::::::::::ヽ
ﾌﾙﾌﾙ . /::/ i i i ﾊ i i ｲ i i::::::::::::::ヽ
/:::| i i i ﾊ i i /i i i::::::::::::::::ﾊ
::::::i ヽ ヽ .i i i リ人7、i ｲ ﾊ::::::::::::::::::}
::::::＼ ゝ、>=ﾚヽ i /ｨﾁ心ハレﾉ 人::::::::::::::ﾉ＼
:::::::::::＞、 ﾊｲ佇心ヽ ﾉﾚ 弋少 / ／/ｿ .〉:::::::::;/ ＼
:::::::::::{ 人＼トﾊ 弋少 ヽｲ , , , , , / イ / /::::::／
・・・ ＼:::::ﾍ/ ヽ ｀＼, , , , ` ／イ |ノ /／
＼:::ﾍ ＼i｀ー＜ - - ＜人ヽー‐‐--､-､
＼| i 〟─‐ ＞ - ｨ 〃 / ／ Y{
/ ﾊ .i {〈 / |ト .} __〃 / ／ } |
/ 人 ヽi ヽ | {| 〃 ｲi / i 〉
/ ／ ヽ i ゝﾘ .|i 〃 / ﾘ/ ﾉ /
// ヽ i ｿ ヽｙ〃 / __/ __ //
i { ＼_」-‐{ i ｀/ , /= ￣::::::｀∨ｲ
人ヽ、 ＿_f=:::::=| ヽ / / /::::::::::::ヾゝ::::∨
＼｀ ´,─ヘ:::::::人 Y ／ /::::::::::::::::::::ヽゝヽ
￣ ﾑ::::::::ヽ 〈 | /::::::::::::::::::::::::::ヽゝ|
Y::::::::::::〉 ＼ ｿ:::::::::::::::::::::::::::/::／
|::::::::::ヽ--＞/:::::::::::::::::::::::::/イ::|
やる夫の言葉に彼女は無言で小さく首を横へとふった
そしてそのまま予備の来泊者用のベッドを指さす
そこには半開きになったバッグと、その中身、彼女の着替えが覗いていた
・・・どうやら泊まっていくつもりらしい
. - 866 ： ◆HrtGSGllns ： ：2010/08/03(火) 21:10:09 ID:7KZ244lQ
-
／￣￣￣＼
／ ＼
/ ─ ─ ヽ
| （●） （●） | そっかお・・・
＼ ∩（__人/777／
／ （丶＿//// ＼
／ ヘ
/ ヽ__ ﾍ
_/ / / i ﾊ ﾊ:::::＼ヽ
／/ / / ﾍ i / i ﾊ::::::::::ヽ
. /::/ i i i ﾊ i i ｲ i i::::::::::::::ヽ
/:::| i i i ﾊ i i /i i i::::::::::::::::ﾊ
::::::i ヽ ヽ .i i i リ人7、i ｲ ﾊ::::::::::::::::::}
::::::＼ ゝ、>=ﾚヽ i /ｨﾁ心ハレﾉ 人::::::::::::::ﾉ＼
:::::::::::＞、 ﾊｲ佇心ヽ ﾉﾚ 弋少 / ／/ｿ .〉:::::::::;/ ＼
:::::::::::{ 人＼トﾊ 弋少 ヽｲ , , , , , / イ / /::::::／
＼:::::ﾍ/ ヽ ｀＼, , , , ` ／イ |ノ /／
・・・ ＼:::ﾍ ＼i｀ー＜ - - ＜人ヽー‐‐--､-､
＼| i 〟─‐ ＞ - ｨ 〃 / ／ Y{
/ ﾊ .i {〈 / |ト .} __〃 / ／ } |
/ 人 ヽi ヽ | {| 〃 ｲi / i 〉
/ ／ ヽ i ゝﾘ .|i 〃 / ﾘ/ ﾉ /
// ヽ i ｿ ヽｙ〃 / __/ __ //
i { ＼_」-‐{ i ｀/ , /= ￣::::::｀∨ｲ
人ヽ、 ＿_f=:::::=| ヽ / / /::::::::::::ヾゝ::::∨
＼｀ ´,─ヘ:::::::人 Y ／ /::::::::::::::::::::ヽゝヽ
￣ ﾑ::::::::ヽ 〈 | /::::::::::::::::::::::::::ヽゝ|
Y::::::::::::〉 ＼ ｿ:::::::::::::::::::::::::::/::／
|::::::::::ヽ--＞/:::::::::::::::::::::::::/イ::|
羽入は思い詰めたような顔をして黙り込んでいた
やれやれ・・・多少はよくなったと思ったのに・・・
. - 867 ： ◆HrtGSGllns ： ：2010/08/03(火) 21:10:22 ID:7KZ244lQ
-
＿＿__
／_ノ ヽ＼
／ （ ●） （●）、
／::::::::⌒（__人__）⌒＼ それにしても、ごめんお羽入
| |r┬-| |
＼ `ー'´ ／ せっかくのクリスマスだからいろいろしようと思ってたのに・・・
⊂⌒ヽ 〉 ＜´/⌒つ
＼ ヽ / ヽ /
＼_,,ノ |､＿ノ
／ ヘ
/ ヽ__ ﾍ
_/ / / i ﾊ ﾊ:::::＼ヽ
／/ / / ﾍ i / i ﾊ::::::::::ヽ
. /::/ i i i ﾊ i i ｲ i i::::::::::::::ヽ
/:::| i i i ﾊ i i /i i i::::::::::::::::ﾊ
::::::i ヽ ヽ .i i i リ人7、i ｲ ﾊ::::::::::::::::::}
::::::＼ ゝ、>=ﾚヽ i /ｨﾁ心ハレﾉ 人::::::::::::::ﾉ＼
:::::::::::＞、 ﾊｲ佇心ヽ ﾉﾚ 弋少 / ／/ｿ .〉:::::::::;/ ＼
:::::::::::{ 人＼トﾊ 弋少 ヽｲ , , , , , / イ / /::::::／
・・・ううん ＼:::::ﾍ/ ヽ ｀＼, , , , ` ／イ |ノ /／
＼:::ﾍ ＼i｀ー＜ - - ＜人ヽー‐‐--､-､
＼| i 〟─‐ ＞ - ｨ 〃 / ／ Y{
/ ﾊ .i {〈 / |ト .} __〃 / ／ } |
/ 人 ヽi ヽ | {| 〃 ｲi / i 〉
/ ／ ヽ i ゝﾘ .|i 〃 / ﾘ/ ﾉ /
// ヽ i ｿ ヽｙ〃 / __/ __ //
i { ＼_」-‐{ i ｀/ , /= ￣::::::｀∨ｲ
人ヽ、 ＿_f=:::::=| ヽ / / /::::::::::::ヾゝ::::∨
＼｀ ´,─ヘ:::::::人 Y ／ /::::::::::::::::::::ヽゝヽ
￣ ﾑ::::::::ヽ 〈 | /::::::::::::::::::::::::::ヽゝ|
Y::::::::::::〉 ＼ ｿ:::::::::::::::::::::::::::/::／
|::::::::::ヽ--＞/:::::::::::::::::::::::::/イ::|
. - 868 ： ◆HrtGSGllns ： ：2010/08/03(火) 21:10:34 ID:7KZ244lQ
-
＿＿＿_
／⌒ ー､＼
／（ ●） （●）＼
／::::::⌒（__人__）⌒:::::＼ おいおい、どうしたお？ 元気ないお！
| |r┬-/ ' |
＼ `ー'´ ／
／ ヘ
/ ヽ__ ﾍ
_/ / / i ﾊ ﾊ:::::＼ヽ
／/ / / ﾍ i / i ﾊ::::::::::ヽ
. /::/ i i i ﾊ i i ｲ i i::::::::::::::ヽ
/:::| i i i ﾊ i i /i i i::::::::::::::::ﾊ
::::::i ヽ ヽ .i i i リ人7、i ｲ ﾊ::::::::::::::::::}
::::::＼ ゝ、>=ﾚヽ i /ｨﾁ心ハレﾉ 人::::::::::::::ﾉ＼
:::::::::::＞、 ﾊｲ佇心ヽ ﾉﾚ 弋少 / ／/ｿ .〉:::::::::;/ ＼
:::::::::::{ 人＼トﾊ 弋少 ヽｲ , , , , , / イ / /::::::／
・・・うん ＼:::::ﾍ/ ヽ ｀＼, , , , ` ／イ |ノ /／
＼:::ﾍ ＼i｀ー＜ - - ＜人ヽー‐‐--､-､
＼| i 〟─‐ ＞ - ｨ 〃 / ／ Y{
/ ﾊ .i {〈 / |ト .} __〃 / ／ } |
/ 人 ヽi ヽ | {| 〃 ｲi / i 〉
/ ／ ヽ i ゝﾘ .|i 〃 / ﾘ/ ﾉ /
// ヽ i ｿ ヽｙ〃 / __/ __ //
i { ＼_」-‐{ i ｀/ , /= ￣::::::｀∨ｲ
人ヽ、 ＿_f=:::::=| ヽ / / /::::::::::::ヾゝ::::∨
＼｀ ´,─ヘ:::::::人 Y ／ /::::::::::::::::::::ヽゝヽ
￣ ﾑ::::::::ヽ 〈 | /::::::::::::::::::::::::::ヽゝ|
Y::::::::::::〉 ＼ ｿ:::::::::::::::::::::::::::/::／
|::::::::::ヽ--＞/:::::::::::::::::::::::::/イ::|
. - 869 ： ◆HrtGSGllns ： ：2010/08/03(火) 21:10:46 ID:7KZ244lQ
-
γ⌒) ))
/ ⊃＿＿
〃/ / ⌒ ⌒＼
γ⌒)（ ⌒） （⌒） ＼ ∩⌒)
／ _ノ :::⌒（__人__）⌒ 〃/ ノ 心配するなお！ やる夫はこの通り元気だお！
（ <| | |r┬（ / / ））
( ＼ ヽ ＼ ＿`ー‐' ／（ ⌒）
/ /
／ ヘ
/ ヽ__ ﾍ
_/ / / i ﾊ ﾊ:::::＼ヽ
／/ / / ﾍ i / i ﾊ::::::::::ヽ
. /::/ i i i ﾊ i i ｲ i i::::::::::::::ヽ
/:::| i i i ﾊ i i /i i i::::::::::::::::ﾊ
::::::i ヽ ヽ .i i i リ人7、i ｲ ﾊ::::::::::::::::::}
::::::＼ ゝ、>=ﾚヽ i /ｨﾁ心ハレﾉ 人::::::::::::::ﾉ＼
:::::::::::＞、 ﾊｲ佇心ヽ ﾉﾚ 弋少 / ／/ｿ .〉:::::::::;/ ＼
:::::::::::{ 人＼トﾊ 弋少 ヽｲ , , , , , / イ / /::::::／
＼:::::ﾍ/ ヽ ｀＼, , , , ` ／イ |ノ /／
・・・うん ＼:::ﾍ ＼i｀ー＜ - - ＜人ヽー‐‐--､-､
＼| i 〟─‐ ＞ - ｨ 〃 / ／ Y{
/ ﾊ .i {〈 / |ト .} __〃 / ／ } |
/ 人 ヽi ヽ | {| 〃 ｲi / i 〉
/ ／ ヽ i ゝﾘ .|i 〃 / ﾘ/ ﾉ /
// ヽ i ｿ ヽｙ〃 / __/ __ //
i { ＼_」-‐{ i ｀/ , /= ￣::::::｀∨ｲ
人ヽ、 ＿_f=:::::=| ヽ / / /::::::::::::ヾゝ::::∨
＼｀ ´,─ヘ:::::::人 Y ／ /::::::::::::::::::::ヽゝヽ
￣ ﾑ::::::::ヽ 〈 | /::::::::::::::::::::::::::ヽゝ|
Y::::::::::::〉 ＼ ｿ:::::::::::::::::::::::::::/::／
|::::::::::ヽ--＞/:::::::::::::::::::::::::/イ::|
. - 870 ： ◆HrtGSGllns ： ：2010/08/03(火) 21:10:59 ID:7KZ244lQ
-
＿＿＿＿
/ ⌒ ⌒ ＼
./( ―） （ ●） ＼
/::⌒（_人＿）⌒::::: | それとも何か気にしてるのかお？
| ー .|
＼ ／
／ ヘ
/ ヽ__ ﾍ
_/ / / i ﾊ ﾊ:::::＼ヽ
／/ / / ﾍ i / i ﾊ::::::::::ヽ
. /::/ i i i ﾊ i i ｲ i i::::::::::::::ヽ
/:::| i i i ﾊ i i /i i i::::::::::::::::ﾊ
::::::i ヽ ヽ .i i i リ人7、i ｲ ﾊ::::::::::::::::::}
::::::＼ ゝ、>=ﾚヽ i /ｨﾁ心ハレﾉ 人::::::::::::::ﾉ＼
:::::::::::＞、 ﾊｲ佇心ヽ ﾉﾚ 弋少 / ／/ｿ .〉:::::::::;/ ＼
:::::::::::{ 人＼トﾊ 弋少 ヽｲ , , , , , / イ / /::::::／
＼:::::ﾍ/ ヽ ｀＼, , , , ` ／イ |ノ /／
・・・うん ＼:::ﾍ ＼i｀ー＜ - - ＜人ヽー‐‐--､-､
＼| i 〟─‐ ＞ - ｨ 〃 / ／ Y{
/ ﾊ .i {〈 / |ト .} __〃 / ／ } |
/ 人 ヽi ヽ | {| 〃 ｲi / i 〉
/ ／ ヽ i ゝﾘ .|i 〃 / ﾘ/ ﾉ /
// ヽ i ｿ ヽｙ〃 / __/ __ //
i { ＼_」-‐{ i ｀/ , /= ￣::::::｀∨ｲ
人ヽ、 ＿_f=:::::=| ヽ / / /::::::::::::ヾゝ::::∨
＼｀ ´,─ヘ:::::::人 Y ／ /::::::::::::::::::::ヽゝヽ
￣ ﾑ::::::::ヽ 〈 | /::::::::::::::::::::::::::ヽゝ|
Y::::::::::::〉 ＼ ｿ:::::::::::::::::::::::::::/::／
|::::::::::ヽ--＞/:::::::::::::::::::::::::/イ::|
. - 871 ： ◆HrtGSGllns ： ：2010/08/03(火) 21:11:11 ID:7KZ244lQ
-
＿＿__
／_ノ ヽ＼
／ （ ●） （●）、
／::::::::⌒（__人__）⌒＼
| |r┬-| | 羽入のせいじゃないから気にするなお！
＼ `ー'´ ／
⊂⌒ヽ 〉 ＜´/⌒つ
＼ ヽ / ヽ /
＼_,,ノ |､＿ノ
／ ヘ
/ ヽ__ ﾍ
_/ / / i ﾊ ﾊ:::::＼ヽ
／/ / / ﾍ i / i ﾊ::::::::::ヽ
. /::/ i i i ﾊ i i ｲ i i::::::::::::::ヽ
/:::| i i i ﾊ i i /i i i::::::::::::::::ﾊ
::::::i ヽ ヽ .i i i リ人7、i ｲ ﾊ::::::::::::::::::}
::::::＼ ゝ、>=ﾚヽ i /ｨﾁ心ハレﾉ 人::::::::::::::ﾉ＼
:::::::::::＞、 ﾊｲ佇心ヽ ﾉﾚ 弋少 / ／/ｿ .〉:::::::::;/ ＼
:::::::::::{ 人＼トﾊ 弋少 ヽｲ , , , , , / イ / /::::::／
＼:::::ﾍ/ ヽ ｀＼, , , , ` ／イ |ノ /／
・・・うん ＼:::ﾍ ＼i｀ー＜ - - ＜人ヽー‐‐--､-､
＼| i 〟─‐ ＞ - ｨ 〃 / ／ Y{
/ ﾊ .i {〈 / |ト .} __〃 / ／ } |
/ 人 ヽi ヽ | {| 〃 ｲi / i 〉
/ ／ ヽ i ゝﾘ .|i 〃 / ﾘ/ ﾉ /
// ヽ i ｿ ヽｙ〃 / __/ __ //
i { ＼_」-‐{ i ｀/ , /= ￣::::::｀∨ｲ
人ヽ、 ＿_f=:::::=| ヽ / / /::::::::::::ヾゝ::::∨
＼｀ ´,─ヘ:::::::人 Y ／ /::::::::::::::::::::ヽゝヽ
￣ ﾑ::::::::ヽ 〈 | /::::::::::::::::::::::::::ヽゝ|
Y::::::::::::〉 ＼ ｿ:::::::::::::::::::::::::::/::／
|::::::::::ヽ--＞/:::::::::::::::::::::::::/イ::|
不安そうな顔と仕草・・・
やる夫は繰り返し彼女を励まそうとしたけれど、どうやらその根は深いようだ
. - 872 ： ◆HrtGSGllns ： ：2010/08/03(火) 21:11:26 ID:7KZ244lQ
-
＿＿＿_
／ ＼
／ ⌒ ⌒ ＼
／ （⌒） （⌒） ＼l⌒l うん、ばっかりだおね
| （__人__） |`''|
＼ ｀ ⌒´ _／ /
/
／ ヘ
/ ヽ__ ﾍ
_/ / / i ﾊ ﾊ:::::＼ヽ
／/ / / ﾍ i / i ﾊ::::::::::ヽ
. /::/ i i i ﾊ i i ｲ i i::::::::::::::ヽ
/:::| i i i ﾊ i i /i i i::::::::::::::::ﾊ
::::::i ヽ ヽ .i i i リ人7、i ｲ ﾊ::::::::::::::::::}
::::::＼ ゝ、>=ﾚヽ i /ｨﾁ心ハレﾉ 人::::::::::::::ﾉ＼
:::::::::::＞、 ﾊｲ佇心ヽ ﾉﾚ 弋少 / ／/ｿ .〉:::::::::;/ ＼
:::::::::::{ 人＼トﾊ 弋少 ヽｲ , , , , , / イ / /::::::／
＼:::::ﾍ/ ヽ ｀＼, , , , ` ／イ |ノ /／
・・・うん ＼:::ﾍ ＼i｀ー＜ - - ＜人ヽー‐‐--､-､
＼| i 〟─‐ ＞ - ｨ 〃 / ／ Y{
/ ﾊ .i {〈 / |ト .} __〃 / ／ } |
/ 人 ヽi ヽ | {| 〃 ｲi / i 〉
/ ／ ヽ i ゝﾘ .|i 〃 / ﾘ/ ﾉ /
// ヽ i ｿ ヽｙ〃 / __/ __ //
i { ＼_」-‐{ i ｀/ , /= ￣::::::｀∨ｲ
人ヽ、 ＿_f=:::::=| ヽ / / /::::::::::::ヾゝ::::∨
＼｀ ´,─ヘ:::::::人 Y ／ /::::::::::::::::::::ヽゝヽ
￣ ﾑ::::::::ヽ 〈 | /::::::::::::::::::::::::::ヽゝ|
Y::::::::::::〉 ＼ ｿ:::::::::::::::::::::::::::/::／
|::::::::::ヽ--＞/:::::::::::::::::::::::::/イ::|
やる夫は苦笑した、どうにも暗い雰囲気がぬぐえない
そして、彼女は本当に思い詰めると『うん』しか言わなくなることがわかった
学園の屋上でもそうだったように
. - 873 ： ◆HrtGSGllns ： ：2010/08/03(火) 21:11:41 ID:7KZ244lQ
-
＿＿＿＿＿_
／ ＼
／ ＼
／ ⌒ ⌒ ＼
／ ／ ｀ヽ /´ ｀ヽ ＼
／ （ ● l ｌ ● ） ＼
| ヽ_ _ノ ヽ_ _／ | ・・・羽入、言いたいことがあるんだお？
| ´￣｀ （ i ） ´￣｀ |
＼ ー― ＾ ー― ／
＼ ー一 ／
／ ＼
/ ヽ
| |
| ｉ ｉ |
| | | |
／ ヘ
/ ヽ__ ﾍ
_/ / / i ﾊ ﾊ:::::＼ヽ
／/ / / ﾍ i / i ﾊ::::::::::ヽ
. /::/ i i i ﾊ i i ｲ i i::::::::::::::ヽ
/:::| i i i ﾊ i i /i i i::::::::::::::::ﾊ
::::::i ヽ ヽ .i i i リ人7、i ｲ ﾊ::::::::::::::::::}
::::::＼ ゝ、>=ﾚヽ i /ｨﾁ心ハレﾉ 人::::::::::::::ﾉ＼
:::::::::::＞、 ﾊｲ佇心ヽ ﾉﾚ 弋少 / ／/ｿ .〉:::::::::;/ ＼
:::::::::::{ 人＼トﾊ 弋少 ヽｲ , , , , , / イ / /::::::／
＼:::::ﾍ/ ヽ ｀＼, , , , ` ／イ |ノ /／
・・・うん ＼:::ﾍ ＼i｀ー＜ - - ＜人ヽー‐‐--､-､
＼| i 〟─‐ ＞ - ｨ 〃 / ／ Y{
/ ﾊ .i {〈 / |ト .} __〃 / ／ } |
/ 人 ヽi ヽ | {| 〃 ｲi / i 〉
/ ／ ヽ i ゝﾘ .|i 〃 / ﾘ/ ﾉ /
// ヽ i ｿ ヽｙ〃 / __/ __ //
i { ＼_」-‐{ i ｀/ , /= ￣::::::｀∨ｲ
人ヽ、 ＿_f=:::::=| ヽ / / /::::::::::::ヾゝ::::∨
＼｀ ´,─ヘ:::::::人 Y ／ /::::::::::::::::::::ヽゝヽ
￣ ﾑ::::::::ヽ 〈 | /::::::::::::::::::::::::::ヽゝ|
Y::::::::::::〉 ＼ ｿ:::::::::::::::::::::::::::/::／
|::::::::::ヽ--＞/:::::::::::::::::::::::::/イ::|
やる夫の言葉に彼女は大きく息を吸い込んだ
そして・・・吐き出した
またまた息を吸い込み・・・吐き出した
そうやって息を吸っては吐いて、吸っては吐いて・・・
相当に言いにくいことなのだろう
だからやる夫は気長に待つことにした
. - 874 ： ◆HrtGSGllns ： ：2010/08/03(火) 21:12:06 ID:7KZ244lQ
-
そして・・・
やがて意を決したのか、頬を紅潮させ必死の瞳でやる夫をみた
／ ヘ
/ ヽ__ ﾍ
_/ / / i ﾊ ﾊ:::::＼ヽ
／/ / / ﾍ i / i ﾊ::::::::::ヽ
. /::/ i i i ﾊ i i ｲ i i::::::::::::::ヽ
/:::| i i i ﾊ i i /i i i::::::::::::::::ﾊ
::::::i ヽ ヽ .i i i リ人7、i ｲ ﾊ::::::::::::::::::}
::::::＼ ゝ、>=ﾚヽ i /ｨﾁ心ハレﾉ 人::::::::::::::ﾉ＼
:::::::::::＞、 ﾊｲ佇心ヽ ﾉﾚ 弋少 / ／/ｿ .〉:::::::::;/ ＼
:::::::::::{ 人＼トﾊ 弋少 ヽｲ xxx / イ / /::::::／
やる、夫・・・、あの・・・その・・・ ＼:::::ﾍ/ ヽ ｀＼ xxｘ ` ／イ |ノ /／
＼:::ﾍ ＼i｀ー＜ - - ＜人ヽー‐‐--､-､
＼| i 〟─‐ ＞ - ｨ 〃 / ／ Y{
/ ﾊ .i {〈 / |ト .} __〃 / ／ } |
/ 人 ヽi ヽ | {| 〃 ｲi / i 〉
/ ／ ヽ i ゝﾘ .|i 〃 / ﾘ/ ﾉ /
// ヽ i ｿ ヽｙ〃 / __/ __ //
i { ＼_」-‐{ i ｀/ , /= ￣::::::｀∨ｲ
人ヽ、 ＿_f=:::::=| ヽ / / /::::::::::::ヾゝ::::∨
＼｀ ´,─ヘ:::::::人 Y ／ /::::::::::::::::::::ヽゝヽ
￣ ﾑ::::::::ヽ 〈 | /::::::::::::::::::::::::::ヽゝ|
Y::::::::::::〉 ＼ ｿ:::::::::::::::::::::::::::/::／
|::::::::::ヽ--＞/:::::::::::::::::::::::::/イ::|
＿＿＿_
／ ＼
／ ⌒ ⌒ ＼
／ （⌒） （⌒） ＼l⌒l ・・・なんだお？
| （__人__） |`''|
＼ ｀ ⌒´ _／ /
/
. - 875 ： ◆HrtGSGllns ： ：2010/08/03(火) 21:12:30 ID:7KZ244lQ
-
／ | | | | ヽ
/ | }､ ﾊ | |
/ ハ :!＼ ｰーミA､∧ |
r‐v | ＼ 斗 ヽ. .' / j/｀ ! / ト..､
. /:::::::| ヽ ／＼ ≦ ＼ /／ｲ孑示､| / :!:::::::＼
{::::::::::| ｀ ー‐ ≦孑k } ／ ん'' ∧! ｲ |::::::::::::::ヽ
∨:::::::ヽ、 ∨ ん ﾊ }´ 弋 ｲり从v ∧::::::::::::::::}
. ∨::::::::::|｀¨ ー ム弋込 り ｀ ｰ= ′ / ィ' |:::::::::::::/
わっ、わた、わたしと・・・け、“契約”して、 ∨::::::::'. ヽ ゞ ´ ' ／ ／ / /:::::::::::.'
いただけ、ません、か・・・？ ∨:::::∧ ＼ /// r‐ ﾍ /// ≦ _ ィ ´ / /::::::::.ィ
∨:/ ヽ｀ト ､ ≧ ｰ‐′ ／.' / /:::／ !
. ヽ }＼人 ￣}ゝ、 ィ / ／ /／ |
/ '. ! ＞ ,_ . ´ _トム´ |
/／｀Y ヽ | / ∧ ／／Y ｀ V⌒ Y ￣￣_二_ヽ
〃 ／ヽ ヾ ／ / /' ／／/⌒ヽ. ヽ. | ／ ヽ ＼
/ ./⌒Y Y l l ／／ /⌒ヽ ｀ .| ／ '.
. 八 l | .l l / / {_ﾊ |' |
{ ヽ | .l |/ / | / |
＿＿＿＿
／ ＼
/ ─ ─ ＼
/（ ●） （ ●） ＼ 契約？ それはどういう・・・
| （__人__） |
＼ ｀ ⌒´ ／
/ ー‐ ヽ
/ ｀
. - 876 ： ◆HrtGSGllns ： ：2010/08/03(火) 21:12:48 ID:7KZ244lQ
- ／ ／ ヽ:::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
イ l ＼:::::::::::::::::::::::::::∧
／ l | ＼:::::::::::::::::::::::::∧
, イ i ﾄ . ＼ ヽ Vゝ.:::::::::::::::::::::l
/ | | z==＼==-＼- | | ヽ::::::::::::::: |
. / : | | ! _ ゝ.==_=z | | /:::::::::::::: l
/ : :::| | | | !/ 彳 ,' :::::ヽ＼ | i/::::::::::::::: ｲ
| :::::::| '. ＼ ＼V' |::::::::::ﾊ ＼リ r '":::::::::: イ´ |
| :::::::l ! メ´ ＼ l`' --ゝ |ﾍ _ ﾉ l i ＼ `ー┬ ´ │ !
| ::::::ハ i l l!`z=.ゝ､ ＼ ゝ-－ ' ,' .' │ ,' | 契約・・・エンゲージは・・・
| ::::::::::∧ ＼ ＼ l:::_ハ ` ─‐ ゝ xxxx / ／, / ／ │
V ::::::::::∧ ゝ ＿ _ゝ__少 -=' イ / ,. ' イ ＼ わたしと、わたしの血を・・・受け入れて・・・
V:::::::::::::::ゝ _ 二=- xxxx ｀ /∠...イ ゝ
ゝ._:::::::::::＼ ゝ=-_＿＿ r _っ . ' | ! ! │ その・・・あの・・・
￣￣ゝ＼ ゝ ＿＿ ノ ／ _ __从＿__ | ゝ.
V ゞ- ≧__ ゝ---/⌒ヽ´ ／,. -- ── -ゝ ＼ わっ、わたしと、一緒に、無限をいきるように
) ゝ￣ j＿ ＼/ _＿_（＿___ ヾ
/ ＿ ,.イ´＿ | ´ ,.. -─- ､ ｀ヽ なっ、なる・・・事です・・・
／ , イ´ ,.- !´ ＿. |／ ／ ヽ Y
／ / / / ､ Y´_ | / | }
／イ / ' ／ ー─し'! l_＿_| .' / /:
／/ . | ! ー‐ v' 人 ／::_:_:_::V / / :::
,' ＿_/ i! ! `ー v / ゝ'::::r::::_::_:_i:L--- ､ / / :::::
/ /:::::::::¨≧V│ ｰ ノ/ ／:::::::::V:::::::::::::::ヽ:::::::::＼j／ ::::::::
彼女の顔はいまだかつてないほどに真っ赤だったが・・・
無限に生きるだって？
彼女はさらっと言ってのけたが、それは簡単な事じゃない
無限・・・つまり、彼女のいうことは・・・
. - 877 ： ◆HrtGSGllns ： ：2010/08/03(火) 21:13:00 ID:7KZ244lQ
-
＿＿＿_
／ ＼
／ ─ ─ ＼
／ （●） （●） ＼
| （__人__） | やる夫に吸血鬼になれってことかお？
＼ ｀ ⌒´ ,／
/⌒ヽ ー‐ ｨヽ
/ ,⊆ニ_ヽ、 |
/ ／ r─--⊃、 |
| ヽ,.ｲ ｀二ﾆﾆうヽ. |
／ ヘ
/ ヽ__ ﾍ
_/ / / i ﾊ ﾊ:::::＼ヽ
／/ / / ﾍ i / i ﾊ::::::::::ヽ
. /::/ i i i ﾊ i i ｲ i i::::::::::::::ヽ
/:::| i i i ﾊ i i /i i i::::::::::::::::ﾊ
::::::i ヽ ヽ .i i i リ人7、i ｲ ﾊ::::::::::::::::::}
::::::＼ ゝ、>=ﾚヽ i /ｨﾁ心ハレﾉ 人::::::::::::::ﾉ＼
:::::::::::＞、 ﾊｲ佇心ヽ ﾉﾚ 弋少 / ／/ｿ .〉:::::::::;/ ＼
:::::::::::{ 人＼トﾊ 弋少 ヽｲ , , , , , / イ / /::::::／
＼:::::ﾍ/ ヽ ｀＼, , , , ` ／イ |ノ /／
・・・はっ、はい ＼:::ﾍ ＼i｀ー＜ - - ＜人ヽー‐‐--､-､
＼| i 〟─‐ ＞ - ｨ 〃 / ／ Y{
/ ﾊ .i {〈 / |ト .} __〃 / ／ } |
/ 人 ヽi ヽ | {| 〃 ｲi / i 〉
/ ／ ヽ i ゝﾘ .|i 〃 / ﾘ/ ﾉ /
// ヽ i ｿ ヽｙ〃 / __/ __ //
i { ＼_」-‐{ i ｀/ , /= ￣::::::｀∨ｲ
人ヽ、 ＿_f=:::::=| ヽ / / /::::::::::::ヾゝ::::∨
＼｀ ´,─ヘ:::::::人 Y ／ /::::::::::::::::::::ヽゝヽ
￣ ﾑ::::::::ヽ 〈 | /::::::::::::::::::::::::::ヽゝ|
Y::::::::::::〉 ＼ ｿ:::::::::::::::::::::::::::/::／
|::::::::::ヽ--＞/:::::::::::::::::::::::::/イ::|
羽入は言いにくそうにうなずいた
. - 878 ： ◆HrtGSGllns ： ：2010/08/03(火) 21:13:13 ID:7KZ244lQ
-
, - ｧべー-- ､
／ i - 、 ＼
.,ｨ / ! ＼ ﾄ､
/::i | | i _ ! ! !::＼
/:::::| 孑!T'「 | i |了￢! ﾊ |:::::::ヽ
!::::::i ヽiｨr=ヽ! ﾄ!≠ヽ / j::::::::::}
|::::∧. !i ﾄ- 1ヽ }ﾄ- 1〉 / /1ヽ:::::,
そうしたら・・・もう倒れなくてすみます ヽ::! ヽﾄ!ゞ- ' ､´ ゞ- 7イ / | }::/
ヽ |_公"_ c-っ "_彡ｲ-､ ! /'
苦しまなくてすみます ﾉ「! ! ヽ ￣ /j ! ﾊ ヽ
/ | Y’ﾍ ＼// / / ! ﾄ
それに・・・ / rfi / ヽ / / 「 _,|〉、 |
/ F弌 y / Ｆ‐' ! |
' / 〉 ヽ i ! _ﾉ { i
! ｲ { ! }三圭盂ヲ三{ ﾍ !
|! ヽｿ fﾆ イ / | ヽ | ! |
羽入の緊張は最高潮のようで軽く震えているようにも見えた
その後も何かつぶやき続けていたが、小さすぎて聞き取ることはできなかった
. - 879 ： ◆HrtGSGllns ： ：2010/08/03(火) 21:13:32 ID:7KZ244lQ
-
・・・無限に生きる、彼女と一緒に
病気を怖れることもなく、老いることもなく、
それでいて伝説の吸血鬼と違って日光に弱くなるわけでもない
それはこの上なく魅力的な提案に見えた
この現状から抜け出すことができる
後数ヶ月で死に至る、この現状から・・・
けれども
／￣￣￣＼
／ ＼
/ ─ ─ ヽ 羽入。羽入がそれで救うことができるのはやる夫だけなのかお？
| （●） （●） |
＼ ∩（__人/777／
／ （丶＿//// ＼
確かめるべき事があった
それを確かめるまでは、どれほどいい話でもあっても飛びつくわけにはいかない
. - 880 ： ◆HrtGSGllns ： ：2010/08/03(火) 21:14:05 ID:7KZ244lQ
- ／ ／ ヽ:::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
イ l ＼:::::::::::::::::::::::::::∧
／ l | ＼:::::::::::::::::::::::::∧
, イ i ﾄ . ＼ ヽ Vゝ.:::::::::::::::::::::l
/ | | z==＼==-＼- | | ヽ::::::::::::::: |
. / : | | ! _ ゝ.==_=z | | /:::::::::::::: l
/ : :::| | | | !/ 彳 ,' :::::ヽ＼ | i/::::::::::::::: ｲ
| :::::::| '. ＼ ＼V' |::::::::::ﾊ ＼リ r '":::::::::: イ´ |
| :::::::l ! メ´ ＼ l`' --ゝ |ﾍ _ ﾉ l i ＼ `ー┬ ´ │ !
| ::::::ハ i l l!`z=.ゝ､ ＼ ゝ-－ ' ,' .' │ ,' | ひっ、ひとりだけ、です・・・
| ::::::::::∧ ＼ ＼ l:::_ハ ` ─‐ ゝ xxxx / ／, / ／ │
V ::::::::::∧ ゝ ＿ _ゝ__少 -=' イ / ,. ' イ ＼ いっ、一度契約、してしまう、と
V:::::::::::::::ゝ _ 二=- xxxx ｀ /∠...イ ゝ . 破棄するまで、あっ、あたらしい契約は
ゝ._:::::::::::＼ ゝ=-_＿＿ r _っ . ' | ! ! │ できないんです・・・
￣￣ゝ＼ ゝ ＿＿ ノ ／ _ __从＿__ | ゝ.
V ゞ- ≧__ ゝ---/⌒ヽ´ ／,. -- ── -ゝ ＼
) ゝ￣ j＿ ＼/ _＿_（＿___ ヾ
/ ＿ ,.イ´＿ | ´ ,.. -─- ､ ｀ヽ
／ , イ´ ,.- !´ ＿. |／ ／ ヽ Y
／ / / / ､ Y´_ | / | }
／イ / ' ／ ー─し'! l_＿_| .' / /:
／/ . | ! ー‐ v' 人 ／::_:_:_::V / / :::
,' ＿_/ i! ! `ー v / ゝ'::::r::::_::_:_i:L--- ､ / / :::::
/ /:::::::::¨≧V│ ｰ ノ/ ／:::::::::V:::::::::::::::ヽ:::::::::＼j／ ::::::::
＿＿＿_
／_ノ ヽ_＼
／（ ●） （ ●）＼
／ ::::::⌒（__人__）⌒::::＼ そう、かお・・・
| ￣ |
＼ ／
世の中あまり上手い話ばかりではない。やる夫は苦笑した
しかし考えて見れば当然のことだろう
契約が複数成立するならば、彼女が今も一人でいる理由がなかった
. - 881 ： ◆HrtGSGllns ： ：2010/08/03(火) 21:14:27 ID:7KZ244lQ
-
＿＿＿_
／ ＼
／ ⌒ ⌒ ＼
／ （⌒） （⌒） ＼l⌒l それじゃあ羽入・・・最後にひとつ
| （__人__） |`''|
＼ ｀ ⌒´ _／ /
/
＿＿＿＿＿
／ ＼
／ ＼
／ -一' ﾞー- ＼
／ ／´ ｀ヽ /´ ｀ヽ ＼
／ （ ● l l ● ） ＼ 一人は、辛かったかお？
| ヽ_ _ノ ヽ_ _ノ |
| ''"⌒'（ i ）'⌒"' |
＼ ｀ー ─'＾ー 一' ／
＼ ー一 ／
／ ＼
/ ヽ
| |
| i i |
| i i |
. - 882 ： ◆HrtGSGllns ： ：2010/08/03(火) 21:14:59 ID:7KZ244lQ
-
／ | | | | ヽ
/ | }､ ﾊ | |
/ ハ :!＼ ｰーミA､∧ |
r‐v | ＼ 斗 ヽ. .' / j/｀ ! / ト..､
. /:::::::| ヽ ／＼ ≦ ＼ /／ｲ孑示､| / :!:::::::＼
{::::::::::| ｀ ー‐ ≦孑k } ／ ん'' ∧! ｲ |::::::::::::::ヽ
∨:::::::ヽ、 ∨ ん ﾊ }´ 弋 ｲり从v ∧::::::::::::::::}
. ∨::::::::::|｀¨ ー ム弋込 り ｀ ｰ= ′ / ィ' |:::::::::::::/
∨::::::::'. ヽ ゞ ´ ' ／ ／ / /:::::::::::.'
∨:::::∧ ＼ r‐ ﾍ ≦ _ ィ ´ / /::::::::.ィ
∨:/ ヽ｀ト ､ ≧ ｰ‐′ ／.' / /:::／ !
. ヽ }＼人 ￣}ゝ、 ィ / ／ /／ |
/ '. ! ＞ ,_ . ´ _トム´ |
/／｀Y ヽ | / ∧ ／／Y ｀ V⌒ Y ￣￣_二_ヽ
〃 ／ヽ ヾ ／ / /' ／／/⌒ヽ. ヽ. | ／ ヽ ＼
/ ./⌒Y Y l l ／／ /⌒ヽ ｀ .| ／ '.
. 八 l | .l l / / {_ﾊ |' |
{ ヽ | .l |/ / | / |
その瞬間、彼女は止まった・・・
なにか戸惑うような表情が浮かぶ
質問の意図を探るようにやる夫の顔に視線が彷徨う
彼女の不安げな視線がやる夫に絡みついた
そして・・・一つ一つ確かめるように彼女はいった
. - 883 ： ◆HrtGSGllns ： ：2010/08/03(火) 21:15:30 ID:7KZ244lQ
- ／ ／ ヽ:::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
イ l ＼:::::::::::::::::::::::::::∧
／ l | ＼:::::::::::::::::::::::::∧
, イ i ﾄ . ＼ ヽ Vゝ.:::::::::::::::::::::l
/ | | z==＼==-＼- | | ヽ::::::::::::::: |
. / : | | ! _ ゝ.==_=z | | /:::::::::::::: l
/ : :::| | | | !/ 彳 ,' :::::ヽ＼ | i/::::::::::::::: ｲ
| :::::::| '. ＼ ＼V' |::::::::::ﾊ ＼リ r '":::::::::: イ´ |
| :::::::l ! メ´ ＼ l`' --ゝ |ﾍ _ ﾉ l i ＼ `ー┬ ´ │ ! ・・・はい、一人は、とても辛かったです
| ::::::ハ i l l!`z=.ゝ､ ＼ ゝ-－ ' ,' .' │ ,' |
| ::::::::::∧ ＼ ＼ l:::_ハ ` ─‐ ゝ / ／, / ／ │
V ::::::::::∧ ゝ ＿ _ゝ__少 -=' イ / ,. ' イ ＼
V:::::::::::::::ゝ _ 二=- ｀ /∠...イ ゝ ＼
ゝ._:::::::::::＼ ゝ=-_＿＿ r _っ . ' | ! ! │ ＼ ＼
￣￣ゝ＼ ゝ ＿＿ ノ ／ _ __从＿__ | ゝ. ＼ ＼
V ゞ- ≧__ ゝ---/⌒ヽ´ ／,. -- ── -ゝ ＼ ＼ ＼
) ゝ￣ j＿ ＼/ _＿_（＿___ ヾ ゝ－ゝ
/ ＿ ,.イ´＿ | ´ ,.. -─- ､ ｀ヽ ヽ. ゝ-ゝ
／ , イ´ ,.- !´ ＿. |／ ／ ヽ Y ＼ |
／ / / / ､ Y´_ | / | }:: ゝ │
／イ / ' ／ ー─し'! l_＿_| .' / /::::Y i
／/ . | ! ー‐ v' 人 ／::_:_:_::V / / ::::: ! i
,' ＿_/ i! ! `ー v / ゝ'::::r::::_::_:_i:L--- ､ / / :::::::: ! ,'
/ /:::::::::¨≧V│ ｰ ノ/ ／:::::::::V:::::::::::::::ヽ:::::::::＼j／ :::::::: ノ ｲ
彼女の言葉にやる夫は大きく息を吐き出した
それで決まった
やる夫の道・・・やる夫が選ぶ道が
. - 884 ： ◆HrtGSGllns ： ：2010/08/03(火) 21:15:48 ID:7KZ244lQ
-
＿＿＿_
／ ＼
／ ⌒ ⌒ ＼ ありがとうだお羽入
／ （⌒） （⌒） ＼l⌒l
| （__人__） |`''| 羽入の申し出はとても嬉しいお
＼ ｀ ⌒´ _／ /
/
. / : :! . i: : : ::::i: :.:i: : : : : : : : :i: : :.!: : :.!: : : : :.i: . : :.!;;;;;;;;
/! : |. : : :!: : : ::::!: :.i: : : : :/: : :.:!: :./:: : :j::. : : : :i: : : . . ｉ;;;;;;;;
,';;! i : !: : : :!: : : ::::i: : !: : :.:,' : : :.:.|: /::. : /!:::. : : : !:. : : : : :i;;;;;;;;
i;;;! i : :.: : : :ヽ:. : :::ﾄ.::ﾄ.: :.:i: : : : :.i/ ｊ.j: / ｉ::j:: : :./:::. : : : : :!;;;;;;;
|;;;! | : :＼:. : : !>' ＜⌒､: j: : :./:/ //⌒＞ ﾉ: ノ:::: : : : : : :!;;;;;;;
|;;;i ｊ :i: : : ヽ::.:.ヽｘ,==ｒミ＼ .::ﾙ' ｒ==ｒミ/／|.:::/:::.:. : :./;;;;;;;;;
・・・！ . !;;;ヽ ハ: : : :::ヽ.,.ｲゝｲil::| ヾ! |ゝｲil:::| ﾚﾉ.:/::::.: : :./:!;;;;;;;;;;
;;;;;;;;;>、ヽ:.:.:.:.:.＼ゞﾟｰ''ﾉ ゞﾟｰ'':ｿ /／:::. : :／!.:|;;;;;;;;;;
ヾ;;;ｊ ＼ :｀￢‐- ￣｀ , ´￣ ／::. : :／: .ｲ ﾉ;;;;;／
ヾ! ヽ:: : :＼ '' '' ｒ―‐ ､ '' '''／:: ::...ィ::::／iイ;;;／::::::
//.:i.:::::::..､ ヽ..___ﾉ ´￣了:::: /::::::|::!´::::::::::::
. ｉ iﾊ:|.:.:::::::/:＞.... . ..イ !::: : /､::::::|::i:::::::::::::::
. ｉ ｉ: ﾊ :.::::i:::::::i::i::::＞--ｒ |ｲ::/: : ＼j:::!::::::::::::::
. ｉ ｉ: : :〉:::::!‐ｧ': : /: : : : ヽ ノｉﾘ/: : : : /`ｰ‐-... __
. ｉ ｉ: :/ ヽ|/: : : :! : : : : : : Ｖ´ : : : : : : : : /:::::::. : : : :ﾉ
羽入の顔が一気に明るくなる
けれども・・・
. - 885 ： ◆HrtGSGllns ： ：2010/08/03(火) 21:16:03 ID:7KZ244lQ
-
＿＿＿_
／ ＼
／ ─ ─ ＼
／ （●） （●） ＼
| （__人__） | でもごめん、それは受けられないんだお
＼ ｀ ⌒´ ,／
/⌒ヽ ー‐ ｨヽ
/ ,⊆ニ_ヽ、 |
/ ／ r─--⊃、 |
| ヽ,.ｲ ｀二ﾆﾆうヽ. |
:::::::::::::::::: : : : : :/ ', _..lゝ-―- ..ト_､ ヽ l / ,'
::::::::::::::::: : : : .:/ ヽ. ￣l￣ヾ二_‐l‐-¨ﾆ､=' ﾄ､ l /l. / l
::::::::::::::::: : : .:/ ＼ l , z==≧､l二_‐ ヽ. l ! `=lニ≠/=､ ./ l
:::::::::::::::::: .:.:.l ｌ l ヽ､ /Vｨ ）:::::ヽ｀ヾ V l} ム≦/ ,ｨ′ /
:::::::::::::::::::::::::! ', ', l` V ﾄ:才::::::lヾ} ,ｨﾉ ,ｨ{._ノV ﾊ´ ,' /
ヽ:::::::::::::::::::::l ', ', l l´ {:::::::ﾉ. ,' / ／,'ィ::::lイ l l / , ' ・・・・・・・・・え？
iヽ:::::::::::::::::', ヽ ヽ. ﾍ ゝ､￣ _ノ ' ´ .l {::::ﾉ,' 〃/ ／
l ｀丶、::::::ヽ ヽ ヽ ﾍ ￣ ゝﾆノ ｲ7 ,
ｌ / `ｰ- -` ` ` ､ ヾ、 l /／ , イ
l / / ﾍ. ﾍ`ｰ---` ＿_ ′ _... - '´ _.. イ:::::::!
/ / lヽ. ﾍ. ￣´ ｀フ￣ l l::::::ﾉ
./ ,〃 l ヽ ﾄ､! 丶、 ,, ィ´ ', / レ′
／/ / / ∧ ! 丶､ , ィ ´} }∨
.／ / r‐ =ﾆ／ ', / ｀7 ‐- ´ / l /
／ ,' r└‐-､ `丶､ﾚ′ / .／ ! /
.i | `丶､ `ｰ- ､ / ／ | ／
羽入の顔が強ばる
数瞬のあと、涙が盛り上がりはじめる
口元に手をあて、今にも叫び出しそうな自分を押さえ込んでいる・・・
かのように見えたが、それも一瞬だった
. - 886 ： ◆HrtGSGllns ： ：2010/08/03(火) 21:16:32 ID:7KZ244lQ
-
／ | | | | ヽ
/ | }､ ﾊ | |
/ ハ :!＼ ｰーミA､∧ |
r‐v | ＼ 斗 ヽ. .' / j/｀ ! / ト..､
/:::::::| ヽ ／＼ ≦ ＼ /／ｲ孑示､| / :!:::::::＼
{::::::::::| ｀ ー‐ ≦孑k } ／ ん'' ∧! ｲ |::::::::::::::ヽ
∨:::::::ヽ、 ∨ ん ﾊ }´ 弋 ｲり从v ∧::::::::::::::::}
∨::::::::::|｀¨ ー ム弋込 り ｀ ｰ= ○′ / ィ' |:::::::::::::/
∨::::::::'. ヽ ゞ ´ ' 。ﾟ ／ / /:::::::::::.'
∨:::::∧ ﾟ。 r‐ ﾍ ｡ ﾟ ィ ´ / /::::::::.ィ
どうして！！ どうして！！ どうしてっ！！？？ ∨:/ ヽ｀ト ､ 。ﾟ ｰ‐′ ／.' / /:::／ !
ヽ }＼人 ￣}ゝ、 ィ / ／ /／ |
/ '. ! ＞ ,_ . ´ _トム´ |
/／｀Y ヽ | / ∧ ／／Y ｀ V⌒ Y ￣￣_二_ヽ
〃 ／ヽ ヾ ／ / /' ／／/⌒ヽ. ヽ. | ／ ヽ ＼
/ ./⌒Y Y l l ／／ /⌒ヽ ｀ .| ／ '.
八 l | .l l / / {_ﾊ |' |
{ ヽ | .l |/ / | / |
彼女の声は実際の叫び声となってやる夫に叩きつけられた
それにはやる夫を非難するかのような、そんな激しさが含まれていた
. - 887 ： ◆HrtGSGllns ： ：2010/08/03(火) 21:16:56 ID:7KZ244lQ
-
,. -───- _
-‐ v' ＼
／ ﾚ ´ ＼
' / ,l ヽ. ＼ヽ.
/, / ,.ｲ│ ヽ｀ｬ Vー ､' l
jﾚイ|! |:l |､ l! | |!::: ∨::::::ﾄji､
／::::::ハ ヽﾉ ＼ ヽ/__/! /l ハ:: ﾚ'::::ヽ,.
,'::::::::::::l ﾄ,.ィ=､´i ＼! /j/､i｀メ / V ＼:::::: |
i :::::::／'ゝ､Vl:::::j j/ 7:::::rﾞi!イ:: ﾘ |::::,.'
l ::::/ i′ ハ!ゞラ ゞ.フ(..) ハ j／
ゝ| ゝ､ ゝ,ﾊ :::: '__ ::::.,ィ'-,イ :: l |
わたしでは駄目ですか！？ ／ ／￣＞ゝ､. ‘ｰ‐` イ-,|i::::l| ::: | |
／ ／ '´ （ rイi｀￣／´ ＼;.j_:::::| ヽ.
駄目なんですか！？！？ ′ ′ / r イ´| :|:| ／ ／ フl|:| ＼
l ′ / ,r ﾚ′| :|:/ ／ ／´ V|: ゞ ＼ ﾞ!
| |::::rー-|/ ／ ／ /, |´:::ヽ ﾄ ﾞ!
ノ| | ::| 三（ ' ｲ / l .＿_j__:::__|::: |ゞ. l
`ーゝ.. ゝ| 三 ヽ | | レ' ´_ rｭ r-t}:::: | | l/
＼ハ '⌒j..＿|＿|＿|::::::ｲｭ ﾚ ´三三〆::::: | j/
/ イ ￣）二二二_ ,.＞|〆 三三三| ::::::ﾚ
/ /| |ゝ-イ三レｲ三| ミ :7:三三三三|／
' ｲ三 ゝ／|三|三| lE| ミ:/ 三三i三三|
/三三:「!∨::|,. ｲ三| |ﾖ|三' 三三i|三三l
やる夫につかみかからんばかりの剣幕・・・
見た目はワガママでも、温和で大事な部分では常に控えめだった彼女
そんな彼女が感情を剥き出しにしていた
・・・だから
＿＿＿_
／ ＼
／ ─ ─ ＼
／ （●） （●） ＼ 羽入・・・よく聞いてくれお
| （__人__） |
＼ ｀ ⌒´ ,／
/⌒ヽ ー‐ ｨヽ
/ ,⊆ニ_ヽ、 |
/ ／ r─--⊃、 |
| ヽ,.ｲ ｀二ﾆﾆうヽ. |
だからやる夫も覚悟を決めた
彼女には全て話さなければならない
話さねば伝わらない、届かない
. - 888 ： ◆HrtGSGllns ： ：2010/08/03(火) 21:17:16 ID:7KZ244lQ
-
.. ＿＿＿_
／ ― -＼
. . ／ （●） （●）
／ （__人__） ＼ ・・・結局、やる夫達はよく似てるんだお
| ｀ ⌒´ |
. ＼ ／
. ノ ＼
／´ ヽ
／ | | | | ヽ
/ | }､ ﾊ | |
/ ハ :!＼ ｰーミA､∧ |
r‐v | ＼ 斗 ヽ. .' / j/｀ ! / ト..､
. /:::::::| ヽ ／＼ ≦ ＼ /／ｲ孑示､| / :!:::::::＼
{::::::::::| ｀ ー‐ ≦孑k } ／ ん'' ∧! ｲ |::::::::::::::ヽ
∨:::::::ヽ、 ∨ ん ﾊ }´ 弋 ｲり从v ∧::::::::::::::::}
. ∨::::::::::|｀¨ ー ム弋込 り ｀ ｰ= ′ / ィ' |:::::::::::::/
∨::::::::'. ヽ ゞ ´ ' ／ ／ / /:::::::::::.'
！！ ∨:::::∧ ＼ r‐ ﾍ ≦ _ ィ ´ / /::::::::.ィ
∨:/ ヽ｀ト ､ ≧ ｰ‐′ ／.' / /:::／ !
. ヽ }＼人 ￣}ゝ、 ィ / ／ /／ |
/ '. ! ＞ ,_ . ´ _トム´ |
/／｀Y ヽ | / ∧ ／／Y ｀ V⌒ Y ￣￣_二_ヽ
〃 ／ヽ ヾ ／ / /' ／／/⌒ヽ. ヽ. | ／ ヽ ＼
/ ./⌒Y Y l l ／／ /⌒ヽ ｀ .| ／ '.
. 八 l | .l l / / {_ﾊ |' |
{ ヽ | .l |/ / | / |
. - 889 ： ◆HrtGSGllns ： ：2010/08/03(火) 21:17:35 ID:7KZ244lQ
-
＿＿＿_
／ ＼
／ ― ‐ ・・・そのくせやる夫には捨てられない物が多すぎる
／ （ ●） ）
| （__ﾉ､_） やる夫は弱い奴なんだお
＼ ｀_⌒
／ ＼
／ | | | | ヽ
/ | }､ ﾊ | |
/ ハ :!＼ ｰーミA､∧ |
r‐v | ＼ 斗 ヽ. .' / j/｀ ! / ト..､
/:::::::| ヽ ／＼ ≦ ＼ /／ｲ孑示､| / :!:::::::＼
{::::::::::| ｀ ー‐ ≦孑k } ／ ん'' ∧! ｲ |::::::::::::::ヽ
∨:::::::ヽ、 ∨ ん ﾊ }´ 弋 ｲり从v ∧::::::::::::::::}
∨::::::::::|｀¨ ー ム弋込 り ｀ ｰ= ○′ / ィ' |:::::::::::::/
でも、だって、それでも・・・ ∨::::::::'. ヽ ゞ ´ ' 。ﾟ ／ / /:::::::::::.'
∨:::::∧ ﾟ。 r‐ ﾍ ｡ ﾟ ィ ´ / /::::::::.ィ
けど、けど！ やる夫！ 貴方はこのままでは！！ ∨:/ ヽ｀ト ､ 。ﾟ ｰ‐′ ／.' / /:::／ !
ヽ }＼人 ￣}ゝ、 ィ / ／ /／ |
/ '. ! ＞ ,_ . ´ _トム´ |
/／｀Y ヽ | / ∧ ／／Y ｀ V⌒ Y ￣￣_二_ヽ
〃 ／ヽ ヾ ／ / /' ／／/⌒ヽ. ヽ. | ／ ヽ ＼
/ ./⌒Y Y l l ／／ /⌒ヽ ｀ .| ／ '.
八 l | .l l / / {_ﾊ |' |
{ ヽ | .l |/ / | / |
. - 890 ： ◆HrtGSGllns ： ：2010/08/03(火) 21:17:50 ID:7KZ244lQ
-
＿＿__
／ ＼
. ／ ＼
. ／ ― ー ＼ やらない夫、大ちゃん、学園の友達・・・
| （●） （●） |
. ＼ （__人__） ／ やる夫には何一つ捨てられない
. ノ ｀ ⌒´ ＼
／´ ヽ 羽入と在るなら、今この瞬間にその全てを失うことになる
そう、定住してはいられない
羽入が人間に危険が及ぶことを嫌ったように
やる夫だって彼らに危険が及ぶのは望まない
契約とやらが成立したら、やる夫達は旅立たなければならない
羽入とたった二人きりの旅へと・・・
. - 891 ： ◆HrtGSGllns ： ：2010/08/03(火) 21:18:07 ID:7KZ244lQ
- ,. -───- _
-‐ v' ＼
／ ﾚ ´ ＼
' / ,l ヽ. ＼ヽ.
/, / ,.ｲ│ ヽ｀ｬ Vー ､' l
jﾚイ|! |:l |､ l! | |!::: ∨::::::ﾄji､
／::::::ハ ヽﾉ ＼ ヽ/__/! /l ハ:: ﾚ'::::ヽ,.
,'::::::::::::l ﾄ,.ィ=､´i ＼! /j/､i｀メ / V ＼:::::: |
i :::::::／'ゝ､Vl:::::j j/ 7:::::rﾞi!イ:: ﾘ |::::,.'
l ::::/ i′ ハ!ゞラ ゞ.フ(..) ハ j／
ゝ| ゝ､ ゝ,ﾊ :::: '__ ::::.,ィ'-,イ :: l |
／ ／￣＞ゝ､. ‘ｰ‐` イ-,|i::::l| ::: | |
やる、夫・・・やる夫ぉ・・・ ／ ／ '´ （ rイi｀￣／´ ＼;.j_:::::| ヽ.
′ ′ / r イ´| :|:| ／ ／ フl|:| ＼
l ′ / ,r ﾚ′| :|:/ ／ ／´ V|: ゞ ＼ ﾞ!
| |::::rー-|/ ／ ／ /, |´:::ヽ ﾄ ﾞ!
ノ| | ::| 三（ ' ｲ / l .＿_j__:::__|::: |ゞ. l
`ーゝ.. ゝ| 三 ヽ | | レ' ´_ rｭ r-t}:::: | | l/
＼ハ '⌒j..＿|＿|＿|::::::ｲｭ ﾚ ´三三〆::::: | j/
/ イ ￣）二二二_ ,.＞|〆 三三三| ::::::ﾚ
/ /| |ゝ-イ三レｲ三| ミ :7:三三三三|／
' ｲ三 ゝ／|三|三| lE| ミ:/ 三三i三三|
/三三:「!∨::|,. ｲ三| |ﾖ|三' 三三i|三三l
＿＿＿＿
／ ⌒ ＾＼
／ （ ●） （●） 嘘みたいだお？ 結局やる夫は契約しようがこのまま死のうが
／ ::::::⌒（＿人__）⌒ヽ 同じ結果になるんだから・・・
| |r┬-| |
＼ `ー'´ ／
やる夫は笑い出してしまった
他にどうすればいいかなんて見当もつかない
結局、守ろうとしたものを失うという現実からは逃れられないのだ
. - 892 ： ◆HrtGSGllns ： ：2010/08/03(火) 21:18:27 ID:7KZ244lQ
-
＿＿＿_
／ ＼
／ ⌒ ⌒ ＼ みんなを失ってまで、無限に踏み込む勇気は
／ （⌒） （⌒） ＼l⌒l やる夫にはないんだお・・・
| （__人__） |`''|
＼ ｀ ⌒´ _／ /
/
／ | | | | ヽ
/ | }､ ﾊ | |
/ ハ :!＼ ｰーミA､∧ |
r‐v | ＼ 斗 ヽ. .' / j/｀ ! / ト..､
/:::::::| ヽ ／＼ ≦ ＼ /／ｲ孑示､| / :!:::::::＼
{::::::::::| ｀ ー‐ ≦孑k } ／ ん'' ∧! ｲ |::::::::::::::ヽ
∨:::::::ヽ、 ∨ ん ﾊ }´ 弋 ｲり从v ∧::::::::::::::::}
でも！ このままでは死んでしまいます！ ∨::::::::::|｀¨ ー ム弋込 り ｀ ｰ= ○′ / ィ' |:::::::::::::/
∨::::::::'. ヽ ゞ ´ ' 。ﾟ ／ / /:::::::::::.'
今すぐ死んでしまうよりはいい！！ ∨:::::∧ ﾟ。 r‐ ﾍ ｡ ﾟ ィ ´ / /::::::::.ィ
∨:/ ヽ｀ト ､ 。ﾟ ｰ‐′ ／.' / /:::／ !
ヽ }＼人 ￣}ゝ、 ィ / ／ /／ |
/ '. ! ＞ ,_ . ´ _トム´ |
/／｀Y ヽ | / ∧ ／／Y ｀ V⌒ Y ￣￣_二_ヽ
〃 ／ヽ ヾ ／ / /' ／／/⌒ヽ. ヽ. | ／ ヽ ＼
/ ./⌒Y Y l l ／／ /⌒ヽ ｀ .| ／ '.
八 l | .l l / / {_ﾊ |' |
{ ヽ | .l |/ / | / |
. - 893 ： ◆HrtGSGllns ： ：2010/08/03(火) 21:18:42 ID:7KZ244lQ
-
＿＿＿_
／_ノ ヽ_＼
／（ ●） （ ●）＼ 結局、ここにいるやる夫と、無限に生きるやる夫との違いは
／ ::::::⌒（__人__）⌒::::＼ そこだけなんだお羽入
| ￣ |
＼ ／
,. -───- _
-‐ v' ＼
／ ﾚ ´ ＼
' / ,l ヽ. ＼ヽ.
/, / ,.ｲ│ ヽ｀ｬ Vー ､' l
jﾚイ|! |:l |､ l! | |!::: ∨::::::ﾄji､
／::::::ハ ヽﾉ ＼ ヽ/__/! /l ハ:: ﾚ'::::ヽ,.
,'::::::::::::l ﾄ,.ィ=､´i ＼! /j/､i｀メ / V ＼:::::: |
・・・え？ i :::::::／'ゝ､Vl:::::j j/ 7:::::rﾞi!イ:: ﾘ |::::,.'
l ::::/ i′ ハ!ゞラ ゞ.フ(..) ハ j／
ゝ| ゝ､ ゝ,ﾊ :::: '__ ::::.,ィ'-,イ :: l |
／ ／￣＞ゝ､. ‘ｰ‐` イ-,|i::::l| ::: | |
／ ／ '´ （ rイi｀￣／´ ＼;.j_:::::| ヽ.
′ ′ / r イ´| :|:| ／ ／ フl|:| ＼
l ′ / ,r ﾚ′| :|:/ ／ ／´ V|: ゞ ＼ ﾞ!
| |::::rー-|/ ／ ／ /, |´:::ヽ ﾄ ﾞ!
ノ| | ::| 三（ ' ｲ / l .＿_j__:::__|::: |ゞ. l
`ーゝ.. ゝ| 三 ヽ | | レ' ´_ rｭ r-t}:::: | | l/
＼ハ '⌒j..＿|＿|＿|::::::ｲｭ ﾚ ´三三〆::::: | j/
/ イ ￣）二二二_ ,.＞|〆 三三三| ::::::ﾚ
/ /| |ゝ-イ三レｲ三| ミ :7:三三三三|／
' ｲ三 ゝ／|三|三| lE| ミ:/ 三三i三三|
/三三:「!∨::|,. ｲ三| |ﾖ|三' 三三i|三三l
. - 894 ： ◆HrtGSGllns ： ：2010/08/03(火) 21:19:02 ID:7KZ244lQ
-
＿＿＿＿＿__ ＿___
／ （＿＿ ゝ
／ （＿＿_ヽ_
／ ── ── （＿_ _ ヽ_ 無限を生きればここにいる『やる夫』は死に
／ ／´ ｀ヽ /´ ｀ヽ （＿＼ 〈
／ `Ｔ;;;:::;;;Ｔ′ `Ｔ;;;:::;;;Ｔ′ ＼ ＼ みんなと生きる『やる夫』はなくなってしまう・・・
| ヽﾞ''''''´"ノ ヽ⌒ﾞ''''''´" Ｕ | ）
| （ i ） |三三）
＼ ｀ー ─'＾ー 一' ／.:.| .|
＼ ￣￣ ／|.:.:.:.:| .|
〉三三三》 《三三三〈 |.:.:.:.:| .|
無限に踏み込めば結果は一つ
だから・・・
.. ＿＿＿_
／ ― -＼
. . ／ （●） （●）
／ （__人__） ＼ 今すぐみんなを失うよりはいい・・・
| ｀ ⌒´ |
. ＼ ／
. ノ ＼
／´ ヽ
. - 895 ： ◆HrtGSGllns ： ：2010/08/03(火) 21:19:18 ID:7KZ244lQ
- ／ | | | | ヽ
/ | }､ ﾊ | |
/ ハ :!＼ ｰーミA､∧ |
r‐v | ＼ 斗 ヽ. .' / j/｀ ! / ト..､
/:::::::| ヽ ／＼ ≦ ＼ /／ｲ孑示､| / :!:::::::＼
{::::::::::| ｀ ー‐ ≦孑k } ／ ん'' ∧! ｲ |::::::::::::::ヽ
∨:::::::ヽ、 ∨ ん ﾊ }´ 弋 ｲり从v ∧::::::::::::::::}
∨::::::::::|｀¨ ー ム弋込 り ｀ ｰ= ○′ / ィ' |:::::::::::::/
∨::::::::'. ヽ ゞ ´ ' 。ﾟ ／ / /:::::::::::.'
やる夫っ！？ ∨:::::∧ ﾟ。 r‐ ﾍ ｡ ﾟ ィ ´ / /::::::::.ィ
∨:/ ヽ｀ト ､ 。ﾟ ｰ‐′ ／.' / /:::／ !
ヽ }＼人 ￣}ゝ、 ィ / ／ /／ |
/ '. ! ＞ ,_ . ´ _トム´ |
/／｀Y ヽ | / ∧ ／／Y ｀ V⌒ Y ￣￣_二_ヽ
〃 ／ヽ ヾ ／ / /' ／／/⌒ヽ. ヽ. | ／ ヽ ＼
/ ./⌒Y Y l l ／／ /⌒ヽ ｀ .| ／ '.
八 l | .l l / / {_ﾊ |' |
{ ヽ | .l |/ / | / |
・・・結局、やる夫達はどこまでもよく似ていた
そのくせ問題は常に背中合わせ
絵に描いたような状況だった
あちらを立てればこちらが立たず、命を守れば人生を失い
人生を守れば命を失う・・・
やる夫達はどこまでも背中合わせなのだった
. - 896 ： ◆HrtGSGllns ： ：2010/08/03(火) 21:19:45 ID:7KZ244lQ
-
＿＿
／..::::::::::::::..＼
／..:::::::::::::::::::::::::.＼
／..::::::::::::::::::::::::::::::::::::.＼ やる夫は羽入のように強くはないんだお
| :::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: | ごめん・・・・・・・・・一緒には行ってやれない
＼:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::／
,. -‐'´..:::::::::::::::::::::...｀丶､
ﾉ .:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::....ヽ
そしてやる夫は羽入のように今を捨てることはできなかった
彼女がこれまでやってきたように、時を超えていく覚悟ができなかった
会おうと思えばやらない夫に、大ちゃんにすぐ会える
そういう実感をなくしてまで立っている自信がなかった
やる夫はあまりにも幸せに暮らしていたのだ
その全てを置き去りにできないくらいに
. - 897 ： ◆HrtGSGllns ： ：2010/08/03(火) 21:20:04 ID:7KZ244lQ
-
／ | | | | ヽ
/ | }､ ﾊ | |
/ ハ :!＼ ｰーミA､∧ |
r‐v | ＼ 斗 ヽ. .' / j/｀ ! / ト..､
/:::::::| ヽ ／＼ ≦ ＼ /／ｲ孑示､| / :!:::::::＼
{::::::::::| ｀ ー‐ ≦孑k } ／ ん'' ∧! ｲ |::::::::::::::ヽ
∨:::::::ヽ、 ∨ ん ﾊ }´ 弋 ｲり从v ∧::::::::::::::::}
∨::::::::::|｀¨ ー ム弋込 り ｀ ｰ= ○′ / ィ' |:::::::::::::/
∨::::::::'. ヽ ゞ ´ ' 。ﾟ ／ / /:::::::::::.'
わたしだってそんなに強くありません！ ∨:::::∧ ﾟ。 r‐ ﾍ ｡ ﾟ ィ ´ / /::::::::.ィ
∨:/ ヽ｀ト ､ 。ﾟ ｰ‐′ ／.' / /:::／ !
だから一緒にきて欲しかったのに！！ ヽ }＼人 ￣}ゝ、 ィ / ／ /／ |
/ '. ! ＞ ,_ . ´ _トム´ |
/／｀Y ヽ | / ∧ ／／Y ｀ V⌒ Y ￣￣_二_ヽ
〃 ／ヽ ヾ ／ / /' ／／/⌒ヽ. ヽ. | ／ ヽ ＼
/ ./⌒Y Y l l ／／ /⌒ヽ ｀ .| ／ '.
八 l | .l l / / {_ﾊ |' |
{ ヽ | .l |/ / | / |
＿＿
／..::::::::::::::..＼
／..:::::::::::::::::::::::::.＼
／..::::::::::::::::::::::::::::::::::::.＼ ここにある全てと引き替えに、羽入と命だけを選ぶ勇気が
| :::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: | やる夫にはないんだお・・・
＼:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::／
,. -‐'´..:::::::::::::::::::::...｀丶､
ﾉ .:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::....ヽ
. - 898 ： ◆HrtGSGllns ： ：2010/08/03(火) 21:20:33 ID:7KZ244lQ
-
／ | | | | ヽ
/ | }､ ﾊ | |
/ ハ :!＼ ｰーミA､∧ |
r‐v | ＼ 斗 ヽ. .' / j/｀ ! / ト..､
/:::::::| ヽ ／＼ ≦ ＼ /／ｲ孑示､| / :!:::::::＼
{::::::::::| ｀ ー‐ ≦孑k } ／ ん'' ∧! ｲ |::::::::::::::ヽ
∨:::::::ヽ、 ∨ ん ﾊ }´ 弋 ｲり从v ∧::::::::::::::::}
∨::::::::::|｀¨ ー ム弋込 り ｀ ｰ= ○′ / ィ' |:::::::::::::/
∨::::::::'. ヽ ゞ ´ ' 。ﾟ ／ / /:::::::::::.'
だって！ だって！！ ∨:::::∧ ﾟ。 r‐ ﾍ ｡ ﾟ ィ ´ / /::::::::.ィ
∨:/ ヽ｀ト ､ 。ﾟ ｰ‐′ ／.' / /:::／ !
ヽ }＼人 ￣}ゝ、 ィ / ／ /／ |
/ '. ! ＞ ,_ . ´ _トム´ |
/／｀Y ヽ | / ∧ ／／Y ｀ V⌒ Y ￣￣_二_ヽ
〃 ／ヽ ヾ ／ / /' ／／/⌒ヽ. ヽ. | ／ ヽ ＼
/ ./⌒Y Y l l ／／ /⌒ヽ ｀ .| ／ '.
八 l | .l l / / {_ﾊ |' |
{ ヽ | .l |/ / | / |
＿＿
／..::::::::::::::..＼
／..:::::::::::::::::::::::::.＼ 今なら羽入もいる、みんなもいる、なくなるのは命だけ・・・
／..::::::::::::::::::::::::::::::::::::.＼
| :::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: | みんなと羽入、命と羽入、選ぶならどちらか
＼:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::／
,. -‐'´..:::::::::::::::::::::...｀丶､ ならやる夫は・・・
ﾉ .:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::....ヽ
そう、ここにいる『やる夫』に選べる答えなんて一つしかない
. - 899 ： ◆HrtGSGllns ： ：2010/08/03(火) 21:20:56 ID:7KZ244lQ
-
／￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣＼
／ ＼
／ ＼
／ -──- -──- ＼
／ ＼
／ / ヽ /´ ヽ ＼
／ ,' ｨ=＝=y､ ', ,' ｨ=＝=yとつ､', ＼
／ (;;;;;;;;;;）) } { ヾj ｝ ＼
／ ／''、 ,/ / / / / '、 人 ＼ 未来の全てと引き替えに
| ｛{ / / / / ,／ | ＼. / /（ じ.） | 今と思い出と羽入達を選ぶお！
| ヽ / / / / ,/ ∧ ', / / /｀¨´ .|
| 人 .｛ / ヽ ｝ |
| （ ぃ,） .ヽ＿__,､／ ＼＿＿_ﾉ ｜
＼ ｀¨´,人 | ij | ／
＼ 人（ ぃ,） |,ｨ'~も￣｀ﾞ､´￣￣ﾞヽ| ／
＼ （ん )｀¨´ ヾ_ ヽ ,ﾉ ／
/. ｀¨´ `‐---------‐" ＼
／ i ＼
羽入は表情を失い、やるせない想いが瞳から涙となって零れる
そして彼女は下を向き肩を震わせ、やる夫も自分の頬を拭う
. - 900 ： ◆HrtGSGllns ： ：2010/08/03(火) 21:21:13 ID:7KZ244lQ
-
.. ＿＿＿_
／ ― -＼
. . ／ （●） （●）
／ （__人__） ＼ そしてやる夫は・・・
| ｀ ⌒´ |
. ＼ ／
. ノ ＼
／´ ヽ
ここへきてやる夫はようやく自覚した
しかしそれを言うべきか悩む
・・・けれども悩む頭と違い、やる夫の口は止まらなかった
. - 901 ： ◆HrtGSGllns ： ：2010/08/03(火) 21:21:36 ID:7KZ244lQ
-
＿__、
,,, -'''"´ .｀ﾞﾞ''ｰ ､,
_..-'" ｀''-､、
／ ｀''-、
／ ＼
.／ ヽ,
./ ヽ
./ ヽ
./ ―-..＿___, i 、 ｌ
/ ,．.、 ` " ､ ｌ 孤独の中の羽入より、みんなと笑う羽入を選ぶお・・・
! ,i ､ ＾ ! ,,ﾉ ヽ,,_ ｌ
.,! .ｌ弋ﾌ､/ - l 、 . 二'ｰ ､、 |
ｌ. ﾞ＞'ﾞ " .''i.二,、 ｀ﾞ'‐ ｀''-､ !
_|， / ｌ,弋ア--ヽ/ /
. ‐'″ ﾞ‐{ ｀ﾞ''―-‐" /
｀'- -‐| ″ ,／
｀' !ｰﾐi､_. _./ _／'ｰ､,
｀'-,,｀''二二コ _,,.. -'"゛ .｀''-、
｀''ｰ--､, ___,,,.... -‐"゛ ＼
￣￣￣ﾞ´ ＼
ダンッ・・・
苛立ちをこめ拳を壁に叩きつける
どうしてこうなのか？
どこまでうまくいかないのか？
そのどうにもならない焦燥感
. - 902 ： ◆HrtGSGllns ： ：2010/08/03(火) 21:22:05 ID:7KZ244lQ
-
,. -― - ､
＿,.／ ＞x
／ _＼
／ ヽ ＼::｀..ヽ
/⌒, ＼ ＼ ＼:::::::＼
／:::::/ { ヽ ＼ ヽ. ＼:::::::ヽ
/::::::::::| ∧ ∨ ハ } ヽ:::::ハ
. ,':::::::::::∧ ヽ ヽ l ﾊ | | Y:::::::}
l:::::::::::/ ヽ ＼ ＼ l斗f‐十.| lハ .ﾄ、:::l
{:::::::::{ ハ _＼x ― ＼ ハ/ 」l从 ;ｲ .! | }:::::|
l:::::::/{ ヽ ＿ _≧二｀ ｀ j/ rfう丁メ、 | ! / l:::::.}
l:::::::| l l ｧ孑'ハ {:{ ;り ∨ ./ ∧ }／
ヽ::::ト、. ∨ ! V j | 辷 タ 〃/ / |
. ＼ ＼ ＼ 弋 タ′ _ィ_ ／ ィ |
|ミ､_ ≧ ' ≦ ィ ! |
| 丁< ｀ ｰ ‐ ’ ｲ | | |
| | |＞ ．_ ／L! ! | |
| | | _｣｀ ¨ ´ / ハ.! | |
| | | ／ |│ / / ＼ ! |
j |_,.rf ' |│ ./ / /￣￣＼
/ ／ .l ! | / / / ヽ
. / ／ | ! !／／ / 」
/ 〈 / .| .ヽ／ / ／ l
/ / ヽ / | ／ ／ ／ .}
. / | / .|／ ／ ,ィ ∧
// l 7 / .／ Y′ / ﾍ
// .l / / ／ ヽ} ハ ＼
. /人 .! { / / / / ＼
彼女はやる夫の前に現れた
そしてやる夫を愛してくれた
やる夫も日々を共有するうち、彼女を愛した
人と触れあう彼女を見て、愛した
やらない夫と、大ちゃんと、学園の人々と・・・
それらと触れあう彼女を愛したのだ
. - 903 ： ◆HrtGSGllns ： ：2010/08/03(火) 21:22:20 ID:7KZ244lQ
-
＿＿
／..::::::::::::::..＼
／..:::::::::::::::::::::::::.＼
／..::::::::::::::::::::::::::::::::::::.＼ やる夫が羽入を好きにならなければよかったのに・・・
| :::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: |
＼:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::／
,. -‐'´..:::::::::::::::::::::...｀丶､
ﾉ .:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::....ヽ
もし偶然に現れた孤独な彼女に同情しただけならば
あるいは申し出を受け入れることもあったのかもしれない
. - 904 ： ◆HrtGSGllns ： ：2010/08/03(火) 21:22:38 ID:7KZ244lQ
-
／ | | | | ヽ
/ | }､ ﾊ | |
/ ハ :!＼ ｰーミA､∧ |
r‐v | ＼ 斗 ヽ. .' / j/｀ ! / ト..､
/:::::::| ヽ ／＼ ≦ ＼ /／ｲ孑示､| / :!:::::::＼
{::::::::::| ｀ ー‐ ≦孑k } ／ ん'' ∧! ｲ |::::::::::::::ヽ
∨:::::::ヽ、 ∨ ん ﾊ }´ 弋 ｲり从v ∧::::::::::::::::}
∨::::::::::|｀¨ ー ム弋込 り ｀ ｰ= ○′ / ィ' |:::::::::::::/
いやっ！ いやっ！ ∨::::::::'. ヽ ゞ ´ ' 。ﾟ ／ / /:::::::::::.'
∨:::::∧ ﾟ。 r‐ ﾍ ｡ ﾟ ィ ´ / /::::::::.ィ
そんなのいやぁぁあああああっ！！！！ ∨:/ ヽ｀ト ､ 。ﾟ ｰ‐′ ／.' / /:::／ !
ヽ }＼人 ￣}ゝ、 ィ / ／ /／ |
/ '. ! ＞ ,_ . ´ _トム´ |
/／｀Y ヽ | / ∧ ／／Y ｀ V⌒ Y ￣￣_二_ヽ
〃 ／ヽ ヾ ／ / /' ／／/⌒ヽ. ヽ. | ／ ヽ ＼
/ ./⌒Y Y l l ／／ /⌒ヽ ｀ .| ／ '.
八 l | .l l / / {_ﾊ |' |
{ ヽ | .l |/ / | / |
だが、やる夫の前にいるのは他でもない羽入だった
怒り、哀しみ、泣き、そして人の中で微笑む彼女を見てしまった
人と共にありたいと願う彼女を知ってしまった
そんな彼女と生きたいと願ってしまった
・・・偶然？
いや、これが運命というものだろう
. - 905 ： ◆HrtGSGllns ： ：2010/08/03(火) 21:22:57 ID:7KZ244lQ
-
＿＿
／..::::::::::::::..＼
／..:::::::::::::::::::::::::.＼ ごめん、羽入と果てまで行ってあげられない
／..::::::::::::::::::::::::::::::::::::.＼
| :::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: | 運が無いおね・・・
＼:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::／
,. -‐'´..:::::::::::::::::::::...｀丶､
ﾉ .:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::....ヽ
,. -───- _
-‐ v' ＼
／ ﾚ ´ ＼
' / ,l ヽ. ＼ヽ.
/, / ,.ｲ│ ヽ｀ｬ Vー ､' l
jﾚイ|! |:l |､ l! | |!::: ∨::::::ﾄji､
／::::::ハ ヽﾉ ＼ ヽ/__/! /l ハ:: ﾚ'::::ヽ,.
,'::::::::::::l ﾄ,.ィ=､´i ＼! /j/､i｀メ / V ＼:::::: |
i :::::::／'ゝ､Vl:::::j j/ 7:::::rﾞi!イ:: ﾘ |::::,.'
こんな力があったって、不老不死だったって l ::::/ i′ ハ!ゞラ ゞ.フ(..) ハ j／
わたしは貴方を救えない！ ゝ| ゝ､ ゝ,ﾊ :::: '__ ::::.,ィ'-,イ :: l |
／ ／￣＞ゝ､. ‘ｰ‐` イ-,|i::::l| ::: | |
欲しいもの何一つ手に入らないっ！！ ／ ／ '´ （ rイi｀￣／´ ＼;.j_:::::| ヽ.
′ ′ / r イ´| :|:| ／ ／ フl|:| ＼
l ′ / ,r ﾚ′| :|:/ ／ ／´ V|: ゞ ＼ ﾞ!
| |::::rー-|/ ／ ／ /, |´:::ヽ ﾄ ﾞ!
ノ| | ::| 三（ ' ｲ / l .＿_j__:::__|::: |ゞ. l
`ーゝ.. ゝ| 三 ヽ | | レ' ´_ rｭ r-t}:::: | | l/
＼ハ '⌒j..＿|＿|＿|::::::ｲｭ ﾚ ´三三〆::::: | j/
/ イ ￣）二二二_ ,.＞|〆 三三三| ::::::ﾚ
/ /| |ゝ-イ三レｲ三| ミ :7:三三三三|／
. ' ｲ三 ゝ／|三|三| lE| ミ:/ 三三i三三|
/三三:「!∨::|,. ｲ三| |ﾖ|三' 三三i|三三l
. - 906 ： ◆HrtGSGllns ： ：2010/08/03(火) 21:23:44 ID:7KZ244lQ
-
やる夫は無言で彼女を抱きしめた、ただただ号泣する彼女を
そして彼女もやる夫を抱き返す
引っ掻くように必死にしがみついてくる
やる夫と彼女の距離を少しでも埋めるように
・・・だがそれは無限の距離
／） ／ )
ﾊ ／ ／ ／
/ ﾉ ／ ／ ／ ______
/ ／ヾ／ ,.'-‐''"´ __,.ノ
/ ´ ／ ／ ,. -‐''"´
/ ／
, ' 〈 _,. -‐ ､
,. ' ｀￣´ _／
／ _,.-‐''"´
/ ／
/ ／
/ __,.- '´
/ /
彼女の頭をなでる
こうしていると彼女は本当に子供のようだった
いや、きっと子供なのだろう
ひとりぼっちで世界を彷徨う迷子なのだ
頼る相手もなく、頼ろうと思ったやる夫にはこうして裏切られた
そんな子供にできることはただ一つ
泣くことだけだ
境遇の理不尽さに涙することだけなのだ
. - 907 ： ◆HrtGSGllns ： ：2010/08/03(火) 21:24:03 ID:7KZ244lQ
- ＿__、
,,, -'''"´ .｀ﾞﾞ''ｰ ､,
_..-'" ｀''-､、
／ ｀''-、
／ ＼
.／ ヽ,
./ ヽ 羽入。胸をはってくれお
./ ヽ
./ ―-..＿___, i 、 ｌ いつものように笑ってくれお
/ ,．.、 ` " ､ ｌ
! ,i ､ ＾ ! ,,ﾉ ヽ,,_ ｌ それだけでやる夫は構わないんだお
.,! .ｌ弋ﾌ､/ - l 、 . 二'ｰ ､、 |
ｌ. ﾞ＞'ﾞ " .''i.二,、 ｀ﾞ'‐ ｀''-､ ! 無限なんかなくたっていい、
_|， / ｌ,弋ア--ヽ/ / 目の前で道が途切れてもいい
. ‐'″ ﾞ‐{ ｀ﾞ''―-‐" /
｀'- -‐| ″ ,／ それだけでやる夫はここにいる羽入を選ぶんだお
｀' !ｰﾐi､_. _./ _／'ｰ､,
｀'-,,｀''二二コ _,,.. -'"゛ .｀''-、
｀''ｰ--､, ___,,,.... -‐"゛ ＼
/ | }､ ﾊ | |
/ ハ :!＼ ｰーミA､∧ |
r‐v | ＼ 斗 ヽ. .' / j/｀ ! / ト..､
/:::::::| ヽ ／＼ ≦ ＼ /／ｲ孑示､| / :!:::::::
{::::::::::| ｀ ー‐ ≦孑k } ／ ん'' ∧! ｲ |::::::
∨:::::::ヽ、 ∨ ん ﾊ }´ 弋 ｲり从v ∧::::
∨::::::::::|｀¨ ー ム弋込 り ｀ ｰ= ○′ / ィ'
でもわたしは・・・一人はもう耐えられません ∨::::::::'. ヽ ゞ ´ ' 。ﾟ ／ / /:::::
∨:::::∧ ﾟ。 r‐ ﾍ ｡ ﾟ ィ ´ / /::::::::.
やる夫がわたしを置いて逝くなんて・・・ ∨:/ ヽ｀ト ､ 。ﾟ ｰ‐′ ／.' / /:::／
そんなこと考えられません ヽ }＼人 ￣}ゝ、 ィ / ／ /／
/ '. ! ＞ ,_ . ´ _トム´
/／｀Y ヽ | / ∧ ／／Y ｀ V⌒ Y ￣￣_
〃 ／ヽ ヾ ／ / /' ／／/⌒ヽ. ヽ. | ／
/ ./⌒Y Y l l ／／ /⌒ヽ ｀ .| ／
八 l | .l l / / {_ﾊ |'
. - 908 ： ◆HrtGSGllns ： ：2010/08/03(火) 21:24:31 ID:7KZ244lQ
-
羽入の体からはくたりと力が抜けていた
きっと手を離せば倒れてしまうに違いない
そのまま彼女は叫び泣いていた
聞いているやる夫が泣きだしてしまいたくなるくらいに
それほどまでに彼女の声はやる夫を叩きのめした
そして彼女の涙は床を濡らし続けた
＿＿
／..::::::::::::::..＼
／..:::::::::::::::::::::::::.＼
／..::::::::::::::::::::::::::::::::::::.＼ ・・・
| :::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: |
＼:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::／
,. -‐'´..:::::::::::::::::::::...｀丶､
ﾉ .:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::....ヽ
やる夫達は二人には何かが少しだけ、ほんの少しだけ足りなかった
もう少し強ければ、他の末路を迎えただろう
もう少し弱ければ、他の結末もあっただろう
何かの理由でも構わない
偶然一つだって構わないのだ
しかしやる夫らには結局足りなかった
. - 909 ： ◆HrtGSGllns ： ：2010/08/03(火) 21:24:45 ID:7KZ244lQ
-
／ | | | | ヽ
/ | }､ ﾊ | |
/ ハ :!＼ ｰーミA､∧ |
r‐v | ＼ 斗 ヽ. .' / j/｀ ! / ト..､
/:::::::| ヽ ／＼ ≦ ＼ /／ｲ孑示､| / :!:::::::＼
{::::::::::| ｀ ー‐ ≦孑k } ／ ん'' ∧! ｲ |::::::::::::::ヽ
∨:::::::ヽ、 ∨ ん ﾊ }´ 弋 ｲり从v ∧::::::::::::::::}
∨::::::::::|｀¨ ー ム弋込 り ｀ ｰ= ○′ / ィ' |:::::::::::::/
∨::::::::'. ヽ ゞ ´ ' 。ﾟ ／ / /:::::::::::.'
∨:::::∧ ﾟ。 r‐ ﾍ ｡ ﾟ ィ ´ / /::::::::.ィ
∨:/ ヽ｀ト ､ 。ﾟ ｰ‐′ ／.' / /:::／ !
ヽ }＼人 ￣}ゝ、 ィ / ／ /／ |
/ '. ! ＞ ,_ . ´ _トム´ |
/／｀Y ヽ | / ∧ ／／Y ｀ V⌒ Y ￣￣_二_ヽ
〃 ／ヽ ヾ ／ / /' ／／/⌒ヽ. ヽ. | ／ ヽ ＼
/ ./⌒Y Y l l ／／ /⌒ヽ ｀ .| ／ '.
八 l | .l l / / {_ﾊ |' |
{ ヽ | .l |/ / | / |
耳元に聞こえてくる彼女の泣き声
その姿は両親と引き離されようとする子供のようにも見えた
そしてそんな姿にやる夫は願わざるを得ない
それが無理だと知りつつも
. - 910 ： ◆HrtGSGllns ： ：2010/08/03(火) 21:25:01 ID:7KZ244lQ
-
＿＿
／..::::::::::::::..＼
／..:::::::::::::::::::::::::.＼
／..::::::::::::::::::::::::::::::::::::.＼ お願いだお羽入、もう泣かないで・・・
| :::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: |
＼:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::／
,. -‐'´..:::::::::::::::::::::...｀丶､
ﾉ .:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::....ヽ
,. -───- _
-‐ v' ＼
／ ﾚ ´ ＼
' / ,l ヽ. ＼ヽ.
/, / ,.ｲ│ ヽ｀ｬ Vー ､' l
jﾚイ|! |:l |､ l! | |!::: ∨::::::ﾄji､
／::::::ハ ヽﾉ ＼ ヽ/__/! /l ハ:: ﾚ'::::ヽ,.
,'::::::::::::l ﾄ,.ィ=､´i ＼! /j/､i｀メ / V ＼:::::: |
i :::::::／'ゝ､Vl:::::j j/ 7:::::rﾞi!イ:: ﾘ |::::,.'
やっ、やる夫・・・そんな、の・・・無理です・・・ l ::::/ i′ ハ!ゞラ ゞ.フ(..) ハ j／
ゝ| ゝ､ ゝ,ﾊ :::: '__ ::::.,ィ'-,イ :: l |
わたしには、もう、どうしていいのか、わかりません・・・ ／ ／￣＞ゝ､. ‘ｰ‐` イ-,|i::::l| ::: | |
／ ／ '´ （ rイi｀￣／´ ＼;.j_:::::| ヽ.
′ ′ / r イ´| :|:| ／ ／ フl|:| ＼
l ′ / ,r ﾚ′| :|:/ ／ ／´ V|: ゞ ＼ ﾞ!
| |::::rー-|/ ／ ／ /, |´:::ヽ ﾄ ﾞ!
ノ| | ::| 三（ ' ｲ / l .＿_j__:::__|::: |ゞ. l
`ーゝ.. ゝ| 三 ヽ | | レ' ´_ rｭ r-t}:::: | | l/
＼ハ '⌒j..＿|＿|＿|::::::ｲｭ ﾚ ´三三〆::::: | j/
/ イ ￣）二二二_ ,.＞|〆 三三三| ::::::ﾚ
/ /| |ゝ-イ三レｲ三| ミ :7:三三三三|／
' ｲ三 ゝ／|三|三| lE| ミ:/ 三三i三三|
/三三:「!∨::|,. ｲ三| |ﾖ|三' 三三i|三三l
. - 911 ： ◆HrtGSGllns ： ：2010/08/03(火) 21:25:28 ID:7KZ244lQ
-
そうやって彼女は泣き続ける
やる夫はどうしてこの子を好きになったのか
彼女はどうしてやる夫を好きになったのか
そんな疑問が頭をよぎる
もしそうでなければこんな思いをしなくても済んだだろうに・・・
＿＿
／..::::::::::::::..＼
／..:::::::::::::::::::::::::.＼
／..::::::::::::::::::::::::::::::::::::.＼ ごめんだお、羽入・・・本当にごめん・・・
| :::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: |
＼:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::／
,. -‐'´..:::::::::::::::::::::...｀丶､
ﾉ .:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::....ヽ
やる夫との出会いは彼女から弱さを引き出してしまった
ずっと一人で生きてきた彼女に、誰かと共に歩みたいと、そう思わせてしまった
そのこと自体は正しかったと思う
彼女が人々のなかで見せた姿は本当に楽しそうだった
学園で街で・・・元気にはしゃぐ彼女の姿は今もはっきりと覚えている
. - 912 ： ◆HrtGSGllns ： ：2010/08/03(火) 21:26:00 ID:7KZ244lQ
-
だからこそ彼女と在るために、
今のやる夫の周りにいる人たちを捨てるのが正しいとは思えなかった
それは本末転倒に思えたし、それを選べるほど強くはなかった
そして同時に気づいたことがある
それは大ちゃんのこと・・・
目前の究極の選択を迫られ、やっとやる夫はそのことに気づくことができた
つまり羽入と共に在るのが間違いならば、
大ちゃんを遠ざけようとしたやる夫もまた間違いなのだ
どんなに辛くとも、やる夫は大ちゃんに全てを伝えるべきだったのだ
人のためにと理由をつけて遠ざける・・・なんと愚かだったのか
. - 913 ： ◆HrtGSGllns ： ：2010/08/03(火) 21:26:25 ID:7KZ244lQ
-
＿＿＿_
／::: ＼
／:::::::::: ＼
／:::::::::: ＼ 何をやっているんだお、やる夫は・・・
|::::::::::::::: |
／⌒::::::::: ⌒ヽ／
；/:::::::::::: ＼；
；/:::::::::::::: ＼ ヽ；
本当にどうしようもない馬鹿だ
結局、目先の出来事に振り回されて一時の独善的な感情に
本質を見失っていたのだ
／ | | | | ヽ
/ | }､ ﾊ | |
/ ハ :!＼ ｰーミA､∧ |
r‐v | ＼ 斗 ヽ. .' / j/｀ ! / ト..､
/:::::::| ヽ ／＼ ≦ ＼ /／ｲ孑示､| / :!:::::::＼
{::::::::::| ｀ ー‐ ≦孑k } ／ ん'' ∧! ｲ |::::::::::::::ヽ
∨:::::::ヽ、 ∨ ん ﾊ }´ 弋 ｲり从v ∧::::::::::::::::}
∨::::::::::|｀¨ ー ム弋込 り ｀ ｰ= ○′ / ィ' |:::::::::::::/
∨::::::::'. ヽ ゞ ´ ' 。ﾟ ／ / /:::::::::::.'
やる、夫？ ∨:::::∧ ﾟ。 r‐ ﾍ ｡ ﾟ ィ ´ / /::::::::.ィ
∨:/ ヽ｀ト ､ 。ﾟ ｰ‐′ ／.' / /:::／ !
ヽ }＼人 ￣}ゝ、 ィ / ／ /／ |
/ '. ! ＞ ,_ . ´ _トム´ |
/／｀Y ヽ | / ∧ ／／Y ｀ V⌒ Y ￣￣_二_ヽ
〃 ／ヽ ヾ ／ / /' ／／/⌒ヽ. ヽ. | ／ ヽ ＼
/ ./⌒Y Y l l ／／ /⌒ヽ ｀ .| ／ '.
八 l | .l l / / {_ﾊ |' |
{ ヽ | .l |/ / | / |
. - 914 ： ◆HrtGSGllns ： ：2010/08/03(火) 21:26:45 ID:7KZ244lQ
-
.. ＿＿＿_
／ ― -＼
. . ／ （●） （●） 思うとおりに生きられない。そう思っていたんだお・・・
／ （__人__） ＼
| ｀ ⌒´ | でも違った、最初の思い方が間違ってたんだお
. ＼ ／
. ノ ＼
／´ ヽ
苦笑する
羽入はそんなやる夫を黙って見上げていた
『思うとおり』に間違いがあれば上手くいくわけがない
やる夫が太陽が西から昇ると思っていても実際は東から昇ってくる
それはやる夫が思っていることが間違いだったから
こうやって生きるんだと思っても、それが間違いなら思ったようにはならない
やる夫は太陽が東から昇ると思う、いや認めるべきだったのだ
どれだけ辛かろうと正直に人に接するべきだったのだ
誰かのために・・・なんて言い訳は入らない
結局、思うとおりに生きられない原因はやる夫自身にあったのだ
. - 915 ： ◆HrtGSGllns ： ：2010/08/03(火) 21:27:34 ID:7KZ244lQ
-
その時だった・・・
／ | | | | ヽ
/ | }､ ﾊ | |
/ ハ :!＼ ｰーミA､∧ |
r‐v | ＼ 斗 ヽ. .' / j/｀ ! / ト..､
/:::::::| ヽ ／＼ ≦ ＼ /／ｲ孑示､| / :!:::::::＼
{::::::::::| ｀ ー‐ ≦孑k } ／ ん'' ∧! ｲ |::::::::::::::ヽ
∨:::::::ヽ、 ∨ ん ﾊ }´ 弋 ｲり从v ∧::::::::::::::::}
∨::::::::::|｀¨ ー ム弋込 り ｀ ｰ= ○′ / ィ' |:::::::::::::/
∨::::::::'. ヽ ゞ ´ ' 。ﾟ ／ / /:::::::::::.'
∨:::::∧ ﾟ。 r‐ ﾍ ｡ ﾟ ィ ´ / /::::::::.ィ
間違いで、構いませんから・・・ ∨:/ ヽ｀ト ､ 。ﾟ ｰ‐′ ／.' / /:::／ !
ヽ }＼人 ￣}ゝ、 ィ / ／ /／ |
/ '. ! ＞ ,_ . ´ _トム´ |
/／｀Y ヽ | / ∧ ／／Y ｀ V⌒ Y ￣￣_二_ヽ
〃 ／ヽ ヾ ／ / /' ／／/⌒ヽ. ヽ. | ／ ヽ ＼
/ ./⌒Y Y l l ／／ /⌒ヽ ｀ .| ／ '.
八 l | .l l / / {_ﾊ |' |
不意に羽入が言葉を紡ぐ
,. -───- _
-‐ v' ＼
／ ﾚ ´ ＼
' / ,l ヽ. ＼ヽ.
/, / ,.ｲ│ ヽ｀ｬ Vー ､' l
jﾚイ|! |:l |､ l! | |!::: ∨::::::ﾄji､
／::::::ハ ヽﾉ ＼ ヽ/__/! /l ハ:: ﾚ'::::ヽ,.
,'::::::::::::l ﾄ,.ィ=､´i ＼! /j/､i｀メ / V ＼:::::: |
i :::::::／'ゝ､Vl:::::j j/ 7:::::rﾞi!イ:: ﾘ |::::,.' 間違いで構いませんから
l ::::/ i′ ハ!ゞラ ゞ.フ(..) ハ j／
ゝ| ゝ､ ゝ,ﾊ :::: '__ ::::.,ィ'-,イ :: l | 今だけ、今だけは、美貌に引っかかってはもらえませんか？
／ ／￣＞ゝ､. ‘ｰ‐` イ-,|i::::l| ::: | |
／ ／ '´ （ rイi｀￣／´ ＼;.j_:::::| ヽ.
′ ′ / r イ´| :|:| ／ ／ フl|:| ＼
l ′ / ,r ﾚ′| :|:/ ／ ／´ V|: ゞ ＼ ﾞ!
| |::::rー-|/ ／ ／ /, |´:::ヽ ﾄ ﾞ!
ノ| | ::| 三（ ' ｲ / l .＿_j__:::__|::: |ゞ. l
`ーゝ.. ゝ| 三 ヽ | | レ' ´_ rｭ r-t}:::: | | l/
＼ハ '⌒j..＿|＿|＿|::::::ｲｭ ﾚ ´三三〆::::: | j/
/ イ ￣）二二二_ ,.＞|〆 三三三| ::::::ﾚ
/ /| |ゝ-イ三レｲ三| ミ :7:三三三三|／
彼女はそういうと目を閉じた
瞳にたまった涙が溢れ、同時にほんの少しあごが上がる
. - 916 ： ◆HrtGSGllns ： ：2010/08/03(火) 21:27:50 ID:7KZ244lQ
-
だから・・・
.. ＿＿＿_
／ ― -＼
. . ／ （●） （●） 正直、随分と前から引っかかってた気がするお
／ （__人__） ＼
| ｀ ⌒´ | ・・・たぶん、羽入がやる夫の横を自然と歩くようになった頃から
. ＼ ／
. ノ ＼
／´ ヽ
やる夫はもう迷わなかった
. - 917 ： ◆HrtGSGllns ： ：2010/08/03(火) 21:28:02 ID:7KZ244lQ
-
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
:::::::::::::/::::::::::::/::::::::/ :.:.:.:.:.:.::::::::::::::.:.:.:.:.:. ヽく
::::::::::/::::::::::::/::::::::/ /'′::::ヽ、
:::::::/::::::::::::/::::::::/ ノ｀
::::/::::::::::::;:'::::::::;' ＜ ￣ ｀ヽ （
:::::::::::::::;:':::::::::;' ｀ ､_ ﾉ ﾉヽ、 ん・・・
::::::::::::/:{:::::::::{ ､_ ／:::::::｝､>
:::::::::/::::i:::::::::i ヽ ` ／:::::::::::〈
:::::::::::::::::';::::::::'; ＼ イ |:::::::::::::l ｀
:::::::::::::::::::';::::::::'; ＼ ＜:::/ ハ:::::::::l l
:::::::::::::::::::::';:::ﾄ;::'.、 ヽ .イi::|::::::/ /ｲ:::::::::::l l
::::::::::::::::::::::ヾj ヾ;:'; ／::＞.---.＜:::::::| |:::/ / |::::::::::::! ヽ、_＿＿___ ,,
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
それはとても拙いキス
まるで子供のような・・・けれどもやる夫と羽入、二人がはじめてちゃんと交わしたキス・・・
. - 918 ： ◆HrtGSGllns ： ：2010/08/03(火) 21:28:14 ID:7KZ244lQ
-
,. -‐ ¨￣￣￣｀ ｰ- 、
. ／＿ ＼
／´ ／ ＼ ＼ ｀ヽ,
/ ／ ／ ./ ／ | ヽ 'v-､ '.
ｆ 〃 { ｜〃 j | | ｉ ﾍ:.:.ヽ|
| .// ﾑ---l､| / ,| | | !.:.:.:ﾊ
|/.:{ ´{ ー-ヽ| / /／ナｲ､ / |:.:.:.:.:|
|:.:l＼ 廴 ＿_∨ｲ´ |/}Ｘ j:.:.:.:.:j
∨＼ 下、´￣｀ ＝=､ } /:.:.:.:/
ふふ、やる夫 . ヾミ≧ ' ＿,／ /:.:.:.:/
ﾊ ＼ ｀￣ _≧- ／ｲ/:.:,.イ
/ ＼ド＞ . ＿ ..＞イ |イ／ |
. ｆ 〃 ／| __,／ ∨ｲ|｜ |
ﾙ┬一 Ｔ´ ＞＜´ ／￣ ＞ ､｜
/ :| ／.:.;小:.:.:＼ / ／ ヽ
. / | ＼/:.:|:ﾊ:.／/ / }＼
＿＿＿＿
/ ⌒ ⌒ ＼
./( ―） （ ●） ＼
/::⌒（_人＿）⌒::::: | なんだお？ 羽入
| ー .|
＼ ／
. - 919 ： ◆HrtGSGllns ： ：2010/08/03(火) 21:28:28 ID:7KZ244lQ
-
. / : :! . i: : : ::::i: :.:i: : : : : : : : :i: : :.!: : :.!: : : : :.i: . : :.!;;;;;;;;
/! : |. : : :!: : : ::::!: :.i: : : : :/: : :.:!: :./:: : :j::. : : : :i: : : . . ｉ;;;;;;;;
,';;! i : !: : : :!: : : ::::i: : !: : :.:,' : : :.:.|: /::. : /!:::. : : : !:. : : : : :i;;;;;;;;
i;;;! i : :.: : : :ヽ:. : :::ﾄ.::ﾄ.: :.:i: : : : :.i/ ｊ.j: / ｉ::j:: : :./:::. : : : : :!;;;;;;;
|;;;! | : :＼:. : : !>' ＜⌒､: j: : :./:/ //⌒＞ ﾉ: ノ:::: : : : : : :!;;;;;;;
|;;;i ｊ :i: : : ヽ::.:.ヽｘ,==ｒミ＼ .::ﾙ' ｒ==ｒミ/／|.:::/:::.:. : :./;;;;;;;;;
. !;;;ヽ ハ: : : :::ヽ.,.ｲゝｲil::| ヾ! |ゝｲil:::| ﾚﾉ.:/::::.: : :./:!;;;;;;;;;;
;;;;;;;;;>、ヽ:.:.:.:.:.＼ゞﾟｰ''ﾉ ゞﾟｰ'':ｿ /／:::. : :／!.:|;;;;;;;;;;
もう一度・・・お願いします ヾ;;;ｊ ＼ :｀￢‐- ￣｀ , ´￣ ／::. : :／: .ｲ ﾉ;;;;;／
ヾ! ヽ:: : :＼ '' '' ｒ―‐ ､ '' '''／:: ::...ィ::::／iイ;;;／::::::
//.:i.:::::::..､ ヽ..___ﾉ ´￣了:::: /::::::|::!´::::::::::::
. ｉ iﾊ:|.:.:::::::/:＞.... . ..イ !::: : /､::::::|::i:::::::::::::::
. ｉ ｉ: ﾊ :.::::i:::::::i::i::::＞--ｒ |ｲ::/: : ＼j:::!::::::::::::::
. ｉ ｉ: : :〉:::::!‐ｧ': : /: : : : ヽ ノｉﾘ/: : : : /`ｰ‐-... __
. ｉ ｉ: :/ ヽ|/: : : :! : : : : : : Ｖ´ : : : : : : : : /:::::::. : : : :ﾉ
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／_ノ ヽ＼
／ （ ●） （●）、
／::::::::⌒（__人__）⌒＼
| |r┬-| | ご随意にだお、お姫様
＼ `ー'´ ／
⊂⌒ヽ 〉 ＜´/⌒つ
＼ ヽ / ヽ /
＼_,,ノ |､＿ノ
. - 920 ： ◆HrtGSGllns ： ：2010/08/03(火) 21:28:39 ID:7KZ244lQ
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:::::::::::::::;:':::::::::;' ｀ ､_ ﾉ ﾉヽ、 ん・・・
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・・・もう一度 . !;;;ヽ ハ: : : :::ヽ.,.ｲゝｲil::| ヾ! |ゝｲil:::| ﾚﾉ.:/::::.: : :./:!;;;;;;;;;;
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. ｉ ｉ: ﾊ :.::::i:::::::i::i::::＞--ｒ |ｲ::/: : ＼j:::!::::::::::::::
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. ｉ ｉ: :/ ヽ|/: : : :! : : : : : : Ｖ´ : : : : : : : : /:::::::. : : : :ﾉ
. - 921 ： ◆HrtGSGllns ： ：2010/08/03(火) 21:28:52 ID:7KZ244lQ
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／_ノ ヽ＼
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| |r┬-| | わかってるお・・・
＼ `ー'´ ／
⊂⌒ヽ 〉 ＜´/⌒つ
＼ ヽ / ヽ /
＼_,,ノ |､＿ノ
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::::::::::::::::::::::ヾj ヾ;:'; ／::＞.---.＜:::::::| |:::/ / |::::::::::::! ヽ、_＿＿___ ,,
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. - 922 ： ◆HrtGSGllns ： ：2010/08/03(火) 21:29:12 ID:7KZ244lQ
-
,. -‐ ¨￣￣￣｀ ｰ- 、
. ／＿ ＼
／´ ／ ＼ ＼ ｀ヽ,
/ ／ ／ ./ ／ | ヽ 'v-､ '.
ｆ 〃 { ｜〃 j | | ｉ ﾍ:.:.ヽ|
| .// ﾑ---l､| / ,| | | !.:.:.:ﾊ
|/.:{ ´{ ー-ヽ| / /／ナｲ､ / |:.:.:.:.:|
ふふ、やる夫・・・ |:.:l＼ 廴 ＿_∨ｲ´ |/}Ｘ j:.:.:.:.:j
∨＼ 下、´￣｀ ＝=､ } /:.:.:.:/
. ヾミ≧ ' ＿,／ /:.:.:.:/
ﾊ ＼ ｀￣ _≧- ／ｲ/:.:,.イ
/ ＼ド＞ . ＿ ..＞イ |イ／ |
. ｆ 〃 ／| __,／ ∨ｲ|｜ |
ﾙ┬一 Ｔ´ ＞＜´ ／￣ ＞ ､｜
/ :| ／.:.;小:.:.:＼ / ／ ヽ
. / | ＼/:.:|:ﾊ:.／/ / }＼
＿＿＿＿
/ ⌒ ⌒ ＼
./( ―） （ ●） ＼
/::⌒（_人＿）⌒::::: | なんだお？ 羽入
| ー .|
＼ ／
. - 923 ： ◆HrtGSGllns ： ：2010/08/03(火) 21:29:33 ID:7KZ244lQ
- ,. -― - ､
＿,.／ ＞x
／ _＼
／ ヽ ＼::｀..ヽ
/⌒, ＼ ＼ ＼:::::::＼
／:::::/ { ヽ ＼ ヽ. ＼:::::::ヽ
/::::::::::| ∧ ∨ ハ } ヽ:::::ハ
. ,':::::::::::∧ ヽ ヽ l ﾊ | | Y:::::::}
l:::::::::::/ ヽ ＼ ＼ l斗f‐十.| lハ .ﾄ、:::l
{:::::::::{ ハ _＼x ― ＼ ハ/ 」l从 ;ｲ .! | }:::::|
l:::::::/{ ヽ ＿ _≧二｀ ｀ j/ rfう丁メ、 | ! / l:::::.}
l:::::::| l l ｧ孑'ハ {:{ ;り ∨ ./ ∧ }／
ヽ::::ト、. ∨ ! V j | 辷 タ 〃/ / | 貴方がどう思っていようと・・・
. ＼ ＼ ＼ 弋 タ′ _ィ_ ／ ィ |
|ミ､_ ≧ ' ≦ ィ ! | それでもわたしは貴方を愛しています
| 丁< ｀ ｰ ‐ ’ ｲ | | |
| | |＞ ．_ ／L! ! | |
| | | _｣｀ ¨ ´ / ハ.! | |
| | | ／ |│ / / ＼ ! |
j |_,.rf ' |│ ./ / /￣￣＼
/ ／ .l ! | / / / ヽ
. / ／ | ! !／／ / 」
/ 〈 / .| .ヽ／ / ／ l
/ / ヽ / | ／ ／ ／ .}
そんな・・・愛を彼女はささやいた
＿＿＿＿＿_
／ ＼
／ ＼
／ ⌒ ⌒ ＼
／ ／ ｀ヽ /´ ｀ヽ ＼
／ （ ● l ｌ ● ） ＼
| ヽ_ _ノ ヽ_ _／ |
きっと、やる夫も同じだお | ´￣｀ （ i ） ´￣｀ |
＼ ー― ＾ ー― ／
＼ ー一 ／
／ ＼
/ ヽ
| |
| ｉ ｉ |
| | | |
. - 924 ： ◆HrtGSGllns ： ：2010/08/03(火) 21:29:48 ID:7KZ244lQ
-
彼女は楽しそうだった
やる夫も楽しそうだった
そうやってやる夫と羽入は飽きることなく互いを求め続けた
もう一度・・・
もう一度・・・・・・
もう一度・・・・・・・・・
. - 925 ： ◆HrtGSGllns ： ：2010/08/03(火) 21:29:58 ID:7KZ244lQ
- ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
・
・
・
・
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ - 926 ： 名無しのやる夫だお ： ：2010/08/03(火) 21:30:15 ID:ighfDElU
- 思い出せるか…
- 927 ： ◆HrtGSGllns ： ：2010/08/03(火) 21:30:18 ID:7KZ244lQ
-
._ ._
| |======================| |
| | ／￣￣￣＼ .| |
| | ／ ― ―＼ |
| |＿＿＿／ （ ー） （●） ＼ ん・・・
| |＼ （ | （__人__） |
| | ＼ヽ＼＿＿ ｀ー ´＿＿／ ＼
| |＼ ＼（￣ ⌒⌒⌒⌒￣⌒ ⌒ ⌒ヽ
|_| ＼ ヽ ＼
＼ ＼ ＼
＼ ＼ ＼
夜中ふと目が覚めた
ぼんやりと天井を見つめながら思う
これで良かったんだと
・・・けれどもちょっと泣けてきた
自分を捨てられないやる夫自身に
これだけやる夫を想ってくれている羽入に
残り少ない時間に・・・
. - 928 ： ◆HrtGSGllns ： ：2010/08/03(火) 21:30:57 ID:7KZ244lQ
-
＿＿
__ - ´´￣ ｀¨ ‐ ､
, -'"´: 丿 ヽ
／. : : : : ＿／ 、 丶
,,.'. : : : : / /::::::ヽ ｌ ヽ、
/. : : : : : { {:::::::::ﾉ ! ヽ
/. : : : : : 丶 ｀ ´ ノ ヽ
/. : : : : : ｀ー‐ ´ / ヽ
./. : : : : : !、 人ノ ・・・はぁ
/. : : : : : Ｕ ｀i｀ ﾆ二-- i
/. : : : : : ｀´ l
,'. : : : : : : /
i : : : : : : : /
i : : : : : : : /
', : : : : : : : ／
', : : : : : : : ／
ヽ、: : : : : : . ／
ヽ､:_: : : : . ／
｀¨i : : : : : ヽ
どうすればいいのかわからない
やる夫にはこうするほか無かったのだ
遥 やる夫はこういう男だ
そうやって生きてきた
今さらそれを変えられはしない
・・・思うように生きられる者等いない
それはいつか、彼女が言った言葉だった
. - 929 ： 名無しのやる夫だお ： ：2010/08/03(火) 21:31:22 ID:.fYBdq5w
- あぁ・・・
- 930 ： ◆HrtGSGllns ： ：2010/08/03(火) 21:32:12 ID:7KZ244lQ
-
＿＿＿＿
／ ＼
─ ─ ＼
（●） （ ●） ＼ ・・・ん？
| （_人__） |
＼｀ ⌒´ ／
/ ー‐ ヽ
/ ｀
そこで気づく、羽入の姿がない
・・・急激に不安が広がる
何かがやる夫を急き立てる
走れ走れとやる夫を呼んでいるような気がした
そんな不安を抱きながら、やる夫は
. - 931 ： ◆HrtGSGllns ： ：2010/08/03(火) 21:32:42 ID:7KZ244lQ
-
やる夫は・・・
. - 933 ： ◆HrtGSGllns ： ：2010/08/03(火) 21:33:00 ID:7KZ244lQ
-
＿＿＿_
―― [] ] ／ 三＼
| ｌ￣ | | . 三 ＼ 三／
|_| 匚. | 三 . （ ○） （○）'
| | 三 u （__人__） | ・・・羽入！
|_| 三 . ｀ ⌒´ ／
[] [] ,- r⌒ヽ ｒヽ， }
／／ 三 i／ | ノヽ
匚／ 三 三 / )≡
三 三 ／ ／≡
ﾆ三 .／ ／
二≡､__.／ ／､⌒)
三 ＼ ￣
三 /＼ ＼
三 /ﾆ ヽ 三 三
三 / ﾆ_二＿＿／
三 .／ .
≡ ／ |
≡ ／
三_ノ
彼女を捜しに病室を飛び出した
. - 934 ： ◆HrtGSGllns ： ：2010/08/03(火) 21:33:12 ID:7KZ244lQ
- ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
・
・
・
・
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ - 935 ： ◆HrtGSGllns ： ：2010/08/03(火) 21:33:31 ID:7KZ244lQ
-
ヘ从彡ミﾐミミゝv彡 彡元ー- ;,,
l。;;;;;;;;;;; く> ／ﾉ丿ﾙﾙﾙﾙﾙﾊﾙﾊ
く二三ー三ﾐミ三くノ (ﾙﾙﾚﾙﾚﾙﾙﾚﾊ
ﾊll~^~^~^^《ミミﾐﾐｲﾀﾞｵ^"" ７ﾙ-く
彡ｶﾞﾄイーかミ巛ミﾐ从}h_, ≠ｧ Vゝ｝
彡从hか λﾐミ《从ﾐ ! i, ﾙ"i それで本気なのか？ 吸血鬼
彡ﾄﾞﾌﾞL（,,_,,_,,从ミ从从ﾄﾞl ヽ ﾉ |
彡从从彳ミ三ブﾉﾉ巛ミミﾐ从 ヽt-イ |
彡彡≡≡ミ土彡ヾミミミミミミ从tト、v,,-ﾄ-'"7ヽ-,_
巛ﾐ-'""ﾄﾞ-'ミミミミミミミミミ从:::::::::::::::::::::::/ トー ,＿
};;;;;;;;;;;;,-ぅ ﾐミミミミミ从::::::::::::,r----/ / ヽ
<_)_,-"ソド⌒）ミミミ从::::::ヽ、:/:::::::::::/ l |
ド二ノ, - '⌒ヽ从:::::::::::::::∨:::::::::::/ / / / ヽ
, - ' " / ヽ ヽ ヽ )ﾄﾞ:;ヾ:::::::::::/::::::::／ l l l |
／ 丿 へ ヽヽ-';;;;;;;|;:;ヾ___;:|;:;:;:;:ハ,_ _ l l l |
/,.,.,.,.,.;:;:;:;く |:;:;:ト-'"";;;;;;;;;;;'|;:;:;:;:;/__:;:/ "'二ヽ-ｲ l l |
|;:;:;:;:;:;:;:;:;:;ト-ｲ:;:;|彡彡彡ドェ|,____人,,,,..| > l l l |
ヾ_;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;:レ"彡彡三三|;:;:;:;:;:|;:;:;:;:;:| / l l l |
￣""''--r彡彡彡ミミミミト-,-,-,-,-| / l l l ＿,-'
く ,-｡,ミﾐﾐﾐﾐﾐドl_l_l__l__l_l_l/ /＿_,-,＿_|__,- ' ￣ |
ノ ﾐﾄ-'巛ﾐﾐﾐミミｶﾞl_l l l l | / /| |
,- ' 彡"ュhuﾐミミミν" "" | / ／ | |
'--ｪｪhuド-" ドﾐh-ﾌ_ _ _ | / / | |
/ ｶﾞｿ从 l l l l | / "l | |
l ュh彡从_l__l l l l l / | | |
l ド-'"-'";::;:;:H;;;H;;H;;;Hl | | |
l '- '"l:::;:;:;;;;::::::;;;;;;;;;;;;;;;;;;l | | |
黒いコートを来た男がいた
場所は屋上、月明かりを浴びた男と対峙するわたし・・・
わたしはその男を前に舌打ちするばかりだった
. - 936 ： 名無しのやる夫だお ： ：2010/08/03(火) 21:33:34 ID:ighfDElU
- そっちか…ハンカチ用意
- 937 ： ◆HrtGSGllns ： ：2010/08/03(火) 21:33:49 ID:7KZ244lQ
-
／:::::::::::/ / l ヽ ! l. ﾊ ﾊ:::::::::::::ヽ.
/:::::::::::::::,' { l ! ', .l ! i i::::::::::::::::ﾊ
,':::::::::::::::::i ヽ、 ', ! i l,' ﾊ l. l l:::::::::::::::::::',
,':::::::::::::::::::l i ＼ ﾍ` 、ヽ. l. l /! / Ⅵ＿ ./ !:::::::::::::::::::l
!::::::::::::::::::/＼ ﾍ￣ ＞ミ ､ヽ.iヽ､li //z≠≦､! /ｉ ,'ヽ::::::::::::::::l
l:::::::::::::::∧ ｀丶､ﾍ/ l: : :*: :iヾトｨ}l /´イ : *: : }!ｲ/ / .l ',::::::::::::,' くっ・・・
. ',::::::::::::{ ', .ﾍ` `ｰ-- ' }／ ､_ `ｰ-- ' / / / !::::::::/
＼:::::::', ヽヽ. ＼ ￣￣ "´ ´ ｀ ￣￣イ ／ ,ｲ ,'::::::/
. ＼:.:', iヽ`i ､ `ｰミ.=- i ∠... - '' ／ ! ,'::／
ヾ､ ,' ﾍヽヽ￣ iヽ､ ‐-‐ ／ 〃 ／､ l ' ´
/〈´:.i､ ヾ､ l l` ‐ - ... __ ... ｨ ´:.／ム-'' ./ ハ l
／ ',:.:ヽヽ l l l:.:.:.:.l ／:.:.:／ , ' ヽ.ヽ、
／ 〉:.:.:.ヾ l ', ヽ:.:.ﾍ ／:.:.:／ ／ ＼＼
. ／ .ﾊ:.:.:.:.:.:｀! ', ヽ/:.:.:／ ／ / _ .. ヽ,ヽ､
. ／ i:.:.:.:.:.:.`ｰ!. ヽ ｀／ ／ 〃 , - '' ´ i ｀i `ー
状況は一言で劣勢
わたしは怪我をしているわけではない
しかし体は重く上手くコントロールできない
ほんの少しだけ歯車に砂が噛んだように、身体が軋む
・・・恐らく数日前に取り込んでしまったやる夫の薬
その薬の副作用による影響が未だに続いているのだろう
. - 938 ： ◆HrtGSGllns ： ：2010/08/03(火) 21:34:12 ID:7KZ244lQ
-
他にも問題はあった
エネルギーの絶対量が不足している
わたしは吸血鬼だ、故にそのエネルギー源は血液だ
しかし、この何日かの間、それを全く口にしていない
人間の食事をいくら口にしたとしても、現状維持がせいぜいなのだ
不足したエネルギーの回復という意味では全く役にはたたないのだ
／ ／ ヽ:::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
イ l ＼:::::::::::::::::::::::::::∧
／ l | ＼:::::::::::::::::::::::::∧
, イ i ﾄ . ＼ ヽ Vゝ.:::::::::::::::::::::l
/ | | z==＼==-＼- | | ヽ::::::::::::::: |
. / : | | ! _ ゝ.==_=z | | /:::::::::::::: l
/ : :::| | | | !/ 彳 ,' :::::ヽ＼ | i/::::::::::::::: ｲ
| :::::::| '. ＼ ＼V' |::::::::::ﾊ ＼リ r '":::::::::: イ´ |
| :::::::l ! メ´ ＼ l`' --ゝ |ﾍ _ ﾉ l i ＼ `ー┬ ´ │ !
| ::::::ハ i l l!`z=.ゝ､ ＼ ゝ-－ ' ,' .' │ ,' | （やる夫・・・）
| ::::::::::∧ ＼ ＼ l:::_ハ ` ─‐ ゝ / ／, / ／ │
V ::::::::::∧ ゝ ＿ _ゝ__少 -=' イ / ,. ' イ ＼
V:::::::::::::::ゝ _ 二=- ｀ /∠...イ ゝ ＼
ゝ._:::::::::::＼ ゝ=-_＿＿ r _っ . ' | ! ! │ ＼ ＼
￣￣ゝ＼ ゝ ＿＿ ノ ／ _ __从＿__ | ゝ. ＼ ＼
V ゞ- ≧__ ゝ---/⌒ヽ´ ／,. -- ── -ゝ ＼ ＼ ＼
) ゝ￣ j＿ ＼/ _＿_（＿___ ヾ ゝ－ゝ
/ ＿ ,.イ´＿ | ´ ,.. -─- ､ ｀ヽ ヽ. ゝ-ゝ
／ , イ´ ,.- !´ ＿. |／ ／ ヽ Y ＼ |
／ / / / ､ Y´_ | / | }:: ゝ │
／イ / ' ／ ー─し'! l_＿_| .' / /::::Y i
／/ . | ! ー‐ v' 人 ／::_:_:_::V / / ::::: ! i
,' ＿_/ i! ! `ー v / ゝ'::::r::::_::_:_i:L--- ､ / / :::::::: ! ,'
/ /:::::::::¨≧V│ ｰ ノ/ ／:::::::::V:::::::::::::::ヽ:::::::::＼j／ :::::::: ノ ｲ
. - 939 ： ◆HrtGSGllns ： ：2010/08/03(火) 21:34:33 ID:7KZ244lQ
-
／{ ィ＾ ー‐‐‐ ァ
⌒＞｀Y ＜__
／ . . :.:.:.:.:.:.:.: : : : : : . . . ｀ ＜
／. . : : :./.:.:.:: : :!:. : :.:. : : . . . . ｀丶、
/／/／//.:::／.::::l.::ミメ、: :.:}.:::::::｀ヽ : : :く⌒
ノl. . .:.:.:::::/／/／:::厂｀丶｀ヽハ::::::::::::l::::ヽハ
ﾉ. .:.:::::::::::::::::::::::::,:｣｀ヽ ＼ ｀ヽハl::::l:l:::::ﾄ､
イ. .:.:::::ｊ｀ヽ:::::::::／ ノ ｀≧:ｘ、＼ 八从ﾊｊ
|. .:.:::/ ＾ヽ }:::/ ⌒ヽ {｢ ｏ｀ヾ:.､ ＼l / やれやれ、近くに食料があるというのに
|: : :.:| こ（ 〉' { } ゝ==- }::ﾊ ﾉ ﾉ { 何故口にしなかった
jｨ. :/{ ヽ } }:::::.､）人ノノ 厂 ⌒ﾞﾞ ､___,,｣
/}:/ ＼ゝ' // / /:::::... ノ⌒ Y ｒ''"´ 吸血鬼ともあろう存在がそれを拒むなど
／ / / /ゝ / 二ﾆ=彡 ヽ. ｜| 笑い話にもならん
／{｢三三三三/{// ／ / 八.:::/ 〃´ _ |｜
///,||:::::::::::::::::::///／{ ／{ / ヽ / ／ ￣ ｀ヽ､ｒ‐―┘ それも・・・
,////,∧::::::::::::://从{〃{ // / } ｀ く ／／ ｀ヽ｢
//////,∧::::イ////ハ//V/ / / / ＼< / /´
////////∧///////ハ//从〈 ノ / / /ヽ.＿＿ｊ
/////////∧/////人ハ//ハ/{/{/{/ /////∧:::ヽ
//////////∧////イ{/∧//∧{/{/{/イ｀ヽ;'///∧::::::.、
| | | | ＼ | | |＼| 川 | ＼ ＼＼ ＼ | |
| | | |＼ ＼|彡三三ﾐヾ. ＼川.|＼ ＼ !i ＼ !i | |
| | | | |＼ 巛 / ミヾ＼.| |. i | | !i | / |
| | | | | ﾚ| | (_) ﾐﾐ..＼ | | | | | / / ∧
＼＼＼＼ | i }川| ヾ | | | | / ｲ / | :|
i i i 廴 ＼ ＼＿＿/ ／ | !i !i i /／ .| / / !
＼＼＼ 廴 ￣￣￣ヽ／ ／／ ／／､-===､_ / ！ 黙りなさい！
i ＼＼ ＼ : : : : : : : : : : : 彡＿彡 彡===ﾐﾐ､≠｀ ／ /
､|＼＿＿ ≧ : : : : : : / / (_) ミ＿＿／ 〃
＼＼ ＼三≧ ゝ.{i ／/彡 ／
＼＼ ＿＿＿＿＿ ´ ＼ニ´_／彡 ／ /
￣T--≧ ／ ＼ ￣＼＼ ≦三＿＿＿彡／ 〃
／ | { ＼ ＼| / ／ ／
!i ＼ ＼ ／ /彡彡 ／
＼ ＼ .|／ ≦￣￣ ／ ／
.＼ ＼_＿／ ＿＞ニニニニーー≠
｀ヽ、 : : : : ＿,,､T￣ |
入＿＿_,,,-ｰ''' | ／
. - 940 ： ◆HrtGSGllns ： ：2010/08/03(火) 21:34:47 ID:7KZ244lQ
-
_,,,､-‐''"´ ＼
,r` `;､
ﾉｨ /／ｖｗ' ／レ ｖ ヾ
/ ／ﾚｖ'´! V＼|` |
ﾚ'! /ﾚ^′ /（└-ｯ、 _, 、 i
V , ´⌒ ミ､ !´ｒ' ､＼ i
i / ,ｒ‐′ /,r ﾐ ﾉ〔´ ） ） |` あの串刺し王の娘の貴様がな・・・
ﾉ ,r,ｨ=1′ ` ） （ j′ ﾉ!
ヽ`' ｲ_㍗ /" '､ ノ / /′ なぁハィ＝リューン・イェアソムール・ジェダ
ｿ,` ゛´ ､,／ヾ､, /
_ // ＼ | `'i′
, -'´ `''ー- ､_ ＼` /_, -‐'"`'''┴､、
_, -'" ￣￣`ｰ＜"´ `''i
,r'´ 、 `ヽ、 i
l ヽ、 `ヽ、_ i
! i′ `､ `ヾｰ-､_ `;
,l i `! `､ `''ｰ,┴-､_
;l i ! ` ! ￣`';、
i! ! ! ! i
i! / ! ﾉ !
i! / ! i i,
i|'/ ! i !
l|' ! i i
／ :/ :;i : : : : : : : :::;/: : : : : ;ヽ :::ヽ : : : ::::＼ : : : : :::ヽ :::::＼
/ ::/ : :i : : : ::i : :;/ : : : : : ::;i :::::} : :: : : :::::ヽ : : : :::::i : : : ::::ヽ
/ : : :;f : :i : : : ::;i : :;{ : : : : : : : :;;i ﾘ::》 : : : : : :: | : : : ::::::i : : : : : :;i
f : : : :i : : {, : : : :;|.. : :;{ : : : : : : ::::;;|:::,ｲ |＼: : : : : :! : : : ::::::| : : : : : ::;i
{ : : : ::;{ : : ::ﾄ､: : : : :;| :: : :.＼ : : : : : ::::;ﾚ'ﾚﾘ ヽ : : : | : : : :::::::| : : : : : ::::;}
| : : : :::::;ゝ : : ヽ ＼ -弌=zｪ､,,,.＼: : i : ::::/ ,,,､ｪzz==ｻ: : / : : : ::::::| : : : : : ::::::;|
| : : : :::::;/: :＼ : : ＼ _,ｪz-ｰ-､.＼＼:: !i:::/ ／_,,,-ｰ-zｪ,_イ : : : :::::::::ﾄ､: : : : : ::::::;| 黙れぇぇえええええええええ！！
{ : : : ::;/| : : : :｀ヽ､ﾐ 〃ﾍ:::::(_)::下､ ﾘ }/ iﾍ:::::(_):.::/ミ､ | : : : : :::/ /| : : : : ::::|
| : : ::;i: :|: : : : : :::＞ヽ ヾ､::夕 / 〃 ヽヾ:_:_夕／ / : : : :／ / | : : : ::::!
ヽ ::::::{: :ﾄ､ : : : ::::＼｀'''¨¨￣ ￣¨'''' ∠ _,,／: :,イ .} : : :::/
＼::;;}: : : ＼ : : :ヽ､≧ .:i ≦-イ: : : :／ | ./ :::／
｀ / .＼ i｀¨ヽ_≧ cｪｪｮ _,／/ / : ／i : : : | {／
/| . ヾ ｀i¨ー､,,_ := _,,,-ｰ´.／ /／i :＼ i
/: :{ i: i:: i i:: ¨'''ｰ'''／ ／ 〃/ :＼i
／ : : :}: ＼|:: i i:: ／ ／ : ::/ ::＼
／: : : : :/::::. |:: i i::.／ ／ : : ::/ _,,, ＞､
／: : : : : :| :::: i:: ヽ／ ／ : : :::／ ／ _,,,-ｰ''¨: :::| /
. - 941 ： ◆HrtGSGllns ： ：2010/08/03(火) 21:35:14 ID:7KZ244lQ
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/ ,/ - 942 ： ◆HrtGSGllns ： ：2010/08/03(火) 21:35:25 ID:7KZ244lQ
- :,: :(::)
/⌒''⌒) :,,゜ ' ,,,,,,,
(:::::::::::::::!' (::::::)
ヽ::::::::';''' ''`` 。
τ'::/ .;:
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。 ' 、 ;: 。
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f''`⌒( ,,,, !:(',,,,、 ::,,,,,、...
,!,,,、( /::τ ノ:::::::::::::::::) 。 !::::::::::`! 、
:.、 !:::( ﾉ::`! o (::::::::::::::::::τ (:::,,;,;,、; 。
゜ (/ ⌒・ . ・、;::::::::::::;;.;`` ''
,,、.. ／/ ノ' /／'''`'`'` ` ..,,.. _,,,.、 ・ ,, ...:・..
π /;::::::::(,.,.(;;;::::( ,,., ・っ ;,;;( ):::::;. c::── '`'''::::::::::;''
):::::::::::::::::::::::::::/ '''''` ` '` ⌒ ` !.:::τ'' ``
τ !::::::::::::::::::::::::::::)／,,,,, γ :'`'``:!
(::::::::::::::::::::::::::::冫 `'`' 、,:'::::::`:::,,,, !:::::ノ ・
::：':'::::::::::::::::::::::::::::;(,,,,,,,、:::::::-ｰ''''`'`''''''''" - 943 ： ◆HrtGSGllns ： ：2010/08/03(火) 21:35:44 ID:7KZ244lQ
-
ヘ从彡ミﾐミミゝv彡 彡元ー- ;,,
l。;;;;;;;;;;; く> ／ﾉ丿ﾙﾙﾙﾙﾙﾊﾙﾊ
く二三ー三ﾐミ三くノ (ﾙﾙﾚﾙﾚﾙﾙﾚﾊ
ﾊll~^~^~^^《ミミﾐﾐｲﾀﾞｵ^"" ７ﾙ-く
彡ｶﾞﾄイーかミ巛ミﾐ从}h_, ≠ｧ Vゝ｝
彡从hか λﾐミ《从ﾐ ! i, ﾙ"i
彡ﾄﾞﾌﾞL（,,_,,_,,从ミ从从ﾄﾞl ヽ ﾉ | やれやれ、先達として少しは意地を見せて欲しいのだがな
彡从从彳ミ三ブﾉﾉ巛ミミﾐ从 ヽt-イ |
彡彡≡≡ミ土彡ヾミミミミミミ从tト、v,,-ﾄ-'"7ヽ-,_
巛ﾐ-'""ﾄﾞ-'ミミミミミミミミミ从:::::::::::::::::::::::/ トー ,＿
};;;;;;;;;;;;,-ぅ ﾐミミミミミ从::::::::::::,r----/ / ヽ
<_)_,-"ソド⌒）ミミミ从::::::ヽ、:/:::::::::::/ l |
ド二ノ, - '⌒ヽ从:::::::::::::::∨:::::::::::/ / / / ヽ
, - ' " / ヽ ヽ ヽ )ﾄﾞ:;ヾ:::::::::::/::::::::／ l l l |
／ 丿 へ ヽヽ-';;;;;;;|;:;ヾ___;:|;:;:;:;:ハ,_ _ l l l |
/,.,.,.,.,.;:;:;:;く |:;:;:ト-'"";;;;;;;;;;;'|;:;:;:;:;/__:;:/ "'二ヽ-ｲ l l |
|;:;:;:;:;:;:;:;:;:;ト-ｲ:;:;|彡彡彡ドェ|,____人,,,,..| > l l l |
ヾ_;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;:レ"彡彡三三|;:;:;:;:;:|;:;:;:;:;:| / l l l |
￣""''--r彡彡彡ミミミミト-,-,-,-,-| / l l l ＿,-'
く ,-｡,ミﾐﾐﾐﾐﾐドl_l_l__l__l_l_l/ /＿_,-,＿_|__,- ' ￣ |
ノ ﾐﾄ-'巛ﾐﾐﾐミミｶﾞl_l l l l | / /| |
,- ' 彡"ュhuﾐミミミν" "" | / ／ | |
'--ｪｪhuド-" ドﾐh-ﾌ_ _ _ | / / | |
/ ｶﾞｿ从 l l l l | / "l | |
l ュh彡从_l__l l l l l / | | |
l ド-'"-'";::;:;:H;;;H;;H;;;Hl | | |
l '- '"l:::;:;:;;;;::::::;;;;;;;;;;;;;;;;;;l | | |
響く破壊音
軽々とわたしを迎え撃った男が遠くポツリとつぶやく
. - 944 ： ◆HrtGSGllns ： ：2010/08/03(火) 21:36:54 ID:7KZ244lQ
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／ :/ :;i : : : : : : : :::;/: : : : : ;ヽ :::ヽ : : : ::::＼ : : : : :::ヽ :::::＼
/ ::/ : :i : : : ::i : :;/ : : : : : ::;i :::::} : :: : : :::::ヽ : : : :::::i : : : ::::ヽ
/ : : :;f : :i : : : ::;i : :;{ : : : : : : : :;;i ﾘ::》 : : : : : :: | : : : ::::::i : : : : : :;i
f : : : :i : : {, : : : :;|.. : :;{ : : : : : : ::::;;|:::,ｲ |＼: : : : : :! : : : ::::::| : : : : : ::;i
{ : : : ::;{ : : ::ﾄ､: : : : :;| :: : :.＼ : : : : : ::::;ﾚ'ﾚﾘ ヽ : : : | : : : :::::::| : : : : : ::::;}
| : : : :::::;ゝ : : ヽ ＼ -弌=zｪ､,,,.＼: : i : ::::/ ,,,､ｪzz==ｻ: : / : : : ::::::| : : : : : ::::::;|
| : : : :::::;/: :＼ : : ＼ _,ｪz-ｰ-､.＼＼:: !i:::/ ／_,,,-ｰ-zｪ,_イ : : : :::::::::ﾄ､: : : : : ::::::;| グッ、ガハッ・・・ガフッ！
{ : : : ::;/| : : : :｀ヽ､ﾐ 〃ﾍ:::::(_)::下､ ﾘ }/ iﾍ:::::(_):.::/ミ､ | : : : : :::/ /| : : : : ::::|
| : : ::;i: :|: : : : : :::＞ヽ ヾ､::夕 / 〃 ヽヾ:_:_夕／ / : : : :／ / | : : : ::::!
ヽ ::::::{: :ﾄ､ : : : ::::＼｀'''¨¨￣ ￣¨'''' ∠ _,,／: :,イ .} : : :::/
＼::;;}: : : ＼ : : :ヽ､≧ .:i ≦-イ: : : :／ | ./ :::／
｀ / .＼ i｀¨ヽ_≧ cｪｪｮ _,／/ / : ／i : : : | {／
/| . ヾ ｀i¨ー､,,_ := _,,,-ｰ´.／ /／i :＼ i
/: :{ i: i:: i i:: ¨'''ｰ'''／ ／ 〃/ :＼i
／ : : :}: ＼|:: i i:: ／ ／ : ::/ ::＼
／: : : : :/::::. |:: i i::.／ ／ : : ::/ _,,, ＞､
／: : : : : :| :::: i:: ヽ／ ／ : : :::／ ／ _,,,-ｰ''¨: :::| /
わたしといえば、仕掛けたつもりが逆に屋上の端・・・
院内へと続く階段がある扉の前まで吹き飛ばされる
息をつくたびに血の味が口内に広がる
・・・内臓を痛めたか
わたしは口を拭った
. - 945 ： ◆HrtGSGllns ： ：2010/08/03(火) 21:37:15 ID:7KZ244lQ
-
' ,' ,' ＼ ｀､::::::::＼
. i i .i ヽ ! ',:::::::::::::｀､
. ヽ ヽ. { { } ! ! i i ﾄvﾍ::::::::::::::::!
＼ ＼ ＼ __. i/ 从/ 从i v}::::::::::::::::!
ー===ェｪ-、ヽ | __ｪｪ==ー-.i |:::::::::::::::}
＼ |_,, ｲ⌒:ﾍ､,, | 厂_,ｲ⌒:ゝ、 j {:::::::::::::::,!
＼ｲヽ {:::(_):::} /／ ' {::::(_):::} ヽ .{::::::::::::::/ （結局・・・わたしもやる夫と何も変わらないのです）
ヽ .ヾ::少 '' ヾ:__夕 _,/_,' ハ::::::::::/
＼ ≧ ， ≦ ﾉ }:::::::/
|＼ _ ＞ ＿ ≦￣＿, -'/ /:::,::'
| 「￣'|'ｰ、_ _,才￣ ／ ／∠:-'''!
../ .| ! | '''ｰ .__, - ' | Y ,ｲ i
/ j _厂.j ﾄ､_. | ./| i
. 人 ／/ / レ' )| | ', i
,´／ ＼＼ ／／. i/＼ ＼ i
／ ＼＼ ／／ ＼｀ー- i
なんてことはない、わたしもやる夫と同じで本音が二重構造だったのだ
やる夫は己の弱さを晒して見せることで真の弱音を起用に覆い隠した
それに対してわたしは最初は心を偽り、
そしてそれを明かしてからも吸血行為をしなようとしなかった
やる夫の言うとおりだ、わたしたちは本当によく似ていた
. - 946 ： ◆HrtGSGllns ： ：2010/08/03(火) 21:37:50 ID:7KZ244lQ
-
＿ ＿
／／ ￣｀ヽヽ、
, -i_ -＜"ニ￣｀ヽ ＼
,,,;;'''／Z ヽ、 ヽ、 ヽ ＼
,,,;;''''' / / ＼ ヽ、 ＼ ;;;'':::,,,
,,,;'';;;''' ,i ﾄ ＼ Y } ! }::;; ''':,,
,;;;;; { | ｀ヽK ＼ ﾊ ﾆﾆLﾘ } !/ }:::;;;; '''::,
;;;;; ,;;'| t=―、y`ゝ {￣`iヽﾉ ﾊ i::::::;;;;; ;;''
;;;;' ,;;' ! i`辷 j' ﾉノ,辷,ﾉ/' / ｝::::;;;; ;;;:
'';;, ;, Lﾍ ﾐ ノ ノ j::::;;;; ／ (やる夫・・・)
;,,;;, 丶,-‐代 ｀ ノｲ彡/ /::;;／i、
;;; ﾉ ＞´｀ - '"_|〉ヽ、 /／ ヽ、
／ ／-'"´i i'" ／／ /｀＼ ｀ヽ}
／ （ｒ´ | i!／／ ／ ＼ ＼
/i />、/ | ／ ／ ／￣Y/ ヽ i
i { i. { / .|/ / ／ } i } }
i! {＼ヽi i / / / /i ﾉ } }
ヽt ＼i | / / /￣￣￣''＝-, / i
r-‐＝￣T |! / / / / i
＼ | .|! / ! / ／ /
わたしは血を吸いたくなかった
吸ったとしても、やる夫はわたしを嫌わないという自信はあった
それは解っていた
・・・けれども
けれども血を吸ってしまえば、自分とやる夫の違いを思い知らされてしまいそうで・・・
やる夫が苦しんでいたとはいえ、意識がなかったとはいえ
あの日、副作用に苦しむやる夫からそれを抜き取るときでさえ
わたしは今までで一番の恐怖を感じた
しかも、それですらも抗がん剤のカスを吸い取るだけで血を吸収することはできなかった
. - 947 ： ◆HrtGSGllns ： ：2010/08/03(火) 21:38:31 ID:7KZ244lQ
-
:::::::::::::::::: : : : : :/ ', _..lゝ-―- ..ト_､ ヽ l / ,'
::::::::::::::::: : : : .:/ ヽ. ￣l￣ヾ二_‐l‐-¨ﾆ､=' ﾄ､ l /l. / l
::::::::::::::::: : : .:/ ＼ l , z==≧､l二_‐ ヽ. l ! `=lニ≠/=､ ./ l
:::::::::::::::::: .:.:.l ｌ l ヽ､ /Vｨ ）:::::ヽ｀ヾ V l} ム≦/ ,ｨ′ /
:::::::::::::::::::::::::! ', ', l` V ﾄ:才::::::lヾ} ,ｨﾉ ,ｨ{._ノV ﾊ´ ,' /
ヽ:::::::::::::::::::::l ', ', l l´ {:::::::ﾉ. ,' / ／,'ィ::::lイ l l / , '
iヽ:::::::::::::::::', ヽ ヽ. ﾍ ゝ､￣ _ノ ' ´ .l {::::ﾉ,' 〃/ ／ （わたしは勘違いをしていたのです・・・）
l ｀丶、::::::ヽ ヽ ヽ ﾍ ￣ ゝﾆノ ｲ7 ,
ｌ / `ｰ- -` ` ` ､ ヾ、 l /／ , イ
l / / ﾍ. ﾍ`ｰ---` ＿_ ′ _... - '´ _.. イ:::::::!
/ / lヽ. ﾍ. ￣´ ｀フ￣ l l::::::ﾉ
./ ,〃 l ヽ ﾄ､! 丶、 ,, ィ´ ', / レ′
／/ / / ∧ ! 丶､ , ィ ´} }∨
.／ / r‐ =ﾆ／ ', / ｀7 ‐- ´ / l /
／ ,' r└‐-､ `丶､ﾚ′ / .／ ! /
.i | `丶､ `ｰ- ､ / ／ | ／
ちょっとくらい特別なことができたとしても
吸血さえしなければ、ただの人間でいられるような・・・
やる夫のクラスメート、ごくごく普通の女の子でいられるような・・・
そんな勘違い
. - 948 ： ◆HrtGSGllns ： ：2010/08/03(火) 21:38:49 ID:7KZ244lQ
- ／ ／ ヽ:::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
イ l ＼:::::::::::::::::::::::::::∧
／ l | ＼:::::::::::::::::::::::::∧
, イ i ﾄ . ＼ ヽ Vゝ.:::::::::::::::::::::l
/ | | z==＼==-＼- | | ヽ::::::::::::::: |
. / : | | ! _ ゝ.==_=z | | /:::::::::::::: l
/ : :::| | | | !/ 彳 ,' :::::ヽ＼ | i/::::::::::::::: ｲ
| :::::::| '. ＼ ＼V' |::::::::::ﾊ ＼リ r '":::::::::: イ´ |
| :::::::l ! メ´ ＼ l`' --ゝ |ﾍ _ ﾉ l i ＼ `ー┬ ´ │ ! （わたしはなんて弱いのでしょう）
| ::::::ハ i l l!`z=.ゝ､ ＼ ゝ-－ ' ,' .' │ ,' |
| ::::::::::∧ ＼ ＼ l:::_ハ ` ─‐ ゝ / ／, / ／ │
V ::::::::::∧ ゝ ＿ _ゝ__少 -=' イ / ,. ' イ ＼
V:::::::::::::::ゝ _ 二=- ｀ /∠...イ ゝ ＼
ゝ._:::::::::::＼ ゝ=-_＿＿ r _っ . ' | ! ! │ ＼ ＼
￣￣ゝ＼ ゝ ＿＿ ノ ／ _ __从＿__ | ゝ. ＼ ＼
V ゞ- ≧__ ゝ---/⌒ヽ´ ／,. -- ── -ゝ ＼ ＼ ＼
) ゝ￣ j＿ ＼/ _＿_（＿___ ヾ ゝ－ゝ
/ ＿ ,.イ´＿ | ´ ,.. -─- ､ ｀ヽ ヽ. ゝ-ゝ
／ , イ´ ,.- !´ ＿. |／ ／ ヽ Y ＼ |
／ / / / ､ Y´_ | / | }:: ゝ │
／イ / ' ／ ー─し'! l_＿_| .' / /::::Y i
／/ . | ! ー‐ v' 人 ／::_:_:_::V / / ::::: ! i
,' ＿_/ i! ! `ー v / ゝ'::::r::::_::_:_i:L--- ､ / / :::::::: ! ,'
/ /:::::::::¨≧V│ ｰ ノ/ ／:::::::::V:::::::::::::::ヽ:::::::::＼j／ :::::::: ノ ｲ
そんな些細なことに逃げ道を求め
この身が吸血鬼であるということを結局認めることができなかったのだ
. - 949 ： ◆HrtGSGllns ： ：2010/08/03(火) 21:39:19 ID:7KZ244lQ
-
・・・先程
やる夫はわたしを受け入れた上で否定した
彼が否定したのはまさにわたしが見せたくなかった部分
そして認めたくなかった部分
吸血鬼の側面。孤独な自分の元凶。それでも彼の命のために出そうとした部分
／ ヘ
/ ヽ__ ﾍ
_/ / / i ﾊ ﾊ:::::＼ヽ
／/ / / ﾍ i / i ﾊ::::::::::ヽ
. /::/ i i i ﾊ i i ｲ i i::::::::::::::ヽ
/:::| i i i ﾊ i i /i i i::::::::::::::::ﾊ
::::::i ヽ ヽ .i i i リ人7、i ｲ ﾊ::::::::::::::::::}
::::::＼ ゝ、>=ﾚヽ i /ｨﾁ心ハレﾉ 人::::::::::::::ﾉ＼
:::::::::::＞、 ﾊｲ佇心ヽ ﾉﾚ 弋少 / ／/ｿ .〉:::::::::;/ ＼
:::::::::::{ 人＼トﾊ 弋少 ヽｲ , , , , , / イ / /::::::／ （やる夫は本当に強い人です・・・）
＼:::::ﾍ/ ヽ ｀＼, , , , ` ／イ |ノ /／
＼:::ﾍ ＼i｀ー＜ - - ＜人ヽー‐‐--､-､
＼| i 〟─‐ ＞ - ｨ 〃 / ／ Y{
/ ﾊ .i {〈 / |ト .} __〃 / ／ } |
/ 人 ヽi ヽ | {| 〃 ｲi / i 〉
/ ／ ヽ i ゝﾘ .|i 〃 / ﾘ/ ﾉ /
// ヽ i ｿ ヽｙ〃 / __/ __ //
i { ＼_」-‐{ i ｀/ , /= ￣::::::｀∨ｲ
人ヽ、 ＿_f=:::::=| ヽ / / /::::::::::::ヾゝ::::∨
＼｀ ´,─ヘ:::::::人 Y ／ /::::::::::::::::::::ヽゝヽ
￣ ﾑ::::::::ヽ 〈 | /::::::::::::::::::::::::::ヽゝ|
Y::::::::::::〉 ＼ ｿ:::::::::::::::::::::::::::/::／
|::::::::::ヽ--＞/:::::::::::::::::::::::::/イ::|
心の深い部分を見せているようで、その実決して弱い部分は見せなかった
死なないためには吸血鬼としてのわたしが必要だった
けれども彼は最後まで吸血鬼ではないただの羽入を
力もなく、弱く、ワガママな泣き虫な女の子を望んでくれたのだ
わたしは自分自身が否定していたものを、例外のために肯定してしまったというのに
彼は最後までそれを不要だといってくれた
. - 950 ： ◆HrtGSGllns ： ：2010/08/03(火) 21:39:50 ID:7KZ244lQ
-
わたしはやる夫に比べ、どうしようもなく卑屈で弱かった
そして今、わたしは己のずるさのつけを払おうとしている
_ _ _ _ _
, r ' ´ ｀ ヽ、
, ' ヽ
,.:' , ,.' ヽ ヽ
,' ,' .,' 、 i i .', .',
,:'/ i i i ', :. ｌ. ｌ ｌ ::i:ヽ､i
,'::i .! ! .i i .i.i i .i ::.i:::::::ヽ
.l::::i .', ゝ､ i i i .iiソﾘ∨i.ﾉ ::.:i:::::::::::',
.l:::::〉､::`ゝ ィ沁､ ｿイｌ:心 ,' ..::::|::::::::::::l ・・・それもいいかもしれません
l::::iｿ ＼ゞ.杙り ∨ 弋り ﾉ ,イ∧::::::::人
ヾゞ iヾミゞ 、 イ,イiソ /:::;イゝ､＼
/ i :i::. ::. _:_`:..､.‐ __, rイ､_:_:_:_/;イ: : : : :.`
/:∧: : i:/i .｀7´i｀;´ _ ／ / ／ヾ: : : : : : :.
./:/ ヾ:: :i i 、 /｀ ／ ./ ,r' .l: : : : : : :
ｲ:ｲ ゞ| ゞi i.ｯ./ .∧/ /: : : : : : :.
i:i .r=== !.i .Y .,ｲ-'- ､ /: : : : : : : :
ﾘ ヽ i .i,／ ／./ ∨: : : : : : : : :
i ! .i i´ / i: : : : : : : :.:.:
やる夫と同じ場所へ逝けるかもしれないのなら・・・
. - 951 ： ◆HrtGSGllns ： ：2010/08/03(火) 21:40:06 ID:7KZ244lQ
-
l;ヽ ／;:i ,;,;, ／;:;:/;,.:,;:..;,:;
i;:;:ﾚ'.;:;:;/,;,; ,;,;,;,;,;,;/.;:,;.:,;:
,. --=ーヽ,/;:;:;:;:;:;/,;,:;:;:;:;:;;:／;.:,;.:;,:;.
／ ., ;:;:;:/,;,.;;:;:;;;:／:.;,:.;,:;.:;,:.;,:
/ i , ヽ｀' ;:;/;:;:;:;／;:;:;:;:／,.,.; ; ; ; ; ; ; ;
彳 L_ ヽヽ、ヽ;:;:ﾚ,; ',;,''',;:;:;:;:;:;:;:イ.;,:;.:,;.:;,:.;,:;.:;,:
ﾚ' / ﾞ' ｀'ゝヽi;:;:;:;:;;:;'',,:;:;:;;:;:;:;:;,.フ.;:,;.:;,:.;:,;.:,;.:;,:.;:,;.:;,:.;,:
」_,! __‐-、 ;:;:;:;:;:_;:'イ;:;:;;:;;:;;:;;:;;:,. ;:.:;.:;.:;.:;.;:.:;.:;..
/ ﾍヽ.土ﾝ`ー ;:;:∠__ノ;.;.',;:;:;:;:;:;＞;:;:;;:;:;:;:.;...;.;.;.;.;.;
＼_sレ ' ;:;:;:;:;.;.;.;.;.;.;, ;:;:'',,''''.;.;.;:..;,:.;:,;.:;,:.;:,;
`'i ,' ヽ_;:,.ノ /ｦ .;:.',.;:.:;:.:;.:;:.;,:;.:,;.:
ヽ、{w.,.,.,.,.,.,.,.w' ｦ:.:.;.;;:,';:;:;:;:;:;.,:;.:,;.:;, ふんっ・・・興ざめだ
i ＼￣￣｀ﾞﾞﾞﾞﾞ' /:::;:;:;:;:;:;:;;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;
| ;. ＼__ _,. イ´;:;:;:;:;:;／|;:;:;:;:;:;:; 終わりにするとしよう
/´ ! ヽ ,;':;:;:;:;:;::;/:.:.:.|;:;:;:;:;
,. イ / ; ヽ ,;';:;:;:;:;:;;:;/.:.:.:./;:;:;:;:;:;:;:;
_,.-‐'´ / /:,:,:,:,:,:,:,:,:,';:;:;:;:;:;:;:;/.:.:／;:;:;:;:;:;:;:;:;;:;:
,.-‐'´￣ / i:,:,:,:,:,:,:,:,:,:,:,:,:,:,:,:,:Lー_」;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;
／ ／ |:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:..:.:.:.:.:..:..:.Y^>;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:
／ |.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:Lー」;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:
〈 ○ !.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.〈〉;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;;:;
ヽ i!.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;;:;;:=;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:
> |.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;';,';,';,
| ／ !;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;;;;;;;;.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.
| | i.;.;.;.;.;.;.;;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;;;;;;;;;;;;;;;.:.:.:.:.:.:.:.:.:
| ii i.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;┬‐-v.;.;.;.;.;.;.;;;;;;;;;;.;.;.;.;.:.:.:.:.:.:.:.:
:! | /.;.;.;.;.;.;;;.;.;.;.;..ヽ、 i ヽ.:.:.:.:.:;:;:;:;,.イ￣ﾌ.:.:.:.:.:
‐- ＿ノ| ￣ | /.;.;.;.;.;.;.;;;;.;.;.;.;.;.;..;.｀￣´.:.:.:.:.:..:.:.:`ー‐´.:.:.:.:.:
i ,' ´／.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;ﾊv、.:.:.:.:.:.:.:
i ／.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;_vxV. }.:.:.:.:.:.::.:.
.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;rVVVY´ ,. ∧∧!.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.::.
.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;ヽ, rvrv∧'';:;:;:;:;:;:;〉.:.:.:.:.:.:.::.
.;.;;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.;.L 〉";:;:;:;:;:;:,,,イ.:.:.:.:.:.:.: : : : : : :
ゆっくりと男が近づいてくる、その時だった
. - 952 ： ◆HrtGSGllns ： ：2010/08/03(火) 21:40:20 ID:7KZ244lQ
- ＼ /
＼ ＼ 丶 / / ／
＼ ＼ 丶 i | ./ / ／
ヽ ＼ ＼ 丶 i | / / ／ ／
ヽ ＼ ＼ 丶 i. | ./ / ／ ／
ヽ ＼ ＼ ヽ i. .| / / ／ ／
ヽ ＼ ＼ ヽ i | / / ／ ／
ヽ ＼ ／
＼ ／! ,,.rｧ
／ lﾞ ,,､r'´ / ---‐‐‐
‐‐‐‐--- | l_,.r''´ /
| ,.､r'! / -----‐‐‐‐‐
ー―――――――― ,,l ,,r'’ l /
_____＿＿＿＿＿＿＿ .／ .lﾞ l ./ -----------
二二二 ／ ./! l! lﾞ／ _,,.rｧ ＝＝＝ 二二二
￣￣￣￣￣￣￣￣ r'´ ./ .| | r''´! ./ﾞ / ￣￣￣￣￣￣
--------‐‐‐‐‐‐‐‐ | ./ | | ／| .| ,l / ./ ‐‐‐‐‐‐‐‐-----
| ./ | | | | |／./ . /
---‐‐‐‐‐ レ' | / .| ./ ./ ./ ‐‐‐‐---
|./ l/ / ./
／ ／ ;'_／
／ ／ / ＼
／ ／ ／ 丶 ＼ ＼
／ ／ / / | i, 丶 ＼ ＼
／ ／ / / | i, 丶 ＼ ＼
／ ／ / / | i, 丶 ＼ ＼
／ / / | i, 丶 ＼ ＼
／ / / | i, 丶 ＼ - 953 ： ◆HrtGSGllns ： ：2010/08/03(火) 21:40:39 ID:7KZ244lQ
-
／ ヾ 〃￣ﾞ ii ヽ
/ {{ ,..、ヽ､ ヽ
ｉ ＼ ゞ ヾﾂ ,}ヾ､, 、 ヽ
ｉ ,. -‐'" ｀' /1
ｉ ＼ ／ {)
／￣⌒''''''ヽ､ ＼ ｉ､ / K ｉ
/ ｀ヽ､ ／ヽ､ ／'ｉ ヽ' ｉ 羽入！！！！！
/ `ヽ､ /: : : : : ｀─'''´: : : : ､ ｉ ｉ
/ ヽ､ /: : : : : : : : : : : : : : : /'‐--'´ ｉ
ｉ ヾ: : : : : : : : : : : : : : : / ｉ
ｉ ヽ＿_＿: : : : : : : : 〃/ ｉ
ｉ ､ ヽ ｀ヽ｀ゝ' く /
ｉ ヽ ⌒￣｀ ‐-､ ｀' __／ ／
ｉ ─-ゝ､ ヽ､ ＿__ -‐´
i ヽ ヽ､＿ -- ､
そこに愛しい人の姿を見た
. - 954 ： ◆HrtGSGllns ： ：2010/08/03(火) 21:40:53 ID:7KZ244lQ
-
──────────────────────────
──────────────────────────
こなたよりかなたまで
──────────────────────────
──────────────────────────
. - 955 ： ◆HrtGSGllns ： ：2010/08/03(火) 21:41:08 ID:7KZ244lQ
-
＿＿＿_
／ノ ヽ､_＼ r ⌒j
／（ ○）}liil{（○）＼ / /
／ （__人__） ＼/ / ／ ）
| |i|||||||i| / / ／ ／
＼ |ｪｪｪｪ| / '` ´ ／ 羽入！
r´ (⌒'ー―- イ′ ´廴
/ ＞ 、 ヽ _ ￣￣￣)
/ -､ } ( ￣¨´
/ ヽ._ __ ＼
｀ --‐'´ ｀ﾞ' 、_.)
状況はすぐに把握した、すぐさま羽入にかけよる
彼女は地面に倒れていて、口元に血が滲んでいる
そういう状況だ
. - 956 ： ◆HrtGSGllns ： ：2010/08/03(火) 21:41:35 ID:7KZ244lQ
- ／{ ィ＾ ー‐‐‐ ァ
⌒＞｀Y ＜__
／ . . :.:.:.:.:.:.:.: : : : : : . . . ｀ ＜
／. . : : :./.:.:.:: : :!:. : :.:. : : . . . . ｀丶、
/／/／//.:::／.::::l.::ミメ、: :.:}.:::::::｀ヽ : : :く⌒
ノl. . .:.:.:::::/／/／:::厂｀丶｀ヽハ::::::::::::l::::ヽハ
ﾉ. .:.:::::::::::::::::::::::::,:｣｀ヽ ＼ ｀ヽハl::::l:l:::::ﾄ､
イ. .:.:::::ｊ｀ヽ:::::::::／ ノ ｀≧:ｘ、＼ 八从ﾊｊ
|. .:.:::/ ＾ヽ }:::/ ⌒ヽ {｢ ｏ｀ヾ:.､ ＼l / ほう今頃現れたか
|: : :.:| こ（ 〉' { } ゝ==- }::ﾊ ﾉ ﾉ {
jｨ. :/{ ヽ } }:::::.､）人ノノ 厂 ⌒ﾞﾞ ､___,,｣ しかし遅かったな、もう待てん
/}:/ ＼ゝ' // / /:::::... ノ⌒ Y ｒ''"´
／ / / /ゝ / 二ﾆ=彡 ヽ. ｜| 血を吸わせる前にもろとも我が一部となれ
／{｢三三三三/{// ／ / 八.:::/ 〃´ _ |｜
///,||:::::::::::::::::::///／{ ／{ / ヽ / ／ ￣ ｀ヽ､ｒ‐―┘
,////,∧::::::::::::://从{〃{ // / } ｀ く ／／ ｀ヽ｢
//////,∧::::イ////ハ//V/ / / / ＼< / /´
////////∧///////ハ//从〈 ノ / / /ヽ.＿＿ｊ
/////////∧/////人ハ//ハ/{/{/{/ /////∧:::ヽ
//////////∧////イ{/∧//∧{/{/{/イ｀ヽ;'///∧::::::.、
いつぞやの化け物がそういって距離を詰めてくる
速い
慌てて羽入を抱え上げるがとてもじゃないが間に合わない
＿＿＿_
／ u ＼
／ ＼ ／＼
／ し （＞） （＜） ＼ （！！ やられるっ！！ せめて羽入だけでも・・・）
| ∪ （__人__） J |
＼ u ｀⌒´ ／
ノ ＼
. - 957 ： ◆HrtGSGllns ： ：2010/08/03(火) 21:41:51 ID:7KZ244lQ
-
＼
＼＼ ／
＼.＼ ／／
＼ ＼ | ／.／
丶＼ ＼丶. || ／／ ／
ヽ＼ ＼ヽ... O |│ ／／ ／／
＼＼ ＼＼ 。./ ／／ ／／
ヽ ＼＼ ＼＼ .。／／ .／／
〇 ヽ＼ ／ ／／
- -＝二二 三 三二 ≡ = - - ｷﾝｯ！
o ＼ ＼＼ 。
／／ O.＼＼ ＼＼ ０
0 ／／ ／ 。// ＼＼ .＼＼
／／ ／／ / ｀~´ ヾ＼ ＼ヽ
／／ ／／ ○/ 。 ヽ＼.＼丶
／／ ／／ ＼＼
／.／ ＼
／／ ＼
／
. - 958 ： ◆HrtGSGllns ： ：2010/08/03(火) 21:42:09 ID:7KZ244lQ
-
甲高い金属音が響く
やる夫は生きていた
羽入ももちろんいきていた
なぜなら・・・
ﾊ ', | ＼ -‐‐ /!;;;;;;;;;|ヽ ﾊ＼､
| .| ヽ;;;;;;丶、 .／ .|;;;;;;;;;ﾘ ヽ ﾊ ',!.
| .| .|;;;;;;;;;;;;;｀`＿¨＿____|､;;;;;く ヽ | ｊ
__ ヽヽ レイ ／＼ ＼ ｀i | |
/:::::|￣ヽ', ', ／ |,,ヽ ／ー―-ァ-.､. いったでしょう？ 夜に出歩くなと
. /::::::::|:::::::::〉ヽ ヽ、/ >-‐-ﾚ'´ヽ／::::::::::::::::::/::::::::＼
/il､:::::::|::::::/::＼iヽ＂ｙ' /| |ヽ::::::::::::::::::ヽ:::::人::::::ｆｆ oヽ、
/ｔ' '/::::::::|::/:::::::::::::::::::/ /ii| |iヽ:::::::::::::::::::|::::!:::::＼＼ｒ-."＼
. /"ﾌ/:::::::::::ｙ:::::::::::::::::::/ |iiii| |iiヽ::::::::::::::::::|:/:::::::::::ヽ::＼ｒ‐7'＼
. /＾ﾉﾉ:/:::::::::|,,,,,,,:::::::::‐/ |iii| .|iiiヽ,,,,,,,,:::::::::|＼:::::::::::::＼::￣7:::::＼
/￣:::/::::::::::::!;;;;;;;;,,,,,,,,,,| iii iiiiヽ;;;;;;;;,,,,,,ｙ||||;;;;;;;::::::::::::￣|;;;;;:::::::::＼
. /::::::::/:::::::::::::::|;;;;;;;;;;;;;;;;;;ｒ－-､i_ ,ｒ'''ｰ ､」;;;;;;;;;;;/ヽ:||||;;;;;:::::::::::::::|::::::::::::::::::::＼
ｆ::::::ノ::::::::::::::::||||;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|||､￣;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;/ ヽ|||;;;;;:::::::::: リ:::::::::::::::::::::::::|
ｒ;;;イ::::::::::::::::::/||||| /;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;||;;;;ヽ||;;;;;;;;;;;;;;;||;/ ヽ＼::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|､
. - 959 ： ◆HrtGSGllns ： ：2010/08/03(火) 21:42:23 ID:7KZ244lQ
-
＿＿＿_
／⌒ ⌒＼
／（ ●） （●）＼
／::::::⌒（__人__）⌒:::::＼
| |r┬-| |
＼ `,. -'"´´￣｀ヽ ！ シオンさん！！
／ （＿＿＿ |
／ |
（￣ |
￣￣￣| |
_,,.-''" ＿,.-'".r''";;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;`-.|/''"'i
く`'―――''";;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;,....---'''''''''''''''--!
＼::::::::::::＼;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;_,...-_,ニ---''''''''''""""''''''i,
`'ヽ,::::::;_`_ -ニ<''" .＼ ヽ
√'''''T-<'''" .＼`＼_ . ＼ 'ヽ
/ | ｜ ＼ ＼ `'''-..,_ _ ＼ `ヽ
!｜ ｜ ＼ ヽ _,＞＜ ＼ ;;`,
｜ ! .,,,_| ＼ ',..-''",..--''''T'7"-,_`,;, , ';;;ヽ
| .ﾊ |`''''''''- `-.,_"＼"ﾍ., ﾉｲ `t`,;;;;, ,;;;;;|
下がっていなさいやる夫 !| ヽ'''''!<"(""ヽ `''-.,＼ゝ--'" ! ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|
ヽ .＼ '.,` ,`",_,) `'ヽ〃 .｜ ;;;i;;;;;;;;;;;;;;;/
わたしが時間を稼ぎます |ヽヽ `''" , | ;;|;;;;;;;;;;;;/
| `.＼ ` _ ! |;;;;;;;／
| i'- ,_ ￣￣ ／| | ];;;;／
| i |ヽ_ ''-.,_ _,.-'" | | |;;;;`ヽ,
| | | `'''--., T''" | ! .ﾊ,;;;;;;;;`i
| | | _,..-'",! _,.-| ! / .＼;;; .|
| ! !--イ L.......--'" |/ / ／`'''''---.....,__
r''"::] ! /:::/ ／ ＼ ]|.| !_／;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;`>.,_
/:::::::::::|! /:::::| ,ィ ＼ |' ﾚ";;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;_,r'''';;,,,,＼
./:::::::::::::::| /:::::::ﾚイ'"~`ヽ_,,.-'"> ／::::::::::::::::::::::::::::::::::／:::::::::::::_,ノﾉ''-.,_
人:::::::::::::::::y:::::::::／ 'i .／ `'"::::::::::::::::::::::::::::::＼::::::::::::::::::::'i f＼'v'"-.,_
. - 960 ： ◆HrtGSGllns ： ：2010/08/03(火) 21:42:40 ID:7KZ244lQ
-
_,,,､-‐''"´ ＼
,r` `;､
ﾉｨ /／ｖｗ' ／レ ｖ ヾ
/ ／ﾚｖ'´! V＼|` |
ﾚ'! /ﾚ^′ /（└-ｯ、 _, 、 i
V , ´⌒ ミ､ !´ｒ' ､＼ i ふんっ、貴様か・・・
i / ,ｒ‐′ /,r ﾐ ﾉ〔´ ） ） |`
ﾉ ,r,ｨ=1′ ` ） （ j′ ﾉ! 貴様では役者不足だ
ヽ`' ｲ_㍗ /" '､ ノ / /′
ｿ,` ゛´ ､,／ヾ､, / 邪魔するなら容赦はせんぞ
_ // ＼ | `'i′
, -'´ `''ー- ､_ ＼` /_, -‐'"`'''┴､、
_, -'" ￣￣`ｰ＜"´ `''i
,r'´ 、 `ヽ、 i
l ヽ、 `ヽ、_ i
! i′ `､ `ヾｰ-､_ `;
,l i `! `､ `''ｰ,┴-､_
;l i ! ` ! ￣`';、
i! ! ! ! i
i! / ! ﾉ !
i! / ! i i,
i|'/ ! i !
l|' ! i i
,. -―- ､
,､‐''´ ｀`丶､
,､‐'´ ｀ヽ、
＼ 〉
}＼ ＿,,.. =-‐…ァ''Ｔﾌ
ノ＼ ｀ ｰ―''´＿_,,.. -‐ __,,.ﾆ=ｲ
ーｧ' , / >､ー‐'',. --ｒ=''"´ i l
f辷タ1 /〈､{.| 丁{´ l l l
j::::::::: |ﾊ lﾄﾐ､ {ヾ ｌ j l l
ト===1Λ }'､込 ', ‐ｧ=ﾆ丁 / ﾑ l ならば、試してみますか？
/_］j::i::: |｜,ﾊ.{ ﾉ ＼⌒fぞjア /｀〉 l
_｣´rｎ::!o:i/lｲ ,ハ. ｀ ｀´jﾉ //_ノ! |
ｒ'l´|｜辷!」_::Ｌj'/{ ＼` ,/ //ｌ､ ! j
| |._!_l:::::{´∨:|ﾐ} !／¨二｀_フΤ/ ,.ｲ'／ Ｖ ' /
l｀::::::::_;人 ＼｣／ / ／ _/_j /／ ／∨ Λ
｀,エ´‐''"´ ヽ／ ,ﾉ￣ ヽ ｌ′ ／ ｉ ∨ Λ
'ｰｒr ',__,／＼__／}__／ '､___∨ 〉
. ／|,>､ ',ヽ / { ´ } /＼
/ ｰ' ／＼＿ / /ノ /| , ,. ==､ |′ /
ーイ ｜Λ / Λ,＿ん' / //77l l |､ /＼
. - 961 ： ◆HrtGSGllns ： ：2010/08/03(火) 21:42:52 ID:7KZ244lQ
-
l .： _..-‐' ...-.‐''.″ '． ｌ
" .‐ .,〃 .,..-'"゛ ,..､- '"゛ ‐ |
" ﾞ, ,ﾉﾞ/ ._..-'" .,,, ｰ'"゛ ", l |
.‐ ＿'ｉ .〈rlｒ'" _..-'"゛ |.ヽ .|! ′ i
. _ゝ゛ ,..-'" ! . ｌ .lﾞ| ._,, -－''.'''''''''".''丶ヽ.! !
'｀-､ 彡=┘ ′ .ｌ .,! !,／´ ! |
.'“ﾞ7 ./ '!ｯ、 l ﾞ'‐ ゛ .....| ,i
.／ ._ ｌ _..__. ,,,,,, ._ヽﾞ'″ ,／″ ! l!
,／ .／.彡i,i． ｌ. ., .､ .－'.'.'.`゛´ / | ′
／ .／ .j″ ｌ .ﾞｌ,ﾞ´ / ._ ! |
../ . ／ !_ -''丶 .ヽ .........-.‥‐.￢'''丶- ..、 "丶''.'._./ ´ ! l
..." ,./ ,,, -'"´ ′ .ヽ uii_-----┴ , ／ .,! ｌ
.,i彡'"´ _ . -'''" '、 .ヽ ￣"'''';;r ,ﾞﾆ＋ | "
./ _,..-‐'″ .ｌ ヽ ,..-'" ._,, /ヶ ‐ i′
. / '″ ..ｌ ヽ .,..-',ﾞ.. -'''ジ″ ｌ ｢ ｌ
″ .ヽ .i=ﾞ‐'^゛ ._∠―''Ｔ ｌ │ /
ｌ ＼ r ｌ ｌ /
ヽ ヽ. / 〟 .i､i､ .〟ヽ / / 、
ヽ ＼ / / ′| ﾞ ＼ |ヽ .ヽ/ /.,.〃
ヽ ﾞ'､.／ .／ .! l ＼.,, ｌ .ｌ.ｭ.l /"./ _,,〟
ヽ ＼ ,／ l! ﾞ'!,ﾞ'-､ ｌ ｀ﾞ /''ン"
_.‥‐-ヽ､､......、 ヽ ヽ, ／ ｌ, ｀'″ ﾞ”.'''"″
´."."'ヽ‐‐--.．.´,ﾞﾞ,,ﾞ._"_∵￢'.ー‐―ｰ .--- --- ......... .ﾞく......................．..... ､.---‐ｰ.┘
´￣ ﾞ´.^".''("'''''' '''''' ―.ー‐.--..-.v..... ．............. .................. .,, ｯ‐t..'''.'''"｀ﾞ｀
,／'､ ＼. ., 彡ii〟 .il!､ﾗl ＼
／ .ヽ ＼ r''"／ / /､ ｌ! ＼
／ ,／'､, ＼ / ./ ﾞ''∴ .＼
／ ,／゛ .＼ ﾞ'-、 ./ / ﾞ'-､ ｀
. - 962 ： ◆HrtGSGllns ： ：2010/08/03(火) 21:43:32 ID:7KZ244lQ
-
互いの言葉を皮切りに両者がぶつかる
が・・・確かに化け物のいうとおり、形勢は化け物に傾きつつある
けれどもシオンさんもそれは承知の上だ
だからこそ、だからこそやる夫は・・・！
＿＿＿
／）／ノ ' ヽ､＼
／ .ｲ '（●） .（●）＼
. /,'才.ﾐ). （__人__） ＼ 羽入
. | ≧ｼ' ´ ⌒｀ |
. ＼ ヽ ／
:::::::::::::::::: : : : : :/ ', _..lゝ-―- ..ト_､ ヽ l / ,'
::::::::::::::::: : : : .:/ ヽ. ￣l￣ヾ二_‐l‐-¨ﾆ､=' ﾄ､ l /l. / l
::::::::::::::::: : : .:/ ＼ l , z==≧､l二_‐ ヽ. l ! `=lニ≠/=､ ./ l
:::::::::::::::::: .:.:.l ｌ l ヽ､ /Vｨ ）:::::ヽ｀ヾ V l} ム≦/ ,ｨ′ /
:::::::::::::::::::::::::! ', ', l` V ﾄ:才::::::lヾ} ,ｨﾉ ,ｨ{._ノV ﾊ´ ,' /
ヽ:::::::::::::::::::::l ', ', l l´ {:::::::ﾉ. ,' / ／,'ィ::::lイ l l / , '
iヽ:::::::::::::::::', ヽ ヽ. ﾍ ゝ､￣ _ノ ' ´ .l {::::ﾉ,' 〃/ ／ ・・・嫌です
l ｀丶、::::::ヽ ヽ ヽ ﾍ ￣ ゝﾆノ ｲ7 ,
ｌ / `ｰ- -` ` ` ､ ヾ、 l /／ , イ
l / / ﾍ. ﾍ`ｰ---` ＿_ ′ _... - '´ _.. イ:::::::
/ / lヽ. ﾍ. ￣´ ｀フ￣ l l::::::ﾉ
./ ,〃 l ヽ ﾄ､! 丶、 ,, ィ´ ', / レ′
／/ / / ∧ ! 丶､ , ィ ´} }∨
.／ / r‐ =ﾆ／ ', / ｀7 ‐- ´ / l /
／ ,' r└‐-､ `丶､ﾚ′ / .／ ! /
.i | `丶､ `ｰ- ､ / ／ | ／
. - 963 ： ◆HrtGSGllns ： ：2010/08/03(火) 21:43:49 ID:7KZ244lQ
-
＿＿__
／ ＼
. ／ ＼
. ／ ／） ノ ' ヽ､ ＼
| ／ .ｲ '（ー） （ー） u| 羽入・・・
. /,'才.ﾐ). （__人__） ／
. | ≧ｼ' ｀ ⌒´ ＼
／＼ ヽ ヽ
,. -───- _
-‐ v' ＼
／ ﾚ ´ ＼
' / ,l ヽ. ＼ヽ.
/, / ,.ｲ│ ヽ｀ｬ Vー ､' l
jﾚイ|! |:l |､ l! | |!::: ∨::::::ﾄji､
／::::::ハ ヽﾉ ＼ ヽ/__/! /l ハ:: ﾚ'::::ヽ,.
,'::::::::::::l ﾄ,.ィ=､´i ＼! /j/､i｀メ / V ＼:::::: |
いや・・・いやっ！！ i :::::::／'ゝ､Vl:::::j j/ 7:::::rﾞi!イ:: ﾘ |::::,.'
l ::::/ i′ ハ!ゞラ ゞ.フ(..) ハ j／
ゝ| ゝ､ ゝ,ﾊ :::: '__ ::::.,ィ'-,イ :: l |
／ ／￣＞ゝ､. ‘ｰ‐` イ-,|i::::l| ::: | |
／ ／ '´ （ rイi｀￣／´ ＼;.j_:::::| ヽ.
′ ′ / r イ´| :|:| ／ ／ フl|:| ＼
l ′ / ,r ﾚ′| :|:/ ／ ／´ V|: ゞ ＼ ﾞ!
| |::::rー-|/ ／ ／ /, |´:::ヽ ﾄ ﾞ!
ノ| | ::| 三（ ' ｲ / l .＿_j__:::__|::: |ゞ. l
`ーゝ.. ゝ| 三 ヽ | | レ' ´_ rｭ r-t}:::: | | l/
＼ハ '⌒j..＿|＿|＿|::::::ｲｭ ﾚ ´三三〆::::: | j/
/ イ ￣）二二二_ ,.＞|〆 三三三| ::::::ﾚ
/ /| |ゝ-イ三レｲ三| ミ :7:三三三三|／
' ｲ三 ゝ／|三|三| lE| ミ:/ 三三i三三|
/三三:「!∨::|,. ｲ三| |ﾖ|三' 三三i|三三l
. - 964 ： ◆HrtGSGllns ： ：2010/08/03(火) 21:44:13 ID:7KZ244lQ
-
羽入は怯えていた
紡ぎ出されるやる夫の言葉に怯えていた
さながら子供のように抵抗する彼女
駄々をこねるようにやる夫の言葉を否定する
＿__、
,,, -'''"´ .｀ﾞﾞ''ｰ ､,
_..-'" ｀''-､、
／ ｀''-、
／ ＼
.／ ヽ,
./ ヽ
./ ヽ わがままいうなお・・・
./ ―-..＿___, i 、 ｌ
/ ,．.、 ` " ､ ｌ このままだとどうなるか・・・わかってるんだお？
! ,i ､ ＾ ! ,,ﾉ ヽ,,_ ｌ
.,! .ｌ弋ﾌ､/ - l 、 . 二'ｰ ､、 |
ｌ. ﾞ＞'ﾞ " .''i.二,、 ｀ﾞ'‐ ｀''-､ !
_|， / ｌ,弋ア--ヽ/ /
. ‐'″ ﾞ‐{ ｀ﾞ''―-‐" /
｀'- -‐| ″ ,／
｀' !ｰﾐi､_. _./ _／'ｰ､,
｀'-,,｀''二二コ _,,.. -'"゛ .｀''-、
｀''ｰ--､, ___,,,.... -‐"゛ ＼
￣￣￣ﾞ´ ＼
. - 965 ： ◆HrtGSGllns ： ：2010/08/03(火) 21:44:32 ID:7KZ244lQ
-
／ | | | | ヽ
/ | }､ ﾊ | |
/ ハ :!＼ ｰーミA､∧ |
r‐v | ＼ 斗 ヽ. .' / j/｀ ! / ト..､
. /:::::::| ヽ ／＼ ≦ ＼ /／ｲ孑示､| / :!:::::::＼
{::::::::::| ｀ ー‐ ≦孑k } ／ ん'' ∧! ｲ |::::::::::::::ヽ
∨:::::::ヽ、 ∨ ん ﾊ }´ 弋 ｲり从v ∧::::::::::::::::}
. ∨::::::::::|｀¨ ー ム弋込 り ｀ ｰ= ′ / ィ' |:::::::::::::/
∨::::::::'. ヽ ゞ ´ ' ／ ／ / /:::::::::::.'
わかっています！ このままだとわたしは負けます！！ ∨:::::∧ ＼ r‐ ﾍ ≦ _ ィ ´ / /::::::::.ィ
∨:/ ヽ｀ト ､ ≧ ｰ‐′ ／.' / /:::／ !
. ヽ }＼人 ￣}ゝ、 ィ / ／ /／ |
/ '. ! ＞ ,_ . ´ _トム´ |
/／｀Y ヽ | / ∧ ／／Y ｀ V⌒ Y ￣￣_二_ヽ
〃 ／ヽ ヾ ／ / /' ／／/⌒ヽ. ヽ. | ／ ヽ ＼
/ ./⌒Y Y l l ／／ /⌒ヽ ｀ .| ／ '.
. 八 l | .l l / / {_ﾊ |' |
{ ヽ | .l |/ / | / |
そう・・・このままではやる夫達は殺される
その事実を認めた上で、なお彼女は否定しているのだった
やる夫が、やる夫だけが死ぬならそれもいいだろう
けれども彼女がここで死んでしまう・・・それだけは我慢ならなかった
. - 966 ： ◆HrtGSGllns ： ：2010/08/03(火) 21:45:06 ID:7KZ244lQ
-
,. -───- _
-‐ v' ＼
／ ﾚ ´ ＼
' / ,l ヽ. ＼ヽ.
/, / ,.ｲ│ ヽ｀ｬ Vー ､' l
jﾚイ|! |:l |､ l! | |!::: ∨::::::ﾄji､
／::::::ハ ヽﾉ ＼ ヽ/__/! /l ハ:: ﾚ'::::ヽ,.
,'::::::::::::l ﾄ,.ィ=､´i ＼! /j/､i｀メ / V ＼:::::: |
i :::::::／'ゝ､Vl:::::j j/ 7:::::rﾞi!イ:: ﾘ |::::,.' 貴方はずるい、ずるいです！
l ::::/ i′ ハ!ゞラ ゞ.フ(..) ハ j／
ゝ| ゝ､ ゝ,ﾊ :::: '__ ::::.,ィ'-,イ :: l | わたしは貴方に生きて欲しかった
／ ／￣＞ゝ､. ‘ｰ‐` イ-,|i::::l| ::: | |
／ ／ '´ （ rイi｀￣／´ ＼;.j_:::::| ヽ. 一緒に歩いて欲しかった！！
′ ′ / r イ´| :|:| ／ ／ フl|:| ＼
l ′ / ,r ﾚ′| :|:/ ／ ／´ V|: ゞ ＼ ﾞ!
| |::::rー-|/ ／ ／ /, |´:::ヽ ﾄ ﾞ!
ノ| | ::| 三（ ' ｲ / l .＿_j__:::__|::: |ゞ. l
`ーゝ.. ゝ| 三 ヽ | | レ' ´_ rｭ r-t}:::: | | l/
＼ハ '⌒j..＿|＿|＿|::::::ｲｭ ﾚ ´三三〆::::: | j/
/ イ ￣）二二二_ ,.＞|〆 三三三| ::::::ﾚ
彼女はやる夫の胸元を強く握りしめて号泣していた
/ ハ :!＼ ｰーミA､∧ |
r‐v | ＼ 斗 ヽ. .' / j/｀ ! / ト..､
/:::::::| ヽ ／＼ ≦ ＼ /／ｲ孑示､| / :!:::::::＼
{::::::::::| ｀ ー‐ ≦孑k } ／ ん'' ∧! ｲ |::::::::::::::ヽ
だから貴方の命が大事だった！ ∨:::::::ヽ、 ∨ ん ﾊ }´ 弋 ｲり从v ∧::::::::::::::::}
∨::::::::::|｀¨ ー ム弋込 り ｀ ｰ= ○′ / ィ' |:::::::::::::/
でも貴方はそれを赦さなかった！ ∨::::::::'. ヽ ゞ ´ ' 。ﾟ ／ / /:::::::::::.'
∨:::::∧ ﾟ。 r‐ ﾍ ｡ ﾟ ィ ´ / /::::::::.ィ
なのにわたしには血を吸って生きろというんですか！？ ∨:/ ヽ｀ト ､ 。ﾟ ｰ‐′ ／.' / /:::／ !
ヽ }＼人 ￣}ゝ、 ィ / ／ /／ |
/ '. ! ＞ ,_ . ´ _トム´ |
/／｀Y ヽ | / ∧ ／／Y ｀ V⌒ Y ￣￣_二_ヽ
〃 ／ヽ ヾ ／ / /' ／／/⌒ヽ. ヽ. | ／ ヽ ＼
/ ./⌒Y Y l l ／／ /⌒ヽ ｀ .| ／ '.
八 l | .l l / / {_ﾊ |' |
{ ヽ | .l |/ / | / |
. - 967 ： ◆HrtGSGllns ： ：2010/08/03(火) 21:45:39 ID:7KZ244lQ
-
いわれて気づく
やる夫は彼女に『羽入』をやめさせようとしていた
『羽入』をやめて『吸血鬼』に戻れ・・・
やる夫が要求していたことはそういうことだった
,. -───- _
-‐ v' ＼
／ ﾚ ´ ＼
' / ,l ヽ. ＼ヽ.
/, / ,.ｲ│ ヽ｀ｬ Vー ､' l
jﾚイ|! |:l |､ l! | |!::: ∨::::::ﾄji､
／::::::ハ ヽﾉ ＼ ヽ/__/! /l ハ:: ﾚ'::::ヽ,.
,'::::::::::::l ﾄ,.ィ=､´i ＼! /j/､i｀メ / V ＼:::::: |
i :::::::／'ゝ､Vl:::::j j/ 7:::::rﾞi!イ:: ﾘ |::::,.' ご自分は決して『やる夫』をやめようとはしないのに！！
l ::::/ i′ ハ!ゞラ ゞ.フ(..) ハ j／
ゝ| ゝ､ ゝ,ﾊ :::: '__ ::::.,ィ'-,イ :: l | わたしにだけそれをいうんですか！！！！！
／ ／￣＞ゝ､. ‘ｰ‐` イ-,|i::::l| ::: | |
／ ／ '´ （ rイi｀￣／´ ＼;.j_:::::| ヽ.
′ ′ / r イ´| :|:| ／ ／ フl|:| ＼
l ′ / ,r ﾚ′| :|:/ ／ ／´ V|: ゞ ＼ ﾞ!
| |::::rー-|/ ／ ／ /, |´:::ヽ ﾄ ﾞ!
ノ| | ::| 三（ ' ｲ / l .＿_j__:::__|::: |ゞ. l
`ーゝ.. ゝ| 三 ヽ | | レ' ´_ rｭ r-t}:::: | | l/
＼ハ '⌒j..＿|＿|＿|::::::ｲｭ ﾚ ´三三〆::::: | j/
/ イ ￣）二二二_ ,.＞|〆 三三三| ::::::ﾚ
/ /| |ゝ-イ三レｲ三| ミ :7:三三三三|／
' ｲ三 ゝ／|三|三| lE| ミ:/ 三三i三三|
/三三:「!∨::|,. ｲ三| |ﾖ|三' 三三i|三三l
困った・・・
やる夫はどうしていいかわからなくなった
本当に彼女はここにある『やる夫』を含めて愛してくれていたのだ
. - 968 ： ◆HrtGSGllns ： ：2010/08/03(火) 21:46:22 ID:7KZ244lQ
-
だから・・・
! ｌ
.! `'ｰ ,,_ _,,,＿__ !
| -.、 ｀''ｰ ..,、 | | ...ｰｰ''"´ ._,- !
l ﾉ ゛ 'i } i! ・・・羽入
,..-'".ｌ ヽ,、 _./ ヽ_ .／ ,l～ ..,,
´ ヽ .｀ﾞﾞﾞﾞﾞ./ ヽﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞ / ﾞﾞ'-､、
.＼ │ l ／
.｀'-､, ゝ..＿__＿,..-ｰ .＿＿__イ
『やる夫』は決心した
. - 969 ： ◆HrtGSGllns ： ：2010/08/03(火) 21:46:46 ID:7KZ244lQ
-
―――在りたいように在る
. - 970 ： ◆HrtGSGllns ： ：2010/08/03(火) 21:47:45 ID:7KZ244lQ
-
ということはとても難しい
それは生きることが難しい事だと思う
やる夫は今になってそう思うようになった
. - 971 ： ◆HrtGSGllns ： ：2010/08/03(火) 21:47:58 ID:7KZ244lQ
-
在りたいように在るには、他人を考えずに行動しなければならない。
しかしおおよそ人間は他人の感情を無視して行動する事を良しとしない。
だからこそ時に人は迷い、そして予期せぬ生き方を強いられる。
それはどこまでも『自分』についてまわる永遠のジレンマだ。
. - 972 ： ◆HrtGSGllns ： ：2010/08/03(火) 21:48:26 ID:7KZ244lQ
-
本当に自分のしたいように生きるためには
たった一人孤島で暮らす事が必要なのかもしれない。
でも、もしかすると、在りたい自分、というものをはき違えているかもしれない。
時折、そう思う事がある。
本当に大切な事は、例外なく成り立つはずなのだ。
他人がいようがいまいが、そんな事は関係なく成り立つはずなのだ。
. - 973 ： ◆HrtGSGllns ： ：2010/08/03(火) 21:48:56 ID:7KZ244lQ
-
それが分かっていてもやる夫は迷う。
どうしても人と時に迷う。
迷いを断ち切る事ができない。
頭で考えた事を心が拒絶する。
その当たり前の現実に押しつぶされそうになる。
. - 974 ： ◆HrtGSGllns ： ：2010/08/03(火) 21:49:12 ID:7KZ244lQ
-
砂時計が落ちきる前に、心と折り合いをつけなければならない
そうでなければ生きる事にならない
起きて、食べて、寝る、そんな諾々と生きるためだけの人生など願い下げだ
そんなの生きているうちから死んでいるようなものだ
. - 975 ： ◆HrtGSGllns ： ：2010/08/03(火) 21:49:27 ID:7KZ244lQ
-
もっと違う人生を・・・
. - 976 ： ◆HrtGSGllns ： ：2010/08/03(火) 21:49:42 ID:7KZ244lQ
-
それはきっと・・・
. - 977 ： ◆HrtGSGllns ： ：2010/08/03(火) 21:49:55 ID:7KZ244lQ
-
──────────────────────────
──────────────────────────
平凡で幸せな日々を無限に生きるように
──────────────────────────
──────────────────────────
. - 978 ： ◆HrtGSGllns ： ：2010/08/03(火) 21:50:16 ID:7KZ244lQ
-
＿＿＿＿＿__ ＿___
／ （＿＿ ゝ
／ （＿＿_ヽ_
／ ── ── （＿_ _ ヽ_
／ ／´ ｀ヽ /´ ｀ヽ （＿＼ 〈 羽入・・・怖いんだお
／ `Ｔ;;;:::;;;Ｔ′ `Ｔ;;;:::;;;Ｔ′ ＼ ＼ 死ぬのは怖い
| ヽﾞ''''''´"ノ ヽ⌒ﾞ''''''´" Ｕ | ） とても恐ろしいんだお
| （ i ） |三三）
＼ ｀ー ─'＾ー 一' ／.:.| .|
＼ ￣￣ ／|.:.:.:.:| .|
〉三三三》 《三三三〈 |.:.:.:.:| .|
／ | | | | ヽ
/ | }､ ﾊ | |
/ ハ :!＼ ｰーミA､∧ |
r‐v | ＼ 斗 ヽ. .' / j/｀ ! / ト..､
. /:::::::| ヽ ／＼ ≦ ＼ /／ｲ孑示､| / :!:::::::＼
{::::::::::| ｀ ー‐ ≦孑k } ／ ん'' ∧! ｲ |::::::::::::::ヽ
∨:::::::ヽ、 ∨ ん ﾊ }´ 弋 ｲり从v ∧::::::::::::::::}
！？ . ∨::::::::::|｀¨ ー ム弋込 り ｀ ｰ= ′ / ィ' |:::::::::::::/
∨::::::::'. ヽ ゞ ´ ' ／ ／ / /:::::::::::.'
∨:::::∧ ＼ r‐ ﾍ ≦ _ ィ ´ / /::::::::.ィ
∨:/ ヽ｀ト ､ ≧ ｰ‐′ ／.' / /:::／ !
. ヽ }＼人 ￣}ゝ、 ィ / ／ /／ |
/ '. ! ＞ ,_ . ´ _トム´ |
/／｀Y ヽ | / ∧ ／／Y ｀ V⌒ Y ￣￣_二_ヽ
〃 ／ヽ ヾ ／ / /' ／／/⌒ヽ. ヽ. | ／ ヽ ＼
/ ./⌒Y Y l l ／／ /⌒ヽ ｀ .| ／ '.
. 八 l | .l l / / {_ﾊ |' |
{ ヽ | .l |/ / | / |
やる夫の独白に羽入はハッと顔をあげた
その顔には驚きが満ちて溢れている
. - 979 ： ◆HrtGSGllns ： ：2010/08/03(火) 21:50:35 ID:7KZ244lQ
-
＿＿＿＿＿
／Ｕ:::::::::::::::::: ＼
／ :::::::::::::::::::::: ＼
／ ;;;;;-──::::::::::::──- ＼
／ ::::::::::;;;;;;;;;;;;;:::::::::::: ⌒__丶 ＼
／ ::::::::;;;;;;;;;;;;;;;;;;′:::::::.....'::. ） .ヽ ＼ 死にたくない・・・本当はやる夫だって死にたくないんだお
| :::::::::::::::::::::::::"ノ :::::::::.... __ ..丿 .| 今でも、そしてこれからも
| Ｕ:::::::::::;;;;（;;;;;;;_ ﾉヽ.___＿） U |
＼ ::::::::::::::｀ヾ: : : ::.. ../ ／
＼ ::::::::::::::::::｀￣:.⌒ " ／
〉三三三》:;;;;;;;;;;;;;;;;::《三三三〈
だから・・・
だから・・・・・・
だからっ・・・・・・・・・！！
. - 980 ： ◆HrtGSGllns ： ：2010/08/03(火) 21:50:58 ID:7KZ244lQ
- .
＿＿_＿_
／ ノ' ＾ヽ_＼
. ﾟ ／ ｡;'⌒） （⌒ヽ＼° だから生きて！ やる夫のところにいてくれお！
. ／ o'ﾟ~（___人___）~o°＼゜ やる夫の目が覚めた時！
. | ﾟ |/⌒ヽ| ﾟ | いつも側にいてまだやる夫が生きてるって解らせてくれお！
＼ ｀ ⌒ ´ ／
_＿＿＿
／ _ノ ヽ_＼
／ ∩ｌ＾ｌ^ｌnnｌ^ｌ^|＼ いつものように笑って！ なんでもないように挨拶して！
／ 。ヽ ∥ ﾉ ＼
| ／ 人 ｌ | おはようって！ こんにちはって！ おやすみって！
＼ ／ /|ii!i!|＼ ＼／
. | /. |;;;;;;| ＼ | やる夫が生きていられるように・・・！！！！！
｀ｰ´
叫んだ
本当に、一切の妥協もなく、恥もなく
羽入以上の子供のように・・・
たまりにたまった心の澱を
. - 981 ： ◆HrtGSGllns ： ：2010/08/03(火) 21:51:28 ID:7KZ244lQ
-
彼女は大きく目を見開いていた
大きな涙が浮かんでは流れていた
次から次へと流れる滴は月光を跳ね返しながらいくつもの筋を作った
/:::::::::::::/ l l ヽ ', l /! l } l ﾊ:::::::::::::::::::l
. /::::::::::::::il ! ヽ、 ＼__ヽ ', l-/十‐l- ..._/ l i::::::::::::::::::|
,'::::::::::::::::ｌ| ヽ ＞=''二_￣ `ヽヽ ヽ ｌ/ l / /l｀ .,' l !:::::::::::::::::|
!::::::::::::::::l l ヽ、 ´ ﾍ ¨ ‐-､ﾄ､ } / 'ｲ ／ ! / l l:::::::::::::::::|
!::::::::::::::::l ', `t‐---` ＿ ﾘ ／ --/／ ｜ / / l::::::::::::::::::!
l::::::::::::::::ﾍ ヽ ', _..´---､ }／ zニニ_‐-､ l / / ,'::::::::::::::::,' あは・・・はははっ
.V:::::::::::::::ﾍ ＼ ヽ zﾆ-‐ ￣ ｀ ｀ヾｨ'′ ,ｲ ,ｲ:::::::::::::::/
V::::::::::::::::ヽ 丶､ ｡ ﾟ。 l ﾟ ｡ ／/ / |:::::::::::::/ ずるいんだ、やる夫
ヽ:::::::::::::::::i＼. ￣ヽ｡ ､__ ＿_, ﾟ 。. ´ / / l:::::::::／
＼:::::::::::', ｀iｰ- ..＿_ﾟ_､ __ ﾟ ｡l / ／ /:::／ やっと、言った・・・
丶､:::::ヽ l l ヽ、 , ィ´/ '´/ /イ
iー-`.', ', l `丶､ , イ l /ｲ .／ l ! ほんとの弱音、聞かせてくれた
| Ⅵ､ ', ﾉ _!¨ ‐- -- '' ´ !、 l / ／ l |
| / _.. ---ヽ､ ﾍ‐ '' ´ ! | `ｰく‐､----- ､. |
／／ ,-‐､/ムヾ､ / r―ｷェ‐､ ヽ|
/ / `ｰ-ｲﾊ..._） ヽ‐イﾊ`‐' ',
彼女の笑顔はぐちゃぐちゃで、どうしようもなく滑稽で・・・
でも、やる夫にとってはどうしようもないほど愛しい笑顔だった
. - 982 ： ◆HrtGSGllns ： ：2010/08/03(火) 21:51:40 ID:7KZ244lQ
-
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
:::::::::::::/::::::::::::/::::::::/ :.:.:.:.:.:.::::::::::::::.:.:.:.:.:. ヽく
::::::::::/::::::::::::/::::::::/ /'′::::ヽ、
:::::::/::::::::::::/::::::::/ ノ｀
::::/::::::::::::;:'::::::::;' ＜ ￣ ｀ヽ （
:::::::::::::::;:':::::::::;' ｀ ､_ ﾉ ﾉヽ、 ん・・・
::::::::::::/:{:::::::::{ ､_ ／:::::::｝､>
:::::::::/::::i:::::::::i ヽ ` ／:::::::::::〈
:::::::::::::::::';::::::::'; ＼ イ |:::::::::::::l ｀
:::::::::::::::::::';::::::::'; ＼ ＜:::/ ハ:::::::::l l
:::::::::::::::::::::';:::ﾄ;::'.、 ヽ .イi::|::::::/ /ｲ:::::::::::l l
::::::::::::::::::::::ヾj ヾ;:'; ／::＞.---.＜:::::::| |:::/ / |::::::::::::! ヽ、_＿＿___ ,,
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
やる夫は羽入を抱き寄せくちづけた
彼女の身体は震え、暖かだった
やる夫達は随分長い間そうしていた気がした
. - 983 ： ◆HrtGSGllns ： ：2010/08/03(火) 21:52:00 ID:7KZ244lQ
-
,. -― - ､
＿,.／ ＞x
／ _＼
／ ヽ ＼::｀..ヽ
/⌒, ＼ ＼ ＼:::::::＼
／:::::/ { ヽ ＼ ヽ. ＼:::::::ヽ
/::::::::::| ∧ ∨ ハ } ヽ:::::ハ
. ,':::::::::::∧ ヽ ヽ l ﾊ | | Y:::::::}
l:::::::::::/ ヽ ＼ ＼ l斗f‐十.| lハ .ﾄ、:::l
{:::::::::{ ハ _＼x ― ＼ ハ/ 」l从 ;ｲ .! | }:::::|
l:::::::/{ ヽ ＿ _≧二｀ ｀ j/ rfう丁メ、 | ! / l:::::.}
l:::::::| l l ｧ孑'ハ {:{ ;り ∨ ./ ∧ }／ やる夫、最後に一つだけ教えてください
ヽ::::ト、. ∨ ! V j | 辷 タ 〃/ / |
. ＼ ＼ ＼ 弋 タ′ _ィ_ ／ ィ |
|ミ､_ ≧ ' ≦ ィ ! |
| 丁< ｀ ｰ ‐ ’ ｲ | | |
| | |＞ ．_ ／L! ! | |
| | | _｣｀ ¨ ´ / ハ.! | |
| | | ／ |│ / / ＼ ! |
j |_,.rf ' |│ ./ / /￣￣＼
/ ／ .l ! | / / / ヽ
. / ／ | ! !／／ / 」
/ 〈 / .| .ヽ／ / ／ l
/ / ヽ / | ／ ／ ／ .}
. / | / .|／ ／ ,ィ ∧
やがて羽入はゆっくりと顔をはなし、そんなことを言ってきた
. - 984 ： ◆HrtGSGllns ： ：2010/08/03(火) 21:52:20 ID:7KZ244lQ
-
＿＿__
／_ノ ヽ＼
／ （ ●） （●）、
／::::::::⌒（__人__）⌒＼
| |r┬-| | どうぞ・・・今ならなんでも答えてやるお
＼ `ー'´ ／
⊂⌒ヽ 〉 ＜´/⌒つ
＼ ヽ / ヽ /
＼_,,ノ |､＿ノ
..:: / / ＼.::.:＼ ::.
..:: ／/ / / ヽ ヽ.::.::ヽ ::..
..:: /.::.::′ ′ / / / ', ヽ l ｌ l.::.::.::.ヽ ::
.:: /.::.::.:.| ｌ ｌ ∧ l 、 |｜ ｌ |.::.::.:＜ ::
:: |.::.::.::.:| | ｌヽ {_ム- （ ( | }ハ┤|_ | |.::.::.::.::| ::
:: |.::.::.::.:| | | ）ﾉ Vハ＼ ヽ ﾉﾉ ﾉﾉﾉ )７メ､| |.::.::.::.::| ::
:: |.::.::.::.:...、 |＼イ ィ爪抔不 ＼ （ 不孑丐ミx ハ ﾉ.::.::.::.:.| ::
.:: 、:.::.::.:.::ヽ /l | L :::::::::」 ） ﾉ L ::::::::」 }/ | /.::.::.::.::.ﾉ :: では・・・
.:: ＼.::.::.::.:l∨{ （ / l| /.::.::.::／ ::
:: |＼.::.:| 人 ＼ """ : """ / ノ|／|.::.:／| ::: やる夫がここへ来たのは偶然でしょうか？
:: l ＼| ＞---r- 、 , -r-＜ ﾉ j／ | ::
.:: ﾉ / ﾉl ＼ ￣ ／ l | ::
..:: ／ / / ,' ! ＞ ＿_ 个 、 ｌ l l 八 ::..
..:: ／ / / | _ノ /（ ）| ＼l l ＼ ::..
:: / 「 {..:..＼. ／/ }＼ 、 ヽ ::
/ ７ 八 ヽ ..:..:＼ ／.:./ ′ 丶 ヽ
／ ／ / / ', ＼..:..:＼／.:..:./ / 丶 ＼
/ ／ ／ / / 、 ＼／..:..:／ / ＼
/ / / / ヽ ＼／ ／ ヽ
. - 985 ： ◆HrtGSGllns ： ：2010/08/03(火) 21:52:40 ID:7KZ244lQ
-
＿＿＿_
／ ＼
／⌒ ⌒ ＼
／（ ・ ） （ ・ ） ＼
| （__ |
＼ _ｌ ／
／ ｰ ＼
少し面を食らう
彼女の意図を一瞬見失った
・・・後で聞いた話だが、このときやる夫は笑っていたという
『わたしが今まで見たことないような、
それはそれは、春の陽射しを思わせるような素敵な笑顔でした』
このとき、やる夫にはまったく自覚はなかったのだが
いたくユーモアを刺激された、それだけは覚えている
. - 986 ： ◆HrtGSGllns ： ：2010/08/03(火) 21:52:52 ID:7KZ244lQ
-
＿＿＿＿＿_
／ ＼
／ ＼
／ ⌒ ⌒ ＼
／ ／ ｀ヽ /´ ｀ヽ ＼
／ （ ⌒ l ｌ ⌒ ） ＼
| ヽ_ _ノ ヽ_ _／ | あぁ、偶然だお
| ´￣｀ （ i ） ´￣｀ |
＼ ー― ＾ ー― ／ もっすごい、偶然
＼ ー一 ／
／ ＼
/ ヽ
| |
| ｉ ｉ |
| | | |
. / : :! . i: : : ::::i: :.:i: : : : : : : : :i: : :.!: : :.!: : : : :.i: . : :.!;;;;;;;;
/! : |. : : :!: : : ::::!: :.i: : : : :/: : :.:!: :./:: : :j::. : : : :i: : : . . ｉ;;;;;;;;
,';;! i : !: : : :!: : : ::::i: : !: : :.:,' : : :.:.|: /::. : /!:::. : : : !:. : : : : :i;;;;;;;;
i;;;! i : :.: : : :ヽ:. : :::ﾄ.::ﾄ.: :.:i: : : : :.i/ ｊ.j: / ｉ::j:: : :./:::. : : : : :!;;;;;;;
|;;;! | : :＼:. : : !>' ＜⌒､: j: : :./:/ //⌒＞ ﾉ: ノ:::: : : : : : :!;;;;;;;
|;;;i ｊ :i: : : ヽ::.:.ヽｘ,==ｒミ＼ .::ﾙ' ｒ==ｒミ/／|.:::/:::.:. : :./;;;;;;;;;
. !;;;ヽ ハ: : : :::ヽ.,.ｲゝｲil::| ヾ! |ゝｲil:::| ﾚﾉ.:/::::.: : :./:!;;;;;;;;;;
;;;;;;;;;>、ヽ:.:.:.:.:.＼ゞﾟｰ''ﾉ ゞﾟｰ'':ｿ /／:::. : :／!.:|;;;;;;;;;;
・・・ふふ、嘘つき ヾ;;;ｊ ＼ :｀￢‐- ￣｀ , ´￣ ／::. : :／: .ｲ ﾉ;;;;;／
ヾ! ヽ:: : :＼ '' '' ｒ―‐ ､ '' '''／:: ::...ィ::::／iイ;;;／::::::
//.:i.:::::::..､ ヽ..___ﾉ ´￣了:::: /::::::|::!´::::::::::::
. ｉ iﾊ:|.:.:::::::/:＞.... . ..イ !::: : /､::::::|::i:::::::::::::::
. ｉ ｉ: ﾊ :.::::i:::::::i::i::::＞--ｒ |ｲ::/: : ＼j:::!::::::::::::::
. ｉ ｉ: : :〉:::::!‐ｧ': : /: : : : ヽ ノｉﾘ/: : : : /`ｰ‐-... __
. ｉ ｉ: :/ ヽ|/: : : :! : : : : : : Ｖ´ : : : : : : : : /:::::::. : : : :ﾉ
. - 987 ： ◆HrtGSGllns ： ：2010/08/03(火) 21:53:14 ID:7KZ244lQ
-
羽入は涙を拭って笑った
そして・・・
彼女の顔がゆっくりとやる夫の首筋に降りていった・・・
. - 5 ： ◆HrtGSGllns ： ：2010/08/03(火) 21:55:16 ID:7KZ244lQ
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━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ - 6 ： ◆HrtGSGllns ： ：2010/08/03(火) 21:55:43 ID:7KZ244lQ
- ITTTTTTTTTTTTTI _|_ ＿＿＿
_____________ ／|￣￣￣￣￣￣￣~! iﾆi . .| FFFF
. |IIIIｌミ|三三|ﾞ ＿＿＿＿|ミ| LL LL LL LL LL | iﾆi,_＿＿| FFF
￣￣|!|IIIIｌミ|三三| |田田田田|ミ| LL LL LL LL LL |ll.|＿＿|.|＝＝／
lllllllll |!|IIIIｌミ|三三| |田田田田|ミ| LL LL LL LL LL |ll.| ﾛ ﾛ 「￣￣￣
￣￣. |IIIIｌミ|三三| |￣￣:￣￣ﾞ|ミi LL LL LL LL LL |ll.| ﾛ ﾛ .|.l⌒l l⌒ｌ
. . . |IIIIｌミ|三三|| : :ﾞ| | LL LL LL LL LL |ll.| ﾛ ﾛ .|.l⌒l l⌒
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿'
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￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣'＼||:. ||＼
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時は春
燦々と輝く太陽のなか、桜の花が満開に輝いているのが、病院の屋上からもよく見えた
. - 7 ： ◆HrtGSGllns ： ：2010/08/03(火) 21:56:00 ID:7KZ244lQ
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i;;ii:i;;i￣|rニユ l |l i: i:二i, .;';':;:';'::;:';'; ,. '':';;:::;:;;:爿|:::.:....;';':;:';'::;:';'; ,. '':';;:::;:;:;;::::.:....;';':;:';'::;:';'; ,. '':';;:::;:;:;;::::.:....;';':;:';'｀,,,,-‐'゛::;:';'; ,.
二.ll.| . 二￣￣|=,ｨ'⌒ﾆﾆｴﾆﾆil］1lｰ-il］|_三rーilil￣|─r‐┬||irr-､v冖v":;;;: : ;: ;: ;: ; ::; : ;:; :; : :: :; ":;;;: : ;: ;: ;: ;: ;: ;: ; ::;
::;...;;.;;ii:i;;:; :;..; |l巫||､_,|斤il］il］|_三rーilil￣|─r‐┬|i､_ｒ－lＴ┐┬il］il］|_三rーilil￣|─r‐┬r'⌒ヽ'' ,. ,. '' ;';':;:';'::;:';';ﾞﾞﾞﾞ'''‐- ､ ,,,,,__
韭| |:::.. .. |巫|il］il］|_三‐┬ lil「l￣|i､_ｒ lil「l韭l《ｆﾆﾆll￣'' ;~'',;''ﾟ ;~'',;'', ;~,;''ﾟ ;~ﾟ''ﾟ ;~'',;'',;''ﾟ ;~,;, ‐''"~￣~`''‐ ,.､t''T叮 i￢-､
韭| |l::;...;;.;.;ii:i韭lllll":;;;: : ;|韭韭|ﾆﾆｴﾆﾆｴﾆﾆｴ : ;:;;';':;:';'::;:';'; ,. '':,.ｨ;|￣冂ilrーilil┬ li┬;:::;:;:;;::::,.‐':;ﾆ´ｨ:爿ヱ;'::;|I|：・：|I－lＴ┐┬
やる夫はそこからゆっくりと風景を見渡した
くすんだ色の街並みの中にも淡いピンクの桜の花が見え隠れしている
. - 8 ： ◆HrtGSGllns ： ：2010/08/03(火) 21:56:22 ID:7KZ244lQ
-
┌───────────────────┐
│ これがやる夫の生きた世界かお・・・ │
└───────────────────┘
柵に両肘をついてぼんやりとする
眺める世界はそれはとてもとても輝いている
. - 9 ： ◆HrtGSGllns ： ：2010/08/03(火) 21:56:38 ID:7KZ244lQ
-
_,. -──-- ､_
,.-__ r-､-. ト--.､
' ｲ ＼＼＼ ＼::::::＼
/ ｲ | ヽﾊ. ＼ ヽ:::::::ヽ
' ' |│､| ｫ什十ﾄ! | ﾚ::::::::l
/li! | vl-ﾄゝ､,. j/z!‐j/､ﾚｲr::::::::::ｲ
(:::|l ヾ ヽj =,､ l./ ﾍﾊt! j {:::／..ヽ
V|ゝ ＼ﾊ 7rj ｀ "/ イ ::::::::::: ＼
ﾚゝ＼lヾ!" ' , ｲイ＼ ::::::::::: ＼ やる夫・・・
|l !:::ゝ. ｀ ／ |::::::::::＼: :::::::::::::`. ､
|i :::::::::|｀..ｰ─r' ／ ＼::____:＼:::::::::::ヾ:::`..､
ゞ ::::::::ゝ::__,:イ／ ,.イ ,. ---､ヾヽ:::::::::::`:::::::＼
＼:,.ｲ´| ／ ／ / / |ﾄ､::::＼:::::::::::＼:::`i、
_/ノ! ／ ／ ﾚ' /:::::＼.:::: i､:::::::::::: 'i::::ヽ.
/_/ ／ ／ 「_￣_:.`ｰく::＼::::::::ﾞl.,::::ﾊ ::::: |!:: !
〈 ,! ,' / ｢:.~: : :~: rィ'ヽ::::＼::: i::. |ヽ::: |!:: |
ｲ.:ﾚ / ,.ｲ: : : : : : ∧ :::::l::::::::ﾞ!::|: | |:: |!:: !
/: : :|＿__l!＿__/:.:|: : : : : :/ :::l::::: l :::::: !::!:: | |:. ﾉ ,.'
': : : ＞rt===.／/:.:| : : : :∧ :::|:::::ｲ::i:::. ﾚ|:: | j／ ／
/: ／ ,.イ|tｽ／: :/: : !: : : :/! :::: l::/ |: |:::: | |:: ﾚ'′／
. /: .lL_' ／!ﾊV: : : ' : : : : : :/三ゝj/ |::|!:: ﾉ ' ,' ,.イ/
.': : :くミ|^∨／: : : : : : : : :./三三三 ` ー＜j／ ﾚ′ '
i: : : へ'三/: : : : : : : : : :.:/ 三三三三三三 ＼
ふと傍らを見ると羽入が立っていた
彼女は身体の前で両手を重ね、髪を風になびかせていた
. - 10 ： ◆HrtGSGllns ： ：2010/08/03(火) 21:56:51 ID:7KZ244lQ
-
┌─────────────────┐
│ やぁ、羽入。今日も美人だおね ....│
└─────────────────┘
-―-=――-
'" ｀丶、
_∠ -‐ ／ ヽ、
／ ' 、 ＼ ヽ
. / ／ ／ 〃 j } ヽ`く＾ヽ、ハ
/ ｲ { ｛{ / j / ,' } ヽ:::::＼}
{! /::{ 人 从 〃 /,ｲ / l:::::::::ﾍ
うん ∨::小 ｛`＜⌒{{ ／￣jノﾄ､ / } ::::::::::}
. {:::::ﾊ ヽ､_＞ 二八_（ _ 厶j＼ ｌ::::::::::,'
∨八. ＼'¨￣` ＝=ﾐ ﾉ , /:::::::::/
＼ こミ ' ／ ／ /::::::／
人. ゝ ` ｰ 彡=-─厶／|
/ /＼ぐ＞､＿ イ_}｝ / / │
〃 / {／〈| __／ ∨／{ l.{
{ｆ斗―-イ _>＜´ ∠`ーｚ-八
／ { ,レ'´ _爪 ＼ ／ ／ ヽ＼
. / ｜ 〉 ／ﾉ |/／ / ／ | ヽ
. - 12 ： ◆HrtGSGllns ： ：2010/08/03(火) 21:57:08 ID:7KZ244lQ
-
┌─────────────────────┐
│ あれだおね、花見でもしたい気分だおね .│
└─────────────────────┘
-―-=――-
'" ｀丶、
_∠ -‐ ／ ヽ、
／ ' 、 ＼ ヽ
. / ／ ／ 〃 j } ヽ`く＾ヽ、ハ
/ ｲ { ｛{ / j / ,' } ヽ:::::＼}
{! /::{ 人 从 〃 /,ｲ / l:::::::::ﾍ
うん ∨::小 ｛`＜⌒{{ ／￣jノﾄ､ / } ::::::::::}
. {:::::ﾊ ヽ､_＞ 二八_（ _ 厶j＼ ｌ::::::::::,'
∨八. ＼'¨￣` ＝=ﾐ ﾉ , /:::::::::/
＼ こミ ' ／ ／ /::::::／
人. ゝ ` ｰ 彡=-─厶／|
/ /＼ぐ＞､＿ イ_}｝ / / │
〃 / {／〈| __／ ∨／{ l.{
{ｆ斗―-イ _>＜´ ∠`ーｚ-八
／ { ,レ'´ _爪 ＼ ／ ／ ヽ＼
. / ｜ 〉 ／ﾉ |/／ / ／ | ヽ
. - 13 ： ◆HrtGSGllns ： ：2010/08/03(火) 21:57:27 ID:7KZ244lQ
-
┌──────────────────────────┐
│ 結局、羽入の料理、あんまりうまくならなかったおね │
└──────────────────────────┘
-―-=――-
'" ｀丶、
_∠ -‐ ／ ヽ、
／ ' 、 ＼ ヽ
. / ／ ／ 〃 j } ヽ`く＾ヽ、ハ
/ ｲ { ｛{ / j / ,' } ヽ:::::＼}
{! /::{ 人 从 〃 /,ｲ / l:::::::::ﾍ
うん ∨::小 ｛`＜⌒{{ ／￣jノﾄ､ / } ::::::::::}
. {:::::ﾊ ヽ､_＞ 二八_（ _ 厶j＼ ｌ::::::::::,'
∨八. ＼'¨￣` ＝=ﾐ ﾉ , /:::::::::/
＼ こミ ' ／ ／ /::::::／
人. ゝ ` ｰ 彡=-─厶／|
/ /＼ぐ＞､＿ イ_}｝ / / │
〃 / {／〈| __／ ∨／{ l.{
{ｆ斗―-イ _>＜´ ∠`ーｚ-八
／ { ,レ'´ _爪 ＼ ／ ／ ヽ＼
. / ｜ 〉 ／ﾉ |/／ / ／ | ヽ
. - 14 ： ◆HrtGSGllns ： ：2010/08/03(火) 21:57:43 ID:7KZ244lQ
-
┌──────────────┐
│練習するんだお？ ちゃんと .│
└──────────────┘
-―-=――-
'" ｀丶、
_∠ -‐ ／ ヽ、
／ ' 、 ＼ ヽ
. / ／ ／ 〃 j } ヽ`く＾ヽ、ハ
/ ｲ { ｛{ / j / ,' } ヽ:::::＼}
{! /::{ 人 从 〃 /,ｲ / l:::::::::ﾍ
うん ∨::小 ｛`＜⌒{{ ／￣jノﾄ､ / } ::::::::::}
. {:::::ﾊ ヽ､_＞ 二八_（ _ 厶j＼ ｌ::::::::::,'
∨八. ＼'¨￣` ＝=ﾐ ﾉ , /:::::::::/
＼ こミ ' ／ ／ /::::::／
人. ゝ ` ｰ 彡=-─厶／|
/ /＼ぐ＞､＿ イ_}｝ / / │
〃 / {／〈| __／ ∨／{ l.{
{ｆ斗―-イ _>＜´ ∠`ーｚ-八
／ { ,レ'´ _爪 ＼ ／ ／ ヽ＼
. / ｜ 〉 ／ﾉ |/／ / ／ | ヽ
. - 15 ： ◆HrtGSGllns ： ：2010/08/03(火) 21:57:55 ID:7KZ244lQ
-
┌─────────────┐
│サボったら承知しないお？ │
└─────────────┘
-―-=――-
'" ｀丶、
_∠ -‐ ／ ヽ、
／ ' 、 ＼ ヽ
. / ／ ／ 〃 j } ヽ`く＾ヽ、ハ
/ ｲ { ｛{ / j / ,' } ヽ:::::＼}
{! /::{ 人 从 〃 /,ｲ / l:::::::::ﾍ
うん ∨::小 ｛`＜⌒{{ ／￣jノﾄ､ / } ::::::::::}
. {:::::ﾊ ヽ､_＞ 二八_（ _ 厶j＼ ｌ::::::::::,'
∨八. ＼'¨￣` ＝=ﾐ ﾉ , /:::::::::/
＼ こミ ' ／ ／ /::::::／
人. ゝ ` ｰ 彡=-─厶／|
/ /＼ぐ＞､＿ イ_}｝ / / │
〃 / {／〈| __／ ∨／{ l.{
{ｆ斗―-イ _>＜´ ∠`ーｚ-八
／ { ,レ'´ _爪 ＼ ／ ／ ヽ＼
. / ｜ 〉 ／ﾉ |/／ / ／ | ヽ
. - 16 ： ◆HrtGSGllns ： ：2010/08/03(火) 21:58:15 ID:7KZ244lQ
-
そんなときだった
視界の隅に薄ぼんやりと影が見えた
その影はとても懐かし人たちだった
二人ともやる夫と羽入を見て笑っている
┌───────────────────┐
│やぁ、父さん母さん、二人とも花見かお？ │
└───────────────────┘
二人は笑いながら首を横に振った
. - 17 ： ◆HrtGSGllns ： ：2010/08/03(火) 21:58:27 ID:7KZ244lQ
-
┏━━━━━━━━━━━━━━┓
┃お前の彼女を見に来たんだ ..┃
┗━━━━━━━━━━━━━━┛
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
┃花のように美しい人だから花見かもしれないねぇ .┃
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
┌────────────────┐
│はは！ それは間違いないお！ │
└────────────────┘
. - 18 ： ◆HrtGSGllns ： ：2010/08/03(火) 21:58:38 ID:7KZ244lQ
-
/:::::::::::::/ l l ヽ ', l /! l } l ﾊ:::::::::::::::::::l
. /::::::::::::::il ! ヽ、 ＼__ヽ ', l-/十‐l- ..._/ l i::::::::::::::::::|
,'::::::::::::::::ｌ| ヽ ＞=''二_￣ `ヽヽ ヽ ｌ/ l / /l｀ .,' l !:::::::::::::::::|
!::::::::::::::::l l ヽ、 ´ ﾍ ¨ ‐-､ﾄ､ } / 'ｲ ／ ! / l l:::::::::::::::::|
!::::::::::::::::l ', `t‐---` ＿ ﾘ ／ --/／ ｜ / / l::::::::::::::::::!
l::::::::::::::::ﾍ ヽ ', _..´---､ }／ zニニ_‐-､ l / / ,'::::::::::::::::,'
.V:::::::::::::::ﾍ ＼ ヽ zﾆ-‐ ￣ ｀ ｀ヾｨ'′ ,ｲ ,ｲ:::::::::::::::/
V::::::::::::::::ヽ 丶､ ｡ ﾟ。 l ﾟ ｡ ／/ / |:::::::::::::/
ヽ:::::::::::::::::i＼. ￣ヽ｡ ､__ ＿_, ﾟ 。. ´ / / l:::::::::／
＼:::::::::::', ｀iｰ- ..＿_ﾟ_､ __ ﾟ ｡l / ／ /:::／
丶､:::::ヽ l l ヽ、 , ィ´/ '´/ /イ
iー-`.', ', l `丶､ , イ l /ｲ .／ l !
| Ⅵ､ ', ﾉ _!¨ ‐- -- '' ´ !、 l / ／ l |
| / _.. ---ヽ､ ﾍ‐ '' ´ ! | `ｰく‐､----- ､. |
／／ ,-‐､/ムヾ､ / r―ｷェ‐､ ヽ|
/ / `ｰ-ｲﾊ..._） ヽ‐イﾊ`‐' ',
やる夫は彼女を見た
彼女は涙を流していた
だから拭いてやろうと思ったが・・・
よく考えればもうできなかったことに気づいた
. - 19 ： ◆HrtGSGllns ： ：2010/08/03(火) 21:58:49 ID:7KZ244lQ
-
. / : :! . i: : : ::::i: :.:i: : : : : : : : :i: : :.!: : :.!: : : : :.i: . : :.!;;;;;;;;
/! : |. : : :!: : : ::::!: :.i: : : : :/: : :.:!: :./:: : :j::. : : : :i: : : . . ｉ;;;;;;;;
,';;! i : !: : : :!: : : ::::i: : !: : :.:,' : : :.:.|: /::. : /!:::. : : : !:. : : : : :i;;;;;;;;
i;;;! i : :.: : : :ヽ:. : :::ﾄ.::ﾄ.: :.:i: : : : :.i/ ｊ.j: / ｉ::j:: : :./:::. : : : : :!;;;;;;;
|;;;! | : :＼:. : : !>' ＜⌒､: j: : :./:/ //⌒＞ ﾉ: ノ:::: : : : : : :!;;;;;;;
|;;;i ｊ :i: : : ヽ::.:.ヽｘ,==ｒミ＼ .::ﾙ' ｒ==ｒミ/／|.:::/:::.:. : :./;;;;;;;;;
. !;;;ヽ ハ: : : :::ヽ.,.ｲゝｲil::| ヾ! |ゝｲil:::| ﾚﾉ.:/::::.: : :./:!;;;;;;;;;;
そろそろ、時間ですか？ ;;;;;;;;;>、ヽ:.:.:.:.:.＼ゞﾟｰ''ﾉ ゞﾟｰ'':ｿ /／:::. : :／!.:|;;;;;;;;;;
ヾ;;;ｊ ＼ :｀￢‐- ￣｀ , ´￣ ／::. : :／: .ｲ ﾉ;;;;;／
ヾ! ヽ:: : :＼ '' '' ｒ―‐ ､ '' '''／:: ::...ィ::::／iイ;;;／::::::
//.:i.:::::::..､ ヽ..___ﾉ ´￣了:::: /::::::|::!´::::::::::::
. ｉ iﾊ:|.:.:::::::/:＞.... . ..イ !::: : /､::::::|::i:::::::::::::::
. ｉ ｉ: ﾊ :.::::i:::::::i::i::::＞--ｒ |ｲ::/: : ＼j:::!::::::::::::::
. ｉ ｉ: : :〉:::::!‐ｧ': : /: : : : ヽ ノｉﾘ/: : : : /`ｰ‐-... __
. ｉ ｉ: :/ ヽ|/: : : :! : : : : : : Ｖ´ : : : : : : : : /:::::::. : : : :ﾉ
┌───────────┐
│うん、そうみたいだお .....│
└───────────┘
. - 20 ： ◆HrtGSGllns ： ：2010/08/03(火) 21:59:03 ID:7KZ244lQ
- ,. -― - ､
＿,.／ ＞x
／ _＼
／ ヽ ＼::｀..ヽ
/⌒, ＼ ＼ ＼:::::::＼
／:::::/ { ヽ ＼ ヽ. ＼:::::::ヽ
/::::::::::| ∧ ∨ ハ } ヽ:::::ハ
. ,':::::::::::∧ ヽ ヽ l ﾊ | | Y:::::::}
l:::::::::::/ ヽ ＼ ＼ l斗f‐十.| lハ .ﾄ、:::l
{:::::::::{ ハ _＼x ― ＼ ハ/ 」l从 ;ｲ .! | }:::::|
l:::::::/{ ヽ ＿ _≧二｀ ｀ j/ rfう丁メ、 | ! / l:::::.}
l:::::::| l l ｧ孑'ハ {:{ ;り ∨ ./ ∧ }／ どうでした？
ヽ::::ト、. ∨ ! V j | 辷 タ 〃/ / |
. ＼ ＼ ＼ 弋 タ′ _ィ_ ／ ィ |
|ミ､_ ≧ ' ≦ ィ ! |
| 丁< ｀ ｰ ‐ ’ ｲ | | |
| | |＞ ．_ ／L! ! | |
| | | _｣｀ ¨ ´ / ハ.! | |
| | | ／ |│ / / ＼ ! |
j |_,.rf ' |│ ./ / /￣￣＼
/ ／ .l ! | / / / ヽ
. / ／ | ! !／／ / 」
/ 〈 / .| .ヽ／ / ／ l
/ / ヽ / | ／ ／ ／ .}
. / | / .|／ ／ ,ィ ∧
// l 7 / .／ Y′ / ﾍ
// .l / / ／ ヽ} ハ ＼
. /人 .! { / / / / ＼
羽入は主語も何の飾りもなくそんなことをいった
そのまま柔らかな表情を浮かべる
. - 21 ： ◆HrtGSGllns ： ：2010/08/03(火) 21:59:24 ID:7KZ244lQ
-
┌─────────┐
│そうだおねぇ・・・ .│
└─────────┘
暖かい風が吹き抜けていく
やる夫は目を閉じて想い出を振り返った
楽しかったこと、苦しかったこと、嬉しかったこと、辛かったこと
それらが泡のように浮かんでは消えていった
そして最後に見えたのは・・・
┌──────────────────────────────────┐
│ ..:: / / ＼.::.:＼ ::. │
│ ..:: ／/ / / ヽ ヽ.::.::ヽ ::.. ....│
│ ..:: /.::.::′ ′ / / / ', ヽ l ｌ l.::.::.::.ヽ :: ..│
│ .:: /.::.::.:.| ｌ ｌ ∧ l 、 |｜ ｌ |.::.::.:＜ :: ..│
│ :: |.::.::.::.:| | ｌヽ {_ム- （ ( | }ハ┤|_ | |.::.::.::.::| :: ......│
│ :: |.::.::.::.:| | | ）ﾉ Vハ＼ ヽ ﾉﾉ ﾉﾉﾉ )７メ､| |.::.::.::.::| :: ......│
│ :: |.::.::.::.:...、 |＼イ ィ爪抔不 ＼ （ 不孑丐ミx ハ ﾉ.::.::.::.:.| :: ......│
│ .:: 、:.::.::.:.::ヽ /l | L :::::::::」 ） ﾉ L ::::::::」 }/ | /.::.::.::.::.ﾉ :: ......│
│ .:: ＼.::.::.::.:l∨{ （ / l| /.::.::.::／ :: ..│
│ :: |＼.::.:| 人 ＼ """ : """ / ノ|／|.::.:／| ::: .....│
│ :: l ＼| ＞---r- 、 , -r-＜ ﾉ j／ | :: ......│
│ .:: ﾉ / ﾉl ＼ ￣ ／ l | :: │
│ ..:: ／ / / ,' ! ＞ ＿_ 个 、 ｌ l l 八 ::.. ......│
│ ..:: ／ / / | _ノ /（ ）| ＼l l ＼ ::.. │
│ :: / 「 {..:..＼. ／/ }＼ 、 ヽ :: ......│
│ / ７ 八 ヽ ..:..:＼ ／.:./ ′ 丶 ヽ .│
│ ／ ／ / / ', ＼..:..:＼／.:..:./ / 丶 ＼ ...│
│ / ／ ／ / / 、 ＼／..:..:／ / ＼ ......│
│ / / / / ヽ ＼／ ／ ヽ .│
└──────────────────────────────────┘
羽入の笑顔・・・
. - 22 ： ◆HrtGSGllns ： ：2010/08/03(火) 21:59:42 ID:7KZ244lQ
-
..:: / / ＼.::.:＼ ::.
..:: ／/ / / ヽ ヽ.::.::ヽ ::..
..:: /.::.::′ ′ / / / ', ヽ l ｌ l.::.::.::.ヽ ::
.:: /.::.::.:.| ｌ ｌ ∧ l 、 |｜ ｌ |.::.::.:＜ ::
:: |.::.::.::.:| | ｌヽ {_ム- （ ( | }ハ┤|_ | |.::.::.::.::| ::
:: |.::.::.::.:| | | ）ﾉ Vハ＼ ヽ ﾉﾉ ﾉﾉﾉ )７メ､| |.::.::.::.::| ::
:: |.::.::.::.:...、 |＼イ ィ爪抔不 ＼ （ 不孑丐ミx ハ ﾉ.::.::.::.:.| ::
.:: 、:.::.::.:.::ヽ /l | L :::::::::」 ） ﾉ L ::::::::」 }/ | /.::.::.::.::.ﾉ ::
.:: ＼.::.::.::.:l∨{ （ / l| /.::.::.::／ :: ・・・
:: |＼.::.:| 人 ＼ """ : """ / ノ|／|.::.:／| :::
:: l ＼| ＞---r- 、 , -r-＜ ﾉ j／ | ::
.:: ﾉ / ﾉl ＼ ￣ ／ l | ::
..:: ／ / / ,' ! ＞ ＿_ 个 、 ｌ l l 八 ::..
..:: ／ / / | _ノ /（ ）| ＼l l ＼ ::..
:: / 「 {..:..＼. ／/ }＼ 、 ヽ ::
/ ７ 八 ヽ ..:..:＼ ／.:./ ′ 丶 ヽ
／ ／ / / ', ＼..:..:＼／.:..:./ / 丶 ＼
/ ／ ／ / / 、 ＼／..:..:／ / ＼
/ / / / ヽ ＼／ ／ ヽ
目を開ければ、そこには想い出と寸分と違わぬ笑顔
風にそよぐ髪を押さえ、やる夫に微笑みかけている
┌────────────────────────┐
│・・・うん、良かったと思うお。羽入はどうだったかお？ .│
└────────────────────────┘
. - 23 ： ◆HrtGSGllns ： ：2010/08/03(火) 21:59:58 ID:7KZ244lQ
-
-―-=――-
'" ｀丶、
_∠ -‐ ／ ヽ、
／ ' 、 ＼ ヽ
. / ／ ／ 〃 j } ヽ`く＾ヽ、ハ
/ ｲ { ｛{ / j / ,' } ヽ:::::＼}
{! /::{ 人 从 〃 /,ｲ / l:::::::::ﾍ
∨::小 ｛`＜⌒{{ ／￣jノﾄ､ / } ::::::::::}
わたしもそう思います . {:::::ﾊ ヽ､_＞ 二八_（ _ 厶j＼ ｌ::::::::::,'
∨八. ＼'¨￣` ＝=ﾐ ﾉ , /:::::::::/
＼ こミ ' ／ ／ /::::::／
人. ゝ ` ｰ 彡=-─厶／|
/ /＼ぐ＞､＿ イ_}｝ / / │
〃 / {／〈| __／ ∨／{ l.{
{ｆ斗―-イ _>＜´ ∠`ーｚ-八
／ { ,レ'´ _爪 ＼ ／ ／ ヽ＼
. / ｜ 〉 ／ﾉ |/／ / ／ | ヽ
┌────────────────────┐
│そっかお・・・ところで一人で大丈夫かお？ │
└────────────────────┘
彼女の笑顔はとても満足げだったが、やる夫はちょっと心配になった
こういう性分がきっと彼女を困らせてきたに違いない
. - 24 ： ◆HrtGSGllns ： ：2010/08/03(火) 22:00:57 ID:7KZ244lQ
-
／ ＼
._／ ／ /. ヽ ＼ ﾊ
／.:.:.:.／ { ｲ } i .＼.:＼
／.:.:.:.:.:ｲ .ﾄ .| l i l ﾊ .ｌｌ }:.:.:.:＼
. {.:.:.:.:.:.:/ { .l＼|_ ＼{＼ | /. |/ } ∧.::.:.:.:.:＼
. l.:.:.:.:.:/ ＼__ ＼ ＼ } /l /／∠__＿／ .l.::.:.:.:.:.:.|
l..:.:.:.:| ｌ ￣ ○ l / ○ O } l:.:.:.:.:.:/
ﾍ.:.:.:.:| ﾍ / /l:.:.:.:/
もう！ 大丈夫です！ ＼.:ﾄ 丶､＿＼/// r‐‐‐─┐ ///∠ ,, / l:.:./
＼ l {￣ . |〃￣ ヽl ｰニ´__ イ }/
〉､ ＞-,_ | | /￣ / i
./ / `'.{ ＿＿_ i._/´￣＼イ. |
/ __（ j＿.X＿.{ 〉､ {
/γヽ入＿＿ 人 {} `､ 人`＞ゝ
ヾー---''" | ／ ￣／ >､_/|ヽ_,< l>ーr.'´ ＼∧}
＼＿＿_.〈 .／| ＼__ll__／. l. : .＼. ＼i
/ `ー‐'ｰ"| . : O.. |. : |(__＼ __人＿,,,／l
./ ／ |. . : : : 0.:.:|. : | `'' ｀`＼ ／
| /{ ./ |. ー=‐ 0 . |. : | 〉 } ｌ`─.''
|/ l / | |＿ . : O |＿_}. /| |＼|
案の定、羽入は憤慨している
しまった、また怒らせてしまった・・・
プリプリと頬をふくらます様子は相変わらず子供のようだった
. - 25 ： ◆HrtGSGllns ： ：2010/08/03(火) 22:01:15 ID:7KZ244lQ
-
┌─────────────┐
│これからどうするのかお？ │
└─────────────┘
_,. -──-- ､_
,.-__ r-､-. ト--.､
' ｲ ＼＼＼ ＼::::::＼
/ ｲ | ヽﾊ. ＼ ヽ:::::::ヽ
' ' |│､| ｫ什十ﾄ! | ﾚ::::::::l
/li! | vl-ﾄゝ､,. j/z!‐j/､ﾚｲr::::::::::ｲ
(:::|l ヾ ヽj =,､ l./ ﾍﾊt! j {:::／..ヽ
・・・世界をぐるっと見てきます V|ゝ ＼ﾊ 7rj ｀ "/ イ ::::::::::: ＼
ﾚゝ＼lヾ!" ' , ｲイ＼ ::::::::::: ＼
|l !:::ゝ. ｀ ／ |::::::::::＼: :::::::::::::`. ､
|i :::::::::|｀..ｰ─r' ／ ＼::____:＼:::::::::::ヾ:::`..､
ゞ ::::::::ゝ::__,:イ／ ,.イ ,. ---､ヾヽ:::::::::::`:::::::＼
＼:,.ｲ´| ／ ／ / / |ﾄ､::::＼:::::::::::＼:::`i、
_/ノ! ／ ／ ﾚ' /:::::＼.:::: i､:::::::::::: 'i::::ヽ.
/_/ ／ ／ 「_￣_:.`ｰく::＼::::::::ﾞl.,::::ﾊ ::::: |!:: !
〈 ,! ,' / ｢:.~: : :~: rィ'ヽ::::＼::: i::. |ヽ::: |!:: |
ｲ.:ﾚ / ,.ｲ: : : : : : ∧ :::::l::::::::ﾞ!::|: | |:: |!:: !
/: : :|＿__l!＿__/:.:|: : : : : :/ :::l::::: l :::::: !::!:: | |:. ﾉ ,.'
': : : ＞rt===.／/:.:| : : : :∧ :::|:::::ｲ::i:::. ﾚ|:: | j／ ／
/: ／ ,.イ|tｽ／: :/: : !: : : :/! :::: l::/ |: |:::: | |:: ﾚ'′／
. /: .lL_' ／!ﾊV: : : ' : : : : : :/三ゝj/ |::|!:: ﾉ ' ,' ,.イ/
.': : :くミ|^∨／: : : : : : : : :./三三三 ` ー＜j／ ﾚ′ '
i: : : へ'三/: : : : : : : : : :.:/ 三三三三三三 ＼
. - 26 ： ◆HrtGSGllns ： ：2010/08/03(火) 22:01:44 ID:7KZ244lQ
-
┌────────┐
│ ぐるっと？ │
└────────┘
/:::::::::::::/ l l ヽ ', l /! l } l ﾊ:::::::::::::::::::l
. /::::::::::::::il ! ヽ、 ＼__ヽ ', l-/十‐l- ..._/ l i::::::::::::::::::|
,'::::::::::::::::ｌ| ヽ ＞=''二_￣ `ヽヽ ヽ ｌ/ l / /l｀ .,' l !:::::::::::::::::|
!::::::::::::::::l l ヽ、 ´ ﾍ ¨ ‐-､ﾄ､ } / 'ｲ ／ ! / l l:::::::::::::::::|
!::::::::::::::::l ', `t‐---` ＿ ﾘ ／ --/／ ｜ / / l::::::::::::::::::!
l::::::::::::::::ﾍ ヽ ', _..´---､ }／ zニニ_‐-､ l / / ,'::::::::::::::::,'
.V:::::::::::::::ﾍ ＼ ヽ zﾆ-‐ ￣ ｀ ｀ヾｨ'′ ,ｲ ,ｲ:::::::::::::::/ はい
V::::::::::::::::ヽ 丶､ ヾ､ l ／ ／/ / |:::::::::::::/
ヽ:::::::::::::::::i＼. ￣ヽ￣ ､__ ＿_, ∠.... ィ ´ / / l:::::::::／
＼:::::::::::', ｀iｰ- ..＿_`_､ __ /l / ／ /:::／
丶､:::::ヽ l l ヽ、 , ィ´/ '´/ /イ
iー-`.', ', l `丶､ , イ l /ｲ .／ l !
| Ⅵ､ ', ﾉ _!¨ ‐- -- '' ´ !、 l / ／ l |
| / _.. ---ヽ､ ﾍ‐ '' ´ ! | `ｰく‐､----- ､. |
／／ ,-‐､/ムヾ､ / r―ｷェ‐､ ヽ|
/ / `ｰ-ｲﾊ..._） ヽ‐イﾊ`‐' ',
なぜだかやる夫は懐かしい気持ちになった
見れば羽入も笑っている
けれども・・・
もうこらえられないのだろう、再び涙が溢れはじめた
だが、その泣き笑いは妙に目を引きつける
・・・でも、このまま見てるわけにもいかないんだろうなぁ
. - 27 ： ◆HrtGSGllns ： ：2010/08/03(火) 22:02:04 ID:7KZ244lQ
-
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
/ !7,, . ,, ! ﾊ、 ＼
／ , ﾄ､ rｧ‐-､ u ／ / |＼ ﾊ
やる夫君？ やる夫君！？ あっ・・・あああぁぁぁぁ・・・！ _＿/ ／| | /｀＞ ､｀ ー' ／ /|／ ） ／ /
＼ヽ|￣＼ |⌒,.ゝ‐ｧ'｀i''7"´/ ／⌒ヽ イ‐''´ レ'＿,,,... --─ｧ
` ､ ｀/´ ,| /ﾑ'"´!,／ ｀Y´￣ア｀) ／
＼／ /|// ,ﾊ､／/ ! (´ ／
l !:::/ |::::::| | ／
,〈 ゝｧ‐-､,|く_ｒ‐'‐､〉::〈 ､_＿_/ 〉--─ ''"´
／ `/ ,!:::::::::::::::::::::::ｿ´ ｀'y-'´＼
∠..,,＿/ /:::::::::i::::::::::::/ /! (´ ＼
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
/ .（__人___） ﾑ ｲ r ヽ
./ / ヽ`⌒´ | .l / ､ l
/ / 八_ ､__ ／l | ,' l l
. / ,' ヽ| | ﾉ ﾊ l やる夫？ やる夫！？ ・・・この馬鹿野郎がぁ・・・！！
/ .l ∧ | ﾚ' ノ l
/ l ノ ヽ | | ﾉ }
∧ / ,〆 ﾍ l , ' l
ヽ､＿,ﾉ'´ ﾍ .l / ﾉ
', | / ,'
ﾄ､ ノ ﾉ
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
『その時』何かが決定的に終わった気がした
階下からなにやら騒がしさが伝わってくる
やらない夫、大ちゃん、他にもいろんな人がやる夫の名前を呼んでいる
しかしやる夫はもう彼らのもとへと戻ることはできなかった
. - 28 ： ◆HrtGSGllns ： ：2010/08/03(火) 22:02:25 ID:7KZ244lQ
-
┌─────────────────┐
│・・・じゃあ羽入、やる夫はもう行くお │
└─────────────────┘
..:: / / ＼.::.:＼ ::.
..:: ／/ / / ヽ ヽ.::.::ヽ ::..
..:: /.::.::′ ′ / / / ', ヽ l ｌ l.::.::.::.ヽ ::
.:: /.::.::.:.| ｌ ｌ ∧ l 、 |｜ ｌ |.::.::.:＜ ::
:: |.::.::.::.:| | ｌヽ {_ム- （ ( | }ハ┤|_ | |.::.::.::.::| ::
:: |.::.::.::.:| | | ）ﾉ Vハ＼ ヽ ﾉﾉ ﾉﾉﾉ )７メ､| |.::.::.::.::| ::
:: |.::.::.::.:...、 |＼イ ィ爪抔不 ＼ （ 不孑丐ミx ハ ﾉ.::.::.::.:.| ::
.:: 、:.::.::.:.::ヽ /l | L :::::::::」 ） ﾉ L ::::::::」 }/ | /.::.::.::.::.ﾉ ::
.:: ＼.::.::.::.:l∨{ （ ｡ ﾟ ﾟ｡ / l| /.::.::.::／ :: ・・・はい
:: |＼.::.:| 人 ＼｡ ﾟ : """ ﾟ ｡/ ノ|／|.::.:／| :::
:: l ＼| ＞---r- 、 , -r-＜ ﾉ j／ | ::
.:: ﾉ / ﾉl ＼ ￣ ／ l | ::
..:: ／ / / ,' ! ＞ ＿_ 个 、 ｌ l l 八 ::..
..:: ／ / / | _ノ /（ ）| ＼l l ＼ ::..
:: / 「 {..:..＼. ／/ }＼ 、 ヽ ::
/ ７ 八 ヽ ..:..:＼ ／.:./ ′ 丶 ヽ
／ ／ / / ', ＼..:..:＼／.:..:./ / 丶 ＼
/ ／ ／ / / 、 ＼／..:..:／ / ＼
/ / / / ヽ ＼／ ／ ヽ
.
. - 29 ： ◆HrtGSGllns ： ：2010/08/03(火) 22:02:44 ID:7KZ244lQ
-
┌──────┐
│あっ・・・ │
└──────┘
やる夫は最期に一つ思いついた
┌─────────────────────────────┐
│羽入！ もし世界をぐるっと回っても、楽しいことがなかったら・・・ .│
└─────────────────────────────┘
そのとき、一段と強い風が吹いた
┌────────────────────────────┐
│次は契約でも結婚でも何でもしてやるから・・・だから頑張れお！. ...│
└────────────────────────────┘
. - 30 ： ◆HrtGSGllns ： ：2010/08/03(火) 22:04:13 ID:7KZ244lQ
-
/:::::::::::::/ l l ヽ ', l /! l } l ﾊ:::::::::::::::::::l
. /::::::::::::::il ! ヽ、 ＼__ヽ ', l-/十‐l- ..._/ l i::::::::::::::::::|
,'::::::::::::::::ｌ| ヽ ＞=''二_￣ `ヽヽ ヽ ｌ/ l / /l｀ .,' l !:::::::::::::::::|
!::::::::::::::::l l ヽ、 ´ ﾍ ¨ ‐-､ﾄ､ } / 'ｲ ／ ! / l l:::::::::::::::::|
!::::::::::::::::l ', `t‐---` ＿ ﾘ ／ --/／ ｜ / / l::::::::::::::::::!
l::::::::::::::::ﾍ ヽ ', _..´---､ }／ zニニ_‐-､ l / / ,'::::::::::::::::,'
.V:::::::::::::::ﾍ ＼ ヽ zﾆ-‐ ￣ ｀ ｀ヾｨ'′ ,ｲ ,ｲ:::::::::::::::/
V::::::::::::::::ヽ 丶､ ｡ ﾟ。 l ﾟ ｡ ／/ / |:::::::::::::/ はいっ！
ヽ:::::::::::::::::i＼. ￣ヽ｡ ､__ ＿_, ﾟ 。. ´ / / l:::::::::／
＼:::::::::::', ｀iｰ- ..＿_ﾟ_､ __ ﾟ ｡l / ／ /:::／
丶､:::::ヽ l l ヽ、 , ィ´/ '´/ /イ
iー-`.', ', l `丶､ , イ l /ｲ .／ l !
| Ⅵ､ ', ﾉ _!¨ ‐- -- '' ´ !、 l / ／ l |
| / _.. ---ヽ､ ﾍ‐ '' ´ ! | `ｰく‐､----- ､. |
／／ ,-‐､/ムヾ､ / r―ｷェ‐､ ヽ|
/ / `ｰ-ｲﾊ..._） ヽ‐イﾊ`‐' ',
春の風に吹かれ舞い上がる
そこにやる夫が最期に見たもの・・・
それは泣き濡れて、しかし凜として咲き誇り、咲き乱れる、薄紫色の桜だった
～～思うがままに生きるのは難しいようです～～
～～羽入ルート独唱 fin～～
. - 31 ： 名無しのやる夫だお ： ：2010/08/03(火) 22:05:18 ID:ighfDElU
- (´；ω；`)乙でした
ノーマルと佳苗は泣けるね - 32 ： ◆HrtGSGllns ： ：2010/08/03(火) 22:05:21 ID:7KZ244lQ
-
ご覧いただきありがとうございました！
本日はこれにて了、また現在のルートも終了です - 33 ： 名無しのやる夫だお ： ：2010/08/03(火) 22:07:31 ID:1z2fDoZQ
- 乙でした
次は大ちゃんかあ - 34 ： 名無しのやる夫だお ： ：2010/08/03(火) 22:09:42 ID:NxWvrmck
- 乙
ノーマルが一番良いルートだと思うぜ・・・
大ちゃんルートと羽入の別ルートは、ある意味矛盾が残るからな - 35 ： ◆HrtGSGllns ： ：2010/08/03(火) 22:10:17 ID:7KZ244lQ
-
次回からは、大妖精ルートをお送りします
選択肢の分岐後の書き駄目が残っているので
短いですが来週辺りにそれを投下させていただきます
それいこうはお盆後という予定なので
お待たせしますが、大妖精ルートもよろしくお願いします
>>31
>>33
合いの手、乙などありがとうございました
また前スレで誘導してくれた方もありがとうございます
ちなみに
(´；ω；`)ﾌﾞﾜｯ に私も泣けてきてしまいました - 36 ： 名無しのやる夫だお ： ：2010/08/03(火) 22:12:31 ID:.fYBdq5w
- 乙でした
本当に切ないな - 37 ： 名無しのやる夫だお ： ：2010/08/03(火) 22:15:10 ID:ighfDElU
- 屋上のシーンで流れてる曲が妙に悲しくなるし
その後のED曲を聞くと(´；ω；`)ﾌﾞﾜｯとなるな
大ちゃんルートもハンカチ必須だね - 38 ： 名無しのやる夫だお ： ：2010/08/03(火) 22:18:32 ID:uNSACYQc
- 乙
ぼやけて画面がよく見えねぇ・・・ - 39 ： ◆HrtGSGllns ： ：2010/08/03(火) 22:21:17 ID:7KZ244lQ
-
どうもご感想ありがとうございます！
思うところは多々あるかと思いますが、楽しんでいただけたようで幸いです
それと・・・
えー・・・実はこれでも隠そうとしてたのですが
原作未プレイの方にももう完全にバレバレだと思うので本当の今後の予定を書きますｗ
今後は大妖精ルートをお送りしますが、その後もう一つの羽入ルート～アンコール：合唱～もお送りします
というわけで今後もよろしくお願いします！
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